|
鳥居のある登山口の駐車スペースに到着したのは午前11時半頃。
この季節は林道に路駐することもあるらしいが、時間が遅くて、もう戻っている人もいるらしい。すんなり5台ほど駐車できる場所に滑りこめた。
Yutaさんから、ここの登山口よりももう少し先のコツナギ橋登山口からの登山道にカッコウソウが咲く場所がある。
もし雨が降ったら、そこから戻ってもいいし、山頂まで行って、この登山口に戻る周遊もできると教えてくれたので、とりあえずコツナギ橋登山口まで行くことにする。 |
|
|
11時40分、駐車スペース出発。
鳥居から林道を歩いて行く。
林道わきにはなぜかたくさんウラシマソウが咲いていた。 |
|
|
左手に川、右手に何やら石碑がたくさんある場所も。 |
|
|
道は細くなり、杉林に突入する。
杉の間を歩き、しばらくすると、コツナギ橋になった。
左側の登山口のそばには3台ほどの駐車スペースがあったが、満車。
11時58分。 |
|
|
登山道も杉林の中。
作業道なのか、整備された広い道だ。 |
|
|
左手の川の向こう岸についていた重機がならしたような道が登山道に合流。
おや、右手の大岩のもとに、小さな赤い鳥居があるぞ。
12時08分。 |
|
|
重機の道は、登山道を離れて、急角度で杉林の奥に続いていた。
登山道は左手の川を橋で渡る。
12時11分。 |
|
|
橋を渡ると、すぐに右手になった川が音をたてて落ちる滝になった。
「いずくの滝」とある。どっかしらの滝、という意味かしらん。
12時13分。
写真を撮りまくり、さらに少し登ると、おや、何か網が掛けられているぞ。なにものかが囚われている感じだ。
なんだ、なんだ。
「ラショウモンカズラ」と書かれている。
おお、苗名滝あたりでは踏むほど咲いているあの花が、ここでは囚われの身になっている。
12時19分。
惜しいかな、まだ蕾にもなっていない。 |
|
|
橋で川を何度か渡る。
川辺には、新潟では見ない小さな花も咲いている。 |
|
|
あ、また囚われている植物があるぞ。
「ヒイラギソウ」
それは見たことのない花だ。
まだ蕾が開いていない状態で、あと少しで咲きそうだった。
12時30分。 |
|
|
道標もすぐに出てきた。
「山頂、椚田」とある。
とりあえず山頂だ、山頂。
椚って、何と読むんだろう。「くぬぎ」だそうです。
川の脇の道は、流れが見えて気持ちいい。 |
|
|
中間点、と書かれた場所には、これまた囚われの身の植物。
ここもヒイラギソウだそうだが、まだ蕾もついていない状態。
さらに進むと、昭和20年頃まで栽培されていたが、断念されたわさびの末裔がよみがえったので保護していると、と書かれた網が。
12時40分。 |
|
|
近くには「雷神岳神社 御神水」と書かれた湧き水が。
そばにはムラサキケマンが揺れていた。 |
|
|
少し登ると、ダンナが「これはフタバアオイだ」という。
ちっさなフキみたいな柔らかそうな葉っぱの植物だが、咲いている、というので見てみると、うわー、これが花かいっ。→ |
|
|
また地味な杉林の中を登って行く。
12時55分。前方に今度はかなり広い範囲を覆っているらしい網が出現した。
「ルイヨウボタン」を鹿の食害から守っているという。
鹿にとっては、美味しいのかしらん、ルイヨウボタン。→ |
|
|
ルイヨウボタンの大きな網を通り過ぎると、また前方に今度は頑丈そうな網が。
登山口でも見た「カッコウソウ」と書かれたのぼりも立っている。
ついに、群生地に到着したらしい。
たくさんの人が来ているらしく、子供のはしゃぐ声も聞こえる。
13時02分。
群生地の間に通路がつけられていて、真ん中を通ることができるようになっている。
ほぼほぼ動物園の動物を見る感じである。 |
|
|
ちょうど見ごろということもあって、たくさんのカッコウソウが咲いていた。
サクラソウの仲間で、絶滅危惧IA類(CR)だそうです。
新潟の我々からすると、とても不思議な植物で、こんなパッサパサの枯れ葉の中、いきなり出現して、いきなり咲いている感じだ。
しかも、杉林の中だし。
新潟だと、色んな植物が混在している中に群生しているものなんだが。守られているせいなのか、なんなのか。
なぜカッコウソウはここを選んだのか、なぜ少なくなったのか、なぜ生き残れたのか、なかなか不思議だった。
たっぷりと写真撮影。
13時08分。 |
|
|
群生地を見下ろせる場所にボランティアらしい団体がいた。
寄付金などを集めているらしい。
彼らの保護活動により生き残っているとしたら、必要な活動なのだろう。
群生地から杉林の中を直登していく。 |
|
|
杉林が途切れて、稜線にたどり着く。
椚田峠、と案内にある。
13時13分。
それにしても、何だ、この矢印の多さは。
今来た道は分かるとして、山頂は向こうとして、他の矢印が我々の戻るコースなのか?
いや、方向が違うだろう。
とりあえず山頂に行けばちゃんと分かるはずだ。
左に曲がる感じで、稜線を登って行く。 |
|
|
右に広葉樹、左に杉の林が広がる気持ちのいい稜線を歩く。
ここに出て、少し風が強くなった。
おや、ミツバツツジが咲いているぞ。 |
|
|
幹にビニールの紐がぐるぐると巻かれている木があり、アカヤシオを鹿の食害から守る措置だと書かれていた。
つまり、ビニール巻の木がアカヤシオということで。
もう花の時期を過ぎていたアカヤシオだが、目印を追って行くと、咲き残りを見つけることができた。 |
|
|
13時27分。第二展望台と書かれた場所。
遠くに見えるあの山はなんというのかしらん。
13時35分。なんとなく岩場っぽくなってきた。
おや、この葉っぱはイワカガミに似ているぞ。
ヒメイワカガミとあった。
新潟で見るオオイワカガミに比べると、ずっと清楚な感じだ。 |
|
|
13時39分。第一展望台と書かれた場所。
山並みの向こうに町が見え、ぽっかり浮いた雨雲からそこだけ雨が落ちているのが見えた。
午後から不安定なお天気という天気予報は当たっているらしい。 |
|
|
第一展望台から目を左側に向けると、四角く切り取られたような土地があり、ちいさな鳥居があった。
鳥居には鳴神山神社、とある。
ということは、ここが山頂か?
鳥居の裏手に回る道がついていて、木に「鳴神山 仁田山岳」とある。
ん?どういうこっちゃ?
ま、とりあえずここが山頂だろう。
都合よくベンチっぽい場所もあるし、日陰だし、風も強くない場所だし。
ここが山頂ということにして、お昼にすることにした。
13時40分。 |
|
|
それにしても、なんか、そんなに遠くない場所から人の笑い声なんかが聞こえる。
さらには、登山者が我々の陣取っている場所には立ち寄らずに、神社の鳥居の前の道を通って行く。あれ〜?
さらにさらに、山頂まで来ればわかると思っていた下山ルートの案内もない。
つまり、ここは山頂じゃないんじゃないの?
と、いうことで、お昼を食べ終えたあと、人の声のした方向に進む。
14時08分。
道は、いったん少し下がる。
そこで道標登場。
さらに進んだ岩場のほうに「桐生岳(山頂)」とあった。
わははは。山頂、別にあったじゃないの。
道標は、他に「カッコウソウ群生地」「椚田峠、赤柴口コツナギ橋口」「吾妻山、駒形(川内、大滝(梅田))」とある。
カッコウソウと椚田峠は今来た道として、我々が下るべき登山口はなんて名前なんだ?
下りたい登山口の名前を把握していないのは、最大マズい問題点である。
|
|
|
とりあえず、山頂に行こう。
そうすれば案内図くらいあるかもしれない。
けっこう急に登る岩場だったが、1分も登らずに山頂になった。
14時11分、桐生岳山頂。
山頂らしい山頂で、三角点や小さな鳥居、いくつかの祠などが並んでいる。 |
|
|
何が見えるのか、ちゃんと方角に名前が書かれたものが立っている。へぇ、スカイツリーも見えるんだ。
ちょうど初老の男性と女性の二人連れが登って来て、話しかけてもいないのに筑波山が見えると教えてくれた。
右がその筑波山。
ちょうどいいので、コツナギ橋の手前の登山口に下りたいのだが、どう行けばいいのか訊いてみた。
道標のあった所から下ると神社があって、その先を左に下って行けばいい、と教えてくれた。よし、安心だ。
どこから来たのかというので、新潟からカッコウソウを見に来たと言うと驚いていた。
今なら赤城の不動滝のあたりがアカヤシオが綺麗なので帰りに立ち寄ればいいとも教えてくれた。
我々はナビに北関東自動車道経由で連れてこられた、と言ったら、そりゃ高速代がもったいない、と言われてしまった。
はい、帰りは一般道で赤城インターまで向かいます。
14時22分。 |
|
|
二人組と別れて、道標から下り、すぐに神社になる。
14時25分。
簡素な建物と石の鳥居がある。
八重桜が綺麗に咲いていた。 |
|
|
鳥居のそばには山小屋などもある。
山小屋を背にして、真っすぐと右と左に登山道は別れているが、我々は左側、梅田・大滝口へと向かう。
ちなみに、真っすぐ行くのが吾妻山、右に行くのが駒形(川内)登山口である。 |
|
|
左の杉林の中を下って行くと、すぐにロープでひろく囲われた場所に出た。何かがあるのかと思ったが、ただ落ち葉が積もっているだけである。
看板に「カッコウソウ群落の復活を願って」とある。
昔はここにもカッコウソウが咲いていたのだと推測できる。
なかなか復活が難しい花なのかしらん。
落ち葉がなんだか寂しく見える。
落ち葉の中下って行くと、「新道」「旧道」と道が左右に別れている。
14時36分。
我々は初心者なので、新しい道のほうが向いているだろう。
新道を選ぶ。 |
|
|
予想通り、新道は階段などきれいに整備されていた。
おや、すごい岩があるぞ。
ミルフィーユみたいに積み重なった岩が登山道わきにデンとある。
地質に興味がなくても、地球の息吹を感じられる。 |
|
|
14時42分。旧道と合流。
見た感じでは旧道は、崖の真下を通る道で、落石などあったらちょっと怖い。
下って行くと、なんでそんな場所に、と思う場所に道標があるが、きっと昔はそこに道がつけられていたんだろう。
|
|
|
さらに下ると、右側に仕事道らしい舗装した林道が出現した。
登山道より歩きやすそうだったが、登山道を歩けと言う。
ほぼ並行する林道を目で追ってその理由が判明。
土砂崩れで林道は途中から土砂の下になっていた。
使われなくなって久しい道なのだろう。
15時08分、中間点と書かれた場所に到着。
男性が2人、休憩していたが、我々は休まずに下り続ける。 |
|
|
ひたすら杉の中を歩き続ける地味な道である。
仕事にも使われるだろう、歩きやすい広い道だけど。
15時26分、左に「大滝登山口」と書かれた道と分岐。
|
|
|
水音に右手を振り仰ぐと、「登山口5分」「鳴神山55分」とは別の方向に「大滝」とあった。
そんなに高い場所に道標つけられても、発見できないだろ〜。
でも、ちゃんと水音に反応する我々なので、大滝は見落とさない。
道標の通り、というか、道標のほぼ裏側に大滝は落ちていた。
小さな鳥居のある広場から見ることができる。
滝好きはちょっと滝つぼまで下りて行くことも可能だ。
中間点で休んでいた男性二人も滝を見に来たようだ。 |
|
|
滝を堪能したあと、さっきの道標まで戻って登山口に向かう。
15時33分。
川の脇を歩きながら、花を撮影しながら登山口に。
二宮金次郎の像がある学校らしい建物があったのか、登山口には。
|
|
|
15時42分、登山口到着。案の定、我々の自動車1台きりしかない。
あれ、とすると、あの男性2人は何でここまで?と思っていたら、1台の自動車が到着。
我々が見ている間に、戻って来た男性の一人に向かって子供が「お父さ〜ん」と抱きつきに行った。あらまあ、微笑ましい。お迎えだったのね。
さーて、我々はこれから新潟に戻らなくちゃ。
たくさん花もみて、お日様も浴びて、いいGWの一日になった。 |
|