番外

近県

2022/1/2(日)   奥久慈男体山 (653.9m)   
2022年の滝初めと登山初めを一挙に済ませてしまおう、という魂胆で、茨城県まで来た。
なにせお正月の新潟では見られる滝も登れる山もほぼ無い。おまけに日本海側は猛吹雪が予想される寒波が来ている。
逃げるとしたら、太平洋側。そして、せっかくだから百選の滝で凍る滝。ということで、袋田の滝に行くことに。(袋田の滝のレポはこちら)
袋田の滝といえば、2020年に遊歩道から登ることができる月居山に登った。その時にもらった案内の中に男体山という文字をみつけていた。
せっかくだから違う山に登りたい、ということで、チョイスしたのが奥久慈男体山である。
ほぼそれだけの理由で、あまりよく調べもしないで出発。道の駅に行けばなにか情報があると思っている我々だ。
無かった。
道の駅であの案内をもらったはずなんだがな。
どうする。手元にはその案内しかない。ま、行けばなんとかなるか。
小さな地図にある登山口を目指す。
登山口はいくつかあって、そのどこが一番我々向きなのかよく分からないまま、たぶん一番メジャーなんだろう場所に向かった。
国道118号を目印になる、JR西金駅を目指す。曲がり角を見落とすかしら、と思っていたが、ものすごくでっかい道路案内があって、登山口に入る道はすぐに分かった。
そこから細い道を登山口に向かって走る。すれ違いが困難なくらい細い道だ。
登山口ってたいがいこんな道の奥にあるよね、でも、怖いね。とか話しながら行くと、左側に弘法堂の文字が。なんじゃそりゃ。
通り過ぎると、数台駐車している場所が。ここかと思ったら登山口は左折せよとの案内。
左折する道はちょっと下って行く感じだ。
と、トイレらしい建物と5台くらい駐車している自動車があった。
おお、ここが登山口にちがいない。
ちょうど1台分あいているスペースに駐車して、支度する。
トイレも綺麗でありがたい。

12時44分 駐車スペース到着。
自動車の止まっている端っこの山の斜面に踏み跡があり、てっきりそこが登山道かと思ったら、道路わきにさらに道路を進んだ方向をさす登山口の案内板があった。あの踏み跡はどこに通じているんだ?
1分も下らずに、右に曲がる道が出現。
矢印に大円地山荘、手打ちそばうどん、とある。
道を進むと、門のある山荘が。今日はお休みらしい。
12時50分 大円地山荘の前に出る。
山荘を右に見ながら細い道を進め、と案内板がある。
板張りの道を通る。
人が住んでいるのかいないのか、民家が右下に見える。
すぐに案内のある分岐に出た。 12時53分。
なになに、左に行くと健脚コース、橋を渡ると一般コース?
もちろん、一般コースに行くぞ。
比較的広い登山道を杉林の中、なだらかに登って行く。
時々巨大な岩が転がっているが、山頂から崩れたのかしらん。
右写真の登山道脇の巨大岩は、まるで転がるのを抑えようとしているみたいに、木の枝がつっかえ棒がわりに何本も差し込まれていた。
いや、それじゃ転がるのを阻止できまい。  13時04分。
杉林の中をつづれ折りに登って行く。
何回ターンしたのか、ほぼ風景が変わらないのでつまらない。
と、崖崩れ注意の看板があり、急に杉林が途切れる。  13時14分。
確かにちょっと崩れ始めるとガラガラと崩れそうな石積みの斜面を横切る。
そのあと、また少し杉林の間を通るが、やがて広葉樹にとって変わった。
落葉しているので、空がよく見通せる。

涸れた沢のような谷を登って行く。時々凍っている個所もある。
13時37分 何やら広い場所に出た。大円地越だ。
右側から下って来る人がいたので、てっきりそっちが山頂だと思っていたが、そちらは「鷹取岩、篭岩」だそうだ。
男体山山頂は大円地越と書かれた看板の少し先を左側に登って行く。
登り口に石に男体山と刻まれたものがあった。
見上げるくらいの丘が目前に広がっている。
この先0.9キロが山頂だと書かれていたので、あの丘の上が山頂ではないと分かるのだが、壁みたいに見えるじゃないの。
途中、岩にロープがつけられていて、よじ登る感じの場所もあったが、とりあえず丘の上に立つ。 13時45分。
この先は尾根道だ。
尾根道から見える男体山の山頂は、どう見てもいったん下る感じだ。
13時48分 やっぱり下って行く。
両側が切れ落ちた狭い道を通り今来た方向がそそり立つような崖なのを見たりする。
13時56分 改めて登りはじめる。
その先も細い尾根道が続いている。
14時03分 奥久慈グリーンライン方向への分岐。
山頂まであと0.3キロだそうだ。
でも、そこから見える山頂も、なんだかちょっと下ってから登る感じだぞ。
幸い次の下りはほんのちょっとで終わって、最後の登りになった。
地味に登るし、枯れた木々のために眺望もない。
14時08分 何やら看板があると思ったら、標高634メートル、東京スカイツリーと同じ高さだって。
いや、そんな情報よりも、ここから見える山々の名前のほうが知りたいんですけど。
意外に山頂に近づかない。
藪のむこうに何かのアンテナらしい施設はよく見えるんだが。
岩っぽい道をよいしょ、と登ると、おおアンテナの下に出た。
14時10分 山頂到着。
けっこう広めの山頂だ。
中央付近に三角点、アンテナの反対側の奥に社がある。
茨城百景と書かれた石碑の向こうに小さな社があって、その方向は見事に見通せる。
下がその図。
どの山がなんていう山なのか、さっぱり分からない。
晴れた日には富士山が見えるというが、晴れていても方向が分からない。
案内板、欲しいなぁ。
   
社とは違う方向に白く冠雪した山々が見えた。
かなり遠い感じだけど、なんて山だろう。
那須方面かしらん。
リュックに入っていたみかんを半分こして食べてから下山することに。
ちょうど大円地越で鷹取岩方向から下って来た男性2人と入れ替わる形だった。
14時16分 下山開始。
14時22分 グリーラインへの分岐。
14時44分 大円地越。
下山途中、落石注意の場所でダンナが思い出した。
この山は2002年に山火事があったとか。
そうと知ってよく見ると、倒れた木の中に黒く焦げたものが何本もあった。
20年もたつのに、まだ痕跡があるんだ。
明るい場所だが、ちょっと複雑な気分になった。
15時23分 大円地山荘。
15時27分 駐車スペース到着。

実は、男体山についてはまったく知識がなく、1時間程度で登れる山なんだと思って登っていた。
なので、大円地越までがとても遠くて、自分の認識不足を呪った。いや、山荘から見上げる断崖絶壁に見える男体山の姿を見て、1時間で登れると思う自分がむしろ愚かに思える。寒さ対策でサボートタイツを履いて行ったのだが、これが大正解だった。
それにしても、1月初めとは思えないくらい山頂付近でももやっと暖かい風の吹く日で、青空の広がる太平洋側がものすごくうらやましく思えた。
そんなこんなで思っていた以上に時間がかかってしまったので、あとはどこにも立ち寄らずに新潟に戻った。
すっかり夜もふけたころに帰宅して、正月早々猫どもに怒られましたとさ。

奥久慈男体山(大円地越経由一般向けコース)
  
我々は袋田の滝から西金駅を目指して向かった。
  国道118号を右手に久慈川を見ながら南下。西金駅に向かう道を通り過ぎてすぐに大きく男体山登山口と頭上の表示があるので、まず見落とさない。
この表示どおりに左折。道は細く、曲がりくねる。途中、湯沢峡、つづじケ丘に向かう道と分かれるが、とても分かりやすく男体山登山口と書かれているので大丈夫。
さらにずんずん標高を上げていくと、左手に弘法堂への道があるが、それは通り過ぎてよい。そこから少し行くと、また弘法堂への道があるが、それもパス。
さらに少し進むと、登山口は左に下って行けと案内がある。案内どおりに下って行くと、カーブした先に右側にトイレがあり、5台以上とめられそうなスペースがある。
そこが登山者用の駐車場。登山口は上記の本文とおり、さらに道を進み、右に曲がってつきあたりにある「大円地山荘」を右手に見ながら進んで行く道である。
ちなみに、この118号からのルート以外にも奥久慈パノラマラインという道を利用するルートもあるらしいが、そのへんは気象状況などをよく考慮して調べてみてください。
一般向けのコースであれば、ファミリー登山なみの体力があれば充分。


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板