番外

の山

2021/11/20  白山(1012.4m)     
我が家から見える粟ケ岳の隣にそびえる越後の霊山、白山。
この山に登ったのは、もう11年も前のことである。
霊山であるわりに悪評の高い山でもあり、ヒルとメジロアブが怖いのだ、とずっと脅されてきた。
そんなワケで、以前に登ったのは、まだ残雪も多い5月のことだ。山頂は雪の下で、山頂表示さえ出ていなかった。
登山道も雪の下で、他の登山者に尋ねてまっすぐ登っても大丈夫、と、登山道を外れて山頂に行ったりした。
つまり、まともには登っていないのである。
さて、この日、なぜ白山に登る気になってしまったか。
秋から年末にかけては、我々夫婦は休日が合わず、土曜日に一緒に休めることはまずない。
ところが、ひょんなことで、一緒に休める土曜日が手に入った。
まだ雪が降っていない晩秋、ちょっとがんばって登る登山もできる状況になった。
さて、どこに登ろう。
そうだ、白山なら、麓の村が黄金の里と行って銀杏の黄色が綺麗な頃である。
里の紅葉も終わって、あとは一番遅い銀杏くらいのはずで、最後の紅葉が見られるんじゃないの?
ホントーにそれだけの理由で白山にしてしまった。
いや、いつもいつも自分の脳みそのいい加減さには恐れ入るのだが、白山がとんでもなく急登の山で、登りで3時間弱かかる山であることをすっかり忘れはてていた。だいたい1時間半くらいで山頂なんじゃないのぉ〜、くらいの気持ちだったのである。
前に行った時のレポを読みさえせず、気楽に登山開始してしまった。バカです。はい。

白山に2時間かからずに登頂できると思っているもんで、起床も家を出るのものんびりしたものだった。
9時すぎに滝谷慈光寺の手前の銀杏の木のある場所に到着。
銀杏を売り物にしているわりに、たくさん銀杏の木があるわけではなく、しかも、木によって紅葉具合も違っていて、絵になる木がなかなかない。
左はたくさん写真家さんがカメラを構えていた道沿いの木。
自動車を降りるなり、ふわん、と銀杏の実のあのニオイがしたので、雌木。
右はちょっと細い道に入ってみつけた柿の実とのコラボ。
9時15分 写真撮影や支度などをして、黄金会館前の駐車スペースを出た。すでに広い駐車場は満車状態で、この自動車の人たちは山に登ったのやら、慈光寺に行ったのやら。
まだ黄金会館は開く前だったけど。
黄金会館にはギンナンも売っている。
うどんなど軽食も食べられる。
慈光寺への杉並木を歩く。
以前来た時にはまだ自動車も入れる形だったが、今回は完全に自動車は入れない。
ただ、寺に用事のある檀家さんなどは乗り入れできるらしかった。
前は気がつかなかったが、おやおや、杉にも見どころがある。
この杉は龍神杉というそうで、枝が龍に見えるとか。
その枝のアップが右。
というか、すでに枯れているだろう枝がずっとあの形で落ちないでいるほうが奇跡かと思う。
9時30分 慈光寺を通り過ぎて、道がカーブする突き当りにある登山道入り口に到着。前にもここから登ったはずなんだが、覚えていない。
左写真の建物のすぐそばに杭が立っていて、「白山 尾根線」と矢印が書かれているので、ここで間違いないと分かる。
落ち葉で埋められた道を右に川を見ながら歩く。
9時37分 橋で川を渡る。単独の男性の登山者が追い越して行った。
9時40分 一合目。
一合目の表示の足元あたりに赤い実がポツポツと見えた。
イチゴにしては季節がヘンだけど、他の実にも見えないし。
どうもフユイチゴというものらしい。
一合目から先が本格的な登山道になる。
ってか、とんでもない急登が始まる。
3歩先を行くダンナのかかとが私の目の高さくらいの急登。
右写真、ダンナの先に我々よりちょっと先輩のご夫婦らしい登山者がいるのが分かるだろうか。崖じゃん、この角度。
9時56分 2合目。
しかし、紅葉は素晴らしい。
右を見ては、きゃー。左を見ては、わぁ。
赤に黄色にレモン色。本当に下手な日本庭園よりものすごい。
遅いと思っていた紅葉も、まだまだ十分に見ごろだった。
10時17分 3合目。
やや広くなっている3合目を過ぎて、右に曲がって少し登ると、景色がいっぺんする。
紅葉はほぼ終了。落葉した木々になり、空がよく見えるようになる。
10時37分 4合目。
葉っぱが落ちて登山道を埋めている。
あれは何だろう、葡萄みたいになっている赤い実がたくさんぶら下がっているぞ。
10時46分 5合目。
登山道が黄色い。黄色い落ち葉が道を染めている感じだ。
10時59分 6合目。
対岸の山の黄色い落ち残っている紅葉が綺麗だ。
すでに枝だけになった木々に日光が差してこれもまた美しい。
それにしても相変わらず急登だ。
ちっとも手を緩めてくれない。
あ、遠くに白く雪化粧した飯豊連峰が見えるぞ。
でも、空気がなんだかもやっていて、はっきりとしない。
11時19分 7合目。
11時34分 8合目。
ほぼ景色が変わらない。ちょっとだけ斜面が緩くなったかな〜。
11時48分 9合目。
何かのアンテナみたいな人工物があり、それからちょっと登ると9合目の表示。
9合目を過ぎたら笹だらけになり、登る角度もほぼ平坦になった。
11時55分 小屋。
中で人の声がする。風が冷たいので中で昼食かしらね。
小屋を右に見て通り過ぎて進む。
11時56分 山頂。
先客が2組、シートを広げていた。
すぐに1組が出発したので、広いが草ぼうぼうでどこで休んでいいのやら分からない山頂は我々を含めて5人になった。
山頂には社があるはずだが、なんと屋根だけ山頂表示のそばに置かれていた。雪でつぶれたかしらね。
草の向こうに日本海方向が開けているはずなんだが、やっぱり空気がもやっとしていて、眺望はあまりよろしくない。
12時23分 下山開始。
どっちから下るのかと先客に尋ねられた。
我々は田村線からだと答えると、やっぱりそうか、だって。
来た方向とは反対側にちゃん田村線とのプレートがかけられていて、迷うことなく下れる。
いきなり転げ落ちそうな急降下になる。
12時31分 9合目。
途中、ぜったいにロープが必要だろう、という下り辛い場所があって、ピイピイ泣き言を言う。
登りに選んだ場合、こっちのコースも過酷な急登の連続になるだろうな。
8合目の表示を見かけていない。
12時59分 7合目。天狗の腰掛という名前のブナだったはずだが、その名前のプレートも見当たらなかった。
この先はなだらかに下ったりゆるやかに登ったりする。
13時25分 5合目。
13時39分 4合目。
4合目を通り過ぎると、道が黄色い葉っぱの道になり、だんだんと樹木の紅葉が目立ちはじめる。
ちょうど西に向かって下るので、太陽が紅葉の葉っぱを通して光っている。
  錦の海に下って行く。
道はなだらかで気持ちがいい。
 
  13時51分 3合目。
14時10分 鉄塔。
鉄塔のすぐそばを通ることも失念していたので、巨大な鉄の足が見えた時にはちょっとぎょっとした。
 
  鉄塔の周りは樹木が刈られているので、見通しがいい。
反対側の山も赤く色づいていて綺麗だ。
鉄塔は東北電力のものだそうですよ。
 
  14時14分 2合目。
杉林の中に入っていく。ずっと杉の中だと思っていたら、けっこう紅葉の樹木の間を通って下って行く。
 
 
  14時29分 1合目。
ここで天狗堂の屋根が見える。
14時31分 天狗堂。
 
 
  天狗堂の長い階段を下って、慈光寺の裏へ。
ここに檀家さん用のトイレがある。
 
  14時36分 慈光寺前。
天気のよい日だったので、慈光寺に行く観光客などがけっこういた。
14時46分 駐車スペース。お疲れさまでした。
 
 

最後の紅葉を見ようと登って、結果、銀杏だけでなく本当にきれいな山の紅葉を見ることができた白山。
しかし、軽い気持ちで登った代償は筋肉痛で現れた。
ここしばらく、ガッツリ登山しても、それほどひどい筋肉痛にはならなかったのに、今回の白山ではきっちりと3日、太ももの筋肉痛に悩まされた。
膝サポーターもしていなかったし、アミノ酸飲料も持って行かなかったし。途中のエネルギーゼリーも無かったし。
あらかじめ3時間かかる登山だと認識していれば、それなりの準備をしていたはずなのに。バカです。はい。

白山 
最寄IC磐越自動車道安田IC。県道41号で五泉市街に行き、そこから県道7号で村松市街へ向かう。村松市街で国道290号に入り、田上方面に少しだけ進むと、慈光寺の案内が随所に出てくるので、それにしたがって進もう。
黄金の里会館というお土産屋さんのような場所の前に広い駐車場とトイレがある。
参道の杉林を歩いて行くと慈光寺。それを通り過ぎて、道が大きく左へカーブするが、カーブしないで直進方向の林道が尾根線の登山口だ。
気温が上がるとヤマビルとメジロアブの危険のある山である。登る時期を選んで登ろう。


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