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2025/8/16(休)   茶臼岳 (1915m)   栃木県
長い夏休み、せめて2座くらいは山に登ろうと決めていた。
しかし、この2日前、会津駒ケ岳に登って、2人ともかなり疲労がたまっていた。
疲労どころか、私は転んで負傷、ダンナは足が攣りながら登山したことによる重度の筋肉痛。
まともに登れる状態ではない。
しかし、前々から、ゴンドラで一挙に山頂近く行ける楽々登山の山であれば、中一日の休息日でも登れるんじゃないか、と、決めていた山がある。
那須の茶臼岳である。
この山は百名山でありながら、9合目までロープウェイが運んでくれて、1時間かからずに登頂できる。
連日の猛暑が続くこの夏、汗もかかずに登山ができる、われわれにとっては理想的な山なのだ。

それほど早起きもせずに自宅を出発して、磐越道東北道経由で那須高原に入り、ロープウェイ乗り場に着いたのは午前11時頃。
途中観光地である県道17号県道21号が合流する交差点でかなり渋滞していて、それにハマってしまったのが誤算だった。
ともあれ、ロープウェイ乗り場に着く。
駐車場は中途半端な時間なので、近い場所が開いていた。
それにしても、周りは霧。真っ白な状態。
うーむ。
ロープウェイに乗り込んで霧。
眺望は望めないなと諦める。
11時09分 霧に霞む山頂駅に到着。
右も左も真っ白。
日光国立公園 那須岳とある。
茶臼岳に来たつもりなので、どっちの名称にも納得いかない(笑)
あ、ヤマハハコ。
同じロープウェイに乗った人たちがぞろぞろと同じ方向に歩いて行く。
風景が真っ白なので、とりあえず坂を登っているという以外どこに向かっているのかさっぱり分からない。
11時17分 牛ヶ首に向かう道が左がわに分けている。
なにせ霧なので、ちょっと下って行っているその道の先がどうなっているのやら、さっぱり分からない。
それにつけても、何の植物もない。
いや、あることはあるんだけど、オンタデとおぼしき植物が一株ずつバラバラとある感じだ。
とても荒涼として感じる。
相変わらず日光国立公園那須岳と看板も立てられている。
まあ、那須岳というのは、ここいらの山(茶臼岳、朝日岳、三本鑓岳の三山)の総称らしいんだけど。
11時23分 19番道標。茶臼岳まで0.7キロ、35分と書かれている。
砂っぽい砂利っぽい地面をただだらだら登る感じだ。
あいかわらず植物はオンダテのみ。
砂っぽくない茶色い岩が出てきた。
11時33分。
お、先も見えるようになってきたぞ。
この先はゴロゴロした岩っぽいみたいだ。
岩の重なりを登る。どの岩を登るか、もはや自由だ。
もっとも、登りやすいルートはあるようで、道はなんとなく分かる。
やや、大きな岩が前途に立ちふさがっているぞ。
11時40分 18番道標、大岩。
岩の右側をぐるっと回るようにロープがつけられていて、ルートを示している。
11時48分 17番道標。 茶臼岳まで0.3キロ、15分。
大岩を通り過ぎると、足元の岩の大きさが大きくなり、角度もキツくなる感じだ。
右手のロープの向こう側は、いわゆる火口で見事に切れ落ちているのだが、写真ではまったくそれらしく見えなく写ってしまっていた。
水でも溜まってお釜になっていれば、ちゃんと見えるのにな。
11時56分 山頂口道標。
むむ、ここで道がまっすぐ上に向かって登る道と右側に曲がる道に分かれているぞ。
山頂は上だとは思うけど。
なんかよく分からない案内図があって迷っていると、そばで休憩している人が、山頂ならまっすぐですよ、と教えてくれた。
右に行ってもぐるっと回って行きつけるんだけどね、とも言っていた。
よくよく見たら、火口をぐるっと回るルートもあるらしい。
ここは、まっすぐ山頂を目指す。
11時5分 那須岳三角点道標。
ここにも案内図があるだけど、三角点の場所がちっとも分からない。
も、三角点はいいから先に進む。
あ、シラタマノキの実があったぞ。
先のほうに小さな鳥居が見えてきた。
なんか岩に登ってポーズとっている人がいるぞ。転げ落ちるなよ。
遠くにノリウツギらしい花が見える。
12時04分 鳥居をくぐると、小さな祠があった。
岩だらけの祠の周りをぐるっと回ると茶臼岳山頂道標を発見。
12時07分 山頂到着。
実はこの2日前の登山で重度の筋肉痛になったダンナはちょっとだけ遅れて到着。
ダンナを待って昼食。
岩が多いので、どこで座っても大丈夫。
12時38分 下山開始。
火口をぐるりと回って分岐まで戻る道もあったが、ダンナの筋肉痛を考慮してまっすぐ戻る。
登りで発見できなかった三角点を探したら、道標より3メートルと書かれていたけど、1.5メートルくらいのすぐそばにあった。 12時47分。
右は山頂で遊んでいたクジャクチョウ。
12時53分 17番道標。
12時59分 大岩道標。
13時14分 19番道標。
13時17分 牛ヶ首分岐。
あまりに植物が少なかったので、ちょっとだけ牛ヶ首方向に行ってみよう、ということになった。
手持ちの地図では、そちらがお花畑になっているのである。
右はシラネセンキュウかなぁ。
最初はゆるゆると下っているので楽な感じの道だ。
13時27分 21番道標。牛ヶ首まで0.8キロ 20分とある。
右側は茶臼岳、左側はその裾野。
なだらかに道は続く。
13時32分 なんだか瓦礫が積まれているぞ。
ケルンというには積み方が雑で、本当にただ積まれているだけだ。
道を整備するための瓦礫だろうか。
道は徐々に登りになってくる。
さて、目標となる場所はとりあえず牛ヶ首なんだが、それはどこだろう。
お花畑と表示された場所はほぼ緑一色である。
時々コメツツジの咲き残りがあるくらいだ。
行けども行けどもただ同じ風景で、花などは期待できそうもないので、引き返すことにした。
13時43分。
遠くにホツツジが咲いていたりしたけど。
13時55分 21番道標。
14時02分 牛ヶ首への分岐。
14時07分 ロープウェ山頂駅。
次が来るまで多少時間がある。そのあたりをウロウロする。
14時20分 ロープウェイに乗る。
不思議なことに山頂よりもむしろ山腹あたりが雲の中だった。
行きよりも真っ白な世界に突入していく感じになる。
14時30分 山麓駅。
ついでなので、駅から道を下って行く途中にある殺生石にも立ち寄ってみた。
私、来た記憶が皆無なのだが。
あたりに硫黄集が充満している感じだ。
右、盲蛇石。
左、湯の花採取跡。
右、殺生石。
中国から来た九尾の狐が日本を滅ぼそうとして朝廷に退治され、毒石となって毒気を放ち続け、和尚さんにやっつけられて三つに割れて飛び散った一つがここにあるそうな。
その九尾の狐が玉藻前という名前だとは初めて知りましたよ。
三つに割れてこの地に落ちた一つがさらに割れているんですけど。
どうやら2022年の3月に割れたらしい。
たくさんのお地蔵さんなどが並んでいたりして。
人も多い観光名所だった。

ロープウェイで標高の高い場所まで行って楽々登山、というつもりだったが、まさかダンナの筋肉痛が重度とはね。
知らなかった私も悪いが言わなかったダンナも悪い。
なんのことはない、ちょっとガレた感じの岩場がけっこう辛かったらしい。
それにつけても花のない山だった。行った時期が悪かったのか。
下山している時に、ロープウェイに乗っちゃったもんだから、他の人が歩いているもんだから、つい登っています、といった感じの高校生らしい男子数名が、「山頂って遠いですか」「ここに来たら登るもんなんですか」「山頂には何があるんですか」と尋ねて来たのには閉口した。一人はサンダルだったし。
観光山もこうなるとどうなんだろうな、と考えてしまう。
岩の多い山で、その岩のてっぺんにいちいち登っている人たちもいたし。
自己責任だし、本人たちには記念になるんだろうけど。
あえて観光山を目指した身としては避難もできないが、やっぱり自分自身の安全を考えた行動はしたほうがいいと思うよ。

茶臼岳(那須ロープウェイ利用)

  我々は新潟からなので磐越道、東北道経由で那須高原SAのスマートインターを利用。
あとは県道21号県道17号を乗り継いで殺生石の前を通り過ぎて那須ロープウェイの山麓駅に行きついた。
シーズンによるが、紅葉の時期の週末などは午前0時にはこの先の県道17号終点の登山者用駐車場は満車になってしまうとロープウェイの案内の人が言っていた。
ロープウェイの駐車場は観光者用に夜間は閉鎖されているらしい。行く時期、時間帯は考慮したほうがよさそうだ。
茶臼岳山頂までは、ずるずる滑りやすい砂地の坂とガレ場と多少の岩で、それほど危険な場所はない。スニーカーでも行けると思う。


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