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2022/10/8(土)   西吾妻山 (2035m)   
おかしいな。どうしてこんなことになっちゃったんだろうな。
と、思う登山は色々ある。
天気予報では良好のお天気だったはずなのにな。
たしか、ここに来るまでは青空さえ見えていたのにな。
なんで今、雨に濡れて震えているんだ、私たちは。
そんな、んがお家登山史上ワースト2の登山をしてしまいましたよ。今回の西吾妻山。
いや、西吾妻山のこのコースは、お天気がいい時とか、花のいい時にはとても快適で素晴らしいコースなのだろうな、という確認はできた。
できれば、そんな時にもう一度来て、このイヤな思い出を打ち消したい。
どうにもこうにも、やっぱり登山には備えは必要なのだ、と思い知った西吾妻山登山だった。
事の発端は、ダンナが西吾妻山に登るロープウェイのお得なチケットを発見したこと。
お得となると、使いたくて仕方がなくなる我々である。
とりあえず、お天気を確認して、西吾妻山あたりは回復傾向で午前9時からはA判定。ならば、と、三連休の初日に行ってみることにした。
西吾妻山には、福島県のグランデコからロープウェイを利用して行ったことがあるが、今回のお得チケットは天元台がわからのロープウェイである。
お得の内容は、ロープウェイ、3本のリフトの往復にお土産がついて3200円。
ロープウェイとリフトの通常料金は4200円なので1000円とお土産代がお得なわけだ。
これが、前もっての予約の必要もなく、当日でも入手可能と、お天気頼みの登山には本当にありがたいチケツトなのだ。
さて、当日。
近隣がほぼ雨の予報の出ている中、「てんきとくらす」の回復予想が出ている西吾妻山を目指して福島県檜原湖畔を走り山形県入りした。

西吾妻スカイバレーを北上するうちに、曇っていた空が晴れてきた。
こりゃ、回復傾向は嘘じゃなかったな。
途中に不動滝の看板をみつけて、思わず下車。
芳沢不動滝である。
紅葉し始めの葉っぱをアクセントに、太陽を浴びてキラキラ光っていた。
これは幸先よいではないですか。
8時半前頃、天元台高原ロープウェイの湯元駅に到着。
すでに数台の自動車が駐車されている。
お得チケットを購入して8時半のロープウェイに搭乗。
しかし、この湯元駅で山頂の気温は0度から5度ですよ、という係員の言葉を耳にする。
確かにここ数日、10月とは思えないほど気温が下がっているが、氷が凍るほどの気温はいくら標高の高い場所でもまだ先だろう。
ちょっとだけ心配が心をよぎる。
8時45分 天元台高原駅に到着。
げ。
真っ白。
霧であたりがまったく見えない。
ここで一応持ってきていたダウンベストと簡単な雨具を身につける。
案内に従って、少し歩いて、しらかばリフトに行く。
ロープウェイは大人数乗れるが、リフトは2人ずつ。
少し待つことになる。
が、そもそもそんなに人数はいないので、意外とすぐに乗れる。
こいつが固くてつめたい座り心地の悪いリフトだった。
ずっと霧が濃いまま晴れないし。
9時ちょうど、しゃくなげリフトに乗り換える。
ここからリフトの座面にウレタンがついて、ちょっとだけお尻があったかくなる。
ところが、このリフト。いちいち止まる。
人が乗るたびにスピードを落とし、しまいに止まってしまう。
先行きが不安になる。
9時11分 つがもりリフトに乗り換える。
ここのリフトもウレタンの座面だが。
風が強いのでゆっくり運行している、とのアナウンス。
とんでもなく冷たい風と雨粒一歩手前の霧。
体が震えるくらいの寒さが襲う。
あまりにのんびりの運行で、すぐ隣の茂みにあるらしい登山道を徒歩で登って来る人の話し声がずっと横で聞こえてくる感じだ。
のんびりにもほどがある。
でも、安全運行なので仕方ない。
9時37分 標高1820メートルの山頂駅に着く。
ここから支度をして登山開始である。
たくさんの登山者がガッチリとした雨具上下を装着準備している。
我々は回復傾向を信じて、軽い雨具で歩き始める。
なだらかな階段状の登りが続く。
すぐに「人形石」と「かもしか展望台」の分岐になる。
我々は「かもしか展望台」方向へ。
時々木の根っこの露出する場所もあるが、とても歩きやすい道だ。
リフトと展望台の間にたぶん10分割したと思われる道標がつけられている。
そのそばには、枯れてしまったモミジカラマツの破れ傘みたいな群生が。
雨に紅葉も濡れている。
平らな石を敷き詰めたような登山道が続く。
と、いきなり視界が開けた。
10時03分。
木道が現れた。
晴れていれば気持ちよそさうな草紅葉が広がっている。
でも、雨なので、木道が滑ってちょっと怖い。
10時12分 ここでまた「人形石」の分岐が出てきた。
我々はやっぱり「かもしか展望台」へ進む。
10時18分 階段で少し下る。
下りきった場所の左側には植生保護のため立ち入り禁止の文字が。
梵天岩へは右方向へ進めと道標がある。
あれ、この道標、戻る方向がかもしか展望台、とあるぞ。
どこだったんだ、かもしか展望台。見事に見落としているぞ。
気持ちのいい草原が続いているらしい。
でも、霧でほぼ見えない。
ああ、晴れていたらさぞきれいだっただろうに。
10時27分 大凹の水場
岩の間からふつふつと水が湧き出ている。
水場から先がとんでもない登りになる。
大きな岩が積み重なった登りで、両手を使ってよじ登るような場所もある。
階段が出てきたかと思えば、石畳になったりする。
10時50分 再び木道が出てきたり荒れた土地になったり。
ちょっと低木が迫ったと思ったら、前方が人で渋滞してしまっている。
なんだ、なんだ。
どうして渋滞しているんだ、と思っていたら、どうやらここが梵天岩らしい。
荒々しい岩の積み重なりをしがみつきながらクリアしていく場所だ。
団体さんが躊躇してなかなか前に進まない。
やっとそれをクリアしたかと思ったら、さらに先も大渋滞になっている。
いったい何がどうしたのか。
あまりに列が進まないので、団体さん意外の個人の登山者が怒りだしている。
どうして進まないかと思ったら、ブッシュの中に山頂の杭が立っていた。
こいつと記念撮影するために人が渋滞していたのだ。
雨が降って寒いのに、並ばなくちゃならないとは、腹も立つというものだ。
11時32分 山頂到着。
この先に行けば小屋があるのは分かっていたが、団体がいくつも先行しているので、小屋が満員なのは考えなくてもわかる。
我々は杭にタッチだけして速攻Uターンした。
途中の風の当たらない場所でとりあえず糖分だけは接種しないと低体温症になる。持って行っていた菓子パンを立ったまま食べて、また歩き出す。
11時59分 梵天岩。
こんな場所だったのか、梵天岩。とじっくり見ていたら、登山道を外れてしまった。
休んでいた若者たちが道はあっちですよ、と教えてくれたので戻ることができた。
12時28分 大凹の水場。
水場の先の草原が赤くなっていてきれいなんだけど雨。
軽い雨具ではじんわりと中まで濡れてきて、しかもズボンは雨具ではないので、足はびっしょり。
ただ、幸いなことに、下山時はほぼ雨ではなく、ズボンは乾いてくれた。
これが濡れたままだったら、ホントに低体温症になっていたかもしれない。
この先、とにかく寒くて寒くてロクに写真を撮影していない。
ガクガクふるえながら3つのリフトを乗り継ぎ、レストハウスでお得チケットのお土産をうけとってから14時20分のロープウェイに乗り込む。
ロープウェイを待っている待合室で係の人がストーブを出してくれて点火してくれた。いや〜、今季初ストーブ、あったかかったです。
ところが、ロープウェイが換気のために窓あけてあって、寒くてね〜。
も、早く自動車に戻って着替えたかったです。
ロープウェイの湯元駅の窓口で、このお得チケットについている温泉施設の一番近いのはどこだと尋ねて、すぐ100メートルくらいにある、と教えてもらった。
白布 森の館 森林体験交流センターに駆け込み、お湯に浸かってようやく人間らしい体温を取り戻した。
ちなみに、左が今回利用したお得チケット。
ロープウェイと3つのリフトの往復、日帰り温泉、手ぬぐい、お土産がついている。
右がお土産二人分。我々はお米とお酒をいただきました。
お土産を選ばない場合は、暖かい芋煮を選ぶこともできる。

結局、お天気はまったく回復せず、予想よりも寒くてガタガタ震えることになってしまった。
リフト、歩かずに標高を稼げるのだが、こいつがものすごくゆっくりでイライラするくらい。
もしかしたら歩いたほうが早いかもしれないくらいだ。
しかも、雨の場合、屋根があるわけではないので、座面が濡れてお尻がどんどんびっしょりになる。
一応係の人が座り始めは乾いた布で拭いてくれるのだが、途中で雨がしみてくるのだ。
あと、背もたれが固い。かなり長い間乗るので、私、背骨が当たってものすごく痛かった。
このあと季節のいい時にリベンジしたい西吾妻山の天元台コースなのだが、リフトの背もたれだけはなんとかしないとな、と思っている。
それから、どんなにお天気がよくても、ちゃんとした雨具は用意していこう、と思いましたよ。
山、甘くみてはいけないです。身をもって体験しました。

西吾妻山(天元台ロープウェイより)
  
最寄りICは、磐越自動車道猪苗代磐梯高原IC。国道115号を北上し、途中で国道495号に入り裏磐梯に進む。
  観光地である五色沼あたりのセブンイレブンのある交差点で県道2号に入り、檜原湖沿いを北上。西吾妻スカイバレーである。
  峠道をけっこう長いこと進み、山形県入りする。芳沢不動滝を通り越しさらに進む。
  白布温泉の少し手前に天元台ロープウェイの案内があるので、そちらに右折。ほどなくロープウェイの湯元駅。
  通常はロープウェイと3本のリフトの往復で大人は4200円である。
  おおざっぱに言えば、乗り物で1時間、ゆっくり徒歩で2時間で合計3時間で山頂になる。


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