番外

の山

2020/10/18  天水山(1381m)  深坂峠より   
標高の高い場所の紅葉もぼちぼち見ごろを過ぎて、1000メートルくらいの場所まで下りて来た頃だ。
予報では土曜日よりも日曜日のほうが青空が広がりそうだったので、いつもは登山は土曜日と決めているのだが、今回は日曜日に標高千メートルあたりをせめて見ようということになった。
でも、日曜日なんで、翌日からの仕事に差し支えのないように、自動車で高い場所まで行ける山を探す。
新潟には実は信越トレイルといって、長野県境の山々を結ぶルートがあり、その要所要所に登山口があって自動車で行くことができる。
9月にその信越トレイルの起点である斑尾山に登ったので、今度は終点の山に登ろうではないか。
終点の山は、天水山。上越市大島区と十日町市松之山の間くらいにある山である。
どちらからでも登れるが、我々は上越市側から登ることにした。
というのも、登山道の入り口である深坂峠に行く手前の菖蒲高原にはかなり前に行ったことがあり、そこに滝があるのを知っていたのである。
前に行ったことのある場所でそんなに遠かったイメージもない。
うーむ。前ってば、なんと2003年だ。あまりに前すぎて、実は記憶もあやふやなのだ。
そこで、ナビに菖蒲高原と入れて連れて行ってもらうことに。
これがまあ、とんでもない道を案内されましたよ。いや、ほぼ国道なんだけどさ。
ざっと説明すると、柿崎ICで高速道路を下りて、県道30号で浦川原区まで行き、途中上沼道で一区間だけできている自動車専用道路を使い安塚区に入り、そのまんま国道405号をひたすら走って大島区に入る。あとは菖蒲高原の案内をみつけて県道に入りススキが原と化した高原の道路をひたすら登る。
この国道405号がね〜。すんごい道だったのよ。ホントに国道かっていうくらいの峠道で、心細くなりましたわよ。
たぶん、上沼道を利用しないで、保倉川沿いの県道を走ったほうがくねくねした道じゃなくてよかったかもしれない。
心細いと思いながらも、なんとか菖蒲高原に到着。17年ぶりの滝を望む展望台に立った。

10時30分。菖蒲高原の滝見台に到着。
滝の落ちる岩盤はまだ紅葉はしていないようだ。
滝は影の暗さの中に落ちていて、あまりよく見えない。
ちょうどバイクに乗った男性が滝を見ていて、紅葉しているかと思ったけど、まだ先だね、と言っていた。
向かって左←が小滝。右→が大滝。
午後のほうが日当たりがいいかもしれないと、すぐに登山口に向かった。
滝見台のある道をそのままぐんぐん登って行くと登山口になるはずだ。
が、この道、ぐねぐね曲がってとにかく長い。細い。先が見えない。
いったいどれだけ進めば第一の目標点である野々海池になるのか。
10時42分。あれ、何やら道標があるぞ。野々海峠とある。おお、迷ったかと思ったが間違っていなかった。このまま進めば野々海池になるぞ。
周辺の紅葉が色鮮やかになったころ、木々の間に大きな池が見え、やっと野々海池になった。
その向こう側に登山口である深坂峠があるはずだ。
が、ここで道を間違えた。
池を超えて、キャンプ場らしき小屋っぽい建造物のある場所を左折しなければならないところを、道が太いほうを選んで直進。
直進はどうやらそのまま飯山市方向に下って行く道らしい。
途中でさすがにこれは違うと気がついて、Uターン。キャンプ場らしき場所まで戻って左折する道に入った。
11時10分。やっと深坂峠に到着。
最初に峠の登山道の入り口があり、少しすると、左写真のような立派な石碑のある深坂峠になった。
道はさらに十日町市方向に続いているが、ここで通行止めになっていた。土砂崩れがあったらしい。
深坂峠の石碑の所に自動車をとめて、少し戻って登山口に来る。
意外に急に登る感じの泥道だ。
11時15分。登山開始。
急に登るのはほんのちょっと。
すぐに平坦な林の中の道になる。
11時20分。何やら箱のようなものが登山道わきに設置されている。
信越トレイルクラブ事務局が設置した信越トレイルの利用状況の調査で、一人1回「チン」という感じでスイッチを押す。
もちろん、「チン」とは鳴らないけど。
すぐに三方岳1.0キロの道標。
10歩も歩かないうちに、また三方岳1.0キロの道標。
なんでここだけこんな短い間に道標があるのか謎。
道はほぼ水平。
樹木の間から、どうやらあれは米山が見えているらしい。
道も落葉に覆われていて、紅葉しているようだ。
11時37分。 三方岳到着。
このルートで実は一番高い場所だ。天水山よりも標高が高い。
てっきりあとは下るだけだと思っていたんだがな。
実際に下る場所は多い。
多いが下った分、みっちり登る感じだ。
四方から黄色く染まったブナの葉が迫って来る。
11時57分。 崖崩れにつき危険!通行止めの看板。
新しく踏み跡がつけられていて、ちょっとだけ遠回りさせられる。
この崖くずれが県道をふさいでいるらしいのが、上のほうから見てとれた。
花はほとんど無かったのだが、一か所だけ木の根元にもっさりとダイモンジソウが咲いていて、びっくりした。
キノコはたくさんあったかな。
食べられるかどうかわからないので、とりませんけどね。
降るような紅葉。
下った分だけ登る。
何度も繰り返し、デジャブかと思う。
どこまで登ったり下ったりするのかと思っていたら、前方から人の声が聞こえて来た。
12時34分。天水山、到着。
男性が二人休んでいて、十日町がわから登って来たという。まだ来ない仲間を待っているとか。
ナメコがたくさんあったと笑っていた。
我々がお昼を食べ始めた頃にその仲間が到着。大声で歌いながらやって来る。
明るいったらありゃしない。いや、熊よけかしらね。
これからナメコを入れた汁物を作るらしい。
楽しそうだわ、男同士で山遊び。
彼らをあとにして、13時ちょうどに下山開始。
天水山から戻るのに、どれほどピークを通るのか数えてみた。
大小あるので、数は正確ではないが、大きいピークだけで8つあった。
さすがにトレイルと言うだけある。登山ではない、ということだ。
深坂峠に近づくあたりで、ようやく青空が広がった。
もっと早くに晴れてくれれば、もっと紅葉が鮮やかだっただろうに。
でも、最後にきれいな青空と紅葉が見られて、本当によかった。
秋を満喫できた。
14時28分。 深坂峠到着。ご苦労さまでした。
帰り際にもう一度菖蒲高原の大滝と小滝に立ち寄ったが、惜しいかな、日陰になってしまっていた。
さらに旧板倉町にはもう一つ滝があって、そこにも立ち寄る。
「いすずくらの滝」というのだが、本流の滝でかなり豪快な滝ではあるのだが、樹木に覆われてよく見えない滝でもある。
この滝を見るのは、葉っぱが落ちた真冬かしらね。
でも、このあたりは、雪が多そうだわね。
と、マトモな写真を撮れない言い訳をして、カメラを収めた。

と、いうことで、この秋に鍋倉、黒倉山という中間点に行き、斑尾山という出発点に行き、ついに天水山という終着点にも行くことができた。
思いっきりキセル状態ではあるが、信越トレイルの最初から真ん中から最後、というラインをつまみ食いした感じだ。
それはそれで達成感がある。
そして、今回の天水山で思い知ったが、トレイルより登り一辺倒の登山のほうがずっと楽だなぁ、ということ。
登ったり下ったり、最終目的地が出発地とそんなに標高が変わらなかったり。
山歩きそのものが好きじゃないと、ちょっと精神的にキツイ歩きなのかもしれない。

天水山(深坂峠より)
天水山には2通りのルートがある。一方は十日町市松之山からの登山で、一時間ほどで天水山に登れるらしい。
我々は、上越市大島区の菖蒲高原からさらに林道を登って進む深坂峠から登るコースをチョイス。
ナビによって柿崎ICで高速道路を下りて、県道30号で浦川原区まで行き、途中上沼道で一区間だけできている自動車専用道路を使い安塚区に入り、そのまんま国道405号をひたすら走って大島区に入る。あとは菖蒲高原の案内をみつけて県道に入りススキが原と化した高原の道路をひたすら登る。
という道を案内されて、その通りに走ったら、ホントに遠く感じました。
案外、上沼道を通らずに、大島小学校あたりで県道13号に入ってそのまま保倉川に沿って県道229へと乗り継いだほうが峠道じゃなくて走りやすいのかも、とも思ったが、検証はしていない。
菖蒲高原から先は林道で思った以上に長い。
さらに、野々海池から先が迷いやすい。案内がないのだ。
キャンプ場かな、という感じの建物がある場所でまっすぐに行くと長野に出てしまう。建物と小屋っぽいもののある広場の間の道へと左折する。そこからは、それほど走らずに深坂峠になる。登山道入り口がまず右側にあり、少し先に行くと、左側に立派な石碑のある深坂峠になる。
自動車は登山道入り口にも石碑のところにも数台とめられる。
ただし、このあたりにはトイレはない。菖蒲高原あたりですませたほうがいい。
信越トレイルの「野々海高原テントサイト」にはトイレがあるように書かれているが、その場所も未確認。
登山道はおおむねよく整備されている歩きやすい道だ。ただ、ずっとアップダウンの連続。
あと、確実に熊の領域なので、注意が必要だ。、


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