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2025/8/2(土)   小遠見山 (2007m)   長野県
暑い。この夏はとんでもなく暑い。
連日、日本のどこかで最高気温が40度を超えている。
我々が住む町でも35度以上になる日が半月くらい続いいるんじゃなかろうか。
完全に体が疲弊していた。
こんな時にハードな登山なんかできっこない。
でも、涼しい所には行きたい。
では、ゴンドラで標高の高い場所に行って、ちょっとだけ歩く登山というのはどうだろう。実にいいプランである。
そんな山はどこにあるだろうか。
惜しいかな、新潟県にはそれに相当する山はない。あるとしたら、近隣では長野県だ。
むむ、白馬に五竜高山植物園というのがあって、そこには標高1600メートルくらいまでゴンドラで連れて行ってくれて、高山植物が咲き乱れているらしいぞ。
そこにしよう、そこにしよう。
そこから1時間半登る小遠見山というのがあるらしい。
涼しい場所から標高2000メートルを越えられる登山なんて、理想的じゃないか。
と、安易に決定しましたとさ。
ええ、今年の猛暑を甘く見ていましたよ。

10時14分 エイブル白馬五竜スキー場の駐車スペースに到着。
結構な数の自動車が駐車しているが、八方尾根のゴンドラ乗り場の駐車場よりは余裕で駐車できる。無料だし。
どっちがゴンドラの乗り場か多少迷ったが、駐車場の手前の日帰り温泉の入った建物にチケット売り場があるらしい。
チケットを購入後、建物の写真などが展示されている通路を通って外に出て、テレキャビンのとおみ駅に向かう。
とおみ駅までの間にもお花が咲き乱れていて、楽しい気分にさせてくれる。
まったく待たずにゴンドラに乗る。
10時25分
10時38分 アルプス平駅到着。
北口に出るとすぐにレストランの入っている建物だ。
ケーナのような縦笛をライブで演奏していて、のどかな感じのお花畑が広がっている。
少し坂を下ったほうにリフトの乗り場があるようだ。
リフト乗り場までもお花畑。
たくさんの花の中にヒオウギアヤメが少しだけ残っていてくれた。
あのユリは、何ユリだろう。
ヤナギランは今が見ごろだ。
10時43分 リフトに乗る。
ペアリフトなので2人一緒だ。このリフトはゴンドラに乗れば無料で利用できる。
リフトから高山植物園の全貌が見えて、下りは歩いて見て回るので期待してしまう。
10時55分 山頂駅到着。
リフトを背にしてすぐ右手がトレッキングコース。
道案内がしっかりしているので、迷うことはない。
これより先は登山道であるが、意外にそちらに行く人も多い。
植物園のみ楽しむ人はここから下るという方法もある。
あ、コメツツジ。けっこうたくさん咲いているぞ。
階段状の道が続いていて、いきなり標高を上げる。
準備運動にしてはハードだぞ。
振り返ると、ゴンドラ山頂駅やさらに下の白馬の街並みが見下ろせた。
11時02分 地蔵ケルン。1676メートル。
意外にたくさんの人がここまで述べって来ている。
ここも高山植物園の一部らしく、ハッポウウスユキソウなどがそばにあった。
こちらはハッポウタカネセンブリ。
ちゃんとネームプレートもついている。
高山植物園目当ての人が多いと思いきや、こういう小さな花は無視してみんなケルンを見ている。
もったいないぞ。
北アルプスを背景に道しるべ。
おお、我々の目指す小遠見山は90分。
そのはるか先に五竜岳6時間。
ろくじかん〜。日帰りでは無理無理無理。
右はオトギリソウ。
地蔵ケルンからちょっと進むと、何やら石の祠のようなもの。
慰霊碑かなぁ。
右はシモツケソウ。
さらに進むと、鐘かとおもいきや、ウサギの刻まれたもの。
最初ブタだと思っちゃったぞ。
その先は下りだ。
赤い顔をして登って来る人がいる。
そっか、帰りは登りになっちゃうのか。
11時13分 下りきると分岐。
左に行くと地蔵の沼だそうだ。
帰りはそっちに回ってもよさそうだ。
樹林帯の登りに入り、脇にツルアリドオシが咲いている。
両側が緑で見通しの効かない階段が続く。
時々姿を見せる花も地味だ。
おや、ツクバネソウがまだ現役。
  11時18分 ベンチ。
カラマツソウだと思ったら、モミジカラマツだった。
 
 
  変化のない階段がただただ続いて行く。
ハナチダケサシも地味だしね。
 
うわっ、ちっさい花。
これはモウセンゴケの花。
本当はあのギザギザ歯の葉っぱのほうが目立つはずだが、ここでは花だけ目だっていた。
唯一ここだけゴゼンタチバナの現役。
他はほぼ実になってていたけど。
ヤマハハコも時々咲いている。
とにかく階段。
標高1600メートルを越えているのに、とにかく暑い。
もう汗だらだら。
あれ、この黄色い花はキンコウカじゃないですか。
こんな場所にキンコウカ?
モウセンゴケがあったくらいだから、こんなに暑い日じゃなければ、ちょっとジメジメした場所なのかもしれない。
11時29分 見帰り坂。1740メートル。
11時37分 ベンチのある広場。
おお、ベンチでキベリタテハが休んでいるぞ。
相変わらず両側は緑一色でほぼ見通しが効かない状態だ。
時々ノリウツギやヨツバヒヨドリが咲いているくらいで、地味。
階段、階段。
段差の大小は違ってもとにかく階段。
うむ、ツルリンドウも地味。
右側が大きく切れ落ちてしまったようだ。
木道というより補修されたような場所があった。
右はミヤマコウゾリナ。
すぐに道しるべが壊れてしまっていたが、一ノ背髪の案内。
11時56分。
ミヤマホツツジも咲いている。
一ノ背髪にはベンチがいくつかあり、休憩場所になっている。
その先もしばらく木道だ。
ミヤマママコナが目立ち始めたなぁ。
遠いあの先の出っ張りが小遠見山かなぁ。
ゆるやかに階段は続く。
シロバナノニガナなども時々見られる。
左側が砂地のようになって切れ落ちている。
ちょっと危ない感じだ。
ミヤマママコナ群生。
12時16分 二ノ背髪。
右はハクサンオミナエシ。
二ノ背髪から先はいうところの馬の背状の尾根歩きになる。
砂っぽい道が続き、ぼんやりしていると左側に転げ落ちそうだ。
右はアキノキリンソウ。
意外とこの状態が長い。
このあたりから、ヘリコプターの音が近くで響き始めた。
何かテレビニュースの取材かしらね。
12時25分 小遠見山まで0.1キロの道しるべ。
  すぐ近くを飛ぶヘリコプターを気にしつつ、ちょっと危ない尾根道を進む。
木立が切れた場所からヘリが見えた。
むむ、長野県警の文字が見えるぞ。
そ、遭難?
 
  12時29分 小遠見山山頂到着。
直前に大勢のパーティーが下山したので、ベンチを陣取れた。
他にも数組が同時到着。
お地蔵さんなどがあるちょっと狭めの山頂だが、お昼を食べるベンチはいくつもあった。
ところで、まだヘリの音がする。
ここから五竜岳に向かう途中の大遠見山あたりでどうやら救助中らしい。
滑落か、はたまたとても暑い日だったから熱中症か。
たいしたことなければよいのだが。
ヘリの活動が終了し、遠ざかったのを見てから昼食にした。
 

写真が小さくて意味ない感じなんだけど、
この日の小遠見山からのぐるりと一周。

     
左端が五竜岳に向かう道。そっち向いて昼食を食べた。

     
山頂表示とお地蔵さん。左二枚は、白馬の街並みを見下ろす。

  12時57分 下山開始。
登りは暑くてヘロヘロで見落としていたが、尾根道にもたくさんの花があった。
左、コゴメグサ。
右、たぶんオトギリソウ。
 
  もっさりと咲いたコゴメグサ。
蝶もいましたよ。
右はヒメシジミ。
 
  こんな細い尾根道だったっけか。
右はシータテハ。
 
  帰り道も別のベンチでキベリタテハがお休み中。   
  13時01分 小遠見山まで0.1キロの道標。
13時13分 二ノ背髪。
13時25分 一ノ背髪。
ずっとアカモノの実が続いている。
花の季節はさぞ賑やかな道になっていることだろう。
右はコチャバネセセリ。
 
  13時45分 見返り坂。
登山者が休憩して白馬の街並みを見下ろしている。
13時46分 最初のベンチ。
13時50分 地蔵の沼の分岐。
ここは地蔵の沼のほうに向かう。
曲がるとすぐにもう右側が湿地のようだ。
花の様相が違う。
 
  左、花が多すぎて判別つきづらいが、どうもタカトオダイらしい。
右、オニアザミ。
 
  オオバギボウシ揺れる道を歩く。
お、クガイソウにコヒョウモン。
 
  木道を歩いて行くと、ものすごく小さな池。
右はウツボグサ。
 
 
  木道の脇に鐘。
叩いて行く人も多い。
右はツマグロヒョウモン。
 
  鐘は2つあった。
分岐では、リフトに向かう道を選択。
別の方向は、石畳の湿原に向かうらしい。
 
  14時01分 リフト降り場。
ここはリフトに乗らずに徒歩で高山植物園内を歩いて下る。
高山植物園については、別ページをご覧ください。(こちら)
 
  さすが植物園なので、ちゃんとネームプレートがついていて、色々説明がされている。
勉強になる場所だ。
14時12分 コマクサエリア。
 
  ミニ白馬五竜岳やら湧き水やらがある。
シーズンには青いケシの花が見られたりする。
この日の圧巻は、絨毯のようなシモツケソウ。
どピンクでした。
 
  さんざん写真を撮りまくり、植物園だけで小一時間滞在。
アルプス平駅に着いたのは14時55分。
せっかくなので、長門牧場のシャインマスカットとミルクのソフトクリームを食べ、あとはゴンドラに乗って下るだけ。
15時14分 山麓駅到着。
いやはや、汗みどろになった一日だった。
 

汗みどろになったので、ゴンドラの出発点であるエスカルプラザの中にある温泉に入って行くことにした。
一人800円也。ホントーに汗を流すだけくらいの単純な温泉でした。でも、混雑もしていなくてよかったかな。
久しぶりに登山で大量の汗をかいて、その場で汗を流して、さっぱりして、夏山の醍醐味を味わった感じだった。
白馬五竜高山植物園の花についてのレポは、こちらからどうぞ。

小遠見山(白馬五竜ゴンドラ利用)

  我々は新潟からなので、北陸自動車道糸魚川ICから国道148号をひたすら走って長野入りし、白馬駅を通り越して案内どおりに白馬五竜スキー場へと向かった。
前にそれほど遠くない場所にある八方尾根ゴンドラを利用した時に駐車場に困ることがあったので、どうだろうと心配していたが、駐車場を利用する自動車はそれほどなく、無料。登山者用に山小屋利用者はこちら、と別に駐車場が設けられていて、親切きわまりない。
エスカルプラザでゴンドラに乗り、アルプス平駅まで行く。往復大人3000円(サマー料金)。
さらにここからけっこう長い距離のあるリフトに乗るが、これは植物園の一番高い場所まで連れて行ってくれる。これが無料。うう、親切。
高山植物園だけを利用するつもりなら、スニーカーでも十分。無料のリフトに乗れば、下るだけなので、それほど体力もいらない。
小遠見山は、リフトの一番高い場所から、我々の足で1時間半強。帰り道に地蔵ケルンに立ち寄らずに沼に行けば辛い登り返しはない。
ただし、とにかく階段なので、けっこうしんどいです。

  白馬五竜高山植物園


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