![]() 釜段の滝 清津川の支流の棒沢が 一挙に本流に落下していく。 予想していたよりもはるかに 豪快で素晴らしい滝である。 ![]() 大きさ比較、というか、 距離を感じていただきたい。 飛沫を浴びられるほど間近で 見られるわけではない。 ![]() 少し分かりづらいが、 釜段の滝と清津川の位置関係。 清津川は写真の左手から流れて、 滝の前で直角に曲がり、 写真の下側に向かって行く。 そのため、一瞬釜段の滝が 清津川本流の滝に見える。 ![]() 滝つぼ。 意外と浅かった。 水はものすごく澄んでいたが、 写真ではよくわからない。 ![]() これまた明るすぎてとんでしまったが、 鉄橋の下流、 釜段の滝の落ち口を上から見た図である。 すぐそばまで行って下を覗き込む 勇気はなかった。 ![]() 今年初めてキツリフネを見た。 紫のツリフネは滝のそばに たくさん咲いていたのだが。 ![]() これ、なんて花だろう。 見知らぬ花もひっそりと咲く。 |
2004/9/11 釜段の滝 湯沢町 新潟の滝の中で、行くのをためらっていた滝がいくつかある。先月行った巻機山の割引沢の滝たちなどはその筆頭である。地図にあっても登山道の途中の滝はどうにも行く勇気が出ないのである。 釜段の滝もその一つだった。 しかし、いいかげん片付けておかないとならないくらい未訪の新潟の滝が少なくなってしまった。 よくよく調べると釜段の滝は登山道のほんのさわりにあり、そこに至る道のほとんどは林道らしい。むしろ楽に行ける部類の滝らしい。なんだ、ためらっていたのがバカみたい。 と、いうことで、さっさと片付けることにした。 午前中のうちに滝を訪問し終えようと思い、高速道路を利用して湯沢に到着。そこから釜段の滝のある苗場に向かった。が、しかし、遠かった。湯沢ICからかなりの時間が必要だった。 他県の人にしてみればどうでもいいことだと思うが、この釜段の滝に入る入り口にある苗場スキー場は、ライトマップルの新潟県版には載っていない。きっちり新潟県だっていうのに、新潟県の地図に載っていないとはどういうことか。長野県や群馬県の地図には載っているのに。地図からもそんな扱いを受けている県境の土地である。遠いわけなのだ。 そんなわけで、釜段の滝へのちゃんとした入り口がよく分からなかった。が、百名山でもある苗場山の登山口なんだから案内が無いわけがない。毎度の行き当たりばったりで国道17号線を進んだ。 右側に巨大な苗場プリンスホテルが見えたあたりに登山口の看板が立っていた。ちょっとわかりづらいが、その看板の地図どおりに進む。一見ホテルの敷地に入ってしまうのかしらん、というような道で橋を渡り、そこから林道になった。看板には「これよりゲートまでくるまで15分」とあったが、それはかなりのスピードでかっとばしてのことだと思う。初めての林道でしかも未舗装とくれば運転は慎重になる。少なくとも20分以上はかかると思って間違いない。 この林道は苗場山赤湯ルートの登山口に通じている。赤湯というのは、赤くにごった温泉のことで、野趣満点の露天風呂があるらしい。ただし、ゲートから徒歩2時間歩かないとそのお湯には浸かれない。 ゲートはただ鎖を結んだだけの簡単なものだった。まずその鎖のゲートが見えて、道は登りのゲートがわと水平に先に進む二手に分かれている。ここは、水平のほうに進むとすぐにどんづまりの駐車スペースになる。それほど広くない。がんばれば10台なんとかとめられるかなーという程度の広さだ。 そこに自動車をとめて、仕度を整え、鎖のゲートを跨いで登りはじめた。 道はまだ自動車が通れるくらいの広さがあり、現に自動車が所どころにとまっていた。鎖をむすんだだけのゲートだから、入ろうと思えば入れるのである。 山菜を採るためなのか、数台の自動車がゲート内の林道にとまっていた。 左手には清津川がいい音で流れているはずなのだが、樹木のためによく見えない。5分ほど歩いて、木々がきれている所があったので、覗き込むと、対岸の沢の出会いが滝になっていた。なかなか綺麗な滝で、釜段の滝への期待が膨らむ。 ![]() しかし、林道は起伏はなく歩きやすいものの、沢は全く見えない。時々木々の間から見える水の色はものすごく綺麗な青なのに、本当に見えないのだ。つまらない。 ![]() ゲートから20分強歩くとやや広い場所に出る。ここに苗場自然休養林の石碑と左武流山周辺森林生態系保護地域の看板がある。ここまではなんとか自動車で来ることができるようだが、ここから先は登山道になる。 ![]() 実はかなり以前にこの登山道でいい滝を見たという情報をもらったことがある。(すぱ様とおっしゃる方から掲示板で教えていただきました)その滝もぜひ見たいものだと思っていた。 登山道に入って10分ほどするとやや広い場所になり、国有保安林の杭が立っている。そのあたりを注意深く探すと踏み跡がある。踏み跡から下を除くとはるか下に清津川が見え、ゴウゴウといういい水音も聞こえる。滝に間違いない。きっとこの滝を見たというのだ。 踏み跡はあるが、かなり急だった。一歩間違うと20メートルくらい下の川にまっさかさまである。途中からは細いロープがあって、それを頼りになんとか下りられる、が足場は泥ですべりやすい。 がんばってロープの先まで行っても川までは7〜8メートルの高さがある。その場所も木々が倒れてなんとか人一人立てるスペースを作っているくらいの場所である。 そこから首をめぐらすと、やっと滝が見えた。 これは、これは。とんでもなく立派な滝だった。豊富な水量で高い位置から清津川に向かって飛び込んでいる。清津川はこの滝の落ちる場所あたりで直角に曲がって流れているので、まるで清津川本流の滝のように見える。 よくよく見ると二段になっているので、落差は10メートル前後か。あくまで透明な清津川に白い滝の姿が美しい。 が、それにしても、見えづらい。身を乗り出すと下に落っこちてしまいそうでものすごく怖いし。 滝を堪能、というよりも、怖いのでとりあえず見た、というだけでまたロープにしがみついて登山道に戻った。 いやはや、すぱ様のおかげでいい滝が見れた。次は釜段の滝である。 そう思って登山道を進むと、すぐに鉄製の橋が現れた。橋の上流側には堰堤が、下流はさきほどの滝の落ち口だ。 渡ると、正面の岩盤に「棒沢」との標識が打ち込まれていた。 ![]() ![]() ちょっと待て。上流に堰堤? あらかじめ、登山をする人のページで釜段の滝を調べて、上流の堰堤と釜段の滝を勘違いする人がいるが滝は下流なのだ、という記述を見ていた。すると、さっき見たのが釜段の滝か? 慌てて登山のガイドブックを取り出す。(ヤマケイのアルペンガイドC『谷川岳と越後の山』です) そこには、「棒沢には鉄橋がかかり、出会いには釜段の滝が轟々と音をたてて本流に落下している」と書いてあった。 じゃ、やっぱりあの滝が釜段の滝だったのだ。 ついでの滝のつもりだったのに、目的の滝だったとは。 かと言ってまたあの危険きわまりない滝見スペースまで下りて行くつもりには全くなれない。本当に怖いんだもん。 ま、いいか。写真にも収めたし。 と、割り切って、堰堤の前まで下りて行って、昼食にすることにした。 ![]() 来るのをためらっていたわりには、滝の入り口までは実に簡単に来ることができてしまった。最後の登山道から外れて踏み跡を辿る部分がかなりキツイけど。 帰り道、なんとか清津川の河原まで下りて、河原から釜段の滝を見れないものかと思って、慎重にさぐりながら歩いてみたが、登山道も林道も河原に出られるポイントはなさそうだった。唯一、苗場自然休養林の石碑があるあたりの小さな沢を下って行けば出られるかもな、とも思ったが、その沢の出会いが滝になっていたらアウトである。 やっぱりあの危険で狭い滝見スペースで滝を見るしかなさそうである。あるいは、ロープ持参で決死の覚悟でさらに下に下りるか。下りた先に河原があるかどうかも見えなかったのでわからないのだが。 しかし、見えるだけでもいいほうだと思わないといけない。 下田村の守門川の大滝などは音はすれども登山道からは姿は見えない滝なのだから。 思った以上にいい滝だったことに満足して、苗場山をあとにした。 |
交通 釜段の滝 苗場山の登山道、赤湯コースにある。 国道17号線を湯沢ICから群馬県境に向けて走る。つづら折の登りである。かなり走ると苗場プリンスホテルの巨大な建物が右側に見える。その手前に林道の案内看板がある。その看板をよく見て進もう。まず国道17号に沿って小道を下りて行く。まっすぐ進むと行き止まりっぽくなってしまう。途中で左に曲がって橋を渡る。この橋を渡った先に苗場山登山道赤湯コースとの標識がある。ここから先は登りの林道である。すぐに未舗装になり、すれ違いも困難になるので注意して進もう。看板にはゲートまで15分とあるが、絶対に15分ではゲートに着かない。赤湯、という文字が所々にあるので、それを目当てに走ろう。一度橋を渡る。この橋の欄干にも赤湯、とあるので見落とさないように。 登山道のゲートの下がわの道の少し先に駐車スペースがある。 ![]() ここから先は徒歩で林道を歩く。道はほとんど平坦である。自動車の入れる林道を20分ほど歩くと、苗場山自然休養林の石碑がある場所に出て、あとは登山道になる。 登山道を10分ほど歩くと、左がわに少し膨らんだスペースがある。目印は国有保安林と書かれた白い杭である。このスペースが滝の入り口だ。 慎重に探すと踏み跡が見つかるだろう。 ![]() ![]() まず急な崖を木の根っこを頼りに2〜3メートルほど下りる。そこから下はロープが残されているので、利用させてもらう。 かなり危ない崖なので、充分に気をつけて下りよう。軍手は必携である。 できれば自前のロープがあると最初の数メートルも安全に下りることができるだろう。 もしこの入り口がみつけられなかった場合、棒沢の鉄橋に出てしまったら行きすぎだと思えばよい。鉄橋から下流を見ると釜段の滝の落ち口を見ることができる。 |
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