番外

近県の山

2014/7/12  野反湖  八間山(1934.5m)   
前々から野反湖という場所には興味があった。色々な花を楽しめる湖らしいのだ。
野反湖から登り始める二百名山の白砂山は、実は新潟、長野、群馬の県境にある。
しかし、新潟から行こうと思うと、一度群馬県に入ってから県道55号線、日本ロマンチック街道をひたすら草津温泉方面に走る必要がある。
とんでもなく遠い場所という印象がある場所だった。
ところが、昨年末、つい思いつきで世立八滝を見に行ってしまい(レポはこちら)、この道の少し先が野反湖だと知った。なんだ、思ったより遠くないじゃん。
そんなこんなでノゾリキスゲが咲いたという土曜日に行ってみることにしたのだった。

とりたてて早起きするでもなく、いつもの出勤時間に家を出て、
10時40分、野反湖富士見峠の駐車場に到着。花のシーズンというので、混雑しているかと思いきや、意外とすいていた。
野反峠には売店やトイレなどがあり、色々なトレッキングコースの出発点になっている。
この周りでもすでに花だらけ。
ノゾリキスゲは密度こそ濃くないが、あちこちに咲いていた。
我々は八間山に向かう。
11時ちょうど、駐車場と道を挟んで向かい側にある八間山の登山口に。
左写真に見える山の一番高い場所が山頂だと我々は信じこんでいるのだが。
なだらかな階段を5分も登らないうちになにやら看板のある分岐があった。
看板によると、地元の中学生が植えて保護しているコマクサがあるらしい。
左にそれるとガレた場所が広がり、コマクサが咲いていた。
コマクサの咲いている場所は先には続いていないので、分岐に戻って、再び階段を登る。
階段の周りは笹が多いのだが、時々花が咲いているので、立ち止まっては撮影。とにかく蝶が多くて、立ち止まることが多い。
11時33分。イカイワの肩。
この先はほぼ水平移動になる。
なにせ、出発した段階で、肩の先の頭はそれほど遠くないと見ているので、ナメて歩いている。
11時46分。ガレた場所に出た。もしかしたら、昔はこのあたりにもコマクサが咲いていたのかもしれない。なにやら祠のようなものがあったので、てっきりここがイカイワの頭だと思ってしまった。やっぱり近いじゃん。いや、それ、誤解ですってば。
ちょっと樹林帯っぽい場所に入って行く。
今まで遮るものもない直射日光が痛いくらいだったので、とても助かる。
ただ、ちょっと登りがキツくなった。山頂に向かう登りだと信じて登る。
と、なにやら、道標が出現。そこに書かれていた文字は、
12時ちょうど。イカイワの頭。
ええーーーーっ、山頂だと思ったのにぃぃぃぃ。
まだ、ほんの途中の頭ですとぉ〜?
つまり、入り口から見えた山並みの一番高い場所こそ、イカイワの頭で、八間山の山頂はさらに奥にあるのであった。とほほ。
気をとりなおして歩き出す。
ここから先もほぼ水平移動。
ただ、前方に屏風のように右手に伸びる峰があり、あのどれが山頂だろうね、と推測する。突き当りならまだいいが、右に曲がってまだ先だと遠いぞ。
前日は雨だったらしく、時々登山道はぬかるんでいる。
天候が悪いと沢みたいになるだろうと予想できる。
いよいよ森林限界かしら、と笹ばかりの道を登る。
日光が痛いったら。
で、突き当りまで登るとまた樹林の中。
右に曲がる。ああ、突き当りが山頂じゃなかったのね。道はほぼ水平。
ここに至って、どういうワケか音楽のズンズンいうビートがふもとのほうから響いてきて、山っぽくないなぁと感じる。こんな場所まで響くんだ。
どこまで歩くんだろう、と思っていたら、山頂に飛び出た。
12時30分。山頂到着。
すでに数組の登山者が昼食中で、我々も傍らでお昼にした。
山頂はそこそこ広くて、平らだ。
一角に小屋があるのだが、すでに斜めに崩れかけていて、むしろ危険っぽい感じの小屋だ。写真に撮影すると、映画のセットみたいな崩れ方だった。
眺望のいい山頂ということだったが、野反湖は全く見えずに、反対側の山並みが見えた。
スキッと見通せる日には富士山も見えるらしいが、この日は無理。
13時05分。下山開始。
13時25分。イカイワの頭。
13時43分。イカイワの肩。
13時55分。コマクサ分岐。
14時ちょうど。登山口到着。
富士見峠の休憩舎で野反湖の周辺の地図を見て、キャンプ場のテント場のそばにお花畑があるというのを発見して、まだ時間も早いのでそっちにも行ってみようということになった。
キャンプ場がよくわからなかったので野反湖ダムの展望台駐車場で下りてみたらなにやらたくさんのカメラマンたちが湖を撮影中。
どうやら写真クラブかなにかの集まりらしい。
おお、ノゾリキスゲがたくさん咲いているぞ。
もう一度地図で確認して、大型自動車は入れない旨のゲートを通り越して、野反湖ダムの上を走ってキャンプ場に。おや、なにやら人がいるぞ。
その人に聞いてみると、今日はキャンプ場でイベントがあるとか。
イベントの駐車場には入れなかったが、キャンプ場の駐車場はOK。そこから歩くことに。
ところで、このイベント、群馬の地元のアーティストが出演するフェスのようなもので、大音量の音楽はここから聞こえてきていたらしい。
野反湖畔のイベントの音、八間山の山頂まで聞こえます。
キャンプ場のテン場なので、それほど遠くないだろうと歩き出したが、いっこうに着かない。
駐車場から20分近く歩いてやっとテン場に。
さらに5分ほど歩いてやっとやっとお花畑に着いた。
とはいえ、お花畑らしくない場所でした〜。
いや、もっと見事なシーズンがあるんだとは思うが。
チラホラとキスゲが咲いている程度だった。
どうやらコバイケイソウとかマルバタケブキとか咲きそうなんだが、まだ季節が早かったようだ。
ちなみに、テン場のお花畑とは、野反湖一周コースの道標の一つと考えたほうがよさそうだ。木道があるので歩きやすいことは歩きやすいけど。
とにかくたくさん蝶が飛んでいて、蝶好きにはパラダイスだったかも。

なんやか言って、八間山は山地図のコースタイムどおりの1時間半で登っている。下りも1時間だし。
ちょっと見た目で勘違いしてしまって、疲労度を増してしまったが、野反湖と山をどちらも味わいたい人にはちょうどいい気持ちのいいコースだと思う。
特にこの季節には植栽ではあるがコマクサも咲き、ノゾリキスゲも見事だ。よーく見るとオノエランも咲いていて、ちょっと得した気分になる。
季節によっても色々な花が咲くと思うので、また違う時に来てみたいと思った。

野反湖  八間山(野反湖富士見峠登山口)
最寄ICは、われわれは新潟からなので月夜野IC。国道17号、県道36号を経て国道145号出る。あとは草津温泉方面に進めばよい。
途中、中之条町で国道353号、さらに県道55号に乗るが、ずっと「日本ロマンチック街道」である。とにかく草津温泉の道案内は随所あるので、迷わない。
国道292号に突き当り、右折。道の駅六合の前を通り過ぎ、少し走ると草津温泉との分岐になる。草津温泉は国道292号で左折なのだが、野反湖は国道405号で直進。
ここにも道案内がしっかりあるので迷わない。
あとはひたすら標高を上げて走るだけである。けっこう距離があるので時間の余裕は見ておいたほうがよい。
八間山は富士見峠から登るコースと野反ダムの少し手前にある車道出合という駐車スペースからのコースがある。


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板