番外

近県の山

2015/7/19  岩菅山(2295m)   
2014年の夏に実はこの岩菅山にチャレンジして、半分登って雷雨のために撤退した。
あの時は過酷な階段に敗北感が強くて、二度と登るつもりになれなかったが、1年たつとすっかりそんなことは忘れてしまうものである。
途中撤退した中途半端さがイヤで、再チャレンジすることにしてしまった。
ま、1回ミソがついてしまうと、次もなにかしらあるということが多いが、この岩菅山、我々にとってはミソついた山でしたとさ〜。
午前9時ちょうど、一の瀬登山口に到着。
って、あれれれれ、かなりの数の自動車が路肩に駐車している。昨年は同じくらいの時間に着いて、ほんの4、5台程度だったのに。登山口付近のやや広くなっている路肩の駐車スペースはほぼ満車。仕方なくさらに先のそんなに広くないがなんとかとめられる路肩に駐車した。
ちょうど三連休の初日で、山の家か何かの子供たちがインラインスケートで軽快に林道を駆け下って行った。高原っぽい感じだなぁ。
見覚えのあるとてもよく整備された階段の道を登って行く。
あ、イチヤクソウが咲いているぞ。
昨年はこの階段ですでに汗だくになったが、さすがに半月早い7月なので、まだ快適なほうだ。
9時15分 用水沿いの道に合流。
岩菅山山頂まで4.3キロの道標があった。
9時17分 底清水。
気持のいい用水沿いの道は相変わらずだ。まだオダマキは咲いていなかったけど。
9時33分 武右エ門沢。
9時39分 アライタ沢。昨年より水量が多い気がする。
左の写真は橋の上から沢を見下ろした図。グリーンタフ(緑色凝灰岩)の岩盤というけど、緑色には見えないなぁ。
橋を渡ると、本格的な登山道になる。
すぐに足元にゴゼンタチバナたちが現れて、標高の高さを感じさせてくれる。両側がコケになった綺麗な階段を登る。
階段と思うと、ドロドロの平たい場所になり、土手みたいな坂道をきゅっと登るとまた泥になる。
途中の道しるべは、相変わらずよく分からないものだ。せめて山頂まで何キロとか書いていてくれたらなぁ。
道はひたすら階段だ。
目印になるものはほとんどない。右写真のような道しるべはあることはあるんだけど、位置関係がわからないものだけだし、字も判別できないものもある。
10時27分 やっと位置が分かる道しるべ。岩菅山の中間地点の案内図だ。これがまた昨年同様道端に落ちている。あと70分で山頂だそうだ。
ここから少し登った場所で昨年は雷雨のために引き返した。
右図は昨年もここから見えた岩菅山。昨年は雲に覆われていた山頂だ。
と、いうことで、この先は初めて登るルートである。
木の根っ子を登るような場所や赤茶けた樋状の道もあった。
もうすぐノッキリという地点のはずなんだが、なかなかたどり着かない。
11時09分 思った以上に時間がかかってノッキリに到着。
ここは高天原方面からの道との合流点だ。
数組の人たちが休憩していた。
岩菅山山頂までは35分と書かれている。
ノッキリから左に進んで少しすると前方の視界が開けてきた。
げ、あれが山頂か。
なんだか、いや〜な感じの登山道がくっきり見えるそ。
ものすごい角度で山頂へほぼ直登しているぞ。
最初、左写真のような赤茶けた泥の道を行く。
このあたりから先で高山植物が見られるとのことだったが、ちょこっとフウロやタテヤマウツボグサが見られたくらいだ。
だんだんと大きな岩が積み重なったような道になって行き、ちょっと登るのもつらくなってくる。
途中で何組もの人に追い越してもらった。
いいの、ゆっくり登るのが信条の私たちだもの。
左写真、かっこいい崖の上の方を登って行き、霞んだあたりが山頂だ。
ノッキリの案内にあった山頂まで35分は絶対にウソだろう〜。
ちょっと崩れかけた梯子を登る場所もあるが、おおむね自分でルートを決めて自然に積み重なった岩を登る感じである。
幸いにも雲が出て直射ではなかったので、まだ楽だったが、これが晴天であったらなら、かなりつらかっただろう。
ゼイゼイ、ヘロヘロ状態になったあたりで、山頂の碑が見えた。
11時54分 岩菅山山頂到着。
それごらん、35分じゃ無理だったじゃないの。我々はノッキリから45分かかりました。途中5分ほど休憩してます。
山頂は広く、あっちこっちに山頂を示すものがあった。
少しだけ下った場所に山小屋もあったので、悪天候の時は助かると思う。
10人以上の人が思い思いの場所で休んでいた。
我々も裏岩菅山方向を向いて場所を陣取り、昼食。
ちなみに、ノッキリ前後から虫が多くてネットをかぶっていたが、昼食中も虫には悩まされた。
眺望は雲のためあまりよくなかった。
右写真が雲が途切れた裏岩菅山方向だと思う。
左写真は我々が登って来た道。
12時40分 下山開始。
右写真は来た道を下ろうとしているダンナだが、まるで崖下にダイブしそうに見える。
  その崖みたいな急坂を振り返って撮影。
実はこの急坂で30名くらいの小学生の中学年程度の子供たちの団体とすれ違った。大人の我々でもヘロヘロになるとんでもない急登なのだが、子供たち、元気に頑張っていた。お互いにがんばれがんばれと励ましあいながら、着実に登っている。
真っ赤になって頑張っている女の子が下って行く我々に向かって、下りのほうが危険なので気をつけてください、と言ってくれたのには、心底感動した。
その子の忠告、届かなかったんですけどさ。
子供には登山させるべきだわね〜。
引率する先生たちは大変だろうけど。
 
  登るのは亀の歩みだが、下るのは早い。下り下手な我々でも早い。
13時13分 ノッキリ。
この先階段なので、ほぼ危険はない。
危険はないのに、やっちまいました。
私、ズルっと滑って、そのまま左手をついてしまい、全体重が落下加速とともに左手首にかかってミキッとヘンな音をたてた。さすがにヤバイかも、と自分でも思った。
でも、あんまり痛くないので、下山も可能だった。
 
  階段状の道が幸いして、ほぼ苦労することなく下ることができた。
13時45分 中間地点。
14時24分 アライタ沢。
14時29分 武右エ門沢。
14時46分 底清水。
14時58分 登山口到着。
手を下げて歩くとなんだかうずくので、ずっと手を胸のあたりまで上げて歩いた。そのせいで写真が極端に少なくなってしまった。
 
  自動車に戻って、手首に痛み止め成分入りのスプレー剤をふりかけ、タオルでぐるぐるにまいた。ほとんど痛みがないのが幸いだが、しびれた感じは続いていた。
でも、ここまで来たら帰りに澗満滝に立ち寄らないわけにはいかないので、ちゃっかりと立ち寄ってしまう。
意外にも次々と人がこの滝を見に来ていましたよ。
 

と、いうことで、小学生に注意されたにもかかわらず、しっかり負傷してしまった私です。
しかも、ちっとも危険ではない階段状の場所でつかなくてもいい手をついてしまったばっかりに捻挫してしまったワケで。
あのまんま尻もちついて、尻を泥だらけにしただけのほうがずっと痛手はなかったが、とっさの行動なのでどうしようもない。
ちなみに、連休が明けてから整形外科に行って軽い捻挫と診断された。サポーターで手首を固定して三週間以上かかるとのこと。痛い登山になった。
捻挫をのぞけば、岩菅山はとても面白い山だった。用水沿いの気持ちのいい道も、山頂直下の急登も山のいいところを凝縮したような山だと思った。
ただ、季節的なものなのが、もうちょっと高山の花々が咲いていたらなぁ、蝶が飛んでいたらなぁ、という気もした。
何月頃が一番いい季節なのかなぁ。

岩菅山(岩菅山登山道入り口より)
最寄ICは、我々は新潟からなので、長野自動車道信州中野IC。国道292号で途中100円のトンネルを通ったりして志賀高原を目指す。
蓮池のあたりの交差点で国道から離れて、奥志賀に向かう県道471号に入る。
この先は、温泉やスキー場に向かう分岐がいくつもあるのだが、とにかく県道を外れないようにする。
最後のポイントは一の瀬のバス停。ここで道は左右に分かれて、左側はプリンスなどのスキー場になるので、比較的道が広い。
右側が県道なので、こっちを選ぶ。右というより、むしろ直進に近く、それでもなんだか細いので行っていいのかどうか不安になる場所だ。
あとは、左側に川、それを挟んでスキー場(ただし木立でよく見えない)という道をしばらく進むと、右がわの山がわの路肩に自動車が止まっている場所がある。
上の一番最初の写真のように階段状の登山道が見えるのでよく分かる。
見落としてしまうと、川を渡り奥志賀ゴンドラ前まで行ってしまう。そうなったらかなり通り過ぎたことになるのですみやかに戻ろう。
登山道は最初ガッツリ登り、その後用水路沿いの平坦な道が続き、ついで、階段でガンガン登る。
階段が終わったと思ったら、今度は岩ゴロゴロの道をガンガン登る。
平坦な用水沿いの道に騙されると痛い目にあう山だ。


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