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番外

の山

2014/11/22  馬ノ髪山(757.0m)   
11月に入って、新潟県内は急に冷え込んだ。
美しい紅葉も見られたのだが、あっという間に落葉し、そろそろ標高の高い山は白くなってきてしまった。
雪が積もった山には登るつもりのない我々は、せっかくの三連休に行き場を失ってしまった。
いや、待て、標高の低い山なら登れるだろう。もとより、体力がまったくない我々のこと、低い山くらいしか登れない。
そりゃあ、魚沼や妙高の山々はちょっと無理にしても、いくらなんでも1000メートルに満たない山なら雪は積もってはいまい。
かといって、ただ登るためだけの登山ではモチベーションが保てないのが我々である。
春は花、秋は紅葉。でも、もう紅葉は終わっちゃったし。では、残るのは眺望しかないではないか。
低くても眺望のいい山はないかなぁ。しかも、初めて登る山がいいなぁ。
そんなこんなでみつけたのが、阿賀町にある馬ノ髪山だった。
思いっきり後付になるが、ちゃんと山に登るのはこれが今年最後だと思う。今年は午年。おお、午年最後の山が馬ノ髪山とは、なんともいいゴロではないか。
そんなこんなで、晴れの予報が出た三連休の初日、我々は阿賀町に向かった。
例によって、早起きするでもなく、いつもの出社時間に家を出て、登山口に着いたのは、午前9時20分。
それほどメジャーな山ではないと思うが、3台とめられる駐車スペースにはすでに2台駐車中。
そのうちの1台の男性4人組が仕度をして先に出発して行った。
登山口がみつけられるか心配だったが、右写真のように立派な道標が立てられているので、すぐにわかった。
登山口は、道標のある駐車スペースの向かい側の建物の脇にある道だ。
しばらくは、自動車も通れるくらいの幅の道が続いている。
9時30分、登山開始。
右手に沢を見て、歩く。
5分も歩かずに、前方に堰堤が見えてきた。
その堰堤をいきなりロープの垂れ下がっている急な階段、といっても崩れてぐずぐずのものを登る。
堰堤の手前に山頂まで2時間とプレートがかけられていた。
堰堤の先はなだらかに杉林を歩いて行く。
だが、そのなだらかさも、3分も歩かずに終了して、沢が登場。
うっ、渡渉だ。
飛び石で渡れるが、ちょっと流れが速くて怖い。
ただ、思い返せば、この一番最初の渡渉が一番幅が広くて怖かったかもしれない。
沢沿いの道は荒れていた。
倒木がたくさんあって、崩れたような箇所もいくつかある。
沢ということで、滝も期待したのだが、右写真の落差1メートルくらいの小滝が一番滝らしかったかなぁ。
沢沿いの道は無数に渡渉する。
右に左に沢を渡り、もう何回行ったり来たりしたか分からない。
しかも、倒木は道をふさぎ、くぐったり跨いだりしなくてはならない。
こりゃもう、天然のフィールドアスレチックと割り切るしかない。
ただ、なんとなく倒木も湿っているので、リュックといわず、上着といわず、思いもかけない場所が汚れてしまうのが難点だ。
最初は沢沿いの道というのがあったが、しまいに、左側から支流が合流するあたりから、もう沢の中を歩け、と言わんばかりにピンクのリボンが誘導する。
水量がそれほどではないので、飛び石を選べば濡れることはないのだが、石によっては滑る。
かなり神経を使う。
10時10分。ようやく、沢と登山道が分かれる場所になった。
踏み跡が沢沿いに続いているが、それは山菜取りの人のものだろう。ピンクのリボンを見落としてはならない。
見上げると、山頂まで1時間のプレートがかかっている。
やっとフィールドアルレチックをクリアしたかと思ったら、うげっ、とんでもない急斜面が目の前にあった。
これ、壁じゃん。
たいていの山は、急斜面の後は緩斜面になったりするものだが、その壁、ずっと続いていた。
登っても登っても急な斜面だ。
しかも、登れば登るほどその斜面の角度がグレードを増す。
あまりにも急で、しかも長くて、見上げると笑いしか出てこなくなる。何かの罰ゲームですかぁ〜?
ただ、このあたりになると、天然の杉たちが登山道の脇に出現して、その威厳にちょっとだけ元気づけられる。
その急登の途中で、1か所展望が開ける場所がある。
左写真がたぶん川内山塊方面。右写真がたぶん五頭方面。
おそらく五頭はうっすら雪化粧していた。
急坂なのに、倒木もある。
この倒木なんか、よじ登ったうえに平均台よろしく上を歩く必要があった。
それをクリアしてもまだ急坂だ。
あれ、右側の崖に行くなというような感じでロープが出てきたぞ。
と、思ったら、そのロープは立ち入り禁止のロープじゃなくて、さらに急な坂に使え、というロープでしたとさ。
うえーん、壁がいよいよ壁になってきたよぅ。
このあたりで下山してくる2人組とすれ違った。
新雪の飯豊が素晴らしいですよ、と教えてくれた。
はい、それが見たいんですけど、へこたれそうです。
その壁を登りきったら、山頂まで○○分、と文字の消えたプレートが置いてあった。よーく見ると、どうも20分と書かれていたらしい。10時56分。
これで急登は終わりかしらん、と思っていたが、いやいや、まだまだ急登です。
ホントに笑うしかない。
登る。
とにかく登る。
ガンガン登る。
そうと気がつかずに、写真には納めなかったが、大きな杉の木が1本あって、その足元に祠ともいえない小さな白い箱みたいなのがある場所があったが、どうやらそこが馬の髪山の肩である扇の平の入り口だったらしい。11時13分。
そこから先はやっと平らな道になったが、なかなか山頂に到着しない。
と、ダンナがおおっと声を上げた。
目前に雪化粧した山が見えて、山頂の小さな広場があった。
11時20分。山頂到着。
山頂の碑がこれまた素晴らしいものだった。
金属の柱に彫金したようなもので、きれいな銀色に輝いていた。
青空と向かい側の蒜場山の雪姿と実によく似合っている。
先発したはずの4人組はいなかった。
どうやら山菜取りらしい。
狭い山頂だが、2人だけで素晴らしい景色を堪能できた。
左写真が蒜場山。綺麗だが、どっから登るんだろうねあの山、という感じの険しい表情だ。
その向こうにいやっていうほど真っ白な山がチラッと見えているが、たぶん大日岳である。飯豊の本峰はそのさらに後ろになる。
右写真がそのチラッのアップだが、ついに頂上付近の雲はとれなかった。
で、おそらく、こっちが二王子岳方面。
全部あとから山地図で見てそうだろうと予想しているが、山頂では、もはやどっちがどっちか方向感覚がなくなっている。
ただ、ひたすら、青空と雪化粧した山々が綺麗でした。
しばらくすると、2人のご夫婦らしい登山者がやって来たので、入れ違いで我々は下山することにした。
12時03分。
登る時にあまりに急なので下山がかなり心配だったが、思ったほど滑らずに、岩だらけ泥だらけの登山道に比べればむしろ楽だった。
どっちかと言えば、沢の下りのほうが怖かった。
左写真は登りの時に気がつかなかった五合目の道標。倒れて朽ちかけていた。
右写真は急登の途中でみつけたウラジロヨウラク。おいおい、狂い咲きにもほどがある。
12時20分、山頂まで20分のプレート。
12時54分、山頂まで1時間のプレート。
13時27分、堰堤。
13時32分、駐車スペース到着。ごくろうさまでした。

いやはや、すごい山だった。
前半の天然フィールドアスレチックと後半のどSな急登の組み合わせは最強である。精神的な鍛練を望む人向けの山かもしれない。
なんだか、あまりにすごすぎて、とにかく笑いっぱなしだった。真夏はまずやめたほうがいい山だし、春先はたくさんイワカガミの葉っぱがあったので、花はあるだろうが、雪もひどくてぐちゃぐちゃな急登は考えたくもない。偶然にせよ、一番いい季節に登れたのだと思う。
眺望は素晴らしく、目前に迫る蒜場山の姿はうっとりするくらいである。あれに登ったらきっと飯豊の山々が綺麗に見えるだろうとは思うけど、厳しい山らしいです。
へたれ登山しかできない我々の山納めにはちょうどいい、とても気持ちのいい登山になった。
馬ノ髪山
最寄ICは、磐越自動車道三川IC。
インターから国道49号線に出て、福島方面に進み、ちょっとややこしいのだが、三川駅前の交差点で右折。さらに右折、さらに右折でさっき通って来た国道49号の下を通って県道14号に出る。You&湯みかわという施設のある道なので、その案内に従うといい。
You&湯みかわを通り過ぎ、さらに県道14号を進み、目標はルーセントゴルフクラブである。
が、ルーセントゴルフクラブに着くほんの少し手前の「日の出橋」を渡ってすぐで右折する。ルーセントゴルフクラブについてしまったら行きすぎなので注意。
右折して、間もなく、ちゃんと馬の髪山登山口は左折という道しるべがある。右折したら見落とさないようにしていればよい。道の左右にあるので、たぶん見落とさない。
左折する道はかなり細くて狭い。が、ちゃんと舗装してある。
そこから10分も走らないで右側に本文写真のような駐車スペースがある。
石の道標のある駐車スペースは3台ほど駐車できるが、さらに少し先に進むと空地があるので、そこにも駐車できそうだ。
登山口にはトイレはないので、道の駅などですませておこう。
登山道は最初沢がらみですべりやすい。後半はガンガン登る1本急登の道である。


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