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御膳の瀧
小さく写っているが、
意外に落差はある。
二段になって落ちている。


大きさ比較。
ただし、下の段しか写っていない。
ダンナが赤丸の中にいる。
グレーの衣服は岩盤に同化して
わからなくなってしまう。



滝の直下から見上げて。
下段は途中で細かくなって
流身が見えなくなる。



下段の上のほうを横から撮影。


滝つぼは無いに等しい。
散った水がばしゃばしゃと落ちるだけだ。



黄葉に彩られた滝。
この場所が全体が見えて
滝も大きく見える。
2004/11/21  御膳(みけつ)の瀧  五泉市 落差20メートル?

とんでもない目にあった。
実はこの日曜日は、前日に能生町の鉾ケ岳にかかる三重の滝を見てきたので、家でのんびりしているはずだったのである。しかし、雨だからと諦めていたのに、いきなり晴れて青空が広がってしまった。
おりしも紅葉のシーズンである。村松町に「黄金の里」と呼ばれるイチョウの綺麗な集落があると聞いたので、ぜひとも見に行きたい。そう思い立つと止まらない。
で、結局見に行ってしまった。(黄金の里のレポートはここへ
それで終わればいいのに、まだ時間が早いこともあり、つい近場の滝に行こうかということになってしまった。
だが、近場で行ける滝はそれほど多くはない。であれば、昨夜は雨だったし、普段は水量が少ないらしいので見に行くのをやめておいた五泉市の御膳の滝に行ってみようか。
御膳の滝の場所はだいたい特定できていた。咲花温泉に行く途中に線路の向こうに看板があるのをずいぶん前に発見していたのである。それにいつもお世話になっているSyamさんのページの御膳の滝の記述もうろ覚えながら記憶にあった。
この線路を渡り、竹林の踏み跡をたどると出現するはずである。
ごくごく楽勝の滝のはずだった。
  
線路を渡る。きけん!きしゃのみちです、とある。

  
線路の向こう側の看板。

  
竹林の踏み跡と看板。
線路は磐越西線。行楽時にはSLも通る路線だが、それほど頻繁に電車が通る場所ではない。ちょっとびくびくしたが、踏み切りのない線路を越えて竹林に入る。踏み跡ははっきりしていたし、10メートルと歩かずに「禁煙、御膳の滝→」の看板が出ている。さっさと見て、馬下(まおろし)の日帰り温泉にでも入りに行きましょう、と、竹林を抜ける。と・・・
目の前がいきなり開けた。
開けたって、これは、いったいどうしたことだ。
土が掘り返されていて、むき出しになっている。ショベルカーまである。こ、工事現場?
  
土がむき出しになった工事現場。
ちょっと待て、では、滝はどうなったのだ。
踏み跡は掘り起こされた土の中に消えて全くなくなってしまっている。
おいおい、あんなに明瞭な看板を設置しておきながら、我々を工事現場の真ん中に放り出すな。
ここで戻ればなんていうことはなかった。
だが、ウロウロするうちに沢のなれの果てのような流れを発見してしまった。
むき出しの土の上を土を削りながらチョロチョロと流れている。あの看板の矢印の方向とこの水の流れて来る方向はほとんど一致している。では、これが滝の水なのか。
どうする、という相談も無く、私もダンナも流れの上に向かって歩きだしていた。
はっきり言って、ただの藪である。踏み跡は無い。いや、かつてあったのかもしれないが、工事のために完全に打ち捨てられてしまって、植物の繁茂にまかされるままである。
その植物も普通の草ならいいのに、棘が生えているのだ。
イテテテテテ、イテテテテテ、と騒ぎながら歩く。これがまたけっこう距離がある。
確信がないが、とにかく水の流れはだんだん沢らしくなってきた。前方は谷のようになってきて、おや、沢を渡る丸木の橋が出てきた。と、いうことは、これを渡る道がかつて存在したということだ。
  
この橋の状態から藪の凄まじさを想像ください。
すっかり苔むして滑りやすくなっている橋をおっかなびっくり渡り、坂を上るといきなり看板が出現した。文字がいっぱい書いてある。なになに、廣瀬神社?だが、看板だけで神社らしい建物はない。看板も蔓だのなんだのがからまって、ほったらかしの状態である。
そこから少し坂を上ると、見えた。滝だ。
これだけ苦労して見るような滝なのか、少し疑問なのだが、とにかく滝にたどりついた。それだけで嬉しい。
さて、御膳の滝は思ったより滝らしい滝だった。勝手にただの小さな沢みたいなもんだろう、と想像していたのだが、大きく二段に分かれて谷の一番奥を落下している。
ちょうど廣瀬神社の看板があったあたりにイチョウの木が黄色く色づいていて、そこから滝を見ると絵になる。
看板によると涸れたことのないありがたい水なのだそうだが、ゆうべ雨が降ったわりには水量は少なかった。

写真を撮影し終えて、また戻らなくてはならない。引っかき傷を作りながら、植物の種まみれになりながら、なんとか自動車までたどりついた。
が、ジーンズは泥だらけ。靴も泥だらけ。これでは日帰り温泉には申し訳なくて行けない。
と、いうことで、温泉前の一汗だったはずが、そのまま家に帰ることになってしまった。
滝までは線路から25分ほどかかった。もっとも、やぶをかきわけての進軍だったので、時間もかかる。ちゃんと道があるなら15分かかるかかからないくらいだろう。ただし、今の状態のままであるとしたら、下草が生い茂る頃には行くのは不可能になると思う。

途中にあった工事だが、どうも道路工事ではないか、と思われる。そうでなければゴルフ場か何かの施設か。とにかく線路の向こうに自動車で入り込めるスペースがそのうちできそうな状況だ。そうなれば、御膳の滝までももう少しまともに整備されるのではないか。
とにかく工事中は行かないほうがいい。泥だらけ傷だらけになるのは確実である。
少なくとも3年は待ったほうがいいだろう。
交通
最寄ICは、磐越自動車道安田IC。ICから国道49号に出て、三川方面に進む。高速道路をくぐり、ついで、頭上を国道290号が走る。これに乗るように左に曲がる。ぐるっと回って今来た道の上を進み、道は馬下橋を渡る。渡るとすぐに左折すると咲花温泉という看板が見えるので、左折。左手に阿賀野川をみながらやや進むと、やがて、右も左も杉林、右には線路という場所がある。咲花駅より手前である。このあたりで線路の向こう側の杉林を注意深く見ていると、「禁煙、御膳の滝」と書かれた看板がある。この看板の場所で線路を渡ると踏み跡があるので、それをたどればよい。
が、今現在はその先が工事中になっていて、踏み跡もそこで途絶えている。
滝にたどり着くにはかなりの根性が必要である。また、その根性を発揮するほどの滝でもない。
工事が終了するのを待ったほうが無難である。
どうしても行きたい場合は、五泉市に問い合わせてみたほうがいいだろう。


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