番外

の山

2019/4/28   大蔵山(階段コース) (864.3m) 菅名岳(幅沢コース) (909.2m)  
2019年の春は、早いような遅いような、奇妙な春だった。
というのも、平野部では記録的な小雪で、ほぼ積雪しない冬だったので、春も早いはずだった。
ところが、4月の初めに寒の戻りがあり、山間部では本格的に積雪。それがいつまでもとけない状態が続いた。
平野部と山間部で、春の速度にギャップが生じてしまった。
そんな理由で、平野のぬくぬくした春に浸っていた我々は、ゴールデンウィークの登山の山の選定を見事に誤ってしまった。大蔵山と菅名岳、雪の多い年の4月に気楽に登る山ではありませんでした。
いや、本当にまさか雪が残っているとはつゆとも思わないで登りはじめたのだ。
2010年11月に登って、とても気持ちのいい山だったという記憶しかない。稜線に出てさえしまえば、楽な周遊コースのはずだった。
秋にあんなに気持ちよかったのだから、春なら別の気持ちよさがあるだろう。
冬の間の運動不足でなまりきった体でも、ゴールデンウィークだからあとでゆっくり休めるし。
・・・甘かったな。
まさかの雪の菅名岳山頂でしたとさ。

ここに来たからには、「吉清水」で水を汲もう。
幸いなことに誰もいずに、簡単に汲むことができた。
駐車場には10台ほどの自動車が。
隣の自動車から我々よりちょっと先輩のバーティーが出発するところだった。
我々も支度をしてあとを追う。
8時52分 駐車場出発。
林道で先輩たちを追い越して、右手に下ると大蔵山登山口になる場所に着く。今回は林道をそのまま歩いて途中の橋で右折して、行くことにする。
9時01分 大蔵山登山口。
9時07分 三五郎橋
  林道の脇にはたくさん花が咲いている。
春の花たちが出迎えてくれているようだ。
 
 
9時11分 階段コース入り口。
結局は林道を利用して迂回した形になるので、さきの登山道入り口から登って来た先輩たちのほうが我々より先に階段コースを登って行った。
前回は沢コースを登ったので、今回は階段コースを選択。
なにせ、沢コースは本当に沢を歩くので、ちょっとやっかいだったのだ。
階段コースとはいえ、きっちりと階段がつけられているコースではなかった。
比較的なだらかで歩きやすい登山道が続く。
そして、こちらのコースでもいきなり一合目という表示が出現。やっぱりここの出発点はゼロ合目なんだなぁ。
9時39分 一合目。
9時42分 二合目。
このあたりで、先輩ご一行を追い越す。
9時46分 大蔵山山頂へ2キロの表示。
道は登山道のわりに広めで明るい。
きっちりと合数表示があるので安心だし。
9時51分 三合目。
10時03分 四合目。(沢コースとの合流点)
おや、沢コースとの合流点なのだが、沢コースへの道が塞がれている。
沢コースは道が崩れていて通れないと書かれてあった。
ということは、登山道入り口で沢コースから登ろうと思ってそっちに行っていたら、無駄に林道を歩いたことになる。階段コースにして正解だったわけだ。
四合目から先もそれまでと変わらずなだらかな登りだ。
両側に椿の木があって、たくさん咲いている。
椿平はどっぱら清水のほうにあるのだが、こっちのほうも椿平と言ってもいいんじゃなかろうか。
登山道わきの巨木が美しい。
楓の花も咲いている。
10時13分 五合目。
気持ちのいい尾根歩きが続く。
10時24分 六合目。
10時36分 七合目。
ほぼ10分おきに標識が現れる。
景色はほぼ変わらない。
10時44分 八合目。
今まで木々の緑が多かったのだが、なんだか季節が早春っぽくなってきた。まだ樹木が芽吹いていない。
10時54分 九合目。
いよいよ残雪が見え始めた。
この時点では、おー雪だ雪だと、ほんの残雪なのだと思っていたのだが。
次第に登山道も雪の下になってきた。
それでも地面が見えているので、まだ谷間の残雪と思い込んでいる。
11時07分 大蔵山山頂到着。
数組の登山者が休憩中だった。ここで昼食、とか、ここが目的地という人も多いようだ。
  
連続写真で山頂よりの景色。
    
    
ほら、この時点ではあまり雪は見えないでしょう。
11時11分 大蔵山山頂出発。
11時14分 避難小屋。
菅名岳へ向かう登山道に入ったらもう雪だった。
ちょっと下って避難小屋になる。ここも雪。
ここから先は気持ちのいい尾根歩き。
のはずが、雪、雪、雪。
  嘘っていうくらい雪。
雪山を登る覚悟がまったくなかっただけに、衝撃的だった。
 
  斜面によっては雪のない場所もあるのだが、とにかく雪。
それでも、登山者が多く、道を誤ることはない。
 
  というか、ほぼ尾根なので、道は1本しかない。  
  飯豊の山並みが美しい。
真っ白だね、あっちは。
いや、我々のいる場所も真っ白ですが。
空は青いが、彩光も見られた。
 
  12時28分 菅名岳山頂到着。
思いのほかたくさんの登山者が雪の上を休憩中だった。
山頂はホントーに雪だらけ。雪のない場所はほんの少しだ。
ものすごく軽装で登って来たらしい若者が自分たちの軽装と雪景色のアンバランスを面白がって写真を撮っていたが、インスタ映えを狙ってわざわざ軽装で来たとしたら、登山するうえでの命に係わる非常識なので、それだけはやめてほしい。
 
  12時59分 どっぱら清水方向へ下山開始。
丸山尾根方面への道はたくさん足跡がついているので間違わない。
意外にもあまり雪は残っていない状態で、落ち葉の斜面を下る。
 
  13時10分 九合目表示。
私は下界の喧騒が山まで聞こえて来ているのだと勘違いしていたが、このあたりで山頂方面でヘリコプターの音がしていたらしい。
ダンナはちゃんと把握していた。
 
  まったく知らなかったのだが、この道、ものすごくたくさんイワウチワが咲く。
道の上にもこぼれんばかりのイワウチワの数だ。
 
  今年は能化山でもあまりイワウチワがたくさん咲いているのを見ていないので、嬉しくなってしまった。  
  ついつい、しゃがみ込んで撮影。
菅名岳も花の山だ。
 
  標高が下るにつれ、木々の緑が増える。
ミツバツツジも咲いている。
 
  14時10分 椿平。
実は大蔵山の登山道で椿がきれいに咲いていたので、こちらの椿平の椿も満開だろうと期待していた。
ところが、遅かったのか早かったのかさっぱりわからないが、椿平の椿の花はぽつんぽつんとしか咲いていなかった。
残念。
 
  椿平から一気に標高を下げて幅沢に至る。
14時26分 幅沢。
さすがに雪解け時期なので、流れも多く急だ。
 
  道は幅沢を何度も渡る。
前回本当に泣きそうになった丸木橋はほとんどなく、鉄製のものや、そうでなかったらしっかりと固定された木の橋だった。
ただ、1か所だけものすごく怖い丸木橋があって、ここでやっぱりびーびー叫んでダンナを困らせた。
だって流れが急で、橋が細くて怖いんだもの。
苦手なんだってば、細い手すりのない橋を渡るのは。
 
  しかし、沢沿いには沢沿いの花が咲いている。
ミヤマカタバミは特にたくさん咲いていた。
 
  14時45分 どっぱら清水の滝。
こんなに大きかったっけね、どっぱら清水の下流にあたる流れ込みだ。
流木が突き刺さっていて、その分、以前より大きく感じられた。
 
  キケマンやムラサキケマンがたくさん咲いている。
いやぁ、本当に予想外に花が多い山だなぁ。
 
  14時50分 どっぱら清水、椿平の案内標識。
ここまで来ればもう怖い橋を渡らなくてもいいだろう。
 
 
  と、思いきや、まだまだ橋はたくさんありました。
増水していて、道そのものが沢に沈んでいる部分あった。
ただ、水位が深くなかったので、歩くのに困らなかったけど。
 
  15時14分 堰堤わき。
15時49分 林道終点。
幅沢に出てから、沢沿いを歩くのが1時間半もあるとは記憶していなかった。意外に長く、体が冷える。
 
  林道に出ると、前に来た時とは多少景色が変わっていた。
つい最近できたばかりの堰堤がある。
この沢は暴れることもあるのだろう。
 
  15時54分 三五郎橋。
16時06分 駐車場到着。
駐車場の自動車はほとんどなかったが、隣の先輩たちの自動車はしっかりあった。あれ、大蔵山で戻ったんじゃなかったのかしらん。
ちょうど大蔵山から下山してきた人が菅名岳から下ってきた我々に菅名岳の山頂のほうでヘリが出ていたようですが、何かあったんですか、と尋ねてきた。
前述のとおり、私は気がついていなかったし、山頂を出たあとの話なのでまったく分からないと答えた。
まさか、雪の尾根から滑落、なんてことはないだろうけど。
 

山頂で軽装で登って来た若者を危ないなぁと思ってみていた私だが、実は私たち自身もまさか雪はないだろうと完全に4月の山を甘く見ていたわけなので、若者たちを笑えない。
とてもよく晴れていて、気温も4月にしては高かったので、低体温などの心配もなかったが、これが悪天候だったらと思うと怖い話だ。
あとで調べたらあのヘリの音はやっぱり遭難だったそうで、どれほどの事故だったのかは詳しくわからないが、ヘリ出動の事態になった登山者もいるのである。どんな時も登山は軽く考えてはいけないと痛感した。
ただ、雪の山はきれいだった。山の青空と雪のコントラストを素人でも味わえるのは、雪国の特典かもしれない。
ただし、雪の登山は、ヘンな筋肉使います。その後、筋肉痛に悩まされたことは、明記しておこう。

大蔵山登山道入り口
最寄ICは、磐越自動車道安田IC。国道49号線に出て、福島方面へと進み、馬下交差点で左折。今来た道の上を渡り、馬下橋を渡って、国道290号をどんどん進む。弧線橋で磐越西線を渡ってやや走ると左折すると「吉清水」であるという看板がある。これにしたがって左折。少し小さな看板なので見落とさないように。
道なりに進んで行くと「吉清水」があり、さらに直進すると駐車場になる。
登山道は鎖場などもなく危険も少ない。ただし、どっぱら清水付近の沢沿いを歩く場合、増水している時は水の中に入ることもあるので、足回りはきっちりしたほうがよい。


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