85



みたらせの滝
えーと、人工です。
冬場のせいか、水が少なく、
黒々とした積石の岩盤だけが目立った。


大きさ比較。
屋根の下にダンナがいる。
対面の黒々した場所が滝である。



滝と不動様。
不動様は人の大きさくらいあった。



右上が落ち口。
立派な樋である。



こちらは入ってすぐ右側の
垢離場の滝。



大きさ比較。
落差1メートル。
みたらせの滝のミニチュアだ。
2005/2/27  みたらせの滝  新発田市 (落差10メートル?) 

新潟で冬場に見られる滝は少ない。どの滝もみな雪に閉ざされているのだ。滝自体はちゃんと落ちていても、そこに至る道路が除雪されていないと手も足もでなくなる。
と、いうことで、今回はどんなに雪が多くてもみることができるはずだ、と不動尊の中にある滝をめざすことにした。
新発田市にある菅谷不動尊は、日本三大不動尊の一つ(合計で10以上あるらしいが・・・)で、新潟日報新聞のオマケの冊子に紹介されていた。その一文にこの不動尊にあるみたらしの滝にはタニシが住んでいて、ホウ酸が多く含まれているために眼病によく効くといわれている、というのを目ざとく発見した。滝があるのか、ならば行かねばなるまい。
信仰とはおよそかけ離れた動機から我々は菅谷不動尊に向かった。
いくら日本三大不動尊とはいえ、かなり辺鄙な場所にあるお寺である。きっとほとんど人なんかいないのだろうと思っていたが、いざ行ってみると、雪が降る天候にもかかわらず参拝者はかなりいた。といっても常に10人くらいが境内をうろついている、といった感じである。

  
菅谷不動尊の入り口。雪が多い。  

  
垢離場から見た山門。

我々は滝が目当てなので、本堂には目もくれず、滝の場所を探した。滝を探すには耳が頼りである。さわさわと水が流れる音をききあてて、本堂の手前右手に降りる道をみつけた。
あった、あった。滝?不動様がいらっしゃるし、これがみたらしの滝か?滝か〜?
思いっ切り首を傾げる流れが我々の眼の前にあった。ちっちゃいのである。落差大目に見て1メートル。不動様の絵馬が飾られた場所の前に池があり、その向こうにチョロチョロと落ちている。しかし、不動様に水をかけると眼病に効くというふうに冊子に書いてあったし、これがみたらしの滝なんだろうなぁ。無理やり納得して写真を撮影した。
それにしても小さい。本当にそうなのか?
撮影を終えても疑問符が消えずに境内を少し歩くことにした。
雪が多く積もっていて、ふみ跡をたどるようにして本堂の裏側に行くと・・・あら、ものすごく立派な水音がするじゃありませんか。こっちに本物の滝があった。
本堂の左側に回って行くと薬師堂がある。その向こうの岩盤から落差にして10メートルほどの滝が落ちていた。さっきのミニチュアを見ているだけにとても堂々とした滝に見えてしまう。
が、近づいてみると、あらあら、あれは樋じゃないですか〜?
滝の落ち口は立派な樋になっていた。
時々がぼっと言って水量が多くなったり少なくなったりする。
よくよく見ると岩盤も石を積み重ねた人工の気配が濃厚なものだった。
近くにあった看板にはかなり歴史の古い滝であるらしいことが書いてあったのだが。
しかも、家に帰って写真を見てみたら、水が流れて見えなくて滝なんだか何なんだかさっぱりわからない。一応滝なんですってば。
看板にはみたらしの滝ではなく、みたらせの滝、と書いてあったので、こちらのほうが本当の名称なのだと思う。
滝の近くには不動様が立っていて、滝つぼの水をかけるようなひしゃくもあったが、雪のため不動様には近づけない状況だった。これではひしゃくで水をすくって、ぶわっと水を不動様に投げつけでもしないかぎり、眼病治癒の願掛けもできない。冬にはとことん不向きであると知った。
滝つぼを覗き込んでみたが、タニシはいなかった。冬だから、仕方ないか。
しかし、思ったよりも滝の落差はあって、しかも不動尊自体も堂々とした雰囲気があり、古刹ファンにはよい空間かもしれない。この春(2005年)には7年に1度のご開帳があるらしいので、興味のある方はぜひどうぞ。

  
  滝のそばにあった看板。1253年の火事の時にこの滝の中のタニシに本尊が守られたと書いてある。そんなに昔からある滝ではあるのだ。
交通
菅谷不動尊 国道7号線で新発田市から中条方面に向かう。加治川を渡る加治大橋を渡ってすぐに国道290号に曲がる。そのまま290号で胎内方面に進むとイヤでも菅谷不動尊の看板が目に着く場所に出る。看板の通りに290号から左折して集落内を進み、もう少しでまた290号に合流しちゃうぞ、という場所に菅谷不動尊はある。駐車場は狭いがとなりの清水フードの駐車場が利用できる。
みたらせの滝は、本堂に向かって進み、本堂の左側に回りこむと裏手の岩盤に落ちているのが見える。


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板