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2023/4/16   鎌倉岳 (669.1m)   
2023年の桜追いもいよいよ終盤になった。
ので、見られる桜も開花の遅い桜がチラホラあるくらいである。
遠征しても、多少時間を持て余すことになるので、いつもであればついでの滝を見るところ、今回はついでの山になった。
今回遠征したのは、福島県古殿町。流鏑馬で有名な町らしい。
ここには越代の桜という巨樹があり、見たい見たいと思っていたが、開花時期が他の桜とズレているので毎年見送っていた。
今年は山に登るという合わせ技で見に行くことに決定。
しかし、メインは桜なので、そんなに長い時間登山にはさけない。どこかいい里山はないかな、と探したら、ありましたよ。鎌倉岳。
なんと、20分で山頂に行けちゃうそうな。
しかも、遊歩道、というのがあって、1周1時間強で回れてイワウチワなんかが見られる、とか。最適。
と、いうことで、桜と登山のドライブが始まった。
午前7時少し前に自宅を出発。新潟は土砂降りの雨である。本当に回復傾向なのかしら。
ナビに案内を任せたら、東北自動車道須賀川インターで下車。国道118号を古殿町に向かった。
てっきり磐越道のいわき三和で下りると思っていたのでびっくり。
結果、より手前にある鎌倉岳の登山が桜見物より先になった。
役場となりの林道に入る、と案内があり、登山口まで多少不安だったが、ちゃんと道しるべがあるので迷わずに行きつくことができた。

10時25分 大作登山口到着。数台の自動車が駐車中で、支度中の人もいた。
駐車場の脇に長寿の清水というのがある。
103歳までのご長寿をまっとうした方が愛飲していた水だという。
ありがたく汲んで帰りましたよ。
10時28分 登山開始。
最初はコンクリートで固められた道をゆるやかに登る。
支度をしていた2組とほぼ同時出発になった。
我々よりちょっと先輩の一組がナンバーを見て新潟からですか、とびっくりされている。
桜を見に来たついでですよ、と言うと、会津の桜が綺麗だ、と教えてくれた。
先週角田に行ったんだけど、遠かった。とも話してくれて、花好きだな、と分かる。
杉林の中をゆるゆると登る。
前方が開けてきて、明るいブナの林になった。
と、思ったら、とんでもない階段が上に続いていた。
花好きの先輩は階段は登らずに遊歩道のほうへ行ったようだ。
我々は登るぞ。
10時34分 天狗の足跡、と書かれた岩。
白鹿を追ってこの山で休んでいた人の夢に天狗が出てきて、「白鹿は神の使いだ」と言って去った。
目を覚ますと、岩に天狗の足跡があった。といういわれがあるとか。
いや、どこが足跡? よくわかりませんでした。
すぐに左周りコースの遊歩道の分岐になる。
我々は直進して階段にとりつく。
この階段がホントーに急だ。
手すりみたいな感じで鎖がついているのだが、手すりじゃなくて、ホントに手がかりになる鎖である。
ひいひい言いながら登る。
10時40分 山頂到着。 4等三角点がある。
狭いが、360度見通せる。

とりたてて、つなぎ合わせる作業はしてませんが、
ぐるっと撮影した写真を並べてみました。
急な階段を下り、今度は遊歩道のほうへ進む。
10時47分。
遊歩道は途中、道の陥没などで危険な場所もあり一周できるのかどうかよく分からない。
とりあえず、行ける場所まで行くことにする。
ヤマブキがたくさん咲いている。
この遊歩道が、実は鎌倉岳の山頂に行くよりもずっと登山だった。
遊歩道なんていうから、てっきり平らな道かと思っていたら、完全に登山である。
だらだら登ったと思ったら、板状節理の斜面を登る。
10時56分 賽の河原。
お地蔵さんが並んでいて、板状節理の板状の石が積み上げられていた。
賽の河原から先は登った分下る感じだ。
それからまた、登る。
さっきの登りよりえげつないかも。
大き目の板状の岩をよじ登る。
この登る切ったあたりにイワウチワの葉っぱがたくさんあった。
咲き残っているものもあったが、もう時期は過ぎているようだ。
イワウチワの花を探しながら歩くと、遠くにアンテナ塔のようなものが見えた。
広場のような場所になり、あずまやなどもある。
11時05分。
あずまやのそばには背の高いヤマザクラがあり、見上げると青空に赤い葉っぱとピンクの花が揺れていた。
同時に出発した花好きの先輩とは別の一組がここで思案しているようだった。
初めて来たそうで、この先がどうなっているか分からなという。
彼らはここで戻ることにしたようだ。
上ばかり見ていて、疲れて首を下に向けたら、おおおおお。
白花のエンレイソウがあるじゃないか。
ここに白花が咲くとは知っていたが、まさか見られるとは思っていなかった。
エンレイソウが咲きそうな土壌の場所を歩いてこなかったんだもん。
あずまやのやや下あたりである。
このほかにもいくつかこれから花になりそうなものもあった。
遊歩道を先に進むと、もう白花ではなく、普通のエンレイソウになっている。
あずまやの下は分岐。西渡口と遊歩道左回りに分かれているので、我々は遊歩道へ。
11時13分 振り向き巌。いわれはまったく分かりません。
道はゆるゆると下って行く。
11時16分 妻恋けやき。
11時17分 天狗洞。
なんか、いわれがあるのかなぁ。
少し歩くと、まあ、斜面いっぱいのイワウチワの葉っぱ。
これ、全部咲いていたら、さぞ見事だと思う。
でも、ほぼ終わっていて、咲き残りがチラホラあるだけ。
首が落ちてしまった花が風にゆられて風鈴みたいにゆらゆらしていた。
  11時23分 天狗の屏風岩。
11時25分 あ、ここが道が崩れた場所かな、という場所になったが、それほど危険でもなく通れた。
 
  11時26分 観音巌。どこをどう見れば観音様?
 
観音巌を通り過ぎると、広い場所に出て、「カタクリ」とプレートがあった。
最盛期にはカタクリだらけになりそうな広場だったが、さすがにちょっと遅かった。
でも、いくつかは咲き残っていてくれた。
ここの主役はカタクリよりもむしろ右写真のブナ。
「鎌倉岳太郎」と書かれている巨木である。
斜面の上のほうに立っているので、登山者の目線からはずれてしまっているのが残念。
登山道のそばに矢印立ててあげて。
11時33分 夫婦けやき。
足元に見たことのない植物が。ハコベみたいなチゴユリみたいな。
ヒゲネワチガイソウだそうです。
このあたりであずまやで引き返したご夫婦と遭遇。どうやら反対回りで下って来たらしい。
でも、もう戻るつもりというので、この先にカタクリが咲いている場所があったと教えた。
そのご夫婦が鎖もある急な坂だった、と言っていたので、ちょっとビビりながら先に進む。
ホントに鎖に捕まったほうが安心な斜面すれすれの場所もあった。
木の橋などもある。
鎌倉岳の反対側をぐるっと回るコースはキッチリ立ち入り禁止の看板が立っていたので、そちらにはいかない。
  11時47分 来た道に合流。
11時50分 天狗の足跡近くの遊歩道出発点。
11時58分 駐車スペース到着。
春先にしか見られないミヤマセセリと遊んでもらった。
 

遊歩道が思ったよりもアップダウンの激しい運動量の多い道だったが、思惑通り1時間半で登山終了。シロバナエンレイソウや見たことのない花も見られて、大満足である。
この後、もう終わってしまった古殿町の桜の巨木を拾いながら、本日の主な目的である越代の桜方面に自動車を進めた。

鎌倉岳(大作登山口より)
 
 我々はナビの案内通り新潟から向かったので、磐越自動車道須賀川IC下車。国道118号を石川町まで進み、県道14号を利用して古殿町入りしたようだ。
大作登山道は、古殿町役場のすぐそばの林道石井草・大作線に入る。うねうねと標高を上げる道だ。案内はしっかりしているので、迷うことはないと思う。
駐車場は10台ほど駐車できて、トイレも湧き水もある。


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