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2003年梅雨明け前の迷走ドライブ




禊(みそぎ)の滝
杉木立を抜けると、この滝の上流の
小さな沢を跨ぐことになる。
山神神社の脇から滝に降りる
道がある。


大きさ比較写真。
意に反して大きく見えてしまっているが、
マジメに3メートルくらいの落差しかない
滝である。


神社の脇から滝を見下ろす。
雨のために滝つぼが濁っているのが
惜しい。



不動の滝
最初ものすごくチャチな滝、と思ったが、
沢に下りてみて考えを訂正した。
この右側に『竜の剣掘』という穴がある。
これにまつわる伝説は以下の通り。
『この地区に住む彦三郎という青年が
竜の娘を助けた。娘はお礼に
畳岩の下に穴をあけ、水をためておいた。
木の枝でその水をかきまわすと、雨が降る
ようにしてあげます、と言って消えた。
それ以来日照りで苦しんでいた村は
水不足に困ることはなくなった』
で、その穴は真っ暗になって、
まともな写真はありませんでした。


大きさ比較写真。
たまたま来ていたカメラマン。
彼は一生懸命色々な角度から
撮影していた。これは、道路から
滝を見下ろして撮影。


手前が畳石。奥が滝。
巨大な岩を削って
清流が流れている。
穴は滝の右側あたりにある。





つむじ倉滝
50メートルは離れている滝見台から
対岸の山の肌を滑り落ちる滝を
望むことができる。
見下ろす感じになるので、
50メートル以上離れている気がする。
滝つぼにも行けるらしいが、
滝見台には、その情報はなかった。


真ん中にある第一の滝つぼ。
青い水が綺麗だった。



対面の山ごと撮影してみた。
山の大きさから滝の長さを
想像してみてほしい。
近寄ってみたかった。
2003/7/20 剣竜峡の滝たち  新発田市 (禊の滝 落差3メートル?)
                                (不動の滝 落差5メートル?)
例年であれば梅雨も明けているはずのこの日、天気予報はどこも雨マークだった。
しかし、前日のNHKの天気予報では、唯一新潟県の下越地方だけはお日様が顔を見せるというオレンジの色がついていた。ならば、下越に出掛けよう。下越の行ったことのない滝は、どこだ?
今回もまた、同じ新潟の滝をめぐっていらっしゃるSyamさんのサイトのお世話になった。剣竜峡という月岡温泉の近くにある渓谷に滝があるという。遠くないし、ぜひ行かねばなるまい。
だが、翌日もお休みという絶好の条件、遠くないお手軽な滝だけですますのは、もったいない。であるならば、もう一箇所行ってみてもいいんじゃないか。
それが甘い考えだったのは、このあとの迷走が物語っている。

山神様の渓谷

さて、剣竜峡である。ここは、本当に盲点だった。新潟の名水という本に峡谷自体の紹介はあるが、滝はほんの小さいやつがあるくらいにしか書いていなかったのである。
やや、小雨が降るなか、自動車を止めて、気持ちのいい杉並木を歩いて行った先に、果たしてやっぱりほんの小さな滝があった。小さいがなかなか姿がいい滝である。この峡谷そのものが山神神社の境内というだけあって、どこかしら厳かな雰囲気さえある。ちなみに、新潟の名水の裏表紙の写真はこの滝の裏焼きと思われます。
禊の滝の上にある神社を通り抜けると、キャンプの施設に出る。この下が剣竜峡の一番美しい所だと思われる。竜の剣掘と呼ばれる岩が大きくえぐられた場所である。河原はないのだが、岩を掘った階段状の場所があり、そこから流れが浅くなっている岩の上に出ることができる。降りてみると、不動の滝があった。最初、え、これが滝かぁ?と思ったが、なかなか写真にしてみると絵になる滝である。
剣竜峡が大きな岩をえぐって流れているものといえるので、水によって丸みをおびた岩盤がきれいなのだ。
大きなレンズをつけたカメラマンが色々な角度から写真を撮影していた。
    
 
剣竜峡の入り口の鳥居と橋。この橋を渡ると右の杉木立になる。しかし、ここに駐車して杉木立を歩かなくても、もう少し先に行くと滝のごく近くに駐車することができる。

山くずれの渓谷
午前中も早いうちに剣竜峡を見終わってしまった。
次に向かうのは、新潟と福島の県境にある実川渓谷である。ここには滝があるとは全く書いていないが、渓谷というからには、きっと滝があると以前から目をつけていた。大きくはないまでも、きっと目を楽しませてくれる滝があるにちがいない。ちょうど剣竜峡とは大きな山を2つ3つ挟んで反対がわという形になるので、山を迂回する必要があるが、ま、我が家からすれば大まかな方向は同じなので、このさい行ってしまおうということになった。初めての道のドライブは楽しい。県道14号をチョイスして新発田から三川に進む時は本当に快適だった。国道49号から国道459号に入って、途中角神不動滝の前の公園で昼食。そのあたりでは、空はすっかり青空になっていた。見てもどうせ階段だけの不動滝には失礼させていただいて、自動車を目的地の実川渓谷に進める。国道459号はしまいにすれ違いできんのか〜というくらい細くなり、そこからさらに細い林道のような道に入る。この林道の先に集落があるのがすごい。だが、舗装されているのは、小荒の集落までで、そこから先は未舗装になる。この先にもまだ実川という集落があると本に書いてある。延々長い未舗装の林道を走ると、いきなり通行止めの看板が出てきた。あらら。ふと見るとそこは実川の集落らしい。らしい、というのは、林道からは家が一軒見えるだけなのだ。その家が国の重要文化財の家らしい。昔の形式をそのまま残した山村住宅なんだそうだ。が、今も人がしっかり住んでいる普通の山の中の家である。
    
 
実川渓谷に行く途中にある発電所の上から見た風景。この施設が出来る前は滝だったんじゃなかろうか、という感じがする。とても綺麗な水である。右は国の重要文化財五十嵐邸。普通に人が住んでいます。
さて、どうしよう。とりあえず自動車を止めて、林道の先まで進んでみる。この重要文化財の2キロ先に本当のゲートがあるはずなのだ。歩いていけるものなら、行ってみたい。なにせ、林道からは渓谷など全く見えないのだ。せめて渓谷が見えて、そばに近寄れるところまで行ってみたいではないか。
歩きはじめて、5分もしないうちに、また通行止めの看板が出てきてしまった。今度はご丁寧に歩行者も通行止めと書いてある。その先を見ると、本当に土砂崩れで道がなくなっていた。これは、当分実川渓谷にはいけそうも無い。前日に鹿瀬町のホームページで実川渓谷を調べてみたが、そんなことちっとも書いていなかったのに。っていうか、実川渓谷のことなど、カケラも書いていなかったのだが。
  
五十嵐邸の近くにあった通行止めの案内。

  
ダメ押しの歩行者も通れないという看板。
仕方が無いので、重要文化財まで戻って、その民家の庭先を通って(なにせ、そこしか通れる道がないのだ)犬に挨拶して、本に書いてあったつり橋まで行ってみた。吊り橋は本当に民家の先にあった。実川のかなり上を渡っている。覗き込んでみても、濃い緑の中、渓谷らしい流れの端っこが垣間見えるだけである。脇からは確実に滝と思われる細い急な流れも川に流れ込んでいたが、吊り橋の上からは撮影してもよくわからない。
橋の上からどこか川に降りられる場所はないかと探してみたが、崖である。無理というものだ。
    
 
五十嵐邸の裏(というより、玄関の先にある)吊り橋と、そこから見た風景。
  
 
吊り橋のすぐ下。右側からするどく沢が流れ込んでいる。滝っぽいけど。
大失敗だった。国道からものすごい距離があったわりには、全く収穫がなかった。これでは消化不良ではないか。滝が見たい。豪快な滝が見たいぞ。

あるはずなのに無い滝
と、いうことで、せっかく県境まで来たのだから、県境にあるが福島の滝ということで見ないでいた滝を見よう、ということになった。地図に出ているだけで、果たしてどんな滝かはわからない。が、近いから自動車をまわす分には支障はない。支障はないが、まさか、見つからないとは。県道のすぐ脇にあるはずの滝で、川も手にとれるところにある。国道49号と国道459号がもっとも接近するあたりを結ぶ県道384号の脇にある神楽滝である。神楽滝のある宝川は綺麗な渓谷で、早瀬などもいくつかあったのだが、滝と呼べるものはなかった。自動車を降りてけっこう川沿いに歩いてみたのだが、見つけることができなかった。ちょうどスノーシェッドのあるあたりが滝かもしれないのだが、それほど落差のある地形でもなかった。どこにあるのだ、神楽滝。ああ、またしてもストレスがたまってしまった。

振り向けば柳津
こうなったら、ヤケである。このままおめおめと帰ってなるものか。県境まで来たのだから、せめて温泉だけでも福島の温泉に入って行こう。しかし、手元には新潟の地図しかない。その地図にはギリギリ会津坂下までは載っている。そこにあったとある日帰り温泉マークに決めて自動車を進めた。
ああ、これも失敗だった。けっこう苦労してたどり着いたのに、なんというか、ひなびすぎている。この温泉は地元の人が地元の人だけで利用する温泉なんじゃないか。実に近寄りがたい雰囲気のある建物なのだ。こういうひなびすぎた温泉が好きな人もたくさんいるだろうので、「失敗した」温泉の名前は伏せておく。入りもしないで「失敗した」だなんて、失礼だし。が、私は小奇麗な温泉施設で汗を流したいのだ。それでは、来る途中にあった温泉マークに入るか、と、自動車をターンさせた。させたら、そこは、柳津町だった。

美しき『つむじ倉滝』
柳津といえば、滝好きの私の脳みそにインプットされた滝がある。近県で落差100メートル近くの滝はそれほど多くはない。つむじ倉滝は、落差85メートル。ダンナ、近くにいい滝ありますぜ。
すぐさまコンビニに駆け込み、福島の地図を開く。頭の中に行きかたを叩き込む。これで行けたら、天才である。そのコンビニは、ちょうど国道49号から滝に向かう国道252号との交差点にあるコンビニ。あとはもう、行くしかないだろう。幸いなことに、国道252号には柳津町に入ったところに道の駅があった。ここでパンフレットを入手。地図が手に入ればもう問題はない。しかも、柳津町は親切で、辻つじに名所や施設の案内板が立っている。つむじ倉滝もしっかり案内されていた。ほとんど全く迷うことなく、つむじ倉滝の展望台に到着。滝までは50メートル以上の距離があるが、滝の全景が見渡せて実に気持ちがいい。
すでに先客がいて、長期戦でシャッターチャンスを狙っているらしく、下生えを鎌で刈る念の入りようだった。こちらもご夫婦らしく、休日の一日を滝と向かい合っているのだなぁと感じる。私たちみたいにばたばたあっち行ったりこっち行ったりしてないんだなぁ。


美しい滝も見ることができて、とりあえず満足。そして、もう一生のうちにこんなところまで来ることもないだろう、ということで、滝の近くの西山温泉にある日帰り温泉施設に入浴して帰路についた。(西山温泉のレポートはここへ
行き当たりばったりもいいドライブである。楽しんだのか、疲れたのか、さすがにわけがわからなくなった。

交通
剣竜峡 月岡温泉のすぐそばにある。県道290号を月岡温泉から新発田方面に向かう。と、荒川という川を渡る。実に小さな川で、実に小さな橋なので注意が必要である。渡ってすぐの道へ右折。あとは道なりに川沿いに進んで行けばよい。やや走ると本文中の写真の鳥居と赤い橋が見える。この手前にしめ縄をはられた石のある広いスペースがあるので、そこに駐車すると、杉木立を歩いて神社に向かうコース。ここに駐車しないで、さらに自動車を進めると、トイレのあるやや広いスペースに出る。ここに駐車すれば、対岸に不動滝が見える。橋もあるので、渡って間近に見ることができる。禊の滝は、不動滝より下流にある。橋を渡って右がわに神社があるが、その下に位置すると思えばよい。

実川渓谷 一応行き方を説明するが、現在は土砂崩れのため、渓谷には行けない。いつ復旧するのかも分からない。
磐越自動車道津川ICを降り、国道49号へ向かう。国道49号に出る交差点で直進して、国道459号に入る。右手にタ゜ムなどを見ながら、道なりに進む。左手に角神不動滝の案内がある広場がある。これも通り越す。阿賀野川沿いにどんどんと進むと、現在はトンネルの工事中でやがてはトンネルになるであろうとても狭い道になる。これが国道かと思うくらい、とんでもなく狭い。その狭い道のさなかに、左がわに斜め上に向かって枝別れしている林道がある。実川、と、標識も出ているが、とても細い道なので、見落とす可能性があるので注意する。あとは道なりに進めばよい。ただし、すれ違いが困難な林道である。また、途中の小荒の集落までしか舗装されていない。小荒から先は未舗装で見通しもよくない。現在は国の重要文化財の五十嵐邸の裏までしか自動車も歩行者も進入できない。
本文中の写真の吊り橋は、五十嵐邸の中庭を通らせてもらって、畑の間を通って行くとすぐに出現する。万治峠方面への登山道らしい。

つむじ倉滝 磐越自動車道会津坂下ICを降りて、そのまま直進、国道252号に入る。ややすると、柳津の温泉街、道の駅などがある。それを通り越して、さらに先にある西山温泉をめざす。途中にあるパチンコ店のそばの道で左折。これが県道32号である。あとは、曲がり角ごとに必ず案内板があるので、それにしたがって行けばよい。
滝見台は、峠の途中にある。いきなり左手にあずまやが見えてくるが、それが滝見台である。自動車をとめるスペースは、無理をすれば2台くらい。道路は曲がりくねっているので、できれば路上駐車は避けたい。


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