新潟滝オフ 場所 裏巻機渓谷 不動滝、夫婦滝 (オプション魚止め滝) 時 2004年9月19日(日) 参加者 あじゅさん、あぶさんと奥様、abeさん、えーちゃんと奥様とお嬢さん、金さん、keiさん、しんこさんとうま(仮)さん、すぱ様、なんちゃん、春爛漫さん、んがおダンナとんがおR |
2004/9/19 新潟滝オフ(裏巻機渓谷の滝たち) 六日町 長い長い前置き そもそも新潟滝オフは計画段階から波乱を含んでいた。 当初、行くつもりだったのは、裏巻機ではなく、1年のうちにほんの2ケ月しか見られない、ある意味幻の滝である『本城の滝』だったのである。この滝が何故幻であるかというと、あとの10ケ月は雪の下に隠されているからだ。つまり、万年雪に近い場所にあり、初夏には雪渓が大きなドームを作る。 ここまで書けばお分かりだろうが、その初夏に事故がおこってしまった。雪渓の下にもぐって写真を撮影した方々が雪渓の崩落の下敷きになって亡くなってしまったのである。それが7月後半のこと。 雪渓が解けて『本城の滝』が姿を現すのは8月半ば過ぎからなので、9月に滝オフを計画していたが、死亡事故があった2ヶ月後にその沢でオフというわけにもいかない。急遽別の開催地を探さなくてはならなくなった。 どこがいいか。 主に関東からの参加者が多いので、県北の滝や上越の滝は厳しい。かといって、関越道沿いの滝は山岳の滝が多いのである。気楽に滝オフという場所ではない。 そんななか、まあ、歩けさえすれば行けるし、ぜひ見て欲しい滝があるといえば裏巻機渓谷だったわけである。 ここで断言するが、裏巻機渓谷は初心者向きの滝ではありません。 参加者はそんなに危険は無いじゃないか、と感想を持たれたかもしれないが、危険なんだってば。現に登山マップのこのコースには危険の危に丸をくれたマークが3つもついているのである。決して滝オフ向けの場所ではないのだ。 ならば、なぜここを選んだかというと、参加してくれるだろうなぁという人たちほとんどが滝をめぐってとんでもない冒険をしている滝中級以上の人たちだからなのである。もしこれから滝をめぐりたいと思われる方がこれを読んで、なーんだみんなでワイワイ行ける場所なのだ、と勘違いだけはしないように願う。 で、幹事としてはすったもんだあったし、新潟と言う僻地だし、百選の滝でもないし、そんなに参加者はいないだろうと考えていた。5、6人ならあの細い崖道も大丈夫だろう。 大丈夫な人数ではなかった。総勢15.5人。(参加者、別欄) 主催としては嬉しいやら恐ろしいやら。 そんなこんなで1週間前になり、週間天気予報で当日の天気が見られるようになった。 一週間前までは曇り時々晴れが数日続くまずまずの天気予報だった。気圧配置が多少変わっても雨の心配はなさそうである。だが楽観できたのは3日間くらいだけだった。水曜日あたりから日曜日に雨のマークが出始めた。そのマークが日を追うごとに出たり消えたり、大きくなったり小さくなったりする。 裏巻機渓谷の登山道はいくつも小さな沢を渡る。普段であれば、飛び石状にコンクリートが作られているので、難なく渡れるが、大雨が降るとその沢が鉄砲水のようになって渡れなくなるのである。と、いうことは前日の大雨でも滝オフはアウトだ。毎日天気予報を見ては頭をかかえる羽目になった。 そして、土曜日。その日は一日よく晴れた。晴れたが、天気予報では夜から雨になるという。 参加者はすでに前日から行動を開始しているので、雨だろうが雹だろうが、現地には集合しようということになってしまっている。せっかく新潟まで来てもらって、雨でもなんとか見られるだろう小さな滝だけでは申しわけないなぁと思っていた所、外からどわーっという雨音。とんでもない土砂降りだ。さらに頭を抱える。 ネットの天気予報で見ても、当日の現地は午前9時から午後3時まで雨。ふっ、神さまなんか、嫌いだ。 当日見ることができた花の一部 いよいよ当日 そうこうして、当日の朝が明けた。 雨だった。 とりあず京都から前日いらして、長岡で宿泊しているkeiさんを迎えに行く。keiさんを乗せて高速道路に乗る。ああ、雨だ。走れば走るほど雨足は強くなってくる。こりゃあ土砂降りである。高速道路から見えるはずの越後三山も雲の中で姿さえない。こりゃあ、中止だなぁ。湯沢の不動滝しかないかなぁ、と、自動車の中で話していた。 集合場所の五十沢キャンプ場の入り口に到着すると、すでに見知った顔がたくさんあった。すでに家を出て6日目の金さん、昨日燕温泉に入って来たという春爛漫さん、えーちゃん一家も到着している。 入り口で少し待っていると、ぞくぞくと参加者が到着した。 待っている間に雨は小雨になり、山も見えるようになってきた。受付でこんな天候で不動滝を見ることができるかたずねたら、「今日は大雨警報も出ていないし、大丈夫だと思います」との答え。本当か? 念のため、雨に降られた場合の避難場所として、登山道入り口の「みやて小屋」を貸してもらえないだろうか、人数が10人以上いるのだ、と頼んでみたら、快くOKしてもらえた。 9時少し前にオプションである魚止めの滝入り口のあずまやまで出発。自動車で坂道を登っていると、霧がたちこめてきた。谷間は真っ白になって、見えない。げ、雨でなくても、この霧では夫婦滝は見えないかもしれない。またしても自動車の中で頭を抱える。 あずまやでは雨はなんとか降らずにいてくれていた。ここでオプション集合時間の9時まで待っていると、すぱ様が到着。五十沢キャンプ場の曲がり角を通り越して三国川ダムまで行ってしまったらしい。でも、滝に向かって出発前なので問題なし。結局12人という大半の人数でオプションの魚止め滝に向かうことになった。 山はまだまだ曇り模様。 すぱ様のコロナ、最後の勇姿。 魚止め滝であんなことやこんなこと 7月末に魚止め滝に来ているので、簡単に行ける滝だという印象があったのだが、その時よりも下草がすごかった。秋に入って、がぜん、植物が元気になったようである。雨に濡れた下草をかきわけるようにして道を進まなければならなくなった。 しかも、7月には困ることなんて全くなかった支流の沢を渡る場所が大きく崩れていた。巨大な岩がゴロゴロと落ちたらしく、道の姿が変わっている。7月の大雨で地盤が緩んだうえに9月に入って中越地方で地震があった。そのせいなのかしらん。怖いことである。 その大岩の上を渡るようにして進み、ほどなく河原に出た。さて、河原と滝の間には巨大な岩がある。これを登らないと滝は見えない。が、最後尾からついていった私が河原に到着する頃にはほとんど登ってしまっていた。しまっていて、さらには撮影始まってました。恐るべし、滝好き。 しかも、対岸にまで渡って、我々の見たことのない角度から滝を堪能しているし。 この日は前に行った時よりも水量が少なく、そのおかげてむしろ魚止めの滝は姿がよく見えた気がする。水が扇型に広がって落ちる姿が優美で美しい。 岩の上でそんなことを思いつつビデオを撮っていると、すぐ下の沢でとんでもないことが起こっていた。 今日は子連れだし、あまりやんちゃはできないのだと自粛するような台詞を言っていたえーちゃんが対岸にいるあぶさんやあじゅさんが羨ましくなったのか、沢に入って渡ろうとした瞬間、ひっくり返った。 文字通り、ひっくり返った。仰向けである。しかも、カメラを持って、である。そのカメラを死守するためになんと、両足と片手で沢の中でブリッジしている。最初声も出なかったが、だれか助けてやってくれーと叫んで、あじゅさんがカメラを助けてくれた。濡れるわけにはいかないと言っていたえーちゃんは普通そこまで濡れないだろうという場所まで濡れていた。 実に惜しいことに、あまりにびっくりしすぎて、せっかく持っていたビデオを回していない。決定的瞬間だったのに。 まあ、えーちゃんもカメラも無事でよかったです。滝オフは何かしら伝説が生まれるものである。 水量が少ないために美瀑となった魚止め滝。 この岩を乗り越えないと滝は見えない。 対岸の大岩の下に潜り込むあぶさんとあじゅさん。 えーちゃんのカメラ救出中。 身をていして守ったカメラで撮影中のえーちゃん。 夫婦滝までひたすら歩け とにもかくにも魚止め滝を見終わってあずまやまで戻ってみると、しんこさんとうま(仮)さんが富山から到着していた。これで参加予定者全員である。自動車に乗り込んで少し上にある「みやて小屋」まで移動。仕度を整えて、本番の開始だ。このあたりで、空は比較的明るくなってきているので雨が降ったらどうしよう、とか、霧があったらどうしよう、とかいう不安は消えていた。 魚止めの滝でぬれてしまったえーちゃんは、今度はお嬢ちゃんを抱っこひもで抱っこして歩く。このルート、先にも書いたが、崖道でかなり危険である。そのため、幼児は一人で歩けないように親の身にくくりつける配慮である。大変だろうなぁとは思ったが、おチビさんは、どんぐりさんやら葉っぱさんやらキノコさんやらを見つけて喜んでくれたようで何よりだ。 15分も歩いたあたりで、おやおや、日がさしてきた。みるみる青空が広がっていく。まるで冗談のような展開だ。代わりにとんでもなく蒸し暑くなってきた。 途中真っ赤なキノコだの、変わった花だの見つけながら長い行列を作って歩いて行く。もちろん道幅は狭いので1列縦隊である。よそ見をしていると滑落してしまうので、しっかりあしもとを見ながら、せいぜい前後の人と声を交わすくらいしかできない。 だが、いつもとは違うおしゃべりをしながらの歩きなので、意外にあっさり不動滝の入り口に着いてしまった。まず不動滝は通り過ぎて、この先の夫婦滝を見る。夫婦滝は崖道の途中から見下ろすしか見るポイントがない。しかも、滝が見えるようにしているためか、そもそも絶壁なのか、その場所が今までの中で一番危険な場所なのだ。一歩間違うと滝つぼまで100メートル近くまっ逆さまなのだ。 そこで一同三脚を立てての撮影だ。こんな雨模様のスタートだったおかげで登山客がいないのが救いである。三脚のスペースも限られているので、交代で撮影。慎重にすれ違いながら場所を譲り合う。主催としては、ここが一番危険だから、ここさえ乗り切れば、と、気が気ではなかった。 が、案ずるほどたいしたトラブルもなく、撮影終了。不動滝に向かって道を引き返すことにした。 「みやて小屋」に集合する一同。まだアスファルトが濡れている。 こんな道を長い列を作って歩いた。 ほら、かなり危険な道なんだってば。 途中の水汲み場で給水。 夫婦滝の撮影ポイント。崖の道の途中だ。 手前が登山道。ずーっと下に夫婦滝はある。手すりも何もない崖から撮影。 夫婦滝。影になる時間帯だったため、少し残念。 不動滝でも、あんなことやこんなこと やや急な坂を下りて不動滝前まで行く。私は最後尾だったうえに、ちょっと一人で夫婦滝をビデオ撮影していたために遅れて到着した。上から見ると、滝○か達が不動滝に向かってカメラを向けていた。 そして、すでにここでも対岸に行ってしまっている人々が・・・。素早い。 我々2人で来た時はもう少し水量があったということもあるが対岸に行こうなんて思いもしなかった。多人数で来ると、そんなこともできるんだ、という発見がある。 滝前までおりてみると、ここも7月末に来た時とすこし様子が変わっていた。滝前にこの岩は無かっただろう、という岩があり、大岩によじのぼるために足がかりにしていた太い流木を押しつぶしていた。とにかく1ケ月半の間に何かしらあったことは間違いない。と、いうことは、雨なり地震なりがあったら、今この場で人を押しつぶす岩が落ちて来る可能性もあるわけである。ますます恐ろしい。 そんな恐ろしさもとりあえず好天の滝前では消し飛んでしまう。 おのおの岩の上なり下なりで昼食を広げた。abeさんから梨やきゅうりをいただいたりして、 昼食後はコーヒータイム。 abeさんに持ってきていただいた2つのバーナーと我々の用意した2つバーナー合わせて4つで途中の水汲み場で汲んだ水を沸かす。(水を持ってもらったあぶさん、あじゅさん、うま(仮)さん、ありがとうございました) 私がビデオ撮影しているもんだから、コーヒーを入れるのを全てabeさんにまかせてしまった。いやはや、本当にお世話になりました。 各自で持ってきてもらったカップに19円コーヒー(笑)でコーヒーを入れると、滝まえにコーヒーの香りがただよった。空は青いし、コーヒーは旨いし。いい滝オフになったなぁ。 そうこうしているうちに、keiさんが靴をぬいではだしになった。何をするのかと思ったら、沢に入って対岸に行く。そうか、覚悟を決めてしまえば、その手もあったか。とにかく、滝オフは発見がある。 しばらく滝をながめながら時間を過ごし、記念撮影となった。岩場での記念撮影のため、なんとなく三脚に設置されたカメラが危なっかしいが、とにかく撮影終了。新潟の山奥に滝○かが集まった証拠写真ができてしまった。 あとは、また小一時間歩いてみやて小屋まで帰るだけである。 途中、アサギマダラの飛翔なども見れたし、ついに雨が降ることもなかった。 無事、「みやて小屋」に到着。ここで一時解散して、汗を流すために温泉に向かうことにした。 不動滝。こちらも逆光だったなぁ。 滝前コーヒーでは、すっかりabeさんのお世話になってしまった。 滝前で遊ぶ子供と大人(笑) 無事終了、ご苦労様でした 金さんオススメの五十沢温泉ゆもとかんが満員のため日帰り入浴お断りだったため、結局塩沢のアクエリアで春爛漫さん、なんちゃん、abeさん、keiさん、我々の6人が入浴。(温泉についてはここから)湯上り後あちこちの滝の話などして、4時前にはアクエリアを出た。 みなさん、本当にご苦労さまでした。 不慣れな幹事で色々ご迷惑もおかけしましたが、おかげで楽しい一日を過ごすことができました。 また、だれかの(笑)幹事で滝オフしたいですね。呼んでくださいまし。 その後、我々はkeiさんを新潟空港に送り届け、家に戻った。その場ではあまり疲れを感じていなかったが、家に着いたらドッと疲労が襲った。なんだか、ロクな写真もロクなビデオも撮れていない。報告も文字ばっかりになってしまった。 この日の滝の様子などは、他の参加者のサイトをご覧になったほうが詳しいかと存じます(こらこら) |
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