番外

近県の山

2014/8/2  岩菅山(2295m)   ただし、途中撤退。
2014年の夏は、前半はとにかく暑かった。
のんびりゆっくりと進む台風のせいで、あちこちで大雨になっているかと思えば、我々の住む新潟県はフェーン現象で35度近い気温が連日続いていた。
この前の週にあまりの暑さに高い標高から登り始めて高い標高に着く山を求めて、蔵王に逃げたのだが、この週もまだまだ暑かった。
ぜひともどこかに避暑に行きたい。しかし、そんな贅沢なことを言って、今年はロクに山を登っていない。そうそう楽していたら、体力がつかない。
高い標高から出発できて、そこそこ歩けて、しかもお花がたくさん見られたらいいなぁ、と相変わらず贅沢を並べて探し当てたのが長野県の岩菅山だった。
岩菅山と言われてピンとくる人はあまりいないと思うが、志賀高原の地図を開くと、たくさんスキーのリフトがつけられれている焼額山の向かいにあるのがそれだ。
とりあえず200名山だし、なんだか山地図の登山道のまわりにやたらめったら花の名前が書いてある。きっと花がたくさん咲いているんだろう。
実に安易に決めて、ちょっとだけ早起きして高速道路で奥志賀に向かった。
信州中野インターで下りて、渋温泉などを通る国道292号で志賀高原に向かう。
ナビの案内の通り、途中で奥志賀に向かう県道471号に左折して、やや進むと自動車が路肩に何台かとまっている登山道入り口になった。
9時10分 登山道入り口到着。
とても分かりやすい道標が「ここは一の瀬です。標高1535M」
と教えてくれている。
登り始めは、実によく整備された感じの階段状の道だ。
しかし、まあ、この階段がけっこうキツい。
標高が1500メートルを超えているのに、しかも日陰なのに、なんだかじめっとしていて、どわっと汗が出る。
避暑なんじゃなかったのか。
9時23分 道が用水路沿いの道に突き当たる。
ここを左折。ここから先はほぼ平坦な用水路の脇に沿った道になる。
用水路はきちんと管理されているようで、とても綺麗だった。
周りにタテヤマウツボグサやオダマキ、イチヤクソウなどがたくさん咲いている。
9時27分 底清水。
ちゃんと山地図にも出ている清水で、岩の割れ目から水が湧き出ている。
が、名前は手書きで小さく書かれているだけだった。
しめ縄のある岩が目印。
とにかく花がたくさん咲いている道だ。
なだらかなので、気持のいい散歩道といった感じである。
9時46分 武右エ門沢。
簡単な橋が渡されている。
その先もずっと用水路沿いの道。
とにかく平らで、登山ぽくない。
9時50分 用水路が隣の沢と合流する。
途中まで、平均台のように用水路と沢の間を通ることになる。
9時52分 アライタ沢を橋で渡る。
アライタ沢は綺麗なナメ滝のようになっている沢だ。
山地図にはグリーンタフ(緑色凝灰岩)の岩盤と書かれている。
ここから先はいよいよ用水路から離れて、登山道っぽくなってくる。
登山道はとにかくよく整備された階段である。
ガンガン階段で登る。
登ったかと思うと時々ぬかるんだ平らな場所になる。
道標は忘れたころに現れるが、何合目とか山頂まで何分とかの表示は全くない。現在位置がさっぱり分からない。
ちょっとなだらかだが、まだまだ階段。
木々が途切れて、たぶんあれが岩菅山なのだ、という山が見えた。
10時40分 山が見えてすぐに、足元に左写真の案内が落ちていた。
ここが中間点。あと70分で山頂だという。
よし、1時間ちょっとだな、と歩き始めた。
道は泥っぽいぬかるんだ道だ。
しかし、10分も歩かないうちに、空があっという間に暗くなり、ポツポツと雨が降り出した。あんなに晴れていたのに。
樹林帯だったので、木の葉の密度の濃い場所で様子をみたが、だんだんと雨がひどくなってきた。
ザックにカバーをして、雨具を着なければしのげないほどの強い雨になってきた。
ついさっきまで見えていた山頂がどんどんと雲の向こうになっている。
雷までなり始めた。
ここまで来て、諦めるのか協議したが、山頂まで行けば晴れるというワケではなさそうだった。何より、雷怖いし。
仕方がない、ここで戻って、たぶん登山口あたりのほうが晴れているだろうから、近場の池の周りでも歩こうか。
雨の中、戻ることにした。
11時02分。途中撤退。
11時42分 アライタ沢。
11時46分 武右エ門沢。
12時04分 用水路の分岐。
12時13分 登山口到着。
急遽身につけた雨具だったので、ズボンははかないでいたら、本当にびしょ濡れになってしまった。
大沼入り口にある山小屋風のトイレで全部着替えるハメになる。綺麗なトイレで助かった。
もうお昼の時間も過ぎているので、どこかで昼食にしたかったが場所が見当たらない。
ずっと国道292号を下って行くと、左側に名水公園があったので、そこに駐車。
澗満滝の展望台にもつながっている公園で、池や湧水などもあり、とてもきれいな場所だ。
見事に晴れて、さっきまでびしょ濡れになったことを忘れさせる。
ここで昼食にして、これからどうするのか協議。
結局、池めぐりをするのもほかの山に登るのも時間がないので、一番近くで目についた水無池の周りでも歩こうか、ということになった。
少しだけ公園から坂を登ると左側に小さな駐車スペースと看板がある。
遊歩道の長さは1キロだと書かれている。往復したらちょうどいいかな。
これが意外に綺麗な場所だった。
コバギボウシやオダマキなどがあちこちに咲いている。
最初樹木に隠れて池がよく見えなかったが、しばらく歩いていると、池の姿も見てとれた。
花が多いので、蝶もたくさんいた。
アサギマダラやヒョウモンチョウが一つの花に一つと言ってもいいくらいとまっている。
時折小雨も降ってきたが、ほとんど雨にはならずに、端っこの橋まで行って戻って来れた。
だいたい1時間くらいだった。
ここまで来たので、もちろん澗満滝にも立ち寄ろう。
名水公園からではなく、もうちょっと下った場所にある展望台まで自動車で行って、歩く。
前に来た時はこんなだったっけ、というくらい整備されていて、途中に炭焼き小屋などがあった。
本日窯だしだそうだ。
5分も歩かずに展望台に着く。
あれ、澗満滝って、こんなに近かったっけ、と思うくらい大きく見えた。
どうも遠望である、というイメージが強すぎたようだ。
それでも、こんな感じにしか見えない。
ゴウゴウという音がすぐそばに聞こえる。
あまりに夏の緑が濃くて、滝が負けそうだった。

われわれが撤退した場所は、ほぼ中間点なのだが、その先がノッキリという寺子屋峰からの登山道との合流点。
そこから山頂までが高山植物が多くみられる場所だったらしい。
一番キツい階段ばかりの登りを頑張って登りきっての途中撤退はものすごく惜しい。惜しいけど、あの階段はとんでもなく辛いので二度と登る気になれない。
なにせ、ここしばらく登山では味わったことのない筋肉痛がしばらく続いたのだ。
それにつけても、山の天気はわからない。もしかしたらあのまま登っていれば山頂は晴れていたかもね、とも思うが、そればっかりはなんとも言えない。
ここは撤退して正解だったと思おう。
花と蝶を見るなら、志賀高原の池めぐりコースもなかなかいいかもな、と分かったので、収穫は十分にあった。

岩菅山(岩菅山登山道入り口より)
最寄ICは、我々は新潟からなので、長野自動車道信州中野IC。国道292号で途中100円のトンネルを通ったりして志賀高原を目指す。
蓮池のあたりの交差点で国道から離れて、奥志賀に向かう県道471号に入る。
この先は、温泉やスキー場に向かう分岐がいくつもあるのだが、とにかく県道を外れないようにする。
最後のポイントは一の瀬のバス停。ここで道は左右に分かれて、左側はプリンスなどのスキー場になるので、比較的道が広い。
右側が県道なので、こっちを選ぶ。右というより、むしろ直進に近く、それでもなんだか細いので行っていいのかどうか不安になる場所だ。
あとは、左側に川、それを挟んでスキー場(ただし木立でよく見えない)という道をしばらく進むと、右がわの山がわの路肩に自動車が止まっている場所がある。
上の一番最初の写真のように階段状の登山道が見えるのでよく分かる。
見落としてしまうと、川を渡り奥志賀ゴンドラ前まで行ってしまう。そうなったらかなり通り過ぎたことになるのですみやかに戻ろう。
登山道は最初ガッツリ登り、その後用水路沿いの平坦な道が続き、ついで、階段でガンガン登る。
その後は登っていないので、わかりません〜。


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