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2024/12/21(土)   十二ケ岳 (1200.9m)   群馬県高山村
12月も後半になり、すっかり冬型の気圧配置になった日本列島。
新潟は毎日曇天、雨、雪、あられ。しかし、まだガッチリとした積雪はなく、スノーシュー登山もできない状況になっている。
ということで、この週の県外の晴れた地域に登山の場所を求めて逃げることにした。
さて、せっかく県外に行くのだから、新潟では絶対に見られないものを見たいではないか。
ダンナが「氷華」というものがあると言ってきた。
「氷華」とは、樹木や草から出た水分が氷結して白い花のようになる現象だそうで。
枯れた茎の維管束が毛細管現象を引き起こしたり、生き残っている根が吸い上げた水分が枯れた茎に達して行き場をなくして起こる現象、と説明されていた。
分からん。
とりあえず、写真を見せてもらったら、あらまあ、綺麗な白い花の形の霜柱。
ぜひ見てみたいものだ、とそれを見られる山に行くことにした。
行先は群馬県。高山村と中之条町の境目あたりから登山口に行くらしい。
そんなこんなで、ほぼいつもの出勤時と変わらない時間に起床して午前7時過ぎに自宅を出発。
予想に反してとてもよいお天気の魚沼地方を抜けて、関越トンネルを通過して群馬入り。月夜野インターで高速を下りて登山口を目指した。

9時36分 国道145号から林道に入ってゆっくり走って20分弱、登山口に到着。
おお、さすがに土曜の朝だ。すでに10台以上の自動車が止まっているので、登山口がここだとすぐに分かった。
支度をして、登山口と書かれている林道に入って行く。
9時38分 林道から本当にすぐ右側に案内板があり、やや後ろに戻る感じの登山道にとりつく。
けっこうな角度の尾根道を歩く。
周りは松の林だ。
松葉と松ぽっくりがたくさん落ちている。
ずっと景色が変わらない、ずっと登り角度も変わらない道だ。
地味に体力削るなぁ。
9時51分仕事道がまっすぐに続いているが、登山道は上へと続く道のほうである。ここでご夫婦とおぼしき2人とすれ違った。
「氷華」ですか、と尋ねられたので、そうだと答えたら、「氷華はこの道ではない」とのこと。なんですとーーー。
どうやら、この登山道と平行している林道のほうにたくさんあるらしい。
ここからもう少し登ったところにコンクリート舗装の林道があって、そこから下れば同じ駐車場に出る。この林道沿いにある、と教えてくれた。
十二ケ岳の山頂を登った帰りでも大丈夫だろうから、戻り道で見ればいいというので、その通りにすることに。
いや〜、彼らの教えてもらって、本当によかった。
9時58分 そのコンクリート舗装の林道に出た。
登山道はこれを横切って先に延びている。

9時59分 そのまま直進するとすぐに別の林道が出てきた。
この林道は十二ケ岳に続く道で、右折して林道を歩くことになる。
霜柱が道の土を押し上げて、ぽっこぼこになっている。
10時05分 林道から登山道に入る。
少しだけ細い杉の林の中を登る。
すぐに樹木が広葉樹に変わって、辺りが明るくなる。
このあたりで、おお、これが氷華じゃないか、というものが数点あった。
でも、ほんのちょっと。
葉っぱの下になんとかある感じ。
この先にもあるのかなぁ。
10時12分 朴葉が一面を覆っているあたりで、「カタクリ草の群生保護地域」という看板があった。
こんな所にカタクリの群生地があるのか。
目の前が屏風のような地形になった。
どうやらあの屏風の上まで登らなくちゃならないらしい。
葉っぱが落ちているので、行く先がよく分かりすぎてかえって辛いかも。
10時23分 やっとその屏風の上に到着。
ここで右に行くと十二ケ岳。左に行くと中ノ岳の山頂。
で、まっすぐに行くと、小野上温泉駅だそうだ。
我々は十二ケ岳なので、右。
今まで日陰だったが、ここでポカポカの太陽を受ける。
10時29分 なだらかに登って行くと、目の前に案内看板。
なになに? 左は男坂250メートル、右は女坂470メートル。
少し迷ったが、どうせ二度と来ないだろうから、男坂を経験してみよう。
左の坂に向かって歩き出す。
わっはっは。ホントにキツい。
手を使わないと登れないくらいの急坂になった。
ほぼ岩じゃん。
  10時35分 ロープ出現。
これ、ホントにロープを頼りに腕力を駆使しないと登れないレベルだ。
ロープに結び目があって、それが手がかりになるので、とても助かった。
一つ登り切って、日向に出たら、これが信じられないくらいの暖かい風が吹いていた。太陽に温められた空気が頂上に吹き上げられているみたいだ。
ホントに標高1200メートルの12月なのか。
さらに急坂は続く。
ここで下山してくる一行がいてびっくり。
男坂を下ってくるか。
どうも女坂のほうで氷華があるという情報があったらしく、そちらから登ったので、下りは男坂にしてみたとのこと。
氷華があったか尋ねたら、今回はまったく無かったそうだ。
その日その日でできる場所が違うらしい。
 
  10時48分 山頂到着。
数人の登山者がおのおの休憩中。
我々も陣取って早めだが昼食にすることにした。
 
  山頂は180度のパノラマだ。
こんなにぐるっと全部見えるとは思わなかった。
方位盤があり、見える山々の名前も書かれていたが、今一つわからない。
百名山が続々見えているらしい。
 

   
これ、谷川岳方面。巻機山、白砂山、四阿山などが見えているらしい。

   
これ、浅間山から群馬県庁方面。一番左が中ノ岳と小野子山。
で、今年登った四阿山だけよく分かったのでアップにしてみた。
実にたおやかな山容だった。
1時17分 下山開始。
下りは女坂でしょう、もちろん。
女坂とはいえ、いきなり急降下になった。
ずっとこれだと、男坂とそんなに違わないんじゃないの?
11時21分 小野上温泉駅に向かう道と分岐。
もうちょっと下ると、女坂の表示があった。
分岐から先はかなりなだらかな下りになった。
落ち葉を踏みながら下って行く。
11時24分 小さな祠。
その先もなだらか。
ずっとなだらかにじぐざぐに下って行く。
男坂に比べたら200メートル多いので、ジグザグで緩やかな道にしているのだと分かる。
11時35分 男坂と女坂の分岐。
11時39分 尾根分岐
11時48分 カタクリ群生地
11時53分 林道
11時59分 林道から登山道へ
12時01分 コンクリート舗装林道
ここから先は林道を下る。
下ってすぐに登って来るご夫婦に会った。
氷華はあったかと尋ねると、たくさんあったが、絵になるものは無かったという。
我々は上のほうには全くなかったと教えてあげた。
そこからすぐ右手に沢を見ながら下るのだが、このあたりからいきなりあちこちに氷華が現れ始めた。
あるあるある。
ホントウにたくさんある。
初めて見る我々にしてみれば、このはかない美しい氷は、どれもこれも絵になる。
知らないとあちこちにビニール紐がちぎって置かれているようにさえ見える。
自然はすごいなぁ。
どうしてこんなことをするのかなぁ。
見られて、本当によかったなぁ。
12時30分 駐車スペース到着。
いや〜、今回はすれ違う人に色々教えてもらって本当に助かりました。
帰りに谷川岳の耳のついた山頂を眺めながら月夜野インターに向かった。
こんなにきれいに耳が見えること、なかなかないのよ。
 
よく調べて行ったつもりで、ちゃんと登山口にもたどり着いたのに、よもやの氷華出現場所が登山道ではない、という事実。
これを教えてくれた人、本当にありがとう。
それにつけても、12月も半ばを過ぎて標高千メートル以上の山に簡単に登れてしまうって、新潟では考えられないことだ。
羨ましいなぁ。
それに氷華。とても綺麗ではかなかったです。
出現場所は色々あるらしいので、事前に調べて行ったほうがいいかも。
植物の茎の根本にあるので、握りこぶしくらいの小さな花ですよ。

十二ケ岳(高山村がわ)

我々は氷華が目当てなので、高山村から登った。小野子山、中の岳と合わせた山塊で登山口はいくつもあるので、注意が必要だ。
関越自動車道から国道145号に乗り、草津方面へ進む。高山村に入り、ロックハート城、さらにかなり進んで、北向観世音、大塚観世音を通って中之条町に入ってすぐに左手に細い橋が見える。これが清河橋で、これを渡れれば大丈夫。この先は林道になる。ゆっくり走って20分かからないくらいで登山口に到着。
たぶん自動車が止まっているので迷わない。止まっていなくても、林道が左手にも分かれている場所で右側に案内図の大きな看板があるので、たぶん分かると思う。
登山道はとてもよく整備されているが、山頂直下の男坂を選択する場合は、ロープなどがあるので、それなりの覚悟がいる。


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