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2023/1/2   筑波山 (女体山877m、男体山871m)   
2023年もめでたく明け、せっかくのお正月休み、どこかに行きたくて仕方ない我々である。
毎年、だいたいお目出たい感じの滝を見に行くのが恒例になっている。華厳の滝か袋田の滝、というのが定番だ。
さて、今年はどうしよう。
袋田の滝のある茨城県まで日帰りで行けるなら、筑波山も行けるんじゃないか、と思っていた。
筑波山は、実は、県外の登れる山に行った際、筑波山を遠くに見る機会が何度かあった。
双耳峰の美しいシルエットは、なんとなく登りたくなる山なのである。
そんなことを思っていたら、なんとダンナも筑波山には登れるんじゃないか、と言ってきた。
二人同時にそう思っていたのであれば、もう、行かざるを得ないだろう。
あわよくば、袋田の滝にも立ち寄れるじゃないか。山頂までロープウェイが通っている山だっていうし。
いや、そんなにあわよくなかったんですけどね。

午前6時少し前に自宅を出発。
どんよりと雪模様の県内、茨城県に行くには常に福島を経て行く我々なので、磐越道に乗る。
会津に至るまで、道路上も雪が多く残り、少し怖い感じの状況だったが、会津高原あたりでは青空も見え始めた。
右は磐梯山。相変わらず、山頂はどこかにお出かけだ。
途中、筑波山ロープウェイをナビに入れ、完全にナビに案内を任せたら、とんでもない山道を案内されてしまった。
出合い頭に衝突しそうになったり、ぐねぐね曲がるので心配になったり。
それでも11時過ぎにロープウェイの乗り場に到着。
混雑しているかな、と思ったが、駐車場にはまだ余裕があり、ほぼ待ち時間ゼロでロープウェイに乗れた。
11時08分 ロープウェイ。
密だわ〜と思うくらいぎゅう詰めにされる。
でも、10分かからずに山頂付近まで行けるのだから、文句は言えない。
ロープウェイの窓から、駐車場方向を見ると、ガマの像と、赤い鳥居。
そして、とんでもない角度で山を直登する人々が見えた。
げ、あれが登山道か。
帰りは我々も歩いて下山する予定だが、間違いなくあのルートだ。
けっこうキビシイかも。
11時19分 山頂駅到着。
山頂駅からぐるりと景色が見渡せる。
あ、あれが男体山だな。
で、富士山が見えるらしいのだが、これがまあ、富士山の場所だけ雲がありまして。
左写真、がんばって加工したんだけど、こんなふうにしか見えませんでしたよ。
新年に富士山、見たかったな。
駅の脇の階段を上って、女体山へ向かう。
ロープウェイ駅からコンクリートの整備された道がグネグネと続く。
が、3分ほどで女体山山頂の直下の広場に出る。
この広場、正月特有なのかもしれないが、わちゃわちゃと人がいて、ごった返している感じだった。
なんだかお酒臭くもあり、この場所にはいたくない雰囲気だ。
広場からちょっとした岩場のような狭い階段を登ると山頂になる。
11時27分。
山頂には神社があり、おみくじを売っていた。
筑波山は縁結びの神様だとか。
そんなこんなで、この山頂も見事にごった返していて、おみくじを買う人、写真を撮る人、騒ぐ人、ああ、ここでも酒臭いし。
若いグループがかなりたくさん来ているらしく、奇声も発していて、なんだか異様な感じだ。
たぶん、正月のせいなんだな。
着ぐるみ着た人もいたしな。
山頂には「天の浮橋」という縁結びのパワースポットがある。
なんでも、イザナギ、イザナミがおり立ったのが天の浮橋で、天の沼矛であたりをかき回し、その矛の先から落ちた塩でできたのが筑波山なのだそうな。
左、三角点。右、方位盤。
そして、山頂から見える風景。
柵があって、岩場には出られないんだけど、出て写真撮影している人がかなりいた。
あまりその場にいたくなかったので、速攻で広場に戻り、そのまま男体山方向へ進む。
11時34分 ガマ石。
こいつの口の中に小石を投げ入れられれば願いが叶うのかなんなのか、子供たちが石を投げていた。
ガマの油の口上がここで考えられたとされ、出世のパワースポット。
11時36分 せきれい茶屋。
巨大な鉄製の錨があり、明治の初期に奉納された、とあった。
奉納された後は、銚子の海は大豊漁になったとか。
開運パワースポットだ。
道は狭くなったり広くなったりなだらかになったり。
カタクリの里という場所があったが、開花時期以外は立ち入りできないようだ。
11時41分 急に視界が近代的に開ける。
ケーブルカーの山頂駅のある御幸ケ原だ。
ものたくさんの売店が並んでいる。
   売店がわの見晴らし台みたいな場所からは雪をかぶった遠くの山々が見えた。
右と左と、どっちかが日光連山、どっちかが那須連山らしいが、山頂付近がどちらも雲で覆われていて、山容がよくわからない。
 
男体山へ登る登山道の手前にものすごく綺麗なトイレもある。
右の階段が男体山山頂への道だ。
11時44分。
最初の石段もけっこうな階段だったが、その先もなだらかな階段が続く。
まだ階段だよ、なんて登っていたが、実はこの先のほうがびっくりする光景だった。
右、ジャングルジム並みの岩登りが登山道。
ちょうど一緒になった子供たちが、楽しそう、と喜んでいたが、我々はげっそりだ。
すっかり観光山だと思っていた筑波山、こんなに急登を強いるのか。
やっと岩場をクリアしたかと思ったら、左の梯子なみの階段。
それを登ると、社が見えた。
11時54分 男体山山頂到着。
到着した場所は社の裏側。ぐるっと回ると、コンクリートの階段の上に男体山の社が立っていた。
男体山からは、浅間山が真っ白い山頂を見せていた。
さらに振り返ると、女体山の向こう側に真っ青い太平洋が見えた。
山頂には3分ほど滞在ですぐに下山。
12時08分 御幸ケ原。
ここで昼食にする。カップラーメンとおにぎりを持参していたのだが、筑波山は全登山道付近は火気厳禁。
御幸ケ原にロープで仕切られたバーナーエリアというのがあって、ここの内側だけバーナーが使える。
ところが、ここ、ものすごく風が強い。
1月のこの寒風吹きすさぶ山頂で、このバーナーエリアで昼食はほぼ罰ゲームである。
まず、バーナー点火しても、お湯にならない。風で火があおられるのだ。
それから、すぐに冷める。
もう、ここにいたくない一心で、ぬるいラーメンをかきこみ、汁気でおにぎりを流し込み、熱くないコーヒーを一気飲みしてそそくさと昼食を終了。
このバーナーエリア、椅子とテーブルになりそうな台が3つくらいしかなく、常に空くのを待って場所を奪い合う状況なのだが、いざ椅子を確保しても寒すぎてごはんを食べずに撤退する家族が我々が見ている間だけでも2組いた。
我々は椅子とクッションをもっていたので、設置されている椅子を使わなくてもよかったのだが、それでも、風をよけるものが一切ない場所なので、本当に寒かった。
真冬に筑波山に行く際には、昼食は山頂売店で食べよう。
1000円あれば、色々なメニューから選べます。
昼食後、女体山がわのトイレに入ってから女体山に戻る。
こちらのトイレもとても綺麗だ。 12時35分。
12時45分 せきれい茶屋。
12時47分 ガマ石。
12時51分 女体山山頂直下の白雲橋コースの登山道へ。
下山は、ロープウェイを使わずに、白雲橋コースの奇岩巨石を見ながら下り、おたつ石コースでロープウェイ山麓駅に行くというコースを選択。
これがもう、山頂直下からすごい下りだった。
登って来る人も多いのに、岩を足場を選んで下る道なので、すれ違う時にはいちいちどちらかが退避して待たなくてはならない。
左、大仏石。高さ15メートルあるそうだ。13時ちょうど。
右、屏風岩前のちょっとした広場。13時01分。
登山道からちょっと入った場所にあるのが屏風岩。
建物の左にある岩がたぶん、それ。
建物は、安座常神社。
その先、ちょっとなだらかな道になり、休める感じだ。
北斗岩。
2つの巨岩がもたれかかるようになっているが、ぜったいに揺るがないという意味の北斗の名前がついている。
中をくぐれたりする。
北斗岩のそばには月読尊を祀る「小原木神社」がある。
道はまた多少なだらかな道になる。
13時13分 何やら社があるぞ、と思ったら、すぐそばにまた巨岩が出現。
裏面大黒、だそうで、金運出世パワースポットとのこと。
あっちこっちに巨石ゴロゴロだ。
驚くのが、このコースを下から登って来る親子連れがものすごく多いこと。
登るのはかなり大変だと思うんだけど。
   またしても奇妙な大岩。
どういう理由で、あの上の岩は落ちずにそのままでいられるのか。
出船入船という石で、航路の安全を守る神を祀っているそうだ。13時14分。
 
ちょっと歩くと、上が平らになった大岩が。
国割り石だそうで、神様がこの石の上に線を引き、それぞれが納める地方を振りわった、とか。
その後岩のわきを鎖を頼りに下る場所があったりと、アスレチック感も薄れていない。
陰陽石。13時19分。巨石だけど、ここまで来るとなぜこのネーミングかわからない。
と、前方にホントにとんでもない巨石出現。13時20分。
母の胎内めぐり、と名づけられているが、もっとすごい名前でもよさそうだ。
巨大な岩の下をくぐれるようにしてある。
   これが母の胎内めぐりのある場所。
ずっとこの上の巨岩はこのまま崩れないでいると思うと、本当にすごい。
続いて階段が急降下する。
 
   階段の先に「高天原」の文字が。13時21分。
大きな岩を割ったような狭い空間に石の階段が続いている。
そこを登るとけっこう大き目の社があった。稲村神社だそうだ。
 
   高天原の階段を通らずに別の石段で稲村神社に行けたようだが、あまりに古くて立ち入り禁止になっていた。
その先の登山道を下って行くと、おや、不思議な光景が見えるぞ。
 
   きゃー、また岩が頭上に。
今度は完全にその下を通るのが正式な登山道。
どうして崩れ落ちないのよ、あの岩は。
弁慶七戻り。かの弁慶でさえ、落ちないかと怖くて七回戻ったという岩。
13時24分。
その後、巨木の年輪など見ながら、おたつ石コースと白雲橋コースの合流点弁慶茶屋跡に到着。 13時26分。
 
   その後はなだらかな道が続く。多少のアップダウンがあるが、岩場はない。
たぶんおたつ石コースは楽々ななだらかルートなんだと安心していた。
最初にロープウェイから見たものをすっかり忘れているのだ。
 
   道がきっちりと整備されている。
右手の手すりがこれから新しくなっていく工事中だ。
登山道の整備なくして、安全に登山はできないので、頭が下がる。
はるか眼下にロープウェイの山麓駅が見える。
その向こうにつくば市の街並みも見える。
 
   ちょっと足場の悪い道を下ると、広々とした場所に出た。
つつじケ丘高原。13時43分。
広々として、ベンチなどもあるが、ここにも火気厳禁の立札が。
お昼食べるのにいい場所なんだけどなぁ。
 
   山頂に行かなくても、けっこう見晴らしがいい。
方位盤もあるので、どっちに何が見えるのかわかる。
おお、スカイツリーがよく見えるぞ。
 
   あとは楽々下れるかな、と思いきや、きゃー、こりゃすごい。
山麓駅までほぼ直滑降。
岩だらけの道がズドンと下まで続いている。
いや、岩だらけの道じゃない、道みたいな岩だ。
 
   こんな登山道を子供の頃から登っていたら、登山慣れした子供ができるなぁ。
などとうなりながら、足場を慎重に選んで下る。
13時53分 赤い鳥居に到着。
ガマの像のそばまで行って駐車場に戻った。
このガマの像のある遊園地みたいなレストハウスは閉店してしまったんだね。
13時56分 駐車場に到着。
 
   左の写真、たぶん筑波山だろうなぁと帰りの車内から撮影。
右はロープウェイのチケットで、帰ってからダンナと私の分を見てみたら、写真が違っていたのでパチリ。
 

この後、袋田の滝に立ち寄って新潟に帰るつもりだったのだが、ナビで到着時間を確認したら午後5時を過ぎるらしい。
そこから新潟に戻るとなると、かなり遅くなってしまうので、断念。断念したので福島経由ではなくて、群馬経由で新潟に戻ることにした。
それにつけても、筑波山。さすがに百名山である。
いくつもの登山コースがある中で、我々が選んだのは、行きにロープウェイを利用して、帰りは徒歩で奇岩巨石を見ながら下るというもの。
お正月だったために、ちょっと普通の山頂とは違った雰囲気ではあったが、いかに地元で愛されて密着されている山であるか知ることができた。
真冬の登山のこと、花など植物も期待できないので、今回は巨石を見るコースを選択したが、そうでなければケーブルカーを利用するなどして、筑波山の自然を堪能することもできる。
我々の下ったコースは本当に見どころが多く、たった1時間くらいでしかなかったのか、とあとでびっくりしたくらい内容が濃かった。
もうちょっと季節のいい時に、もう一度行ってみてもいいかしらん、と思った筑波山だった。

筑波山(ロープウェイ利用)
 
 我々は新潟からなので、磐越道でいわき、そこから常磐自動車を南下。石岡小美玉スクートインターを利用。
高速を下りたあとはナビにすべて任せたのだが、これがとんでもないことに。途中でいきなりコースを変更します、などとナビが言いだし、おいおい、ホントにこの道行くのか、という林道に導かれてしまった。改めて地図を見てみると、県道42号で風返峠からホントに林道的な道でロープウェイ山麓駅に出る道を案内されたらしい。
この道、ホントにぐねぐね曲がっているし、すれ違い困難なうえに、カーブミラーさえない。我々も一度正面衝突しかかったくらい、ホントに危険な道である。
慣れない他県民がロープウェイ駅に行くつもりであれば、筑波山神社がわから行くか、桜川市がわから県道150号を経て向かったほうが絶対にいい。
ちなみに、我々は帰りは桜川市に出て、北関東自動車道桜川筑西インターから高速道路に乗った。
ロープウェイは片道750円 往復1300円。(筑波山ケーブルカー&ロープウェイ)
筑波山はさまざまなルート、登山方法があるので、よく下調べしてから行くのがよい。
我々が下山に利用した白雲橋コースは、奇岩巨石を見られるコースなのだが、見られるだけでなく、よじ登るくらいの覚悟が必要である。
楽々登れる観光山、と思ってはいけない。
あと、本文中にも書いたが、筑波山は全山火気厳禁。御幸ケ原にロープで区切られたバーナー利用可能のエリアがある。
しかし、そこは風の通り道で、冬場はめちゃくちゃ寒い。
できれは、御幸ケ原などの茶屋で昼食をとるとよい。うどん、うまそうでした。


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