番外

の山

2023/3/28  弥彦山(634m) 田ノ浦コースから崖松コース周遊     
会社を退職したので、平日でも登山できる身分になった。
もっとも、求職中ではあるので、そうそうフラフラもできないのだが、花のいい時期にとてもよく晴れた日になってしまっては、じっと家にいるワケにはいかない。
などと、適当な理由をつけて、リュックにカッフラーメンを詰めて、自動車をスタートさせた。
とはいえ、毎度おなじみ国上山では芸がないなぁと思っていた。
どこにするかを考えて、そういえば単独登山をしてはいるが、まだ弥彦山の山頂は踏んでいなかったなぁ、と気がついた。
じゃ、弥彦にするか。
でも、表参道コースというのも、これもまた芸がない。
そうだ。
明神沢の滝に行った記憶は新しいが、あの辺りのカタクリはもう咲いただろうか。
田ノ浦コースにしてみようか。
田ノ浦コースは、15年ほど前に大勢のオフ会で登ったきりである。
あ、いや、昨年、3月12日のまだ雪の残っている頃にも登っている。
が、雪が残っていたために、まともなコースを歩いたんだかどうだか分からなのだ。
今なら、あの時葉っぱだけだった雪割草もきっと咲いているはずである。
そう思い、自動車を田ノ浦海岸の駐車場につけた。

9時30分 田ノ浦海岸駐車場到着。
トイレなどがあるので、数台の自動車が駐車していた。
平日なので林道奥の駐車スペースでも駐車できるとは思ったが、私の運転技術では、未舗装の道はやめておいたほうがよいと判断。
支度をして歩き出す。
林道にはさくらのような白い花がこれから咲きなんとしていた。
9時44分 旧間瀬銅山道入り口。
意外にも4台ほど駐車していた。
宝川の滝などを眺めながら歩く。
カタクリがいい具合に咲いている。
時々ニリンソウの姿もあった。
10時02分 堰堤。
堰堤のある斜面を見上げると、カタクリが一面に咲いていた。
渡渉する河原にキケマンが咲いていた。
まだ3月なんだけどなぁ。
もちろん、雪割草も健在。
おお、イカリソウまで咲いている。
初夏だわ。
確かに、暖かい日ではある。
10時14分 明神沢の滝到着。
前方に登山者が鎖にとりついている姿をみつけた。
ちょっと距離を置きたいので、ここで一休み。
早朝は寒かったのでライトダウンを着ていたが、それを脱いでリュックに入れる。
鎖場。久しぶりだわ〜。一人で登るの、怖いわ〜。
この鎖場のあたりはオウレンがたくさん咲いているはずなんだけど、もう終了してしまったみたいだ。
10時27分 滝上に無事到着。
ちょっと見つけづらいその先の登山道を探し、(対岸にあると知らないと見つけられない)あとは登るだけだ。
しかし、この登山道が楽しい。
雪割草があちこちに咲いているし、コバイモやキクザキイチゲもたくさん咲いている。
チャルメルソウがにょきにょき出ている沢を渡ったり、青いキクザキイチゲが咲いているのを見たり。
そして、銅山の坑道跡。10時58分。
危険なので入らないように、と書かれているが、別に柵もしていない。
急な雨や雪には避難場所になりそうだけど。
11時01分 坑道跡を過ぎて、道が右に曲がると、いよいよ尾根の急登の始まりである。あまりにキツすぎて、写真がほとんど無い。
いつまで続くんだ、この坂〜っ!と、呻いたら、下山して来る人に出合ってしまった。こっぱずかしい。
11時17分 スカイラインに出る。
この先はアスファルトだ。
お土産屋などがある場所より手前に山頂に向かう階段がある。
昨年の3月に来た時にはまだ雪があり見つけられなかったが、今回はしっかり分かった。
11時19分 スカイラインから山頂への登山道へ。
意外とこの山頂までの道が花が多かった。
特に青いキクザキイチゲは群生していて、こっちにして正解、と思う。
ナニワズもありましたよ。
11時26分 表参道からの道の9合目に合流。
ほんの3週間前に来た時には雪だらけで、山頂に行くのを断念した道なのにな。
もうすっかり春の様相である。
11時38分 山頂到着。
春霞のためか、黄砂のためか、はたまた杉花粉か。
とにかく空気がうすぼんやりとけぶっている。
平日とはいえ、春休みなので、子供連れや若者がかなりたくさん山頂にいた。
奥の石のベンチがひとつあいていたので、そこでランチ。
いやはや、田ノ浦コース、疲れたわよ。
山頂にはたくさんの蝶が飛んでいたが、なかなかとまらない。
ギフチョウもいたんだけどな。
12時ちょうど、下山開始。
下山はトイレが使えればいいな、と思って売店やロープウェイのほうに進む。
その途中でダンナに聞いていたのだが、確認したいことがあった。
売店横にある弥彦桜が倒壊したというのだ。
たしかに、根っこをごっそりとこちらに向けて、完全に倒れてしまっていた。
なんとか復活させてあげられないものかな。
雪のせいなのかな。
売店のトイレは閉鎖。
ロープウェイは3月いっぱい点検中。
タワーのトイレも人がいたので聞いてみたが使えないとのこと。
うむ、仕方ない。我慢。
海がわの景色もかすんでいる。佐渡も見えない。
12時19分 スカイライン駐車場。
下山は15年前のオフと同じく崖松コースを下る。
滝の横の鎖場がイヤなので、田ノ浦コースはピストンしないつもりでいた。
ただ、崖松コースは入り口が今一つ曖昧だ。
確か新潟市と長岡市の境目だったと思ったけど。
意外にもこの境目までが長かった。
トンネルなんてくぐったっけか、と思いながら道路を歩く。
分からなかったら戻って田ノ浦コースを下るつもりだったが、首尾よく見つけることができた。12時33分。
でも、ホントーにこれで大丈夫か、といった程度の踏み跡だった。
単独でふらふら遊びに登って、遭難しましたではお話にならない。
が、入り口の不明瞭な感じから、これは確実に登山道だな、といった感じの道になったので、とりあえず下る。
おお、シュンラン発見。
この道ったら、ヤマザクラが多いんだな。
ポツポツとではあるが、絶え間なく雪割草の姿もあるし。
とにかく、田ノ浦コースよりも明るくて気持ちいい。
でも、利用する人が少ないらしく、藪っぽい感じだ。
途中、むむ、道がわかんないぞ、という岩場があった。
とりあえず、岩に登ってみた。そこから見えた風景。
左が浦浜、右が田ノ浦だと思う。
岩の上からこっちが道だろう、というのが発見できたので、下る。
適当に藪を下っては、田ノ浦コースのような滝のある崖に行き当たる場合もあるので、それだけはできない。
日当たりのいいコースなので、タムシバがもう開いていた。
このあたりか、もう少し上のほうか、そこでなんとお昼を食べているご夫婦らしき2人に遭遇。
わたしも彼らもびっくりしてしまった。
「この道で人に会うとは思いませんでした」
「いや〜、びっくりだね」
などと挨拶をかわす。
おかけで、来た道が間違いではないことが分かった。
  忘れた頃にピンクのテープが道を示してくれる。
あ、お地蔵さん発見。  13時14分。
これが目印なのだ。
こいつを右に曲がるのだ。
このお地蔵さん、首がないのよ。
お地蔵さんの下にはたくさん白い雪割草があった。
 
  その先はなだらかに下る道になる。
ミヤマカタバミの花が開き、カタクリが一面咲き乱れている。
 
  しかし、やはり道は荒れていて、倒木などはなんの処理もされていない。
あれ、お地蔵さんから先って、こんなに長かったっけ、と思いながら歩いて行くと、げ、川が現れた。
ロープが川に向かって下がっている。
つまり渡渉せよ、ということだ。
いや、しかし、渡渉なんてしたっけか。
橋があったんじゃなかったっけか。
道、間違ったのか?
でも、ロープがあるということは、誰かしらが利用した道だっていうことだし。
さんざん思い悩んで、結局川に下りて、飛び石で川を渡った。
増水している時でなくてよかった。
 
  悩んでいるわりに川辺に咲くキケマンを撮影。
キケマンの横をよじ登って、林をちょっとだけ抜けると、あ、林道に出た。
ここはどこ?
13時40分。
首をめぐらすと、朝歩いて来た林道だと分かった。
つまり、渡渉したのは宝川。
左手に歩くと駐車スペースだ。
 
  歩き出してすぐに電波塔などがある、本来の崖松コースの入り口になった。
よく見るとロープが渡されていて、もう橋はないようだった。
つまり、渡渉する覚悟がある人しか崖松コースは利用できないのである。
あのご夫婦、つわものだなぁ。
13時45分 駐車スペース到着。ここにはトイレがある。よかった。
 

行きの田ノ浦コースはいいとして、帰りの崖松コースは我ながら無謀な計画だったと思う。
なにせ、私はGPSつきのアプリをもっていない。迷ったらアウトじゃないの。
15年前に利用したことがある、だけで行っては、遭難の危険だってあるのである。弥彦山、舐めたらあかん。
それにしても、暖かくて花が多くて、楽しい登山であったのは確かである。
春の弥彦山塊は、ホントに素晴らしいなぁ。

弥彦山田ノ浦コース 
  国道402号線沿いを日本海に沿って旧岩室村へと入る。新潟市方面から行くと観音様の立っている白岩とトンネルを通り過ぎて、海とは反対側の左側に田ノ浦温泉がある。少し手前から田ノ浦海岸の駐車場に入るように左折。駐車場のへりを通って、お店の角を左折。あとは川を右に見ながら坂を登って行く。
左手に休業中のレストラン、駐車場などがあるが、もう少し先まで進める。ロープで車止めしてある場所には数台の駐車スペースがある。
そこから先は「旧間瀬銅山道」を登って行く。
 花のシーズンには午前9時頃には林道の末端の駐車スペースは一杯になると予想できる。田ノ浦海岸の駐車場は、海山合わせて100台以上とめられるので、そこに駐車して歩いてもさほど時間は違わない。
 登山道は、川の脇を通る前半は、岩などもある。滝の上の鎖場は、足場が崩れているのでちょっとした度胸とがんばりが必要だ。また、それより上は急な登りの連続になる。旧銅山の坑道などもあり、歴史に触れられるが、ハードな登山が強いられる

弥彦山崖松コース 
  田ノ浦コースと同じ駐車場から行くことができるが、オススメしない。道があまりにも不明瞭だ。
それでも行きたい人は、休業中のレストランなどを通り過ぎ、少し歩くと、右手に電波塔と石積みの柱みたいなのがあるスペースがある。奥のほうにロープが渡されて、侵入できないようになっている。そこが一応入り口になる。川に突き当たって、上流方向を見ると、対岸にロープが垂れ下がっている場所が見えるはずだ。それが登山道に行けるロープ。よじ登って、道をちょっと歩くと、季節にはカタクリの海になる。
さらに歩くと、左手に首なし地蔵があり、そこを左に進む。あとは道なりだが、時々不明瞭になるので、細心の注意が必要だ。
ちなみに、こっちのコースも滝や鎖場こそないが、とんでもない急登だ。


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