![]() なめ滝 なめ滝というのは、 ナメた滝という意味だと思うのだが、 この場合は形状ではなく名称らしい。 遊歩道から対岸の絶壁に 落ちているのが見える。 落ちた先には深い雪渓がある。 ![]() 直瀑布部分のアップ。 水が見えません〜。 この雪渓の下に海川が流れている。 とすると、半分は雪渓で隠れている ことになる。 ![]() 無粋ですが、青線が水の流れ。 写真にすると全くわからないが、 目でみるとちゃんと流れているのが わかった。 ![]() 遊歩道から見えた駒の川。 こんな感じの段差がずっと続いている。 ![]() 繰越の河原から見た海川。 落差は3メートルほどの滝になっている。 写真では分かりづらいが、 この滝のすぐ上の岩に 黄色い矢印が書かれている。 ![]() 滝の手前は雪渓になっている。 下は空洞の雪渓なので、 どうにもここから先には 踏み出せなかった。 ![]() ちなみに雪渓の高さは こんなものである。 ![]() ![]() ![]() ![]() 遊歩道や海谷三峡パークには この季節は白い花が多かった。 |
2005/6/26 なめ滝 (落差少なくとも50M?)糸魚川市 朝から頭が痛かった。体調は最悪である。 それもそのはず、ここ一週間、6月だというのに連日30度以上の真夏日が続いているのだ。 頭が痛くても、家の中にはいたくない。どこか涼しい場所に行きたい。 涼しい場所?どこかしら、高地であれば少しは涼しいだろう。 そういうわけで、糸魚川市の海谷高地に行くことにしてしまった。百名山の雨飾山を挟んで向こう側が長野県という場所である。 駐車スペースから徒歩1時間半くらいで海谷渓谷を経て海谷高地に行けるというから、頭痛を抱えていても、それほど大変ではないだろう。渓谷であれば、滝か滝に近い渓流も見られるだろうし。 とにかく、体調が最悪だったものだから、出かけたのは午前10時に近かった。仕方がないので高速もETC割引がきかない正規の料金である。 さて、海谷渓谷。これが糸魚川市内からもけっこう遠かった。日本海にそそぐ海川の上流が海谷渓谷なのだが、途中で海川を離れて、小山を迂回する。その迂回路がうねうねと長かった。 すごく寂しい林道なのだが、所々にちゃんと海谷渓谷への矢印がある。 そのうねうねが終わるといきなり集落に出た。こんな場所に住んでいるのかと思うくらいである。(道はさらに続いて国道148号線につながっているらしい) その集落の終わりあたりに絵の地図看板が立っていて、左折すると海谷渓谷だという。看板からだいたい3キロほどか?正面に駒ケ岳の岩盤を見ながら高度を上げていくと、いきなり綺麗なキャンプ場が出現して道は終わった。 これが海谷三峡パークである。 綺麗なトイレもあり、楽々駐車もできる。 驚いたことに10台以上自動車が止まっていた。え、この人たちはどこに行ったの? 我々は知らなかったのだが、ここから駒ケ岳(越後駒ケ岳ではないです。標高1487mの糸魚川の駒ケ岳です)に登る登山口があるのだ。 丁度お昼になってしまったので、海谷高地で食べるつもりだったが、このキャンプ場でコンビニおにぎりのお昼にした。 ![]() ![]() 身支度を整えて、パークにあった地図を持ち、さあ海谷高地へ出発である。 パークから少し登ったところに展望台があり、その脇から遊歩道が伸びている。展望台には案内図があり、「なめ滝」という滝の写真もあった。滝があるじゃないの。 それにしても「なめ滝」って、それは名まえなのか、形状なのか。 疑問を持ちつつ、遊歩道を歩き出した。はるか下の方に海川があるらしいがよく見えない。見えるのは、そそり立つ絶壁の千丈ケ岳だけである。 道はなだらかだ。 ほとんどアップタ゜ウンがない。 きっと急降下して海川に出るのだとばかり思っていたが、いつまでもほぼ水平の道だった。 ![]() ![]() それもそのはずで、海川自体が急降下しているのである。 かなり高い場所から出発した我々だが、眼下にある海川は少し上流に行くだけで同じレベルまできてしまうわけだ。 そんな水平の道を歩いていくこと15分ほど。木々の間から綺麗な流れが見えた。あれを滝とするならば、10段以上の滝である。5メートルほどの段差がどんどんと続いて落ちて行っている。惜しいことに木々に隠れて全貌が見えない。 少し先に進むとその流れに道が合流した。あとで調べたら海川に流れ込む駒の川という沢らしい。駒ケ岳から流れ出ている沢である。 ![]() ![]() その上を橋で渡った所で登山者とすれちがった。 「暑いのにこれから?」 と聞かれたので、 「いえ、行ける所まで」 と答えた。あとでこの質問の意味がよくわかるのであるが、その時は言葉どおりにしか受け取っていなかった。 さらに進むと対岸の絶壁に水の流れが見えた。あ、あれが展望台の案内にあった「なめ滝」か。しっかり遊歩道にも「なめ滝」と書かれた杭がある。つまり、やっぱり滝の形状を言うのではなく、あの滝の名まえが「なめ滝」なのだということだ。 絶壁の上も上、はるか上から岩盤を水が滑り落ち、最後には直瀑となって落ちて行く。この季節、解け残った雪の中に水は吸い込まれて行ってしまう。 まず対岸で遠いのと、雪渓の大きさがあまりに大きすぎるのと、それよりも絶壁が巨大すぎるので、滝の落差がさっぱりわからない。 最後の直瀑部分だけで、おそらく50メートルはあるんだろうなぁと思うが、半分は雪渓で隠れている。なめ滝のなめ滝たる岩盤の部分は、見上げたらキリがないほどずっと高い位置から水がある。 ただし、雪解けのこの時期でさえ水量が無い。海谷高地のいちばんいい季節の秋には滝が見られるかどうかわからない。 なめ滝をすぎると5分もしないで「繰越」という場所に出る。ここで初めて海川と遭遇する。しっかり杭に「海谷渓谷」と書いてある。あるが・・・ 目の前にはまず、川よりも雪が広がっていた。 どひゃぁ、この雪ってば・・・。 ![]() ![]() 我々が滝の写真を撮影している間に先に行ったご夫婦が立ち往生していた。ダンナさんだけ大岩を降りて対岸へのルートを探しているが、奥さんはその岩の上で「もう帰ろうよう」を連呼している。 私に向かって、この岩は下りられないでしょう、と聞いてくるので、「怖いですよね」と相槌を打った。 いや、下りられます。が、ここはひとつ奥さんをたてて、女じゃ無理という顔をしてみた。ほどなくダンナさんが戻って来て、あきらめようということになった。 奥さんともども来た道を戻って行く。 さて、我々だ。 こんな所で戻ったら、高速道路代が無駄になるじゃないか。 ということで、大岩を下りて(多少泥になったが気にしない)河原に出てみる。 おお、素晴らしい渓流である。上流がわに目をやると、本流が完全に滝と言っていい流れになっている。 で、その上に矢印が・・・・ つまり、あの滝の上に行ってその上を渡って対岸に行けってか。 無理無理無理無理。 川はかなり深く、激しい。 しかも、滝の上に行くには雪渓の上を歩くか雪渓の下をくぐって、岩を登るかどうかしなければならない。今のこの季節、素人の我々にとっては雪渓の上も下もかなり危険だ。 さすがの我々も撤退を決断した。 帰り際、「繰越」の杭の近くにある黄色い看板をよくよく読んでみたら、雪解け時期の6月から7月は正午から午後にかけて特に増水するらしい。この時は渡渉はしないようにと書いてある。そーですか。ジャストミートでその時期だったわけですか。 先の登山者の言った意味がよくわかった。暑くなった午後には増水するのである。今から行っては川は渡れないだろうという意味だったのだ。 そういう見地で考えると、水量が落ち着いている(らしい)早朝に渡って高地でのんびりして、午後になって戻ろうとしたら帰れません、ということにだってなりかねない。いい勉強をした。 ともかく、今の季節、素人が海谷高地に行くのは無理である。 高地には比較的行きやすいと思われる秋に行くことにしよう。滝があるかしらん。ちょっと楽しみが増えた。ちなみに海谷高地はこの「繰越」から徒歩35分とあった。 遊歩道に咲いている花などを撮影しながら、ハルゼミの声をききながらゆっくり戻る。 キャンプ場で千丈ケ岳の絶壁を見ながら、入り口にある湧き水で入れたコーヒーを飲んだ。 何種類かの蝶たちも出迎えてくれて、気持ちのいい午後になった。 いつのまにか頭痛も治まっていた。 ![]() リンク 海谷渓谷 |
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交通 海谷渓谷 国道148号線から根知谷で県道225号線、221号線と経由して行く方法もあるらしいが、ここは我々が利用したルートを説明する。 最寄ICは、新潟市から行く場合は北陸自動車道能生ICがいいだろう。国道8号線に出て、上流に焼山温泉や笹倉温泉などがある早川を渡り、次に出てくる海川沿いの県道221号線へと左折する。あとは道なりにひたすら進めばよい。粟倉橋で海川を渡ったあたりから道は林道のようになり、海川からどんどん離れていく。ものすごく寂しい道だが、要所要所に海谷渓谷→といった看板がある。草で見づらくなっている場所もあるが、間違うこともないと思う。 かなり山奥に入ったような印象だが、やがて市野々の集落にT字で飛び出す。ここは左に。 少しすると御前山の集落に入り、左側にイラストマップの看板が見える。海谷渓谷入り口とあるので、間違えることはない。この看板の前の林道東山線へと左折して入る。 この林道の終点が海谷三峡パークである。 自動車は第二も合わせると50台以上とめられそうである。トイレも炊事場もある立派なキャンプ場だ。 ここに自動車をとめ、駐車場より少し上にある展望台のわきから海谷渓谷への遊歩道が伸びている。 徒歩90分とあるが、海川の河原に出会う繰越までは40分かからずに行ける。この先また40分ほど歩くと海谷高地である。 海谷高地は越後の上高地(ちょっとトホホと思うネーミングだ)と呼ばれる場所で、そこだけ2キロほど川がなだらかになっている場所らしい。 高地に行くには海川を2度渡渉する必要があり、増水時は渡れなくなるので注意が必要である。 特に雪解け時期の午後は要注意である。 |
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