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2024/6/1(土)   入笠山 (1955m)   長野県富士見町
入笠山の存在は、実は旅行会社のパンフレットで知った。
なんでも、希少種のアツモリソウが咲く場所にゴンドラで連れて行ってくれる山があるそうじゃないの。
簡単にみられるなら、行ってみたいなぁ。
同じころ、ダンナもYAMAPの登山レポでこの山のレポを見ていた。
どうやら、この週末がいい頃合いらしいぞ。行ってみるか。
ということで、安易に行くことを決めてしまった入笠山。
新潟から向かうと、隣県の長野とはいえかなり遠いほうの長野なので、がんばって早起きして向かうことになる。
遠いと思っていたが、ゴンドラのある富士見パノラマリゾートは、高速道路からごく近い場所にあったので、意外とストレスなく到着できた。

10時少し前。駐車スペース到着。
続々とトレッキング姿の人たちがゴンドラ駅に向かって行く。
てっきり観光ゴンドラと思っていたので、トレッキング姿の人が多いのにびっくり。
並んでチケットを購入。案内どおりに建物をくぐって外に。
建物から出て右手に曲がり5分ほど歩く。
足元の青いラインに沿って行くとゴンドラであると案内があるので迷わない。
左手はゲレンデで、サマーシーズンではマウンテンバイクなどで利用できるらしい。ほどなく、山麓駅「すずらん」が見える。
10時10分 ゴンドラに乗る。
ぐいぐい高度を上げる。
最初、あの斜面を上がるくらいかな、と思ったら、その先もまだまだあって、けっこう長い間ゴンドラに乗っていた。
すぐ下をマウンテンバイクの道がつけられていて、あれを自転車で下るのは怖いなぁ、などと思ったりして。
我々がゴンドラに乗っている間に自転車は下って来なかったけれど。
10時23分 山頂駅。
これから自転車で下る人たちもいる。
あのゴンドラに自転車も乗って登って来るんですよ。
山頂駅を出るとすぐに入笠すずらん山野草公園になる。
も、下り斜面全部すずらん。
とんでもない量で、ほのかにさわやかな香りもする。
ここにあるのはドイツスズランだそうだ。
朝露に濡れてかわいらしく咲いている。
その中にポツポツとコテングクワガタ?の姿もある。
モンキチョウも吸蜜中。
10時30分頃までスズラン園を歩く。
隣接している山野草公園に入る。
この時にはもう花期は終わりかかつていたヤマシャクヤクをみつけられた。
あ、クルマバツクバネソウもあったぞ。
ニリンソウなども咲いている。
ツバメオモトもあちこちに咲いていた。
  ここのエンレイソウはみんなミヤマエンレイソウだ。
綺麗だなぁ。
10時45分 林の中を抜けて、イチヨウランの群生地に来た。
 
妙な植物だよな〜。
細い茎から花がいきなり咲いている感じだ。
しかも、5〜6本ずつまとまって咲いている。
日陰に地味に咲いているから、こうやって紹介してくれないと、なかなか見つけられないかもしれない。
左はカモメラン。右はウスバサイシン。
白いポツポツはみんなマイヅルソウ。
右はルイヨウショウマだそうです。
薄暗い日陰になっている林をぬけて、ひとまず展望台に。
11時04分 展望台。
スズランのオブジェがある。
ここから山頂駅方向に登って、少しすると、人だかりのある場所があったので、行ってみたら、あら、クマガイソウ。
そして、そのすぐそばに釜無ホテイアツモリソウがあった。
大事に保護されているものが、何株か咲いている。
こんなに立派な花が昔は無造作に咲いていたのだそうだ。
11時14分 ホテイアツモリソウ。
公園内の道をさらに歩いて、イカリソウやサクラソウなどを見る。
これでやっと公園の散策を終了。さて、登山開始だ。
11時30分 山頂駅から入笠山方面へ。
もはや、一山登ったくらいの気分になっている。
山頂駅前の林道を歩いて行く。
途中、ゲートらしきものを通るが開いている。
前方に電波塔のようなものが何本か立っている場所が見えてきた。
細い樹木の林があり、左折すると入笠湿原の文字。
11時34分 入笠湿原10分の表示。
案内どおり湿原方向に左折する。
11時37分 林を通り抜けると入り口のゲート。
鹿よけらしい。それをカラカラと開けてちゃんと閉めて湿原に入る。
うおおおお、とんでもなく長い下り階段が出現した。
ずーっとずーっと下っている。
これ、木道じゃなくて、階段なのよ。
しかも、右写真の階段の両側の緑、全部スズランなんですよ。
も、びっくり。
ここのすずらんは日本すずらんで、葉っぱにかくれて下をむいて可憐な花が咲いている。
ずーっとずーっとすずらん。
11時45分 入笠湿原の底。
木道が十字に交差している。
右手の奥にこんもりと白っぽい花を咲かせている樹木がある。
最初桜かと思ったが、どうやらズミらしい。
我々は入笠山に登るので、この十字路を左に行く。
左に行くとこんどは階段を登ることになる。
ただ、下って来た階段よりは短い。
11時48分 階段を登り切ったあたりに入笠湿原の看板。
右はズミの花。
入笠湿原を出るとすぐに山彦荘があり、休憩などできる。
11時52分 山彦荘のそばにトイレがある。
さて、どっちに行くんだ。
またうろうろして案内を探し、トイレに向かって立って左手に進むと分かる。
トイレ前に林道もあるが、それと平行した形で遊歩道もついているので、我々は遊歩道のほうを歩くことにした。
気持ちのいい遊歩道で、小川を見ながら歩く。
11時59分 カゴメの森の看板。
その近くにクリンソウの小さな群生があった。
12時02分 お花畑ゲート。
緑の斜面が続いている。
お花畑?お花見えないんですけど。
でも、その斜面をジグザグに登るらしい。
遮るものがないので、太陽がまぶしい。
足元にはツマトリソウがたくさん咲いている。
あとサクラソウとミツバツチグリとシロバナノヘビイチゴと。
うーむ、たしかに咲いているわよ、小さな花たちが。
  ジグザグに登りながら歩く。
夏になれば、ハクサンフウロやヤナギランが咲くらしいですよ。
 
  12時13分 お花畑を出るゲート。この先は登山道になる。  
  すっかり公園の延長線の登山と思い込んでいたので、いきなりガッツリ登る道になって、多少引いた。
木の根を跨いで登る場所もある。
 
 
  しかし、おおむね林の中なので、日光が遮られてほっとできる。
おや、分岐に出たぞ。
 
  12時24分 岩場コース、迂回コース分岐。
どうやら、右は岩場コースらしい。
登りに険しいコース、下りに楽なコースというのは私なりの選択なので、まず岩場コースを選択した。
 
  てつきり鎖場とかある岩場かと思っていたら、段差の激しい登山道という感じの岩場だった。
なだらかではないが、岩場でもないだろ〜。
でも、楽々登山を想定していたので、はあはあ、ぜいぜい、かなり苦戦してしまった。
 
 
  12時40分 山頂。
岩場コースに苦戦したので、視界が開けて青空が見えて心底嬉しかった。
山頂は大混雑。
でも、広い空間で、適度に石などもあるので腰かけて休むこともできる。
かなり遅くなってしまったが、ここで昼食休憩。
13時10分 迂回コースより下山開始。
 
  さすが迂回コースというだけあって、なだらかな道だ。
途中、樹木にサルオガセというおぼろ昆布みたいな植物がびっしりついているのをみつけて驚く。
13時23分 岩場コースとの分岐。
 
  13時33分 旧マナスル山荘。
ここからは林道を下る。
 
  13時37分 お花畑入り口。
あ、真っ白いシロバナエンレイソウ発見。
 
  林道わきにも色々な花があり、水路のそばにはクリンソウも咲いていた。
13時50分 山彦荘そばのトイレ。トイレ休憩。
 
  13時58分 入笠湿原の底。
見ると、スズランの群生地を延々と登る階段。
 
 
  来た道を戻るあの階段はさすがにうんざりしてしまい、ここは、十字路を直進してみることに。  
  湿原の底から登るのは同じことではあるけど、少しは気分を変えたい。
この道は樹林帯を通るので、チゴユリやアマドコロなども見ることができた。
 
  14時02分 林道に出る。
意外に階段で難儀しなかったぞ。
行きと同じ階段を登るより楽だったかも。
右折して林道を歩く。
 
  14時08分 入笠湿原10分の表示。
その後ずっと林道を歩く。
ハウチワカエデの花を見つけたり、ミヤマニガイチゴの花を見たり。
 
  14時12分 山頂駅。
14時17分 ゴンドラ乗車。
14時53分 トイレ休憩後、駐車スペース到着。
 

ホントに楽々登山のつもりで行ってしまったので、お花畑から先の登山道には参ってしまった。
登山にこころづもりは大事である。
とはいえ、さすがに花の百名山だ。ちょっと歩いただけでたくさんの花に出合うことができた。
もちろん、山野草公園として管理していただいているおかげというのもあるだろうが。
ゴンドラ利用で体力と根性のない我々でも珍しい花が見ることができるのは、本当にありがたいことだ。
季節を違えて、また行ってみたい山になった。

入笠山

  中央道諏訪南ICを下りて、案内通りに進むこと7分で富士見パノラマリゾートに到着する。
  案内もしっかりしているので、まず迷わない。
  ゴンドラは大人往復2200円。
  山野草公園もそれなりにアップダウンはあるので、少なくともスニーカー以上の足回りがよいだろう。
  入笠山の山頂に行く場合は、ガチの登山道を30分登ることを頭においた装備が必要である。

  富士見パノラマリゾート トレッキングコースのページはこちら


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