番外

 の山

2011/5/4  大峰山 (399.5m)   
コールデンウィークの三連休、連続で低山に登る決意をして、2日目。
この日のメインは実は桜だった。
新潟県には国の指定する天然記念物の桜が5つある。そのうちの1つである橡平桜樹林が見頃だというので、それを見に行くことにしたのだ。
この桜樹林は、桜の林の中に入って行けるわけではなく、対岸の山から眺めるものだ。
その山に登ろう。
山の名前は大峰山。
大峰山は日本で一番小さい山脈として有名な櫛形山脈の端っこの山である。
桜の季節は麓の桜公園からたくさんの人たちが登山する。
我々はもう一つ欲張って、滝を見がてら周遊できるコースを選んだ。
9時半すぎ、桜公園の駐車場の警備員さんの前をすり抜けて、貝谷集落を通過、一の沢川沿いの道に入り、登山道の入り口に到着した。
特に駐車スペースはなく、路駐なのだが、5台ほどが駐車していた。
杭に書かれている案内の通りに歩きだす。
最初は自動車も通れるほどの林道だが、10分弱歩くと堰堤が現れる。堰堤を小さく巻く道から本格的な登山道になる。
杉林の中のなだらかな登りで、ミヤマカタバミがたくさん咲いている。
正面から水の音がしたと思ったら、「大瀑」の表示。
10時13分。 大瀑到着。
表示の杭からは左写真のように二段の滝としてしか見えないが、実はこの下流に見える部分よりも大きな滝が存在する。
杭よりかなり手前で谷のほうに目をこらすと、木々の間に落ちているのが見えるのだが、滝前に出るにはかなりの技術と根性が必要だと思われるので、我々はあきらめて、見える2段だけ撮影した。
右岸から滝の脇を登り、滝の上に出ると、たくさんの人が休憩していた。
ふと気がつくと、あらまあ、サカンヨウが咲いている。
こんなに早くからサンカヨウを見られるとは思っていなかった。
10時25分。法印瀑。案内看板からまっすぐ沢に向かって左側をみると法印瀑である。
登山道は看板の手前を左に曲がり、滝の横を上って行く。
我々が滝の方に行ったものだから、後続の登山者が続々と滝前に来てしまって、こっちは登山道ではありません、と説明する羽目になってしまった。 
法印瀑は、こんな滝だったっけ?というくらい立派な滝だった。
実は、2002年の同じ日に大滝と法印瀑に来ているのだが、全く印象が違った。(2002年のレポはこちら
写真ではちょっと小さく写ってしまっているが、狭まった岩盤の奥に落ちるダイナミックな滝に見えた。
2002年と比較すると分かるのだが、今年は2002年ほど緑が萌え出ていないし、水量も多い。雪が多くとけにくかった年であることの証明みたいなものだ。
登山道に戻って、法印瀑を右岸から巻く。
滝を横から見ることができる。
滝を縁取る新緑がまぶしい。
さらに沢沿いに登山道を登って行くと、遠くにまた滝が見えた。
こちらの滝はおそらく無名。
落差はそれほど無く、2段合わせて5メートルあるかないか。でも、立派な滝だ。
滝下まで登山道は続いていない。
滝の手前で沢を渡り、かなりの角度で登ることになる。
しかし、その途中で、滝の上流が見え、まだ小さな滝を隠しているのに気づく。
たぶん、雪解けの頃か雨後くらいしか滝としてはっきり見える水流ではないと思うのだが、滝好きにはちょっと嬉しい登りだ。
沢から離れても緩やかに登る。
が、一面カタクリだらけの場所になった。
登りなので、目の高さにカタクリの紫が広がる。
ちょうどお日様がさして、星型の笑顔がみんなこっちを向いていた。
登山道の両側がカタクリのカタクリロード。
それが終わったと思ったら、今度は両側がオオバキスミレのキスミレロード。
11時05分。櫛形山との分岐。
我々は櫛形山ではなく、大峰山に行くので、ここは右に。
実は今日の行程で一番標高が高いのはここ。501.7m。
あとはゆるゆると下って行く。
本当になだらかに下って行く。
緑が噴出すように両側を覆う。
途中で「シラネアオイが咲いているって聞いたんですが」と探している女性がいたので、ちょっとだけ付き合って探したが、みつけられなかった。
あまりにもだらだらと下るので、いいかげんつまらなくなってきたら、目の前に林道が出現。えー、自動車で来れる場所なのぉ?11時50分。
あとで調べたら、どうも箱岩林道らしい。
我々の利用した登山道はほぼ箱岩林道と平行しているが、ここに来るまでちっとも気がつかなかった。
林道とは合流せずに、登山道が続いている。
12時ちょうど、箱岩コース、馬越コースとの分岐。
そこからちょっと登って、北緯38度通過地点。12時05分。
通過したらすぐに人の声がたくさん聞こえてきて、ちょっとだけ広い場所に出た。大峰山山頂である。12時07分。
山頂には三角点はあったが、スペースは全くなかった。よくもまあ、人がこれだけいる、と思うくらい狭い場所に登山者がシートを広げている。
この先にヒュッテがある広場があるのを知っていたので、そちらに進んだ。
そしたら、途中で絶好のスペースがあったので、登山道の脇ではあったが、昼食にしてしまうことにした。
ちょっと下った場所にオオヤマザクラがピンクの花びらを揺らしていて、とても気持ちのいい場所だった。
昼食を終え、そこから5分も歩かずにチェリーヒュッテ大峰のある広場に到着。12時45分。
ここにも本当にたくさんの人がいた。
ここから木々の間に橡平桜樹林が見える。あれ、こんなによく見えなかったっけか。ほとんど見えないじゃないの。
ウロウロしたが、結局よく見える場所が特定できずに、そのまま下山開始。
12時50分。
家族連れや小さな子供までたくさん登ったり下ったりしている。
13時ちょうど、この水は飲料水に適しませんと書かれた沢っぽい場所を通過。ミズバショウが咲いていた。
そこからちょっとだけ歩くと、杉の木が切れて対岸の桜樹林が見通せる場所に出た。
チェリーヒュッテ大峰よりずっとよく見える。
そこからさらに3分も歩くと、一本松展望台。
あずまやのある一本松展望台から見えた桜樹林が左写真。水場の近くよりもちょっと下った分、杉が邪魔になっている。
ここにはヤマザクラの白い花が綺麗な木があった。
13時10分。吉平観音。
この観音さまのすぐそばに若い八重桜の木が何本か植えられている広場があって、鮮やかなピンクがとても綺麗だった。
13時11分。大沢林道、寺沢林道の分岐。
我々が戻るのは大沢林道のコースなのだが、林道の名まえがここではよく分からずに、地図を広げてみたが、やっぱり分からない。とにかく駐車場と書かれたほうに行ってみたら、立派なトイレがあった。
うむ、こっちは寺沢林道、つまりさくら公園に行く林道がわなので、あの分岐の大沢林道がわに行けばよいと判明。
せっかくなのでトイレに寄った。
トイレを出て、分岐まで戻る。
13時23分、分岐。
この先は杉の林の中を地味に歩く。が、今まで見なかったチゴユリなどが咲いている。
こちらのコースはほとんど人が来ないので、静かでのんびりできる。
13時38分。登山道をポンと飛び出て、林道になった。
駐車した林道とはちょっと違う。
ちょうど3台ほど駐車していた自動車に人がいたので、いったいここはどこなのだ、と聞いてみた。法印瀑コースの出発点に戻りたいのだが。
なんのことはない、林道を少し下ると駐車した場所から見えた大きな砂防ダムということだった。我々はつまり、砂防ダムの右岸から登り、左岸から戻って来たわけである。
13時45分。駐車スペース到着。
ご苦労さまでした。

橡平桜樹林を見に行くという理由で、かなり余計に歩いてしまった。
あとでよく地図を見てみると、我々が歩いた法印瀑コースから大峰山に向かうだらだらした下りは、実は橡平桜樹林のすぐ上を通っていたということが判明した。よくよく木々の間を覗いて見れば桜の花の一つや二つ間近に見ることができたかもしれない。いや、そんな気配はちっとも無かったけどなぁ。
ともあれ、昨年の櫛形山に引き続き、大峰山も制覇。決して縦走はしないけど、そのうち細切れで櫛形山脈を攻略できるだろう。

大峰山(法印瀑コース)
最寄ICは、日本海東北自動車道中条IC。国道7号線に出たら右折して、郵便局の金塚局の角で左折貝屋集落に入る。ぐるーっと北に戻る感じで県道を走って行くと、右手に桜公園がある。寺沢林道コースを登る場合はこちらから。桜のシーズンは公園に駐車して、林道を歩くことになる。
法印瀑コースは、そのまま集落に入って行く。道が極端に狭くなり、住宅街になる。ものすごく注意して右側を見ていると、小さく法印瀑、と案内出ている。とにかく小さいので見落とさないように。そこを右折。一の沢川沿いに走って行く。道が土手上と土手下に分かれているが、どっちみち同じ場所に出る。道が合流し、ちょっとだけ走ると、土手の下に小屋がある。これも緑にまぎれそうな小屋なので注意が必要。その小屋に向かって下りて行く道があるので、そっちに進む。
あとは、一番上の写真の堰堤が見える場所(右手の川を渡る橋がある場所)に自動車を駐車。駐車スペースは無いし、もちろんトイレも無い。
登山道は川がわではなく、反対側に杭が立っていて、その林道を歩いて行くことになる。
滝の近くはちょっときついが、概ねなだらかなので、スニーカー程度でも大丈夫だ。


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