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実は、温泉に行く前に国道340号で遠野市を通る際、どこのお店で夕食にするか、目星をつけていた。
おや、あの看板は、岩手在住の友人が送ってくれたことのあるジンギスカンのお肉を売っているお店じゃないか。
もちろん、ジンギスカンも食べられるらしいぞ。
決まり。今日はここで食べよう。
「遠野食肉センター」
ほぼ午後5時頃だったので、ほとんど混んでいなかった。
国道沿いには他にも何軒もジンギスカンの店があり、遠野の名物らしい。 |
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我々は定食の3種のお肉のやつを注文。
意外に3種類とも味が微妙に違って美味でしたよ。
たまらずにビール頼んだ。
まだ山荘まで運転があるので、もちろんノンアルビールだけど。 |
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さて、早池峰山荘。
これが遠野市からかなり遠かった。
いや、まあ、普通でも遠いのだが、まだ明るいので翌日のバス乗り場を確認しようと山荘より先まで行ってみたんですが。
それがバス乗り場を見落として、なんと登山口である小田越まで行ってしまったのだ。
なんですとぉ〜。
すっかりあたりは暗くなってしまい、鹿は出るわ、猛禽は横切るわ。
動物の気配の濃い山を無駄に走ってしまった。
山荘のそばにはキャンプ場があり、キャンプ場はとても賑わっていた。
山荘の管理人さんは「遠かったです〜」という私に「遠野市からだと軽く40分はかかりますからね」と笑って返してくれたが、まさか小田越まで行ってしまったとは思っていまい。
ちなみに、素泊まりで山荘に宿泊するのは本日は我々だけだった。
宿泊代4000円、布団代2000円。お風呂は無い。
お部屋は右写真のような2段ベッドが左右にあるだけ。
テレビもないけど、フリーWi-Fiはあるよん。
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部屋に冷蔵庫もなかったので、翌日の山で飲む飲料を山荘の管理人さんの冷蔵庫で預かったもらった。
これがマズかったんだけど。
翌日は午前6時に起床して、7時20分に江繋バス停を出るバスに間に合うように山荘を出発。
山荘で昨日スーパーで買った菓子パンの朝食をとる。
お湯や電子レンジは貸してもらえたのでよかった。
左は山荘から見えた早池峰山。
管理人さんは夜に裏側でメキメキと音がして、ノシノシと足音もしたので、熊がいるかもしれないから気をつけてね、と言っていた。
色々親切にしていただいたので、お礼を言って、ちょっと早めに山荘を出る。
6時55分くらいに江繋バス停に到着。
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昨日見落としたバス停。
人気の山なので、反対側のバス停とはいえ、もっとちゃんとした駐車場があると思っていたが、草を刈っただけの広場である。
30台駐車可能と山地図にはあるが、いや・・・。
とにかく草刈っただけの広場なので、左写真のバス停を見落とさないこと。
まあ、係の人がいる時間帯なら大丈夫だと思う。
ここから先はシーズン中は時間帯通行止めになる。
それを伝える係の人がきちんと存在する。
ただし、トイレがあると表示されている地図もあるが、とんでもない仮設トイレが1つきりなので、ここのトイレは期待しないほうがいい。
小田越登山口のトイレのほうが絶対にいい。
右のようなバスが小田越から下って来て、ここでUターンする。
我々が到着した時にほぼ同時にもう3台駐車。
結局この日、この駐車場を利用したのは、我々を含めて合計4台だったらしい。
さて、ここで支度をはじめて、ダンナが青くなった。
冷蔵庫に預けておいたドリンクを丸々忘れてきてしまったのだ。
今日はきっと酷暑になるだろう。
水が無いのは命取りになる。
戻って次のバスにする選択肢しかないと思った。
が、幸いなことにペットボトル2本のドリンクが自動車の中にあった。
これがあれば大丈夫か。
きっと、管理人さんはみつけて青くなっているだろうなぁ。
冷たくないけど、予備のドリンクがあって本当によかった。 |
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7時20分丁度にバスは江繋を出発。
うねうねと曲がりくねった道をよくこの大きさのバスで走るよな、といった感じだ。
7時40分過ぎに小田越バス停に到着。
一人1000円のバス代を係の人に渡す。ここで往復と言って一人2000円を払うと帰りのチケットをくれる。
ここには係の人たちがテントを設置して、バッジや携帯トイレを売っている。
仮設のトイレもいくつかあって、綺麗なのでここで利用したい。
山頂でも携帯トイレを売っているらしいが、山頂で混雑しても困るしな、と思い、私はここで1つ購入。1つ500円。
結局、使いませんでした。
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7時48分 小田越登山口出発。
まずは木道が続く。
ツルアリドオシやアリドオシランなどが咲いているが、植物は地味だ。
しだいに道は大振りの石だらけの坂になっていく。 |
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8時05分 ベンチとなにやら小石の小山みたいなのがある場所。
これはケルンではないなぁ。
登山道整備のための石を小山にしているのかなぁ。
8時08分 携帯トイレブース。
モンベルのテントで、火打山でも同じものを見た。
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足元の石が大きくなって岩みたいになってきた。
左右にシャクナゲやコメツツジなどが見られるようになったと思ったら、いきなり視界が開けた。
森林限界だろう。
山頂方面がすっかり見通せてしまう。
8時20分。 |
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8時21分 一合目の石碑発見。
ええーー、ここで一合目〜っ、と悲鳴をあげたくなる。
いや、前もって心折れる場所に一合目があるとは知っていたが、本当に30分以上歩いてやっと一合目と言われると先が思いやられる。
その後、本当に道は岩だらけの場所になる。
道ってか、壁じゃん、これ。 |
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いよいよ道は険しくなる。
が、いよいよ早池峰の真骨頂の花々が咲き乱れる場所になる。
このページでは花の紹介はしないが、
ハヤチネウスユキソウ、イブキジャコウソウ、ホソバツメクサ、タカネナデシコ、ナンブトラネオ、等々、なかなか前に進まなくなってしまう。
8時59分 二合目。
わっはっは、一合目から二合目に至るまでに30分以上かけているぞ、この花ばかたちは。
花々の写真は別ページです。こちらからどうぞ。 |
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9時07分 三合目。
ハクサンフウロやシャクナゲなどを撮影しつつ進む。
ハヤチネウスユキソウとミヤマウスユキソウの区別がつかないので、手当たり次第に撮影して、しまいにお腹いっぱいになってしまう。
それにしても、樹木がほとんどないので、先が見事に見通せる。
ただただ、岩と、登山者しか見えない。 |
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9時16分 四合目。
なんか、ぽっつりと落ちそうな岩が遠くの山々を見下ろしている。
それにしても風が強い。
時々ぶわっと浮きそうなほどの風が吹いて来る。
炎天下ではあったが、風が強いせいで、なんだか肌が冷たく感じる。
小学校低学年と未就学児の姉妹を連れていたご夫婦がこれからどうするか休みがてら検討していた。
あまりに風が強いので、子どもが飛ばされると奥様。
五合目までは頑張ろうということになったらしい。 |
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花たちも見通しのいい岩の上から山々を見下ろす。
ああ、先が長いったら。
どれが山頂だよ。 |
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9時30分 五合目御金蔵。
大きな岩がちょうど日陰になっていて、そこのベンチに腕章をつけた人が登山者を見守っていた。
ってか、ロープから出ないで、と注意しまくっていた。
山頂まで1キロ、小田越まで1.7キロだそうだ。
このあたりでは、タカネサギソウやサマニヨモギがたくさん咲いていた。 |
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9時37分 六合目。
風がいよいよ強くなる。
ふと気がつくと、例の姉妹、上の子だけお父さんに連れられて山頂アタックすることにしたらしい。
他の登山者から励まされて登っている。
気の早いウメバチソウやミヤマイワニガナなどを見つけながら、なんとか我々も足を進める。
9時49分 七合目。
吹き飛ばされそうな私に山頂は風がないから大丈夫と言ってくれるご婦人がいた。ちょっとだけほっとした。 |
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見あげると、道がどうも2つに分かれている。
右に岩沿いに進むと1本だけハシゴ。左がわはただの岩場の道。
どうやら登りはハシゴを利用。下りは岩場を下るらしい。
ハシゴのもとには腕章をつけた人が一人ひとりに注意を促している。
1本のハシゴを登ると、2本並んだハシゴ。
こちらは下りる人も利用するらしいので、下りて来ないほうのハシゴを使うが、ここでも腕章をつけた人がちゃんと案内してくれた。
10時02分 鎖場。
10時05分 鎖場終了。
ところで、このハシゴ、しまいにとても傾斜が緩くなって、ほぼ四つん這いくらいの傾斜になってしまう。
ちょっと辛かった。 |
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ハシゴが終わったら楽な坂になるかと思いきや、ここにもハシゴくださいといった感じの岩場になる。
どこに足置くのよ、と文句言いながら進む。
アズマギクやミヤマハンショウヅルなど花はあちこちに咲いているんだけど。
10時10分 八合目。
山頂まで0.5キロだそうだ。
500メートルが長いこと長いこと。 |
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10時17分 剣が峰分岐。
その後も大岩を登って行き、ふいに平らな場所に出た。
剣が峰分岐だそうだ。
余裕があったら剣が峰まで行こうかな、と思っていたけど、絶対に余裕なんかない。絶対に行かない、とここでもう思っている。 |
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剣が峰分岐からは木道でとてもなだらかだ。
視界が開けて、どうもここは湿地なのかもしれない、という場所になった。
なにせ、あっけらかんと晴れていて、水なんかどこにもないカサカサ状態の真夏である。
あとで調べたら御田植場というから、やっぱり湿地なのだろう。
10時21分 御田植場。 |
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御田植場は木道がぐるっと回る感じになっている。
あらぬ方向に分岐している木道があるので、その先に何があるのかと思ったら、お地蔵さんがいました。 10時25分 門馬コース分岐。 |
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このあたりからヨツバシオガマやミヤマカラマツ、ミヤマアキノキリンソウが見られるようになる。
御田植場から楽々山頂かと思いきや、またしても岩場が出現した。
でも、ちょっとだけでまた木道。
おお、たくさんのコバイケイソウが山並みを見下ろしているぞ。 |
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10時36分 山頂避難小屋。
思っていたよりずっと大きな山小屋だった。
ってか、3つも携帯トイレ用の個室が用意されている。
小屋を通り越すと、剣が突き刺さった岩。青空に映える。 |
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その剣を通り越すと、小さな祠と三角点。
さらにその向こう側に赤く塗られた社があった。
10時38分 山頂到着。昼食休憩。
山頂は意外に広く、たくさんの登山者が休憩している。
岩もたくさんあって、めいめい岩に腰かけたりしている。
我々はちょうど閉鎖されている河原の坊コースの下り口が腰かけるのによかったので、閉鎖のロープの真ん前に陣取った。
それにしても、あれだけのひどい風だったのに、本当に山頂は風が無かった。
腕章をした人が他の登山者に風がひどくなかったですか、と聞いていた。
雲が湧いて流れていたので、風が出ているんだと思ったとのこと。
風の通り道なのか、小田越コースは。 |
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左写真が昼食をとった所から見えた光景。
緑の尾根がずっと小田越コースの登山道で、ちっちゃく登山者が見えている。
よくもまあ、ほぼ直登のこんなコースを登ってきたもんだ、と自分をホメたい。
でも、例の姉妹のお姉ちゃんもきちんと登ってきていて、下山の時の注意をお父さんからしっかり受けていた。
腕章の人も下山のほうが事故が多いのだと、あちこちで言っている。
右写真は、上から見た御田植場。
11時17分 下山開始。
11時27分 門馬コース分岐。
11時33分 剣が峰分岐。
11時38分 八合目。
11時42分 ハシゴ場。
12時08分 六合目。
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12時11分 五合目。5分小休止。
いや、ホントに下り下手な我々にとって、この山は下山こそ大問題の山だ。
次々と後から来た人に先を譲る。
登る時にはとらなかった小休止、下りにもう足がヘロヘロと休むことにした。
12時29分 四合目。
12時34分 三合目。
このあたりかな、よく鳴く鳥が岩の上にいる。
何羽かいるようで、簡単に写真に撮れる。ビンズイのようだ。
12時41分 二合目。
13時07分 一合目。
森林に入って少しは楽になるかな、と思ったが、足元が歩きづらいのは変わらない。
木道が出てきて、本当にホッとした。
13時16分 トイレブース。
13時18分 ベンチ。
13時34分 登山口到着。
まだ小一時間江繋行きのバスは来ない。
日陰にシートを敷いて、足を延ばして待つことにする。
炎天下で気温も高い日だったので、1本ずつしかなかった飲料はすっかりなくなってしまっていて、他の登山者が飲んでいるのを見てうらやましいったらありゃしなかった。
さすがに岳駐車場に行くバスは本数が多く、待っている間に2本出発。
どちらも満員のようだった。
ここでも案内の人がちゃんとバスの人はこちらに並んで待っていてください、と指示してくれる。
勝手の分からない遠方からの登山者にとにかく優しい山である。
小田越を14時24分に出発するバスに乗って、江繋に到着したのは、14時15分頃。
さて、江繋の駐車場の我が家の自動車のワイパーにお手紙がついてましたよ。
早池峰山荘の管理人さんからで、冷蔵庫の飲み物を渡し忘れたことを平謝りに謝っておられて、ホントにもう申し訳ない感じだった。
わざわざ山荘からこの駐車場まで来てくれたのか、と。
帰りに立ち寄って、預けたものを回収し、予備があったので心配なかったんですよ、と教えてあげたが、本当に心底謝ってくださった。
こっちのせいなんだから、と言っても謝られ、最後の最後まで見送ってくださった。
ホントにすみませんでした。
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この日のお宿は、花巻温泉郷の山の神温泉優香苑さん。
とてつもなく広い敷地にほぼ平屋の建物が長〜く連なっているお宿。
2つのお風呂と日帰りお風呂に入れて、ゆったり過ごせた。 |
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優香苑さんには広いお庭があって、花々が植えられているが、山百合が全盛。
そういえば、東北道や釜石自動車道の法面は、本当にヤマユリだらけで、まるで百合園なんじゃないかというくらい咲いていた。
高速道路の法面では写真にも撮れなくて残念だったが、お宿の庭で納めることができた。 |
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3日目は帰路ではあるが、岩手在住の友人夫妻が花巻が地元なので、ここで久しぶりに再会。
花巻名物の旧マルカンデパートの大食堂で昼食。名物になっているソフトクリームを食べましたよ。でっかいわ〜。これで350円よ。
古き良きデパートの大食堂で旧友たちと楽しいひと時を過ごせましたよ。
午後1時ころに花巻を出発し、新潟に戻ったのは午後8時過ぎ。
バッタバッタと猫たちが荒らした室内を片付け、文句を言う猫たちのケアをしつつ、翌日からの労働に供えてさっさと就寝。
あっという間の中身の濃い三連休になった。 |
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