番外

の山

2020/8/10(山の日)  小松原湿原(1500m前後) 小松原林道(大場ルート)   
2020年の山の日である。実はこの日は月曜日で、翌日から数日仕事をして、お盆休みに突入する。
だから、どちらかといえば前日の日曜日に登山をして、この日は家事に専念するはずだった。
が、日曜日が雨っぽかったのよ。やむなく、翌日仕事をあるにもかかわらず、月曜の登山になった。
しかし、登山とはいえ、小松原湿原のこのコースは前半は林道を歩く。林道を歩き終わったら木道になる。
急登などがある本格的な登山に比べたらきっと楽だろうし、下りが苦手な我々にはうってつけのコースのはずだ。
それに、林道は林道の魅力がある。明るく開けているので、蝶が多いのだ。
新しいカメラのダンナが蝶を撮るのにちょうどいいに違いない。
ああ、いいことづくめの林道歩きだったはずなんだがな。
時期が悪かった。真夏だ。木陰を歩く登山とは別の過酷な暑さがあった。
このコース、夏は絶対にやめたほうがいいですぞ。

小松原林道のゲート。自動車はここまで。
実はここまでくるのにかなり迷った。
下のほうに林道に入る場所の写真を貼るので、参考にしてほしい。
8時30分 林道ゲート到着。支度して、歩きはじめる。
ちなみに、ゲート近くにがんばれば5台くらいとめられるスペースがある。
この日は我々のほかに2台駐車していた。
林道のあちこちにウツボグサが咲いている。
林道はおおむね未舗装だ。
さりとて、荒れた感じもしない。
というより、むしろきっちりと整備されている。
こんなにきれいに補修されている林道に自動車を通さないのはもったいないくらいだと思いながら歩く。
遠くに見える街並みはどこなんだろう。
林道はぐねぐね回っていて、方向がちっとも分からない。
途中にはジャコウソウやヨツバヒヨドリ、ホツツジなどが咲いていた。
綺麗に整備されているじゃないの、と思いきや、たった数日前に崩れたような場所も出現した。
土砂は片づけられていたが、大雨が降ったらまた崩れそうだ。
なるほど、なかなか自動車を入れられないわけだ。
それにしても、見事なまでのブナの森だ。
蝶もたくさんいるぞ。
ああ、青空が美しい。
晴天でね。そりゃもう、日陰がない林道は地獄でしたよ。
ヤマハハコも咲く標高という気がちっともしない。
あれ、何だろうこのコンクリートの大きな箱。
どうやら水道施設らしい。
それにしても、林道、ずっと林道。とにかく登る林道。
10時11分。 道がアスファルトになったと思ったら、何かホースが引かれていて、それが土砂崩れで路肩が崩れている道路から落ちないように、ロープで括り付けられていた。
このホースも水道施設なのかな。
アスファルト舗装は、数度、砂利になったり舗装になったりを繰り返した。
それからちょっと下っている感じの緑っぽい苔っぽい道になったかと思ったら。
10時36分。 三角屋根のトイレが出現。
このトイレのほぽ向かい側に小松原湿原への入り口がある。
ちなみにバイクがとまっているが、我々が歩き始めて早々に追い越していったバイク。
バイクならゲートを超えて林道を登って来れるだろうが、事故があっても当然自己責任である。
入り口からすぐに木道になる。
が、この木道、ものすごく古い。
欠けたり崩れたり、折れたり外れたりしている。
途中、資材が置かれた場所もあり、少しずつ補修はしているらしいのだが、まったく追い付いていない。
10時51分。 樹木の中を歩いていたのだが、突然ぽんと開けた場所に出る。
下の田代だ。
キンコウカやワタスゲなどが咲いている。
イワショウブもあるぞ。
写真を撮影していると、単独男性がもどって来る途中だった。
ずいぶん軽装だなぁ。
さらに、後ろからも単独男性。
こちらは写真撮影に夢中だ。
しばらくして、追い越してもらった。

下の田代はそれほど広くない。すぐに山道になる。
意外にも階段が続く。
きっちり整備されていると言いたいのだが、木の階段は崩れていて、滑りやすい。なんだか怖い。
しかし、延々と続いている。
ええー、湿原に入ってからこんなに登るのぉ〜?
ひいひい言いながら登って行く。
と、さびて朽ちかけた案内看板が右の草の中に落ちていた。
何、これ。

少し歩くと、あ、開けた。
11時41分。 中の田代到着。
今度はちゃんとした案内看板がある。
なになに、あれ、ガイドブックにないルートが書かれているぞ。
太田新田ルートと見倉ルートのほかに、我々が通った小松原林道コースと並行する小松原畑ルートとというのがある。
こいつのほうが歩きが短そうだけど。
中の田代は広い田代や小さい田代がいくつか連なっている感じだ。
川状の池塘などがあり、きれいだ。
しかし、きれいなんだけど、直射日光がキツい。
苗場くらい高層になると風も涼しいんだろうが、ここは猛暑だ。
12時03分。 中の田代を出る。
と、また階段。
やっぱり登山だったわ。ピークを目指す歩きではないけれど。
しかし、それほど登らずに一番大きな田代に到着。
12時09分。 たぶん上の田代だ。
細長い、というか、断続的に大きいというか、ずっと田代が続く。
綺麗な池塘が点在する。
あれ、なんだか看板があるぞ。
「小松原湿原自然環境保全地域」とある。
この看板もボロボロだ。
  一番いいところにボロボロの看板があるんだもんな。
ちょっとはずして撮影。
遠くに見えるのは苗場山なのかな。
前方に見えるのが日陰山かなぁ。
 
 
  上の田代まで来たら小松原避難小屋はすぐ近くだと思ったら。
これがまた遠いんだ。
また小さい沢を渡って、次の田代が出てきて。
 
 
  さらに、あれ、下るの?
またちょっと流れのある沢を渡り。
 
 
  それが水場の沢だった。
12時30分 小松原避難小屋到着。
ここが本日の目的地である。
出入り自由の扉を開けて、中でお昼を食べさせてもらった。
とにかく、湿原には日陰も腰を下ろすスペースもないのだもの。
避難小屋は狭い感じではあったが、二階もあって、20人くらいは収容できるそうだ。
我々がご飯を食べる前に我々を追い越して行った単独男性が引き返して行くのが見えた。
あまりに汗だくになったので、小屋の中をいいことに下着の果てまで着替えてしまった。
いや〜、ホントーに疲れたぞ。
 
 
  13時08分。 ちゃんと扉を閉めて避難小屋を後にする。
途中、田代でヒメシャクナゲを探したけれど、もう咲き終わっていて、実みたいなのが残っていただけだった。
ウメバチソウは蕾だけ。
花には狭間の季節だったかな。
13時37分。 中の田代。
13時51分。 中の田代入り口の看板。
14時25分。 下の田代。
ここで、太田新田ルートの道が合流しているはずで、そっちに間違って迷い込まないように気をつけねばと思っていたが、分岐がまったく見つけられなかった。
この小松原湿原、ほんとうに道案内が皆無なので、怖い

14時38分。 湿原入り口到着。
これから長い林道歩きかとうんざりする。
歩き始めてすぐに、向かい側から軽自動車がやって来た。
え、自動車、入れるの?
謎は後で解ける。
この30分後、我々は髪の薄いランニング姿の魔法使いに会って、魔法のじゅうたんに乗せてもらって、1時間以上残っている林道歩きを15分に短縮してもらった。
15時28分 林道ゲート到着。
いやはや、暑い一日でした
 

簡単なコースだと、気軽に行ってしまって、真夏の太陽に消耗した小松原湿原。
花も、ちょうど狭間の頃で、春の花はすっかり終わり、秋の花はまだ、今一つ収穫がなかった。
ところで、本文中の魔法使いだが。
近くの集落のおっちゃんがどうも水道施設の点検に来たらしかった。
湿原入り口の三角屋根のトイレからもう少し先に行くと水源がある、と言っていた。
その帰り道にトボトボと歩いている我々を拾ってくれたのである。
コロナ感染もへったくれもない。なにせ窓は全開、メジロアブが入り込んでくるのをはたき落としながらの運転である。
途中、我々を追い越して行った単独男性も拾って、楽々ゲートまで来ることができた。
慣れたもので、デコボコだの路肩崩落だののある道でも安全に運んでくれた。
集落にあるゲートの鍵を所持しているので、ゲートを開けて入ることができるのである。
あまりに有難かったので、手持ちのクッキーバーを2つ、無理やりもらってもらった。
かなり消耗していたので、本当に本当にありがたかったです。声をかけてもらって、ありがとうございました。

小松原湿原(小松原林道コース(大場ルート))
実は入り口である津南町は、どの高速道路のICからも遠い。とりあえず、我々の行った方法を案内すると、関越自動車道六日町ICで下りて、案内にしたがって上沼道(八箇峠道路)の野田ICに向かう。六日町ICを出ると大きく「津南」と書かれているので、ちょっと道が細いが信じて従うと野田ICになる。上沼道の無料区間を1区間だけ乗ると八箇IC。自動車専用道はここまで。国道253号に出て十日町方向に進み、十日町市街で国道117号に合流。津南方向に左折する。あとは案内に従って「上段」という交差点で左折して、その後は案内通りに進むとニューグリーンピア津南になる。ちなみに、ナビにニューグリーンピア津南と入れると手っ取り早いのだが、ナビは狭い道や雪崩で通行止めになる道を案内することが多いので注意してくれと、ニューグリーンピア津南のHPに書いてあった。国道117号の上段交差点で左折が無難なようだ。
なお、関東方面からであれば、関越自動車道湯沢ICでおりて、少し国道17号を石内方面に進んで国道353号へと左折する。ずんずん進むと国道117号に出るので左折。あとは案内に従ってニューグリーンピア津南を目指す、というルートが近いだろう。ただし、353号の途中にはインスタ映えで話題になった清津峡があるので、紅葉の季節は大渋滞する。
さて、問題はニューグリンピア津南から先なのだ。
施設内に入りそうな感じでずんずん進み、目指すのはキャンプエリア。キャンプエリアを通り越す感じで大場集落へ向かう。
坂道を下る感じで大場集落に道は続いているのだが、その大場集落に着く手前に下写真のような分岐がある。

  
左に行くと大場集落、右に行くと小松原林道だ。左にカーブしつつ大場集落に向かう下り坂の道のほうが太い。
しかし、ここには何の目印もない。ホントーに無い。写真でもわかりづらいと思う。
我々が行った段階で、カーブミラーが2つ、大場集落がわと林道のほんの入り口にあるのがわかる。あと、正面に小さな「まちをきれいに ゴミ空き缶すてないよう」という山のイラストの描かれた看板が設置されている。
どうしてここに案内を出さないのか、謎でしかない。小松原湿原に行ってほしくない意図があるとしか思えない。
とにかく、ここを右折。林道に入る。もし見落として坂を下ると、大場集落になる。民家が出てきたら行き過ぎと思えばよい。
林道を進んで行くと、比較的すぐに下写真のようなゲートが十字路の2方向に渡されている場所になる。
どう頑張っても一方向にしか進めない。進める方向に進めばよい。

  
舗装された道から未舗装になり、意外に長い距離走ると、本文の一番上の写真のようなゲートになる。
ここから先は自動車は進めない。
自動車は5台くらいなら路肩にとめられる。
ちなみに、津南町の小松原湿原のページにも写真入りで案内してあるので、参考にしてほしい。
ゲートから先は徒歩で入り口に向かう。
自動車も走ることのできる斜度ではあるが、かなり登りは厳しい。我々の足できっちり2時間強かかって小松原湿原の入り口に着いた。
湿原へはボロボロの木道が続いている。これが滑って、むしろ危険だ。
私は樹林帯の木道で滑って転んで仰向けに転倒。樹木の緑の間に見え空がとてつもなく青く見えた。
リュックが木道に挟まって起き上がれなくなったが、リュックのおかげで頭を打たなかった。余談ですが。
各湿原の間に樹林帯を行くのだが、階段の連続で、思った以上に登る。
写真を撮影しつつではあるが、我々は湿原入り口から避難小屋まで2時間かかっている。

林道歩きだとか、湿原の木道がほとんどである、とか思わずに、本格的な登山という覚悟をして行ったほうがいいと思う。



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