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午前5時少し過ぎに自宅を出発。
田子倉湖経由で福島県入りして、只見駅前で国道289号に入る。
あとは伊南川沿いをひたすら尾瀬に向かって走って行く。
これが長い。いったいいつ着くのかと思うくらい距離がある。
ようやく道の駅桧枝岐に到着。トイレを借りて、先に進む。
あ、ここが登山口に行く目印のトイレだ。
そこから林道を登って行くと、路肩の広くなった部分に数台の自動車が。
あ、もうここまで自動車があふれているのか。
でもとりあえず一番上まで行ってみるか、とグネグネした道を登る。
カーブの端々に路肩が広くなっている部分があり、数台ずつ自動車が止められている。
路駐というワケではなく、ちゃんとロープで仕切られているので、登山者用の駐車スペースになっているらしい。
ここでいいんじゃないか、準備している登山者もいるので、きっとここがいわゆる最後尾だろう。
と、比較的広めの路肩スペースに自動車を入れた。
8時30分。
支度をして、車道を歩き出す。
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もうちょっと上の路肩にも空きスペースがあったね、などと話ながら歩く。
あれ、立札。
右に曲がると竜の門の滝だそうで、かなり前に来たことがある。
あの時は整備されていない路肩に登山者の自動車がびっしりと駐車されていた。
ここな至っていないということは、今日はまだ登山者は少ないのか。
8時35分。
ちなみに滝用の駐車スペースもあるが、ここから少し歩くことになる。
この
道路の脇にも花が咲いている。
ソバナやツリフネソウなど。 |
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8時43分 自動車がほかの路肩よりも多めにとまっている。
ここが正式な登山者用の駐車場らしい。
左写真は車止めから振り返って撮影。
この先がすぐに車止めになる。 |
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車止めから3分も歩かずに右手にベンチがある広場になる。
道路はさらに進んでいるが、このベンチの向かい側が会津駒ケ岳の滝沢登山口だ。
森に続く階段と登山届がある。
登山届を出し、登山開始。
8時50分。 |
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登り始めの階段も急だったが、その後の登りも急だ。
木の根が張り出した登山道をガンガン登って行く感じである。
確か登り始めの気温は20度くらいのはずだったのに、湿度が高くて汗が噴き出る。 |
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ブナの林の中を歩く。
しかし、真夏に歩く登山道ではないな、と思う。
風が通らずにムシムシとする。
咲いているのはホツツジくらいだ。 |
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9時ちょうど。 山頂まで4.7キロ道標。
キロ数で言われても全体のどれくらいを登ったのやら。
右はアキノキリンソウ。 |
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なんだか、どんなに登っても景色が同じだ。
木の根とブナと地味な植物。
気持ちが滅入ってしまうくらいだ。
右はシラネセンキュウかな。 |
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9時16分 国民の森林の看板。
ようやく現れた変化のある場所。
とはいえ、森林の中であることに間違いない。
倒木があり、休憩するにはよさそうな場所だが、休憩せずに歩く。
右はオヤマリンドウ。 |
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両側から草が迫り、時折泥っぽい道も歩く。
なんだか、地元新潟の低山を登っているような気持ちにさせられる。
右はニガナ。 |
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9時31分 山頂まで4.1キロ道標。
なんですと、前の道標からたった600メートルしか歩いていないですと?
この道標、とてつもなく絶望的にさせられた。
とにかく延々と同じ風景のなか汗だらだらで登り続け、さぞたくさん距離を稼いだだろうと思っていたら600メートルてある。
もう帰ろうかとさえ思った。
右はオニアザミ。 |
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9時55分 山頂まで3.7キロ道標。
いや、ホントーに景色が変わらない。
右側の花たちはほぼ水場より上の花なのよ。
トピックスも何もない登山道である。
ただただ、体力を消耗させられる。
右はオニアザミにイチモンジセセリ。 |
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10時20分 山頂まで3.2キロ道標。
時々ゴロッとした岩を登るような場所もあるけど。
見落としそうな場所に道標が隠れていたりする。 |
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真夏でなければ、美しいブナの林に違いない。
でも、今は真夏。蒸し暑いだけである。
10時30分 水場。
やっと水場、行程の中間点と書かれている場所だ。
へたりこむように小休止。
早池峰山に登る時ように買って、宿の冷蔵庫に置き忘れてしまった因縁のエネルギーゼリーをとって回復する。
この水場にはたくさんペンチがあって、数組が休憩中だった。
小学生の兄弟をつれたお父さんが我々と入れ違いくらいに出発。
彼も汗だくだったらしく、座ったあとが濡れていた。
あれ、ダンナの座ったあとも濡れているぞ。
みんな汗だくだ。
水場は少し下がった場所にあるらしいので、たちよらずにいた。 |
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10時38分 水場出発。
なんだか、樋上にえぐれた道を歩きつつ、ここは守門か粟か、と地元の泥山を思い起す。守門や粟なら片道1時間もかからずに登山口なのに。 |
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10時52分 山頂まで2.7キロ道標。
水場を越えてもまだまだ風景は変わらない。
蒸し暑さも変わらない。
でも、マイヅルソウの葉っぱと実が出てきたぞ。 |
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あ、ツルアリドオシ。
あ、アリドオシランもあるじゃないか。 |
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だんだんと道の傾斜が緩やかになってきた。
きちんと整備された階段状の道になってきたぞ。
右の赤い実はなんだろう、あちこちにあった。 |
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さて、このあたりだと思うが、ダンナの足が悲鳴を上げ始めた。
長距離運転と大量の発汗、その他もろもろの悪条件が重なったせいかもしれない。
ちょっと休むと足を止めた。
私は立ち止まると足が攣るタイプなので、ゆっくり先に行けということでダンナをおいて登ることにする。
11時20分 山頂まで2.2キロ道標。
右はコウゾリナかな。 |
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11時40分 山頂まで1.7キロ道標。
それまでの急登から比較的ゆるやかな登りに変わる。
数字が2キロを切ったので、精神的にも多少楽になった。 |
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笹の中を水平移動。
あ、サンカヨウがきれいな紫の実になっている。 |
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むむ、朽ち果てた木道が出て来たぞ。
歩きづらいなぁ。
でも、すぐ゛に真新しい感じの木道に変わった。
どんどん手入れしてくれているらしい。 |
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私が通ったしばらくあとにダンナがこの木道を通って、キベリタテハに遭遇。
木道はするっと湿原に突入した。
おや、キンコウカ。 |
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12時02分 山頂まで1.2キロ道標。湿原休憩場のベンチ。
木道が広く作られてベンチがしつらえられている。
ここで休憩している人も何人かいた。
私もここでダンナを待とうかと思ったが、ベンチが風が強かった。
汗だくの体に強風を浴びると、速攻で体調を崩す。
ならば、山小屋まで行って着替えて待つのが得策である。
先に進むことにした。
イワショウブも咲いている。 |
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行く先は霧の中。
湿原に出たら小屋が見えるはずなんだが、真っ白で分からない。
かわいいミヤマリンドウ。 |
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うおお、登るぞ。
木道で登るのは地味に辛い。
イワイチョウ。湿原の花、オンパレード。 |
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木道の脇に味のある字で湿原に踏み込まないで、と書かれている。
オトギリソウ。 |
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木道は続く。広大な湿原である。
晴れていれば、きっと綺麗なんだろうに。
実はこの段階で小屋が見えていたはずなんだけど。 |
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霧で見えませんねぇ。
ということで、私はまだまだ先に小屋があるのだと思ってもくもくと登っている。
この木道は右側通行で、右と左を横断して歩くと湿原があれるのでやめてくれと、注意してある。 |
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左は階段状の木道を登り切って振り返ってみた図。
池塘が点々と見える。
モミジカラマツ。 |
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登り切って、霧の向こうに登山者が休憩しているのが見えた。
あれ、ベンチの数がとても多い。
右側に池もあるぞ。
おお、ここが駒の小屋か。
12時22分 駒の小屋下ベンチ。
たくさんあるベンチの一つにへたりこむ。 |
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しばらく、ぼーーーーっとベンチに座り、池を見てダンナを待つ。
休憩していた登山者が次々歩き出す。
小屋に向かう人もいる。
小屋前にもベンチがあり、とても賑やかな声がする。
泊まりの人たちかなぁ。
かなり待ってもダンナが来ないので、トイレを借りに小屋に行く。
広くてきれいなトイレだったので、ついでに汗まみれの上半身一式を着替える。
こんなこともあろうかと、着替えを持ってきていてよかった。
これでダンナが来ないなら、一人で山頂に行こうと思っていた。
携帯に連絡はないし、もとより、電波が通じているかどうかもわからないし。
トイレから小屋下に戻ると、おおおおお、ダンナが坂を登って来るではないか。
12時54分 ダンナ小屋下ベンチ到着。昼食。
食料はほとんど私が持っていたので、もしダンナが途中撤退していたら、空腹で倒れていたかもしれないなぁ。 |
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13時20分 小屋でトイレ。飲み物購入。
500mlのペットボトル飲料550円。缶ビールも550円。
脱水しては困るので、高いだとかなんだとかは言っていられない。
売っていただけるだけありがたいです。
右はトイレ。 |
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こいつら、トイレに行く道の脇にいました。
オコジョかなぁ。木掘り。
か、かわいくねぇ〜。
右はホソバノキソチドリかな。 |
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13時28分 山頂に向けて池方向に歩き出す。
山頂へは池のそばを通って行く。
ちゃんと道案内があるので間違わない。
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すると、何やらピンクの塊が。
あ、あれはハクサンコザクラじゃないかぁぁぁぁっ。
8月にこんなにたくさんハクサンコザクラが見られるなんて。
期待していなかっただけに、感激だ。 |
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左写真、ダンナがハクサンコザクラを撮っている。
この写真でダンナの背中側が池になる。
チングルマも新鮮な花だ。 |
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池を離れても木道は続く。 |
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ん、ちょっと森林っぽい場所に登って行くぞ。
階段状の木道の登りは、ダンナにはけっこう辛いらしかった。
またしても私だけ先行する。
ミヤマカラマツ。 |
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ゴゼンタチバナも花の状態。
なんだかジメッとした林の中に木道が入って行く。
雨は降っていないが、木道が濡れていて、滑りそうで怖い。
13時26分 山頂への分岐。 |
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分岐から先はけっこうな登りになっていた。
滑りやすそうな木道の階段から滑り止めのついた階段に変わる。 |
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その階段が木道になって、なだらかになったと思ったら、立派なモニュメントのある山頂に到着した。
13時50分 山頂到着。
後ろからゆっくり来るダンナに山頂だよーーーっと知らせる。
たくさん登山者がいたのに、山頂にはだれもいない。
会津駒ケ岳は、ここからさらに先に進んだ中門岳とセットで登られることが多い山で、会津駒ケ岳と中門岳の間にお花畑が広がっているらしい。
ちょっぴり行きたかったが、ダンナの状態では山頂までたどり着いただけでも立派である。
ここで引き返したほうが無難だ。 |
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すっかり真っ白な眺望だったが、晴れていれば色々な山が見渡せたらしい。
山頂パノラマガイドという図が設置されていたが、木に掘られたものなので、風雨で削れて特に北側がよく見えなくなっていた。
花も眺望もないので、すぐに引き返す。
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13時56分 山頂分岐。
あとは下るだけなので、気が楽だ。
登り返しがない山はよい。
池でまたハクサンコザクラなどを撮影。
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14時08分 池。
おや、イワカガミが咲いていたのね。 |
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14時10分 小屋下ベンチ。
遠くにシャクナゲの咲き残りがあった。
小屋には立ち寄らずにそのまま下山。 |
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登るときは別々だった木道を下る。
それぞれの登りの時の状況などを話す。
ところで、この木道、なんでもない所で私は見事にコケた。
しかも、顔から木道に激突した。
木道の段差に足がひっかかり、支えにしようとしたストックも木道からはずれてしまったためだ。
幸い、大けがにはならなかったが、なんでもない場所が注意が必要だと思った。
一週間してようやく顔の赤味がとれましたよ。
14時27分 山頂まで1.2キロ道標。
14時45分 山頂まで1.7キロ道標。
14時59分 山頂まで2.2キロ道標。
15時15分 山頂まで2.2キロ道標。
帰り道は雲が切れて青空が覗いた。
ただ振り返って山頂方向を見ても山頂は常に湧いて出る雲の中だった。
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右はモウセンゴケ。小屋前の池のそばにて撮影。
15時24分 水場。小休止。
水場で登って来る男性がはあはあと息をついて椅子にへたりこむ。
かなり疲労している様子だ。
キツイですよね、と言うとキツイし暑いと呻く。
小屋に電話をして、今水場だと報告しているらしい。
「いいえ、登りますよ。え、2時間?あと2時間もかかるの?」
という声が聞こえた。
いや、この先はここまでよりかなり楽だから、となぐさめる。
水場はどこですかと訊かれたので、行っていないけど、ちょっと下るみたいです、と教えると、仕方なさそうに水を汲みに行った。
彼はちゃんと小屋に着いたかなぁ。
ダンナはもう少し休むから、自分のペースで歩いて行ってくれと言う。
また単独になるか。
仕方がないので、一人で下り始める。
15時35分 水場出発。 |
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15時53分 山頂まで3.キロ道標。
16時07分 山頂まで4.1キロ道標。
16時18分 国民の森林看板。
16時30分 山頂まで4.7キロ道標。
水場から下は本当になんにもない道だ。
ただただ、何かにバカされたように同じ風景を下って行く。
登りの時も4.7キロ道標と4.1キロ道標の間はキツいと思ったが、下りでもやっぱりキツかった。
下りなのに汗だらだらになってしまった。
16時38分 登山口到着。
ベンチがあるので、ここでダンナを待つことにする。
さすがに登りの時ほど待つことはないだろう、と思ったが、夕刻なので熊の心配とかあるし。
気がきではなくなる。
とにかく耳をすまして、ダンナの持つ熊鈴の音をさぐる。
実はかなり遠くから聞こえてましたよ。ちょっと安心して待てた。
16時58分 ダンナ到着。
17時10分 竜の門の滝分岐。
17時15分 駐車スペース到着。
いやはや、ご苦労様でした。
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