番外

 2018年リピの山


村岡城址、六万部山、高森城址
国上山
ヒメサユリの小径
青田南葉山
赤尾岳
岩菅山
月山
白馬大池
東篭ノ塔山

3月17日、3月25日 村岡城址、六万部山、高森城址
                                                                    
3月17日。
今年は2月にとんでもない大雪になったかと思ったら、3月は一転暖かい日が続いた。
あんなにたくさんあった雪があっという間にとけてなくなり、きっと今年の春は遅いに違いないと思っていたのに、もしかしたらいつもより早く草花が咲くかもしれないという状況になってしまった。
と、いうことで、3月もまだ半ばだというのにユキワリソウを探しにいつもの村岡城址に行ってみた。
行ってみたところ、見覚えのある自動車が駐車スペースに。
もしかしたら、abeちゃんかしらん。昨年もここでばったり会っているし。
ダンナが電話してみたら、なんと旦那様のパパさんがいらしているとか。会えるかなぁ。
赤門近くの駐車スペースからお寺を通らずに登るコースは今年もまだ工事中で行くことができないが、強行突破で登ってみた。
なんと途中から遊歩道がなくなって赤土が露出した状態になってしまっていた。
それでもなんとか遊歩道に復帰して、いつものコースを進む。途中のいつも雪がたくさん残っている場所にはまだ雪はあったものの、ほぼ雪解け完了状態で、今まさに咲こうとしているユキワリソウがそこかしこにあった。キクザキイチゲなどもすでに咲いている。
驚いたことにカタクリも花芽をつけていて、来週には開花しそうだった。
ということは、来週はユキワリソウとカタクリの競演になるんじゃないだろうか。

    
城址はまだそれほど咲いている状態ではなかったが、六万部山あたりはけっこうたくさん咲いている。
さらに歩くと、あ、パパさんだ。
久田城址まで行って戻ってこられたらしい。しばらく立ち話をして、来週はよさそうですねと言って別れる。
我々はもう少しだけ先に進んで海は見ずに戻ることにした。

    

今年も道の駅の先にある良寛の里でやっている吊るし雛を見て帰宅。吊るし雛展が有料になっちゃったのは、ちょっと残念だったかな〜。

   


3月25日。
17日にパパさんと会って、トントンと話が進んでabeちゃんパパさんと一緒にユキワリソウを見ることになった。
今回は高森城址から村岡城址に向かって進み、さらに久田城址まで行くコース。
2台自動車があるので、出発は高森城址の入口、ゴールは妙法寺だ。
待合場所の妙法寺では今日が初めてユキワリソウを見に来たのだというご婦人方に我々がガッツリ登山の恰好をしているので、大変なコースなのかと聞かれた。いやいや、お寺さんを通って渡り廊下の下をくぐって階段を登ればすぐに城址ですよ、と教えてあげた。
どこで情報を得たのかしらん。どんどんと村岡城址は有名になっていく。
でも、ユキワリソウの数でいえば、村岡城址は少なくなってきている気がするんだけど。
そんなワケで静かに歩けるコースを行ってみた。
高森城址、いや〜、ほっとんど人、いません。
それもそのはず、ほぼ整備されていないコースで、いったいどこから入ってどこに行くのか、まったく分からない状態になっている。
我々は何度か歩いているので、心配にはならないが、草ぼうぼうのこのコースに人が入ってくることはほぼないだろう。
おかげでものすごく静かで自由だ。ユキワリソウもそこそこありますよ。
この日の一番のユキワリソウはやっぱり六万部山かなぁ。みっちり咲いていました。
とても暖かな一日で、汗かいちゃいましたよ。
abeちゃん、パパさん、お付き合いいただき、ありがとうございました。

    

      

      
                                                                 ↑ページのトップへ


4月1日 国上山
昨年の末頃に旧友と食事をする機会があって、同じ年齢の女3人体力をつけなければ、という話になった。
さらに今年3月、その旧友と一緒に上京して関東在住の友人たちと会い、ますます歩きたいという話が盛り上がった。
いや、私はそれほど歩きたくないんですが。
俄然その気になった友人がユキワリソウを見たいと言い、それなりに県内の山と花を知っている身としては案内しません、というワケにはいかなくなった。でもなぁ、ユキワリソウの最盛期の角田山はほぼ観光地だし、弥彦山は花のきれいな八枚沢登山口は駐車するのが難しいし、明神沢コースは滝のあたりが初心者には危ないし。
南沢あたりはどうだろう、と思ったら、今年は雪が多くて、倒木や登山道の崩落もあると下見に行ってくれたダンナの言葉。
じゃあ、国上山そのものに上がって、南沢からの合流点あたりのユキワリソウを見てもらったらどうだろう。
国上山なら、道の駅くがみで集合して酒呑童子神社から登ることができる。そこそこの登山的要素もあって、初心者にはちょうどいい。
なーんて、ベテランぽく考えて友人2人を案内することになった。
いや、開けてみたら、私の体力がなくて、私がいちばんヘロヘロになりましたとさ。
酒呑童子神社から稚児道を通り、蛇崩れに向かう。けっこう長い道のりで、林道と交差しながら下ったりもする。
しかし、思ったよりも花がすごかった。カタクリ一面満開。しかも、キクザキイチゲがまざって咲いて、お花畑になっている。
こんなにカタクリが咲くんだ、国上山。
蛇崩れを過ぎると南沢の登りつめになるが、チラホラとユキワリソウも見られた。
さすがに時期が遅く、株で咲くものはあまりなかったが、初めてユキワリソウが自然に咲いているのを見た友人たちは大感激していた。
実は国上山の山頂に行く前に剣ケ峰に行ってカタクリの群生の真ん中でランチにする予定だったが、国上山の周辺で十分満足できたので、そっちには向かわずに山頂でランチにした。
たくさんの人が休んでいた。4月に入ったばかりというのに、20度以上になる日で、汗もかいた。
山頂からお寺に向かって下り、稚児道に入って酒呑童子神社に戻るのだが、ちょっと通り過ぎてもう一度稚児道のカタクリのお花畑に行って楽しんだ。
今年は一斉開花になるかもな、と思っていた早春の草花。友人たちが案内してくれと言わなければ来ることがなかっただろう国上山でその一斉開花を見ることができた。友人たちにきれいな花が見れたと感謝されたが、私も大感謝だ。よい一日をありがとう。

    
山も花も初心者の友人たち。スマホで撮影に夢中。

      
  
コバイモも咲くんですよ、稚児道。しかも、けっこう簡単に白いカタクリも探せるんですよ。

    
  
キクザキイチゲは白や薄青が満開。カタクリに白いイチゲがまざって、お花畑。

 10時20分 酒呑童子神社より登山開始。  10時57分 林道合流点。  11時46分 蛇崩れ。  12時10分 国上山山頂、昼食。   12時50分 下山開始。  13時20分 国上寺。 14時25分  稚児道のお花畑撮影後、酒呑童子神社到着。

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5月20日 ヒメサユリの小径
今年はどうも季節の感覚がつかめないまま、春が過ぎ、初夏になっている。
あっと気がつくと、もうヒメサユリが咲いているとカーラジオのニュースが言っていた。
前日の土曜日は土砂降りの雨になり、ちょうど運動会シーズンの学校は運動会が日曜に順延。三条市内の小学校はあちこちで万国旗がはためいている日曜日だ。
そんなこんなで、見頃になっている高城のヒメサユリの小径。午前10時を回っているのにいつもの年よりも駐車場に入る自動車がやや少なかった。みんな運動会に行っているのかしらん。
この道はぬかるむのを知っていたが、あまりにもよいお天気なので長靴などは履かずに出発。しっかり後悔することになった。
お寺から墓場を通って進む道は、只今改修中らしく、もうここから泥っぽい。林道を通り、いよいよ小径にさしかかろうとしたら、鉄塔のほうから下って来たお年寄りが、悪いことは言わないから、鉄塔のほうから登ったほうがいいよ、泥だらけだよ、と教えてくれた。
そうか、もう泥だらけか。
お言葉に従って、入口を通り越して林道の終点の鉄塔まで行く。そこから登って、鉄塔のあたりまで行くとヒメサユリの姿が見え始めた。
最初の坂道にはチップがまかれていて、滑りにくくしてあったが、ほんの少しの間だけだった。むしろチップの量が少なくて、どこがぬかるみでどこが滑るのかかくしているだけで、危ないくらいだった。
道はゆるやかにアップダウンしているので、水の溜まる場所がそこここにあり、低い場所はもう泥だらけ。ぬた場。せめて板でも渡してくれたらなぁ。県外からも来てくれているのだから、泥だらけになって帰らすのもどうかなぁ。泥を避けるためにどうしても道を広げざるを得なくなるし。協力金をもらっているのだから、それくらい配慮してくれてもいいのに、とちょっと残念になる。
日曜しか休みのない週だったのでやることもあって、最初の見晴で戻ることにした。
ヒメサユリは満開一歩手前で、とてもみずみずしく綺麗でしたよ。

    
とてもよいお天気。お寺の道は工事中。

  
  これからが見ごろのヒメサユリたち。白い花もあったよ。

    見晴の風景。昨日の雨で空気も洗われている。右はぬた場の図。

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5月26日 青田南葉山

ゴールデンウィークに登山をできなかったために、今年は定番の山を2つパスしてしまっている。能化山と坂戸山。どっちも毎年楽しみにしている花の山で、登山開始のウォーミングアップの要素もある山だ。
その2つをパスしているせいで、5月も終わりになっているというのに、登山らしい登山をしていない。体、なまりきってます。
土曜日のお休みにはどうしても登らなくちゃ。この季節の定番は、もちろん、青田南葉山だ。
今年の花の咲き具合はどうなっているのか、さっぱり分からない。シラネアオイ、咲いているかなぁ。
キャンプ場内で見られるシラネアオイはすでに終了。葉っぱばかりになっていて、むしろオダマキのほうがたくさん咲いている。木落とし坂前の林のなかのシラネアオイも終わっていた。
とにかく、緑が濃い。
5月ではないみたいな風景だ。
7合目の見晴に至るまで、雪がまったくなかった。
見晴に出て、眺望を確認するが、この日はもやというか黄砂というか、視界がぼんやりとしていて、ほとんど見晴の意味がない。
8合目までの間に少し雪があったが、ほぼ無いと言ってもいいくらいだった。
山頂も雪はない。一組の登山者が昼食をとっていた。われわれもシートを広げて昼食。
途中、一人登って来たが、そのまま木落とし坂をピストンで戻って行った。先に休憩していた二人も木落とし坂へと下って行く。
あれ、明神沢コースに行く人いないのかしらん。
我々は明神沢コースを下る。すぐに残雪の上を歩くことになったが、足跡が最近のものがなかった。うわ〜、ここ数日は明神沢コースに行った人がいないぞ。
こちらのコースも雪がほとんどない。
急降下で下って行く。
雪が無くて、融雪による水の流れもなかったため、ちょっと泥っぽく下るのに難儀する箇所も楽に下れた。
そんなこんなで、あれっもう明神峠分岐?と、苦労することなく分岐に着く。
これから先はだらだらと長い下りなのだが、シラネアオイがそこここに咲いているのが魅力だ。
予想どおり、明神沢にも雪はなく、渡渉も楽々。ただ、その先でこんなに流れの早い沢の渡渉があったっけ?という沢を渡ったり、いつもより雪の残りが少なくて、上流に小滝ができている場所とかを通る場所があり、明神沢よりもむしろ危険だった。
筍平でネマガリダケをほんのちょっと収穫して、サンカヨウの小路に狂喜しながら歩く。いつもいつも思うが、明神沢コースはだらだらと登ったり下ったりを繰り返すいやらしい道なのだが、この季節は花だらけで楽しい。
それでも、久しぶりの登山でかなり疲労した。キャンプ場に入り、テントでのんびりしている人たちを見て、心底ほっとした。
この日は、上越市の七福の湯という入浴施設に入って汗を流した。

    
  
8合目あたりの雪はこれくらい。

    
  
ツクバネソウは5枚葉とか6枚葉とかあって、探すのもおもしろい。

    
  
わっさりと咲いているシラネアオイ。右はミニマムサイズのシラネアオイ。ちっさくても咲きます。

    
  
上流に小滝があったのね、雪が少なくて初めて発見。今年もギフチョウに遊んでもらった。

 10時45分 登山開始。  10時50分 木落とし坂2合目。  11時10分 4合目。  11時16分 5合目。  11時25分 6合目水場。
 11時45分 7合目見晴。  12時4分 8合目。  12時24分 9合目。  12時32分 山頂到着。
 13時4分 下山開始。  13時45分 明神峠分岐。  14時27分 明神沢。  14時42分 筍平。  14時45分 水場。
 15時30分 駐車スペース到着。

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6月3日 赤尾岳

今年も来ましたよ、赤尾岳。この山ほど春の花を見るのに手軽な山はない。
昨年は6月11日ころに来て、サンカヨウもツバメオモトもちょっと早かったが、今年はどうかな。
きはだ清水で出発しようとしていると、男性2人組が清水を飲みにやってきた。山菜ですかと尋ねると、きれいな蝶を採取しに来たのだという。高山系の蝶が見られる場所があるらしく、あちこち場所を教えてくれた。惣滝の上にもいるけど、取りに行くと落っこちて死んじゃうんだってさ。
2人にあいさつして歩き出す。歩き出してすぐに気がつく。緑が濃い。
例年よりも樹木の葉っぱの緑がめちゃくちゃ濃い。
少し歩くとサンカヨウの群生地になるが、うわっ、見事に満開。どさっと咲いている。今年は大当たりだ。
ちょっと登るとシラネアオイの株も咲いていたが、倒木で道がふさがれている。道が荒れているなぁ。あまり人が入っていないみたいだ。
藪に入って倒木をパスすると、今度はツバメオモトが道の両側に出現した。こっちもかわいらしく白い花を咲かせているぞ。
あっちにもこっちにもツバメオモトが咲いていて、探す必要なんかまったくない。
それにしても、息がつまるくらい緑が降り注ぐ。
春ではなく、初夏の妙高高原なのだなぁ。
春セミの声がさらに緑の呼吸のように降って来る。
マイヅルソウの咲く急坂を登って山頂に。今日の焼山からは噴煙は昇っていないようだ。
山頂から少し下って展望台へ。この展望台から少し先に行った場所にギンランがあるのだが、昨年はまだ咲いていなかった。
あ、あったあった。一つ見つけるとあちこちにある。
こんなに咲くんだ、ギンラン。
山頂を境に、きはだ清水がわと駐車スペースがわとでは種類の違う植物が見ることができるのも、赤尾岳の魅力なのだ。
もうちょっとで駐車スペースという場所でラショウモンカズラをみつけたり、林道を歩いてミゾホウズキやニリンソウに癒されたり。
今年もたっぷり春の山野草を見せてもらった。

    
サンカヨウの群落は満開。

    
シラネアオイとツバメオモトも道端に咲いている。

    
登山道は新緑で空気まで緑色。

  
山頂からの焼山。となりはたぶん火打なんじゃないかなぁ。

    
ギンランもたくさん咲いていた。

    
林道わきにはラショウモンカズラやミゾホオズキ。

  
分かりづらいけど、道をふさぎそうな倒木をほっそい木で支えて倒れないようにしている。
  名目上は、この道はまだ通行止めだ。大きな落石などもあった。

帰りに、今年は苗名滝にごあいさつに立ち寄った。
おやおや、イヤっちゅうほどラショウモンカズラが咲いているぞ。
今日はものすごく水量が多い感じがする。もわもわと落ちた水が煙のように巻き上がっている。
もうちょっと時間が早ければきっと虹がみられただろうけど。下流の堰堤では見事な虹が見れましたよ。


    
本日の苗名さま。水しぶきもうもう。こちらは、吊り橋を渡って撮影。

    
ちょっと上まで登ると、こんな感じ。

  
虹は下流で見ることができた。


  11時45分 きはだ清水出発。  12時30分 山頂。  12時43分 展望台。  13時07分 林道。  13時25分 きはだ清水到着。
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6月9日 岩菅山

6月に入って初めての土曜休み。この日我々は体力を徐々に上げていく山として毎年登っている浅草岳に登るつもりでいた。浅草岳は3時間かからずに残雪のたっふり残る山頂に行けて、高山植物を見ることができる。駐車スペースに行くのにもそれほど手間がかからない。
しかし、残念なことに天気予報が芳しくなかった。
当日のお天気はなんとか持ちそうな感じだったのだが、前夜に雨が降るという。浅草のブナ曽根コースはとにかく泥っぽい。ぐちゃぐちゃとして、湿気の多い道である。雨後のブナ曽根はイヤだなぁ。
と、いうことで、急遽晴れそうな場所を探して登山することにした。
6月9日に晴れそうな登山可能な場所は・・・。北信州だった。県内はほぼアウト。
北信州ならそんなに遠くない。道路が標高の高い場所まで通っているから、お手軽に登山できるだろう。
でも、せっかく県外に行くんだから、目玉がないかなぁ、そうだ、どっかにハクサンコザクラは咲いていないかなぁ。
そのスケベ根性がマズかった。ハクサンコザクラねぇ。
山地図を開いて、花の名前をつぶさに探して行く。これが、なかなかない。
志賀高原の池コースならありそうなんだけど、ない。ないないない。・・・・あった。
なんと、岩菅山にハクサンコザクラの文字があったのである。山地図についている解説によれば、のっきりから山頂に向かうあたりに咲いているという。
岩菅山は、実は因縁の山である。一度途中まで登って、雨のため登頂断念。次にはヘロヘロになりながら登頂したものの、私が下山時に転んで手首をガッツリ捻挫してしまった。
それでも、なぜか印象のいい山で、私はいつかまた登ってみたい山だと思っていた。
でも、6月の頭のまだ体力がついていない時に登る山じゃなかろう。
しかし、ハクサンコザクラ。うーむ、ハクサンコザクラ。
岩菅山は、前半の30分はほぼ水平移動だ。意外と行けるんじゃないかなぁ。
行くことにしてしまいました。
結果、登れることは登れたんですがねぇ。
無かったのよ、ハクサンコザクラ。
そもそも、のっきりから山頂まではガレ場でして、我々が知っているハクサンコザクラが咲くような地形じゃないのよ。
きっと雪が残っていて、そこから水が出て湿原っぽくなっているんだろうと推測していたのだが、登山道沿いには雪は100パーセントなかった。
ハクサンイチゲやハクサンチドリが咲いている場所があって、このあたりが怪しいとおもいつつ一生懸命探したが、もしかしたらこれが葉っぱかな〜というのはみつけたものの、咲いているものは無かった。
ってか、群落を期待していただけに、あのちっちゃい赤紫の花がちっとも無かったのには、心底がっかりした。時期が悪かったのかしらねぇ。
ハクサンコザクラが無ければ、ヘロヘロになってまでこの山に登る必要はなかったのだ。
お天気だけを気にして北信州に来たのであれば、志賀高原のどの山でもよかったというのに。とほほ。
でも、ガレ場でごっそりとツガザクラを見ることができたので、ちょっとだけ癒され、下山時に初めてお目にかかるシロバナエンレイソウを見つけられたので、かな感激した。
ちなみに、私、前々日に夜中に足が攣って、重度の筋肉痛を右足に抱えて登り、ガレ場でツマトリソウの写真を撮るためにかがんだらその右足が攣りかかって、ちょっとでもつま先にテンションかけると完全に攣る状態に陥りました。ガレの半分を横向きにじりじりと登る羽目になったとさ。コンディションは整えて登らないといけないですね。

  
  ゴゼンタチバナ、ナエバキスミレ。

    岩場には、ツガザクラのかわいらしい姿。

    一週間ほど前が山開きだった。避難小屋近くにはまだヤマザクラが咲いていた。

    実は、ものすごくたくさんシラネアオイが咲いていたのだが、笹の下に隠れていて、下を向いている。宝探しのようにしないとみつけられない。右は、これも初めて見た、シナノキンバイ。たった1つだけ咲いていた。

    ハクサンチドリとハクサンイチゲはけっこうたくさん咲いていた。右はシロバナエンレイソウ。ちょっと咲き終わりで茶色がかっていたが、とにかく初めて見られて感激だ。

 10時20分 登山開始。  10時30分 小三郎小屋跡(一の瀬からの道との合流点)。  10時33分 底清水。  10時53分 アライタ沢。
 11時38分 中間地点。  12時17分 のっきり。小休止。  13時08分 山頂。
 13時45分 下山開始。  14時25分 のっきり。  15時00分 中間地点。  15時40分 アライタ沢。  16時06分 小三郎小屋跡。
 16時15分 登山口到着。
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 6月23日 月山
6月の初めに、我が家では珍しく登り3時間コースの岩菅山に登ってしまった。
例年なら、せいぜい2時間くらいの山でヘロヘロになっている頃である。
これなら、今年は結構頑張れるんじゃなかろうか、という希望が湧いてきた。
で、岩菅山で見られなかったハクサンコザクラを追って標高の高い山に行くかと思いきや、なんと、クロユリを見に行くことを選択してしまった。
なにせ、クロユリを見られる季節は短い。7月の初めでもう見られなくなってしまうのである。
カレンダーの都合上、我が家は6月23日を逃すと次に登山にあてられる日は7月の海の日あたりになってしまう。それでは間に合わない。
姥沢コースなら2時間半で登れるし、月山に行こうじゃないか。
えーと、甘かったです。
山開き前の月山、甘く見てました。
いや、リフトが正真正銘夏スキー用のリフトだっていうのを認識していなかったのよ。いくらなんでも、スキーする人がいたとして、それは特別雪が多いほんの一部の場所だと思っていたのよ。登山道は夏。雪ったって、残雪程度だと思っていたのよ。
返す返すも甘かったです。
完全にスキー場でした。
リフトに乗る人は、登山の人よりスキーの人のほうが多かった。
山頂駅でリフトを下りるときに、係の人が登山支度の我々を見て、「アイゼンとかありますか?」と聞いてきたので、「無いけど、大丈夫。慣れてます」と答えた。
うん、雪慣れしていない人よりはかなり上手く雪の上を歩くことはできる我々だが、ほぼ全体スキー場と化した斜面を登山靴で歩くのは、いつも使う筋肉と違う筋肉を使う必要があってものすごく疲れた。

      
   6月の月山リフトが本当にスキー用だったとは。

  リフトまでは夏山。リフト下にたくさんのキスゲ。でも、到着したらスキーの人だらけ。最初は石の道をスキーかついだ人と一緒に登る。

      
  ロープが示す登山道。ところが、右端の写真のところでロープ、なくなってるのよ。
  雪が出現すると、スキーの人は左側。登山の人はまっすぐ姥ケ岳に登るルートと下から向かうルートにロープの道案内がある。
  我々は下を選択。しかし、こっち、途中でロープの案内がなくなっているのよ〜。上のほうに牛首らしいルートと人が見えるので、そっちに向かって何にもない雪の斜面をひたすら登ることになる。しまいにやぶにとりついて、上のルートの人にこいつらどっから来たんだ、という白い眼で見られたりして。牛首から先も雪があり、アイゼンを装着するのに手間どる人たちをしり目にがつがつ登る我々。しかし、どういうワケかいつも沢では滑る滑るとぶうぶう言いながら足手まといになる私が今回は全く滑らずにサクサク登った。雪向けの靴なのかしらね、私の登山靴。

      
  牛首から先にも少しだけ雪がある。牛首あたりの稜線には、笹薮に隠れてシラネアオイがたくさん咲いていた。
  牛首から上のひたすら登りの道、こんなにすごいのか、とため息が出るほどのお花畑と、素晴らしい眺望だった。
登りはキツイが、花がすごい。そういえば、昨年はこのあたりは濃霧、横殴りの雨、突風と、とんでもない天候だったので景色どころではなかったのだ。

      
  ロックガーデンのような花に彩られた岩の登山道。途中の鍛冶稲荷神社はまだ鳥居が設置されていなくて、しかも、この場になかったお地蔵さんが中に入ってらっしゃった。

    ハクサンイチゲとチングルマの絨毯。。
  花花花花、山々山々。もう、圧巻。すごいぞ月山。

  山頂。山頂の神社の向こう側に美しいフォルムの鳥海山が見える。何度か月山に登っているが、こんなにも山々がきれいに見えるのは初めてだ。月山、本当にすごい山だなぁ。

    
  うっすら鳥海山があるのが分かるかしら。右の高台にあるのが神社。右写真は、三角点付近の岩場から撮影した山々。

      タカネスミレ。
  積雪で取りつきがよく分からずに、三角点に行くつもりが真ん中写真の三角点と神社の間にある岩場に出てしまった。たぶんあそこが最高標高だろう。

      
  これが目的だったクロユリ。一番左の写真で分かるようにホントにちっちゃい花だ。6月の終わりに咲くというが、この日はまだほとんど咲いていなくて、見つけるのに苦労した。たくさん咲く場所に咲いていないで、あっと思うような登山道の脇の踏まれそうな場所にあったりした。

  以下、今回見られた花々を羅列します。写真が小さくてよく分からないと思うので、ダンナのブログで大きい写真をどうぞ。

      
  エゾノツガザクラ、ミネズオウ、イワウメ。

      
  ミヤマキンバイ、イワイチョウ、アオノツガザクラ。

        
  ホソバイワベンケイ、ミヤマウスニキソウ、ハクサンハタザオ。

      
  ミヤマカラシ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマシオガマ。

      
  ヒナザクラ、タカネバラ、ハクサンチドリ(ウズラバ)。

      
  ニッコウキスゲ、ミヤマウスユキソウとタテヤマリンドウ、コバイケイソウ。

  下山時は姥ケ岳を登るルートを選択。こちら側は雪はそれほど多くなく、ほぼ石畳と木道を歩くことができた。が、最後のスキー場のすぐそばの斜面だけはがんばって下る必要がある。そりがあると楽かもね。ブレーキがかけられればね。いちばん右下の写真が見上げたその斜面。ちょっと自慢だけど、アイゼンつけて下った人より早く転ばずに下ることができたぞ、我々。

      
  山頂にある方位盤。牛首あたりから姥ケ岳方面を見る。岩畳は雪はなかった。

      
  ここから姥ケ岳への登り。姥ケ岳山頂はヒナザクラが盛りだった。姥ケ岳からの下りの雪渓を振り返るとものすごい角度だったと分かる。

登りの時の雪のため、思った以上に時間がかかり、駐車場に着いたのは午後4時40分。国道112号に出て、少し寒河江方面に進んだ場所にある道の駅にしかわに併設されている水沢温泉館に入っていつもと違う場所がこわばっている筋肉をほぐした。さらっとしたくせのないいい温泉でした。ちょうど女風呂になっていた方に月山の天然水を沸かした檜風呂があって、実はこっちのほうが泡つきがよくて温泉っぽかったです。道の駅でご飯も食べてしまおうと思ったら、もうレストランは閉店していて、結局鶴岡にでてから夕食。家に着いたのは午後10時過ぎでしたとさ。

  10時30分 駐車場  10時45分 リフト下駅  11時 リフト上駅  11時7分 スキー場との分岐  11時10分 姥ケ岳との分岐
  11時55分 雪原の途中で指標のロープが途絶える。  12時10分 牛首近くに出る。  13時07分 鍛冶稲荷神社
  13時20分 山頂小屋  13時50分まで昼食休憩  14時10分 取りつきに迷った末、三角点発見。  14時30分 撮影しつつ芭蕉の碑出発。
  14時35分 鍛冶稲荷神社  15時15分 牛首  15時55分 姥ケ岳山頂  16時10分 リフト上駅  16時30分 リフト下駅
  16時40分 駐車場

ちなみに、この年の月山の山開きはこの翌週で、まだ山小屋は開いていなかった。山小屋で何か買うのを励みに登って来た中学生が親に向かって「だから山開き前の山に登っちゃダメだって言ったんだよ。最低だよ」とキレていた。気をつけようね。そのへんは。
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7月15日  白馬大池

6月の岩菅山の段階から、ハクサンコザクラ、ハクサンコザクラと騒いでいた私。確実にハクサンコザクラを見ることができる場所はそれほど多くは知らない。そのうちの一つが白馬大池である。もう一つは平標山なのだが、こちらは駐車場が有料でなんとなく足が遠のいている。
白馬大池は高速道路のインターから登山口である蓮華温泉までかなり遠いのでやっぱり行くのにためらいがあったが、この日は三連休で行かない理由がなかった。
と、いうことで、午前5時半前に家を出て、午前8時半に蓮華温泉近くに到着して愕然とした。蓮華温泉まではまだかなりの距離がある場所に自動車が駐車している。あれ、何かここでやっている人たちの自動車かな、と思って先に進んで行くと、登山の恰好をした人が歩いて登って行っている。え、まさか、と思いつつさらに進み、たくさん路駐している自動車を見ながら駐車場まで行くと、やっぱり満車でしたとさ。どひゃ〜。どこかに駐車できまいか、と戻りつつ探したが、結局徒歩で20分くらいかかる場所まで行かなければ駐車できなかった。ううう、往復40分のロス。三連休のなか日ということで、山小屋やテントで宿泊する人たちもたくさんいるようだ。さすが白馬までの登山口。日本中のナンバーの自動車があった。条件のいい日は、まともに駐車しようとするには日時を選ばないと無理らしい。
余計に歩いて、蓮華温泉を出発。
この日は天気予報でも全国的に猛暑になると予想していた日で、標高の高い蓮華温泉で午前9時前ですでに暑かった。
何分も歩かないうちに汗が流れ落ち、思った以上に体力を消耗してしまった。
慰めは、キヌガサソウだ。この登山道に咲くのは以前発見して知っていたが、この時期に咲いているかどうかは不明だった。が、ありましたよ、たくさん。


      
  
キヌガサソウ。思った以上にあちこちに咲いていた。途中、登山道が崩れた箇所があって、新しいルートが作られていた。ちょっと難所だ。

      
  
天狗の庭までの登山道はちょっと地味だが、オタカラコウやイチヤクソウ、たくさんのシロバナノニガナが咲いていた。

  あまりの暑さに私は本当に参ってしまい、汗と一緒に体力も気力もなくなってしまった。もう足を動かすのも無理だと思えるくらいだ。天狗の庭までは何か所か記憶にあるポイントがあるのだが、まだこんな場所か、まだこれくらいしか歩いていないか、と思えるくらい遠く感じた。ダンナにとりあえず天狗の庭まではなんとか頑張るけど、そこでギブするかもしれない、と告げる。
肩で息をするくらいヘロヘロになって天狗の庭に到着。たくさんの花が出迎えてくれた。

      
  
ハクサンシャジン、イブキジャコウソウ、ミヤマムラサキ。

      
  
ミネウスユキソウ。雪倉岳から朝日岳も見事に見えていた。あの青空の下にあるのは、水平線なんだろうか。日本海かしらん。

      
  
で、滝好きは雪倉岳の谷間にある雪渓から落ちる滝を発見して喜ぶ。わー、見事な滝だなぁ。

 天狗の庭ではたくさんの人が休んでいた。花を撮影するのにけっこう時間をかけたし、涼しい風も吹いていて、汗も引いた。なんだか元気が出てきた。さっきまで弱音を吐いていた私が「行くぞ」と立ち上がる。ここまで来て、ハクサンコザクラを見ずに帰れるものか。

    
  
登山道の途中に雪が残っている場所も。そこは、まだ春になったばかりで、サンカヨウが咲いていた。

    
  大池近くのシャクナゲたち。たくさん咲いていたよ。

 天狗の庭から白馬大池までは、岩がゴロゴロしていて、とても歩きづらい道だ。泊まりの人たちが下山してくるピークらしく、何組もの登山者とすれ違う。が、みんな真っ赤な顔をして、暑いですね、と言うのだ。下山時でも暑いって、私、大丈夫かしらん。天狗の庭より下のほうがはるかに暑かったので、登れているんだけど。
大岩からガレた感じになって、両側にシャクナゲが見える頃になると、もう白馬大池は間近である。
視界が開けたら、きっとお花畑だ。
と、思っていたんだけどな。
ダンナがおっと声を上げたので、花が咲き乱れているのだと思ったら、なんとテントの花だった。色とりどりのテントが小屋前の広場に設置されている。ものすごい数である。
ところで、お花畑と言えば、実はまだでした。ついさっきまで雪が残っていたような風景で、やっと緑が顔を見せたくらいな感じだった。
ええーーーー、もしや、ここに来てハクサンコザクラ見られないのぉ〜。
いや、ありましたとさ、小屋近くに。
小屋の近くは雪解けが早いのか、ハクサンコザクラもチングルマもハクサンイチゲも咲いていた。


      
  視界が開けてきたら白馬大池はすぐそこ。あれ、いつもならお花畑のはずなのに。見えるのは、テントの花だけ。

     
  白馬乗鞍岳のがれきはいつ見てもすごい。白馬大池はまだ春になったはがり。今回断念した雷鳥坂方面も雪だ。

        
  池の周りにはたくさんの花が咲いていた。イワイチョウ、コバイケイソウ、チングルマ、ハクサンイチゲ。

      
  そして、今回のお目当てのハクサンコザクラ。池のほとりには群生していたのだが、近づける場所ではない。

 小屋裏の池のほとりの岩の上で昼食休憩。ここにもたくさんの人がいた。主に栂池からの登山者が通って行く。雪もたくさん残っていて、以前はここでアオノツガザクラも見られたのだが、まだ咲いていなかった。
あまりに暑くて汗だらだらだったので、持参のビールで乾杯。いつもなら一口だけでやめておくのに、もう少し飲んだら完全に酔いが回った。トイレに行くのに立ち上がったら目の前が真っ暗になってしまった。がんばってトイレまで行って、10人近く並んでいたので、くらくらしながら待って、用を済ませてダンナのところにもどって、ひっくり帰った。15分くらいかしらね、ダンナがトイレに行って草花を撮影して戻って来るまで意識なかったです。やっぱり消耗していたんだと思う。こんな時のビールはまずいわね〜。
あとは下るだけなので、動き出せばなんとかなる。
実際なんとかなったのだが、実は足が片方ずつ筋肉痛と筋違いの合わさったみたいな奇妙な痛みに襲われて、ちょっと難儀した。歩けないことはないのだが、痛い。しばらく歩くと右が痛かったはずが、左に移動。ちょっと歩くとまた右に移動。大岩のある道だけに、もっと痛みがひどくなりはしないかと怖かった。幸いなことに、歩けないことはない程度で痛みは続き、それでも天狗の庭のあたりまで来ると痛くなくなってしまった。どうも冷えがマズかったらしい。ああ、面倒くさい体だこと。
天狗の庭から先は下りやすい道なので、花などを撮影しながら下山。


      
  キバナノコマノツメ、タカネナデシコ、クルマユリ。

    
  タマガワホトトギス、キヌガサソウ。

    
  今回一番うれしかったのが、キヌガサソウに会えたこと。右写真のようにけっこう大きな花です。

このコースでいいのは、登り返しがほぼ無いこと。だというのに、駐車場に着いても我が家の自動車はまだまだ先の路肩に駐車してある。この駐車場から先がなんと登りなのだ。アスファルトの道路なので、歩きづらくはないが、ちょっとの登りもキツイ。まだかまだかとひいひい文句を言いつつ歩いて、結局20分も登った。いや〜、シーズンとはいえ、登山人気は余計な体力使わされます。
帰りは道の駅小谷に立ち寄って温泉に入り、レストランと併用すると温泉代が半額になるというラッキーがあり、かなりお得に食事もすませた。でも、結局午後9時過ぎになって自宅に到着。丸々一日遊んでしまいましたとさ。

  8時40分 駐車した場所出発。  8時58分 駐車場。トイレなど準備。  9時05分 蓮華温泉出発。  9時30分 蓮華の森道標。
  9時47分 白馬大池まで150分の道標。  10時07分 白馬大池まで140分の道標。  10時43分 白馬大池まで110分の道標。
  11時07分 天狗の庭入口。小休憩。  11時22分 天狗の庭出発。  12時50分 白馬大池到着。昼食休憩。
  14時10分 下山開始。  15時15分 天狗の庭。  15時48分 110分道標。  16時13分 140分道標。
  16時27分 150分道標。  16時40分 蓮華の森道標。  17時04分 蓮華温泉。  17時07分 駐車場。
  17時27分 駐車した場所到着。  ご苦労様でした。


                                                                    
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10月7日(日) 東篭ノ塔山
今年は三連休の多いカレンダーだったのだが、我が家に限って言えば、ほぼ連休が無かった。ちょっと忙しい秋だったのである。ようやく2連休を得ることができたのが10月の初め。さて、山に行こうか。秋を捕まえてみようか。
ところが。
この日の未明、台風が新潟沖を通過。新潟は暴風雨になり、出発の時間でも強い風と雨が続いていた。
台風が来るのは、山に行こうと決めたときにすでに分かっていたので、できるだけ天候のいい場所を探しておいた。内陸であれば台風の影響はほとんどない。つまり、群馬か長野方面ならお天気はよさそうだった。
そうか、ならば、富士山が見たい。
えーと、毎年毎年、富士山が見たいと騒ぎ出す私です。なんか、見たい山じゃありませんか、富士山。
新潟県内でも高い山に登るとはるか遠方にあの姿が見られるのだが、そんなに高い山に登れないしな〜。
長野県であれば、富士山が見られるおなじみの山を一つ知っている。篭ノ塔山である。
あそこなら標高も2千メートルを超えるので紅葉も進んでいるだろう。秋を捕まえつつ、富士山も見られるじゃないか。
そんなこんなで、午前8時を大きく回った出発で、雨の新潟を駆け抜けた。
いや、ホント、長野道に入っても雨はやまずに、本当に長野は晴れているのかと思ったが、長野県に入るなり雲が切れた。菅平高原を抜け、群馬県に入るあたりでは、本当にいいお天気になってしまった。天気予報、嘘つかないなぁ。
これならきっと富士山も見られるぞ。
しかし、思い通りにいかないのが山のお天気。
正午近くに到着したので、駐車場に自動車をとめ、登山道入り口の休憩所でお昼を食べてしまい、身軽になって登山開始。開始したあたりで、なんだか雲が出てきた。
ただ、気がついたのが、落葉が進んで、ガレ場に至るまでの樹林帯がとても明るかったこと。いつもは夏に来るこの山で、樹林帯は葉っぱが茂ってうっそうとしている。なんだか暗いイメージだったのだが、紅葉の時期の樹林帯は意外にも明るい印象で、ガレ場に出る時間も短く感じた。

    


    ナナカマドの実があちこちにあった。

ガレ場に入ると、期待していなかったが、多少の花が咲いていた。ヤマハハコやイワインチンの咲き残りが見られる。
池の平湿原の方を振り返って見ると、カラマツのきれいな黄色に彩られていたが、惜しいかな雲の下で鮮やかさがない。ずっと下に見える町並みには日光が当たっているのが見えるので、標高の高い山にだけ雲がかかっているらしかった。

    


      


  東篭ノ塔山山頂。何組かの登山者が休んでいた。
雲は上空だけで、下のほうの眺望はとてもよかった。


    
見事なまでに見通せた四阿山。あまりに近くに見えて、帰ってから調べないと四阿山とは信じられなかった。右は高峰方面からの浅間山。

    
日光が当たった場所だけ鮮やかに紅葉が光る。池の平湿原は、あの様子では花はもうないだろうなぁ。
上から見た湿原が冬っぽい枯れた感じだったので、立ち寄るのはやめておくつもりだったが、いざ戻ってみると、まだ時間に余裕があった。荷物をしょっていかなかったのと、花が少なかったので、時間が短く登山できたらしい。そこで、やっぱり湿原に行ってみることに。
すると、校外学習らしい小学生の一団が3つくらい、現地のガイドさんに案内されながら歩いていた。連休を利用して、こんな所に林間学校かしらね。
小学生たちがコマクサ園のほうに登って行くのを見ながら遊歩道をぐるっと一周。放開口まで行って富士山は見えないかな、と目をこらした。
雲だらけだったけれど、その雲の上のほうにチラっと見えたのよ。ホントーにチラっと。雲はたえず動いていて、ほんの一瞬だったけど、私は富士山見たわよ〜っ。

    これが富士山の頭。真ん中やや上の雲の上。わかる?

      
湿原にはほとんど花はなかったが、なんとまだマツムシソウが咲いていた。でも、本来の花の茎の下のほうから出ているもので、本来の花はすでに枯れてしまっている。あとで調べたら返り咲きというものだそうだ。かなりたくさん返り咲きのマツムシソウがあった。

    
ノアザミとナデシコもたった一つだけ咲き残っていた。あるんじゃないかな〜と思っていたウメバチソウは葉っぱさえ見つけられなかった。
駐車場に戻ると、とても明るい案内人のお兄ちゃんがいて、マツムシソウがまだ咲いていたと言うと、僕は先週湯の丸山でイワカガミが咲いているのをみつけましたよ、と言っていた。うーむ、今年の天候のせいかしらね。それは返り咲きじゃなくて、狂い咲きだわね。

  12時30分 登山開始。  12時35分 東篭ノ塔山山頂到着。  13時55分 登山口到着。




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