番外

 近県の山

2018/8/11(祝、山の日)  乗鞍岳(剣ケ峰) 標高3026m  岐阜県
今年の夏休みは長い。
山の日の11日が土曜ということもあって、通常のお盆休みに土日がくっついて少なくとも5日間のお休みになる。
とはいえ、我が家は今回の夏休みには特別な計画はしていなかった。
なぜって、ゴールデンウィークで懲りたからだよ〜っ。
長いドライブも、高い温泉ホテルも、ごめんだ。もちろん船旅もしたくない。
でも、せっかくのお休みだから、せめて1座1滝は目標にしようね、ということになった。
で、山の日。
山の日なら山でしょう。どこの山にしようね。宿泊しないでも早起きして夜遅くなってもいいから、一度登ってみたかった山に行きたいね。
あれこれ考えて、チョイスしたのが乗鞍岳である。
乗鞍岳は3千メートルを超える山ではあるが、山岳道路を通るバスが標高の高い場所まで連れて行ってくれる。
話しによれば、1時間半登れば3千メートル超えができる。
何を隠そう、我々はまだ標高3千メートルを味わったことがない。最高峰で小蓮華山の2766mだ。行ってみたいぞ、3千メートル。
乗鞍岳へのバスは岐阜県がわからと、長野県の乗鞍高原がわから出ている。
乗鞍高原なら、滝好きは何度も足を運んでいる。百選の滝である三本滝や、氷瀑になる善五郎の滝などがある場所だ。登山の行程を入れても、日帰り可能の範囲である。
よし、今年の夏休みの山は、乗鞍岳だ。
問題はお天気だった。7月から8月の初めまで、我々の住む新潟県では猛暑が続き、田んぼがカラカラになるくらい雨が降らなかった。
だというのに、お休みの期間の天気予報がいきなり雨マークが並びはじめたのである。
山の日も芳しくない天気予報だった。
雨の山は辛い。気持ちがぐっと落ち込む上に、体調を崩す。雨率の高い我々が言うのだから間違いない。
できれば晴れた場所がいいなぁ。乗鞍が雨なら、別の方向を考えようか。
実は、鳥海山も視野に入れていた。日帰りはちょっと厳しいがぜひ一度登ってみたい山ではある。が、お盆休み直前の週に集中豪雨であちこち崩れてしまっている。鳥海山でも取り残された登山者がいた。夏休みに遊びに行く状況ではないだろう。
前日まで行く先を決定しないままずるずると猛暑の中働いて、前日に乗鞍岳なら雨は降らないでいてくれるだろうという山の天気予報が出た。
よし、明日は4時起きだ。

午前5時過ぎに自宅を出発し、どんよりと暗い新潟県を脱出。氷瀑探訪で慣れた道のりで乗鞍高原を目指す。
午前9時過ぎにバスターミナルに到着。
バスターミナルの駐車場が満車じゃないだろうかとずっと心配だったが、さすがにその心配は無用だった。建物がわはいっぱいだったが、向かい側に未舗装ではあるがかなり広い駐車スペース(無料)があり、あっさり入れられた。
走れば9時発のバスに乗れそうだったが、登山靴に履き替えたりしなくてはならなかったので、次のバスにすることに。
待っている間に売店でおにぎり購入。二口大のおにぎりが4つ入って380円。味は信州牛の佃煮と山菜の2種類。
ちょっと小腹がすいている時にちょうどよくて、おいしかったです。
そうこうしているうちに9時50分になり、バスの出発時刻に。
混雑時は増発すると聞いていたが、まさに増発の時期のようで、この時間は2台のバスになった。
バスに乗っている時間は約50分。意外に長い。
それもそのはずで、曲がりくねった道のうえに細い。すれ違いが困難で、一般車が入れる三本滝までは常に前のバスから情報が入っていた。さらに、自転車でこの道を登ったり下ったりする人も多く、カーブで出合頭、なんてことがないように、かなりゆっくりと登って行く。
バスに乗っている間じゅう、実は小雨が降っていて、心配な状況だった。
やがて、肩の小屋入口に到着。あ、雪渓だ。おお、スキーをかついで登っている人がいる。
あら、ここから乗鞍岳を目指す人もかなりいる。
登山はいいとして、スキーの人は月山より大変だなぁ。リフトないもんなぁ。
我々はてっきり長野の山だと思っていたが、岐阜県に突入。
自転車の人たちが記念撮影をしていた。
10時40分。畳平バスターミナルに到着。広い。どっちに行っていいのか、さっぱり分からない。なにせ、どっちを見てもみんな山だ。同じバスに乗った人たちもてんでばらばらの方向に歩いて行く。とりあえずターミナルに入ってトイレと思ったら建物内のトイレは有料。ええーっっと小銭を用意しかけたが、建物の外にちゃんとトイレありました。汲み取り式だけどね。
そのトイレのそばに魔王岳の登山口があったが、いや、これじゃないだろう。
またバスターミナルに戻って、散策マップと花三昧図鑑というパンフレットを入手。
幸いなことに雨雲よりも上に出たらしく、わずかではあるが青空も覗くお天気になっている。
乗鞍岳は、バスターミナルの裏手にあるお花畑を突っ切った向こう側にあるらしい。晴れてはいるが雲が多くて姿が見えない。
お花畑を突っ切るのが一番短い道らしいが、パンフレットにおすすめコースとして、高度順応ができる鶴ケ池のふちから富士見岳のふもとを行くなだらかなコースが紹介されていた。
もちろん、そっちを選んだ。お花畑は帰りに寄ろう。
10時57分 鶴ケ池方向へ歩き出す。
鶴ケ池コースは見事になだらか、というかほぼ高低差のない道だ。で、いきなりコマクサが出現する。
こんなにあっていいのか、というくらいざっくざっくと出現する。
トウヤクリンドウなども咲いていて、いちいち足を止めて撮影。なかなか進まない。
富士見岳の裾を歩くのだが、その間もずっとコマクサだらけ。
しまいにちょっとコマクサがあっただけでは素通りになった。
すごいぞ、乗鞍。
11時15分 お花畑のコースの合流点。たくさんの人が急な登りを終えて休んでいる。
すぐそばに不消池(きえずがいけ)があり、残雪の白と池の青のコントラストが美しい。
あ、雪が崩れて池に落ちたぞ。
波紋がゆっくりと池に広がるのも美しい。
イワツメクサ、トウヤクリンドウ、コマクサ。
夏の終わりの花たちだ。
11時26分 旧コロナ観測所に向かう分岐。右に曲がると観測所。我々はまっすぐ、肩の小屋を目指す。
すでに戻って来るひとも多い。
にしても、その人たち、みんな真っ赤な顔をして辛そうに歩いてくるのよ。そんなにキツいのかな、帰りも。
ここに至って霧、というか雲が下って来て、視界は真っ白に。
肩の小屋は見えるんだけどな。
小屋までの道の石垣の隙間にイワギキョウが咲いていて、高山植物のたくましさにびっくり。
11時36分 肩の小屋到着。大きな山小屋だ。
ここでもたくさんの人が休憩中。

右の花はオンダテ。メイゲツソウに似ているが、パンフレットにはオンダテと書いてあった、
小屋の前を通り過ぎ、そのまままっすぐ行くとトイレとさらに先は東京大学宇宙線研究所。
剣ヶ峰への登山口は左側に進む。

右の花は、シナノオトギリ。ものすごくたくさん咲いていた。
道はいきなり石ころだらけの登りになる。足元が不安定で注意が必要だ。

右の花は、シナノオドリとウサギギク。ウサギギクはもう終わりかけだったなぁ。
ちなみに、肩の小屋より先のガレた登りではほとんど花は無かった。ときどきコマクサは咲いていたわよ。
霧が晴れずに先が見えない。
とにかく人が多くて、細い道ではすれ違いのために待つ必要かが生じる。
我々は子供の多いグループのあとについてしまったので、そのリーダーが下山者が切れるまでじっと待つ優しい人だった。
おかげで相当ゆっくり登れました。
急ぎたい人は岩伝いに追い越して行ったけど、ちょっと危なかったなぁ。
12時18分 一登りして、たぶん朝日岳と剣ヶ峰の間あたりに出たんだと思う。赤茶けた道になった。
右下方向に権現池が見える。
ここまで来ると列をなして登って来た人たちもバラける。
遠くの頂上らしいところに鳥居が見える。あれがゴールか。
12時25分 頂上小屋到着。あ、なんかあったかそうな飲み物を飲んでいる人がいるぞ。コーヒーとかココアとかあるらしい。
小屋の前を通り過ぎ、岩を足場を選びつつ登って行くと、石造りの祠が見えた。
よーし、頂上だ。ついに着いたぞ。
12時30分。
あれ、鳥居、どこだ?
祠の裏にまわると、鳥居、ありました。
つまり、我々は小屋のがわから登ったので、神社的には裏側から入ってしまったらしい。お社もちゃんとありましたよ。
でも、人々の関心は標高3026M乗鞍岳剣ヶ峰の表示。
記念写真を撮影するのに列ができていた。前の人の写真を後ろの人が撮ってあげるルールができているらしかった。
眺望は雲の中になってしまって、ほぼゼロなのが惜しい。
今回は登山時間が短いので山頂で昼食休憩はしない。
下りは鳥居側から下る。
げっ、こっちの下り、ものすごく急じゃん。
しかも、ほぼ岩だし。ゆっくりゆっくり下って行く。
左が見下ろした図。右が下りきって見上げた図。
はるか眼下に乗鞍スカイラインが見え、肩の小屋入口のバス停に止まるバスが3台見えた。うわ、米粒くらいにしか見えないなぁ。
下りはもう登って来る人はほとんどいなく、すれ違いのストレスもあまりない。
ひょいひょい下って行くと、親に連れられた小学生低学年くらいの女の子が「下りの人ずるい〜っ。私も下る〜っ」と言って登って行った。ずるいって。子供の発想、すごいぞ。
  時々雲が切れて青空がのぞく。いいお天気だったら気持ちよかっただろうが炎天下もつらいかもね。
13時30分。 肩の小屋到着。持参したあんぱんを食べて小休憩。
ガイドツアーの一行が一般客は立ち入り禁止のエリアから帰って来るのが見えた。五ノ池まで行ったのかな〜。濃飛バスのツアーがあるらしいのよね〜。
 
  肩の小屋からバスターミナルまで歩く間にスキー客がいる大雪渓が見えた。行く時は霧で見えなかったのだ。
真夏のスキーヤー、けっこうたくさんいた。
 
  振り返ると、剣ヶ峰までよく見えた。
行く時に霧で見えていなくてよかった。あそこまで登るのか、と思うと、きっとげっそりしたに違いない。
ところで、行きに肩の小屋から戻って来る人がみんな辛そうな顔をしていた理由がわかった。
肩の小屋から富士見岳の登山口まではゆるやかながら登りなのだ。剣ヶ峰を登ったあとの登り返しになる。
酸素不足の人や運動不足の人はちょっとキツいかも。
 
 
  13時50分 お花畑への下り階段。
石がゴロゴロしているが、整備されている道である。すでにバスターミナルの建物も見える。
行きは緩やかな道を選んでぐるっと回ったが、まっすぐ突っ切ると近いんだ。
 
  14時。お花畑一周コースの木道に入る。
入口にヨツバシオガマやミヤマアキノキリンソウが咲いていて、お花畑への期待が高まる。
熊目撃情報の看板もあり、最近では6月と7月に目撃されているらしい。
 
  お花畑には木道があり、一周約30分。
歩き出すが、むむ、ほぼ緑で花っぽい姿がないぞ。

右はチングルマの穂。
 
  実は今年はこのお花畑も例年より暑くて、花の開花が早かったらしい。と、いうことでほぼお花は終了してましたとさ。しくしく。
来るならやっぱり7月だわね。
木道を歩くよりも入口の石垣とかのほうがまだミヤマダイコンソウやコウメバチソウが咲いていた。
14時20分 お花畑を出る。
 
  結局まともな昼食をとっていなかったので、バスターミナルで天ぷらそば900円也を食べて次のバスを待った。
揚げたてのてんぷらで、けっこうおいしかったわよ。
次のバスは15時05分発。おそばで時間をつぶしてもまだ待つ必要があった。
が、バス停にはすでに列ができていたので、それに並ぶ。座って待てたが、標高2700メートルの風が冷たくて、次第に頭が痛くなってきた。
あわよくば、三本滝も見て帰りたいとも思っていたが、時間的にも体力的にも無理なようだ。
 

首尾よく、というか、30分近く待ったのだから当たり前と言えば当たり前に1番先頭のバスに乗れた。なんと、この時間は増発も増発、4台のバスになった。先頭のバスのガイドさんは忙しく、バス停で待っている人をどのバスに乗せるのか、とか、すれ違いの自動車や自転車がどこにいるか、とかの連絡であたふたしている。一方私は、バス待ちの間発生した頭痛が激痛になり、ほぼ気を失っていた。
気がつくと、窓ガラスがかなり濡れているので、やっぱり中腹あたりでは雨だったことがわかった。
16時少し前に乗鞍観光センターに到着。いつもであればお風呂に入れば頭痛も収まるので、とにかく温泉に入ろうということになった。近くには「湯けむり館」という日帰り温泉があるが、確実に混雑しているだろう。どこか、別の場所を探して自動車を走らせた。ナビが案内したのは、さわんど温泉。行ってみたら、なんと上高地へ行く人たちの駐車場にある温泉でむしろこっちのほうが大混雑。諦めて新潟方向に進むと、あれ、ナビに温泉マークが。でも、道沿いじゃなくて、道沿いの川の向こう側だぞ。国道158号から右に曲がると温泉であるという案内もあったので、ダメもとで行ってみた。竜島温泉「せせらぎの湯」 いや〜穴場でした。いいお湯なのにほとんど混雑していなくて、知る人ぞ知る、とった感じでした。乗鞍に行った帰りなんかは、大きな施設希望でなければ、おすすめかも。
さておき、実は温泉であったまったにもかかわらず、頭痛は収まらず、その後も完全に助手席で寝て・・・いや、意識を失ってました。梓川サービスエリアから高速に乗り、そこで晩御飯にしたのだが、サラダしか食べられず、その後の自動車の中もほぼ最後まで寝て・・・いや、意識を失っていた。ついに頭痛は収まらず、午後10時過ぎに家に着いて頭痛薬を飲んでそのままベッドへ。翌日も多少ひきずる羽目になった。
もともとあまり気圧の変化には強いほうではないのを知っていたにもかかわらず、今回は頭痛薬を持ち合わせていなかったのが敗因。帰路に薬を買うこともできたのに、大丈夫と思っていたのがさらに悪化させた原因。何事も備えはきちんとしておかなければ、と学びました。
この頭痛さえなければ、乗鞍岳の登山はとても気持ちのいい登山だった。季節ももうちょっと早ければお花畑がきれいだったかもしれないが、また行く理由ができたワケだし。登頂派もお花派も満足できる山だと思う。往復2500円のバス代も高くない。
うまく組み立てて、バス待ちの時間をなくす等の工夫をすれば、たぶん三本滝も見られたんじゃないかな。体力があればの話だけど。

乗鞍岳(剣ケ峰) 
乗鞍岳への登山口となる畳平にはマイカーでは行けない。我々は新潟県から向かうので、長野県の乗鞍高原からバスに乗る。(バスはほかに岐阜県の平湯、ほおのき平から出ている)
バスターミナルは、「乗鞍観光センター」。長野自動車道松本ICから国道158号線野麦街道をずんずん進んで、奈川渡ダムを左に見ながらトンネルをくぐり、トンネルとトンネルの間にある信号で乗鞍方向へと左折。県道84号をずんずん進んで乗鞍高原入りする。日帰り温泉「湯けむり館」のすぐそば、右側に「乗鞍観光センター」がある。ここでバスに乗る。自動車はセンターの駐車場における。確実に混雑する山の日で9時ころ到着の我々でも、建物の向かい側にある駐車スペースに楽々とめられたので、概ね心配はいらないだろう。
料金は大人往復2500円。ほかにも乗車できるバス停があり、休暇村前などでは係員もいたので途中乗車も乗せてもらえないこともないと思う。ちなみに、帰り道の途中下車してからの途中乗車も追加料金なしでいいようだった。つまり、帰りに三本滝に立ち寄って、またバスに乗ってセンターに戻ることも可能というワケだ。発車時刻についてはアルピコ交通のHPで確認するといいだろう。
畳平に着いたら、バスターミナルでパンフレットを入手するといい。
シーズンになると、手書きをコピーした乗鞍散策Mapという印刷物を発行してくれている。月に2〜3回発行されるらしく、タイムリーな花情報などが書かれている。これ、本当に役にたちました。

 乗鞍高原HP
 アルピコ交通HP(時刻表)

主峰、剣ケ峰へは、上記のレポのとおり、本当に畳平から1時間半で登れてしまう。
我々などは子連れのパーティにくっついて登った超スローペースでもちゃんと1時間半だった。
ただ、体力があるからといって、急いで登ると高度順応できずに転んでしまうことがよくあるらしい。と、バスのガイドさんが言っていた。登っている最中にも「お父さんが転んだ山って、ここだったよね」などという会話を耳に挟んだので、本当に転んでしまうらしい。私のように大頭痛にもなりかねないので、ゆっくりゆっくり登ったほうが賢明だ。
道は石ころと岩だらけで、選んで歩かないとやっぱり転ぶ。
子供でも登れるが、気楽に登れるわけではない。
トイレは、汲み取り式でよければ畳平と肩の小屋にある。バスターミナルに有料のトイレもある。有料トイレには入ってないけど、たぶん水洗なんだろうな。

剣ケ峰に登らなくても、トレッキングのコースはたくさんあって、体力や興味によって選ぶことができる。ご来光を見ることができる時間にバスが発車する期間もあるので、色々調べて行ってみるといいだろう。


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板