番外

 の山

2012/6/2      当間山 (1016.5m)   
この冬は雪が多かった、というのは、すでに山のレポで何度も書いてきた。
例年であれば、5月のうちに行く花の山「青田南葉山」も、6月の初めの週末でもまだ雪がたくさん残りすぎて、花どころではないだろうと予想できた。
そんなワケで登る山に迷った我々は、ふもとの当間高原リゾートのジャーマンアイリスが見ごろだというので、ただそれだけの理由で当間山に行くことにしてしまった。
上越の山が積雪のため無理なら、魚沼の山だって積雪はすごいだろうが、そのへんをあまりよく想像しない。いや、実は当間山、我々が登った6月2日の翌日が山開きだという情報を得ていたのである。翌日が山開きであれば、残雪があっても少しは整備されているだろうと期待していた。
甘い期待でした。雪だらけでしたとさ。
山頂でお昼を食べるつもりだったので、それほど早く家を出なかった。
ところが、当間高原リゾートまでは問題なく到着したのに、その先で迷ってしまった。
ホテルを左に見て林道に入るという案内だったので、そのまんま直進したら、山からどんどん離れてしまったのだ。
別の案内で天文台をめざす、とあったので、ホテルまで戻り、ホテルをぐるっと左に見ながら回り込む左折の道に行くのだと判明。とにかく天文台の道しるべだけを頼りに進み、左写真の天文台を過ぎ、右写真の駐車スペースに出た。左に曲がると花の谷、カブト虫の林という道標がある。
駐車スペースは砂利敷きで工事用具置き場みたいな感じで、自動車が一台も止まっていない。登山口らしき案内もない。
道は細いので自動車は入らないように、との案内はあるが、ゲートは半分以上あいた状態で続いているので、とにかく先に進んでみることにした。
細いが、すれ違いがそれほど困難でもないだろう、という道を進んで行くと、右側に左写真のような案内看板がある場所に出た。道はまだ先に続いているが、とりあえず看板を見てみることに。
すると、看板は登山の案内。ここから登山口らしく、ポストかしらと思った入れ物には当間山散策道案内図という印刷物があった。ありがたくいただく。
自動車は大きな鉄塔の下にスペースがあったので、そこに駐車。
登山の仕度をしていると、管理用の自動車が我々のすぐそばを通過していったが、とりたててそこに駐車するなとも咎められなかった。
左写真でいうと、上側の道ではなくて、看板の前の道を進んで行くとその先が当間山の登山道になる。
右の写真は登山道に向かう道。
最初は自動車も通れるくらいの広い道だ。
10時50分  案内看板前出発。かなり予定より遅れてしまった。当間リゾートで迷ったのが敗因だ。
我々が仕度をしている間に10人以上の大学生っぽい団体がぞろぞろとやってきて、同じ方向に歩き出した。
げ、とんでもない団体だし、なんかものすごい軽装だし。
なんか、イヤな感じだなぁ。登山するって感じの人たちじゃないなぁ。あの団体と一緒に登るのかしらん、と、最初から不機嫌になってしまった。
白状するが、この日は私はとにかく体調が悪かった。
できれば家で寝ていたいくらいだったのだが、天気がよすぎた。いいお天気の日はもったいなくて、体調が悪くても出かけてしまうのである。
5分ほど歩くと、ブナの小経との分岐。
団体さんたちはゾロゾロだらだらとブナの小経へと左折。よかった、ここでお別れだ。
分岐には熊に注意の看板が。熊に知らせるためか、鐘もあった。
道はなだらかで広く、ブナの林がとても美しい。
落ち葉がたくさん敷き詰められていてフカフカだ。
その落ち葉から何やらたくさん芽が出ていてかわいらしい。
ほとんど風景が変わらないなか、飽きてきたなぁと思った頃に水場になった。
11時15分 ブナの清水。
清水から3分ほどでブナ回廊との分岐になった。
ただし回廊がわの道は谷になっていて、雪が見える。
あらまあ、雪だわ、と思っている間に、我々の行く先も雪になってしまった。
すっかり雪の中に放り出されてしまった。
目印のリボンなどもない。
これまでの広い道があっという間に雪の下である。
とにかく谷の先端まで雪の上を登って行くことにした。
運よく谷の先端まで行って見回すと道を発見できた。
その先もブナの林の中をゆるやかに登って行く。
登山口からすでにイワウチワは咲いていたが、標高を上げるにしたがって、咲いている密度が濃くなっていく。
どこを向いてもイワウチワが咲いている状態だ。
だんだんとブナは細くなり、道が明るくなってくる。
とにかく道幅は広くて、登りは緩やかである。
それがずーっと続く。
ガッツリ疲労するわけではないが、じわじわと疲れてくる。
普通なら気持ちのいい散策道なのだが、体調が悪いもんで、何度も戻ろうと思った。
11時55分 ようやく1本杉。それほど大きな杉ではないが、登山道のいい目印である。
1本杉から先は登山道が細くなり、尾根道になる。
このあたりからイワナシの花も咲き始めた。
やっと遅い春を迎えたショウジョウバカマも咲いている。
尾根道から展望台が見えて、そこまでがんばろうと思う。
もうちょっとで展望台という所で、今までにない階段の急登になった。これを登り切れば展望台とわかっているので、ひいひい言いながら前に進む。
12時02分 展望台。
体力消耗しきっている私を見かねて、ダンナがここで昼食にしよう、という。
展望台の上は平らで、実に快適な食卓になる。
空腹だったので、もちろん即答で応じて、昼食。
展望台の周りはアカモノがたくさん咲いていた。
この登山道唯一の展望箇所ということだが、
この日はなんだか霞んでいて、
遠くの山々はよく見えなかった。
柏崎、長岡方面の山々の説明はあったが、
反対側の白い雪をかぶった高い山は
いったい何山なのかの説明がなかった。
巻機山かしらねぇ。
腹も満たされ、元気が出た。
リュックを展望台において、三角点を目指すことにする。
12時40分 展望台出発。
出るなり雪になる。
道を見失うほどではないので、進んで行くと、「山親父」と看板のつけられたねじれたブナの木があった。  12時48分。
山親父から先も多少残雪があり、道が不明瞭になったりしたが、すぐに道とわかった。
12時51分 右に行くと当間山、まっすぐ行くとスカイラインとの表示。
右に進むと、ブナの林の中を少し歩く。
12時54分 当間山三角点。1016mだそうだ。
こんなピークでもなさそうな場所になんで三角点をつけたんだろう。
山頂へはさっきの分岐に戻って向かう方法と三角点から猫石を経由して行く方法がある。
猫石という響きに惹かれて、後者を選んだ。
これ、道か?という感じの踏み跡が三角点から伸びている。
ちょっと不安だったが、しっかりピンクのリボンがつけられていたので、それをたどって進む。
今までの広いなだらかな道とは全く違って、いきなり急降下したり、登ったりする道だ。
時折雪渓に阻まれて、どっちに行っていいのかわからなくなったが、その都度道案内を見つけたり、植物のネームプレートを見つけたりして進むことができた。
13時19分 山頂到着。看板にブルーシートがつけられていて、何が何やらさっぱりわからないが、1028.5mというのが書かれてあった。
道しるべによると、猫石経由で三角点まで880メートルだそうだ。
嘘だろう〜っ。もっとあったぞ〜っ。
って、猫石、みつけられなかったんですけどぉーーーーっ。
帰りは猫石経由ではない道を選んで戻ろうと思ったが、なんと、こっちのほうが雪が多かった。
広い道が途中までついていたのだが、雪渓に出たらさっぱりわからなくなった。
リボンもついていなければ、道標もない。雪さえなければなだらかな広い道が続いているのだろうのに、みつけられない。
さすがにこの状態でやみくもに進んでは遭難しかねない。
仕方がないので、来た道を戻ることにした。
0 さすがに一度来た道なので迷うことなく戻ることができた。
13時44分 三角点。
13時46分 分岐。
13時48分 山親父。
13時55分 展望台。リュックを回収。
14時07分 1本杉。
14時32分 ブナ清水。
14時48分 ブナの小経分岐。
14時52分 案内看板到着。  ご苦労様でした。

結局、なんだか疲れてしまったので、帰りは当間高原リゾートには立ち寄らずに、ジャーマンアイリスも見ずに家に戻ってしまった。当間山に登ろうと決めた目的がどっかに行ってしまったが、それはそれで仕方がない。
当間山は、散策道がとてもしっかりと整備されているし、ブナの小経などは植物の名前やブナの役割などが書かれたプレートが随所にあって、子供たちの学習の場としてはとてもよい所だと思う。
山頂までも広くて快適な登山道だったし。
ただ、三角点から先は雪が多いと道がよくわからないので、残雪時は注意が必要だ。
おおむね、とても気持ちのよい山でした。


当間山
最寄ICは、塩沢石打、もしくは越後川口IC。インターを下りたら、それぞれ十日町市内を目指す。
国道117号線、当間高原リゾート入り口交差点で当間高原へ進む。坂を上って行くと、左手に広大な敷地が見え、ホテルの建物も見える。
当間山の登山道は天文台のさらに先なので、フラワーハウスの向かいの道を行く感じで左折。左手にホテルの建物を見て進んで行くと、やがて左手に天文台が見える。これを通り過ぎると、砂利の駐車場があり、自動車はここまでと案内されている。
しかし、道はまだ続いているので、さらに進むと、上欄の登山案内の看板のところに出る。道は細いので、運転に自信のない人は砂利の駐車場にとめるほうがいいかもしれない。
登山道はなだらかで危険な場所はほとんどないが、雪がある場合は道を見失いがちなので注意が必要。
三角点から山頂までは、猫石経由のコースはやや険しくなる。


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