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2025/4/19(土)   箱山 (695m)   長野県中野市
思えば、桜を見るついでに簡単に登れる山に行くつもりだった。
そうなのだ、簡単に登れるついでの山だったはずなのだ。
まさか、こんなに大変だったとはね。春先の体力の無い時に登る山ではないな、と思いました、はい。
箱山は、長野県中野市にある低山で、我々は隣の山ノ内町にある宇木の古代桜という桜たちを見に行くついでに登山した。
4月は桜を追ってばかりいて、まったく登山らしい登山をしていない。
体がなまっているので、そろそろ簡単な山に登りたいところだった。
そこで近くで探し出したのが箱山という山。
なんでも、シュンランが見られる山らしい。
市民が体力づくりに登っている山らしいので、桜ついでに登るにはちょうどいい山かもしれない。
いや、途中まではその市民が体力づくりに登っている山と同じルートでしたよ。
市民が体力づくりに登っている山というのは、隣の「鴨ケ嶽」という城跡だった。
確かにそっちまでの道のりはよく整備されていて気持ちよかった。
でも、隣の山だったんだね。
我々は箱山を目指してしまったんだね。

さて、箱山。
調べたところによると、登山口は箱山トンネルのすぐそばらしい。
ナビに箱山トンネルを入れる。
と、中野市内からずんずんと山を登る方向に案内された。
で、ちゃんとトンネルに行くことができて、さらに、そこが登山口だというのも自動車の中から確認できた。
ところが、駐車できそうな場所がどこにもないのだ。
トンネルの出口にちょっとしたスペースが無くもない。
でも、そこに駐車するのはいかがなものか。
地元ナンバーでもないので、おいそれとその辺に路駐するワケにもいかない。
ダンナがもう一つ別の登山口があるはずだと言い、そちらのほうに向かってみる。
日本土人形資料館の向かい側にあるお寺から登れるらしいが。
なんと、そのお寺を含む公園が桜が満開で出店まで出ているお祭り状態だった。
公園の駐車場は満車。資料館の駐車場も満車。
万事休すじゃん〜。
私的には登山は諦めて桜だけにしよう、と考えていたのだが、どこかに路肩が広くなっている場所でもないかUターンして走っている間にあずまやをみつけた。
好都合に軽自動車なら1台とめられそうなスペースまでついている。
ここでいいだろう。
登山口があるらしい公園までも歩いて10分とかからないくらいの場所だ。
このあずまや、とても桜の綺麗な場所で見下ろす方向にも、道沿いにも桜がある。
ここで一休みするのもいいなぁ。
そんな市民がいるらしく、体力づくりの看板などが貼ってあった。

9時53分 桜に覆われたあずまやから出発。
自動車から歩いて、まだしばらく公園までありそうな場所に、あれ、何やらフェンスがある。
金網のドアのようになっていて、「鴨ケ嶽登山口」とあった。
私は箱山と聞いていたので、違うかなと思ったが、ダンナがここだ、と言う。
ドアは手動で簡単に開く。
動物侵入の対策なのかしらん。
9時58分 鴨ケ嶽登山道入り口
入り口から階段。
すぐに明るい登山道になる。
ヒオドシチョウなどが飛んでいる。
登り始めてすぐ、あちこちにゴロゴロとシュンランが見られた。
いや、もう、どっち向いてもシュンラン。
しまいにシュンランを見ても写真撮らなくなってしまうくらいシュンラン。
10時16分 休憩所
登った先をふさぐように見える小屋と、右側にもう一つ小屋がある。
そちら側に曲がって進む。
10時18分 道標はちょくちょく出てくる。
やあ、可愛いな。センボンヤリもあちこちに咲いている。
登山道はおおむね階段だ。
とてもよく整備されている。
この黄色いのは、クロモジですかね。
キラキラ光って登山道を彩る。
あ、また階段。
10時26分 ベンチ
10時28分 道標 七面山展望台、鴨ケ嶽城址、とある。
七面山ってどこだ?
登山道は、階段と平坦な道を繰り返す。
階段の端っこにかわいいスミレが咲いている。
10時30分 道標
どうやら、ここが箱山トンネルまで分岐点らしい。
つまり、登山口をみつけられなかった箱山トンネルからはここで合流するのだろう。
ミツバツツジにクマバチが来ている。
左右にヤマブキが咲いている場所もあった。
10時36分 展望台への分岐
左に曲がると展望台、というので、曲がってみる。
10時37分 展望台
たぶん、中野市内が見えているんだと思う。
この日は春かすみでぼやけて見えた。
方向的には妙高山なども見えそうな感じだけど。
10時49分 尾根に突き当たる
ここから右に折れたら鴨ケ嶽。
この段階では、私は左に折れたら尾根伝いに箱山に出るものだと思い込んでいた。
さすが城跡である。
空堀とおぼしき段差が数か所ある。
10時54分 三角点
そこからいったんちょっと下って登る。
10時56分 鴨ケ嶽
東山大神と書かれた石塔と鳥居。
ここで休憩している人に話しかけられた。
どこから来られたんですかと聞かれたので、新潟ですと答えると、知り合いが新潟にいて、そちらの山にも登ったことがある、とのこと。
今の時期はどの山がいい、とか、雪の山で下山時に同行者が滑落してヘリコプター騒ぎになった、とか、そんな登山者話をした。
ついでに箱山までの道を尋ねると、荒れていますが、と教えてくれた。
尾根沿いにまっすぐ行けるワケではなく、いったんトンネルの分岐まで下り、トンネル手前の切通を進み、分かりづらいが切通が終わったあたりの左側に登り口がある、と教えてくれた。
よかった。危うく道なき道を行ってしまい、遭難するところだった。
11時03分 鴨ケ嶽下山
11時22分 箱山への分岐
言われたとおり、トンネルへの分岐まで戻る。
分岐の先は杉林だが、イカリソウやまっ青いオトメエンゴサクが咲いていた。
確かにあまり人が通っていないような、暗い印象の道だ。
あ、道標が倒れている。
道標からすぐに右側に切通が現れた。
11時30分 切通し
それほど長くない切通で、注意深く見ていると左側にとりつきとおぼしき踏み跡があった。
泥っぽい急坂をよじ登る感じである。
よじ登ってみると、尾根道が続いていた。
ウグイスカグラなどが咲いているが、まだ木々も芽吹いたばかりのようなカサカサした尾根道である。
時折岩っぽい場所を通る。
あ、トンネルの手前にあったゴミ処理場とおぼしき建物が見えるぞ。
  けっこう長い尾根道である。
樹木が松林になってきた。
倒木も片付けられていない。
 
  尾根から斜面にとりつく。
石とも岩ともつかない道をロープを頼りに進む場所もある。
 
  ロープから少しなだらかに登ったと思ったら、やや広い山頂に出た。
12時07分 箱山山頂 昼食休憩
山頂は石塔がいくつか立てられている。
何やら神事が行われるのか、旗をとりつけるようなポールもあった。
反対側に下る道もあったので、箱山トンネルとは別のルートもありそうだ。
 
  三角点もある。
ヒオドシチョウは本当にたくさん飛んでいた。
ダンナのパーカーにもとまっていました。
 
  樹木に箱山、と書かれている。
12時47分 下山開始
 
  13時16分 切通し
13時26分 鴨ケ嶽登山道と合流
13時28分 ベンチ
13時34分 休憩所
13時44分 登山口
13時48分 あずまや到着
 

鴨ケ嶽は、室町時代から戦国時代にかけて中野地域を根拠とした勢力(高梨氏など)が築き、中野市内にある居所に対して防御の要であった、とされる。
一方の箱山も城跡ではあるが、詳細が不明のお城で、鴨ケ嶽の支城とも考えられている、とか。
古城マニアも登山する山だが、とにかく、シュンランがすごかったです。
シュンランだけであれば、鴨ケ嶽だけで十分。
しかし、ちょっとしたガッツリ登山をしたい旨は、箱山に行くのもいい選択と思う。
何より、静かだ。
ただし、この日の私は簡単登山のつもりでいたので、想定外の体力消耗だった。
このあと、隣の山之内町の宇木地区で桜の木を見て新潟に帰った。(桜のレポはこちら)
いやはや、桜ついでなのか、山ついでなのか、よく分からない一日になったが、とにかく収穫はたくさんあった。


箱山
  
というよりも、鴨ケ嶽を目指すとよい。桜の季節でもなければとても静かな場所だと思う。
最寄りICは、上信越自動車道信州中野IC。ナビには日本土人形資料館と入れれば間違いない。
どうやら直接まっすぐに鴨ケ嶽に直登するルートもあるらしいが、ここはレポの登山口を案内する。
土人形資料館を背にして左側に進んで行く。東山公園を通り過ぎて、坂を下って行くと右側にフェンスがある。
フェンスと同質の扉もある。鴨ケ嶽登山口と書かれている。
手で鍵を開け、入って、鍵を閉めて登り始める。
登山道は整備されていて、鴨ケ嶽だけであればスニーカーでも大丈夫だ。
もし箱山に行くつもりであれば、多少藪になっていてる可能性もあるので、それなりの装備で望んだほうがいい。
トイレは東山公園にある。


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