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2006/8/26(土)  大石山胎内口ルートの滝たち(大石山登山記録) 標高1597m 胎内市
一応新潟の滝、というジャンルに入れてみたが、正確には登山記録である。
だが、言い訳を一つ。
この山を登ろうと決めたのは、実はほんの前日のことだ。なぜこの山に決定してしまったかというと、「マツムシソウ」を見たい。という私の一言と、登山道に滝見場というポイントがあるぞ、とダンナが発見したことである。滝見場というのがあるからには、滝があるんだろう。登山した人のブログを見て、10日ほど前でマツムシソウが咲いているというのも確認してしまった。よし、行こう。マツムシソウと滝があるなら、我々が行かないわけにはいかないではないか。
そんなわけで、このページは一応新潟の滝のページとして新潟の滝の目次に載せますです。
ダンナから大石山という山にマツムシソウがあるみたいだぞ、と聞いたのは、木曜日の寝る直前。金曜日にダンナが大石山の載っている登山地図を買って来た。えーと、なになに、大石山?聞いたこともない山だが、どこにあるんだ?
なんと、飯豊連峰の最北端、えぶり差岳(えぶりさしだけ、「えぶり」は木辺に八と書く漢字なのだが)の手前にある山で、登るのに片道4時間50分の山だと分かった。
でぇ〜、よじかんごしゅっぷん〜?つうことは、なんですか?下山が少し時間が早くなったとしても10時間以上の行程になるってわけですか?
本気か?
ダンナは充分本気らしかった。苗場でも10時間くらいかかったのだ。マツムシソウがあるのだ。滝があるのだ。登山した人のブログによれば、いくらなんでも4時間50分もかからない山なのだ。等々、大丈夫であるという理由をいくつも並べられてしまった。
よーし、ならば行こう。
しかし、問題があった。
胎内口にたどり着くには、奥胎内ヒュッテという場所にゲートがあって、林道を3キロ歩く必要がある。ところが登山のシーズンは、その林道にバスが出るのである。登山口から奥胎内ヒュッテへ行く帰りのバスが午後4時。それまでに戻って来なければ歩きが3キロ加算されることになるのだ。
ダンナは7時発のバスに乗れば午後4時のバスに間に合うと計算していたが、私は断固6時発でなければ間に合わないと主張した。
だって、私は人一倍下りが遅い。決して表記上のタイムどおりに下山できないのである。
我が家から奥胎内ヒュッテまでは自動車で2時間くらいかかる。では、午前4時に出発だろう。前日にバタバタと決定した。決定してすぐに寝た。翌日は午前3時の起床である。嘘だろ。
                                (写真が多いため、小さなサイズで申し訳ありません)
5時45分頃に奥胎内ヒュッテ前に到着。
実はその頃、バスが出るのを見ている。どうも登山客が多いようなので、少し早めに1回増便したらしい。そういう便宜もはかってくれることもあるようだ。
6時ちょうどにバスにて出発。
バスはマイクロバスで、6時発はほぼ満員。

バスはマイクロバス。
皆荷物が大きいので、
15人も乗れば満員といった感じ。
5分ほどで登山口に到着。ゲートから舗装道路だったが、半分くらいで未舗装になった。5分とはいえ、意外に距離がある。
運転手さんによると3キロほどだという。
登山口には渋い看板がある。
同乗者のほとんどがそこで準備するためにすぐには登らなかったが、我々と写真の女性(単独)だけすぐに登山開始。
6時07分。
綺麗なブナの林の中を平らな道で進んだのは、最初のほんの50メートルくらい。
いきなり、「えっ」と声を上げるくらいの壁になる。登山道か、これが。
木の根のアスレチックじゃないのか、という急登がすぐさま始まってしまう。

先に進んでいた女性は
どんどん距離を引き離し、
しまいに見えなくなってしまった。
す、すごい。
我々から見たら、
アナザープラネットの住人だ。
30分以上ガンガン登る。
ヘロヘロになったあたりで少しだけ平らになる。両側が落ち込んだ尾根である。
左右に沢があり、水の音がよく聞こえる。
左は遠くに見えた沢。
雪渓だと思って写したが、よく見たら白っぽい岩盤に土砂が積もっている下から沢が流れている。

花らしい花はほとんどなく、
ホツツジの白い花だけ目立った。
6時50分、小さな岩場出現。岩側も木の側も崖である。
木の根にけつまづいたら転落するかもしれない。

少し登ると
アキノキリンソウの姿が
チラホラ見え始めた。
7時05分。「姫子の峰」到着。
沢山の人が休憩していたが、我々はスペースもなかったので休憩せずに先に行く。
なぜ姫子の峰というのかは不明。
登山地図にはこのあと、英三の峰というのが出ているが、看板がなかったので、わからなかった。英三、Who?
姫子の峰を過ぎたあたりから左側の山の斜面に滝が見える。沢、というのが正しいかもしれないのだが、垂直に落ちる部分が長いので滝と呼びたい。
その後、ぎえーと叫びたくなるような垂直な登りがある。それほど長い距離ではないのだが、とにかく垂直。ロープがあるのでなんとか登れる。
この滝はけっこう長い間登山道の左側の山に見えている。
だいぶ登ったり下りたりして、ふと見るとまだこの滝が見えてしまって、そんなに直線距離の移動はしていないんだとガッカリする。
尾根づたいに登るルートなので、尾根が下れば道も下る。登っては下る繰り返しで、騙されたように高度を上げる。 急に登った分、下るのも急だったりする。
せっかく登ったのに、また下らせないでよ、と、つい文句も出る。
7時28分、岩場出現。
岩意外右にも左にも何もない。
両側スコーンと落ちているのが見えて恐怖心を煽る。
一応ロープが渡されているが、何の慰めにもならない。
岩の平均台部分はせいぜい3メートルくらいではあるのだが、ものすごく怖い。

そんなに怖くないような
写真になっているが、
実際はかなり怖い。
7時47分、滝見場到着。
これこそ、我々の最大の目標の一つである。
荷物を下ろして休憩することにする。
どうでもいいが、この山は、木にいたずら書きする不届き者が多い。しかも、それが平成に入ってからの年号が書かれていたりする。
こんな秘境の山に来る山人に、恥知らずがいるとはちょっと意外だ。
登山道からちょっぴり左側に狭いスペースがあり、そこから滝が見下ろせる。
かなり遠望である。
どれほどの距離かは、帰りの写真で想像してほしい。
朝は、日陰になっていたので、暗い写真しか撮影できなかった。
名まえは特になく、通称では、「足の松沢の滝」と言う。
実は滝見場というからには、少なくとも守門岳のオカバミ滝くらいの近さにあると思っていたので、拍子抜けした。
もっとも、そこまでの行程で、沢の音がかなり遠いので、遠望かもな、とも予測はできた。
結局10分以上滝見場で休憩。
歩きだして少しすると、自分たちがこれから登る尾根がよく見えるようになる。
大石山はあの先にあるピークだろうか。
滝見場で凍らせたゼリータイプの飲料をとった。これが体を冷やしてくれて、エネルギーを与えてくれて、Goodだった。
8時40分。水場の分岐到着。
何も知らない我々は、この水場の水を汲んで昼食のお湯にしようと考えていたので、水場への矢印へと進む。
我々のすぐ前に歩いていた人たちが水場に行かないのを見て、少し不思議だったのだが、行かないのには理由があったのだ。
水場へは80メートル下ると書かれている。80メートルってどれくらいの距離だ?
じめじめした細い踏み跡をたどる。ロープもつけられた急な道である。
ところが、涸れた沢に突き当たってしまった。
え、水場、涸れた?
しかし、よく見ると、その沢にアルミのハシゴが取り付けられ、さらに下に行けるようになっている。
ここまでもかなり下ったのに、まだいくのか?

しかし、どういうワケか
この水場への湿った暗い道には
花が多かった。
写真はカニコウモリ。
さもなくば、オクモミジハグマ。
違いがわからない〜。
今にもズリ落ちそうなアルミのハシゴ大小3つをおりて、やっと水場に到着。細い細い沢である。が、水は澄んでいて、飲んでみると冷たくて甘かった。
細い沢なので、水を汲むのに一苦労した。

ギボウシも咲いていた。
これがハシゴ。
こいつが、なんとロープで木につるしてあるだけという恐ろしいしろもの。
足をかけるとズルッという音とともに下にズレるが、ロープでくくってあるので落ちない。
でも、ものすごく怖い。
結局水を汲むだけで30分かかってしまった。
こんな水場なら、最初から「無い」と言ってもらったほうがマシだと思った。

カメバヒキオコシ。
10時26分、いよいよ山頂付近らしい。
尾根道は、時々崩れている。
道なんだか土砂の斜面なんだか分からないような場所を歩く、なんてことも数回あった。

キバナアキギリも
水場の道でだけ咲いていた。
10時43分、それまで木の根だの岩だのの尾根道だったのが、泥っぽい道になってきている。
あいかわらず急な登りだが、木も低くなってきたし、様子が違うのがわかる。

登山道も終盤になると、
ヤマハハコなどが見られる。
視界が開けた時、遠くの山に小屋が見えた。
あれがきっと、頼母木小屋だろう。

これ、何だろうなぁ。
ツルリンドウくさいんだけどなぁ。
この少し手前の登りで、もう少しで山頂だとすれ違う人に教えてもらった。
山頂の近くはササぼうぼうの細い道だ。
10時53分。

ミヤマクルマバナらしい。
ササから飛び出ると、いきなり山頂。
11時55分。
山頂はそこそこ広く、20人は楽に座って食事できそう。
潅木が周りを取り囲んでいて、汗で濡れたタオルを干しておける。
大石山山頂は、(鉾立峰を経て)えぶり差岳方面と(頼母木小屋を経て)地神山方面へ向かう道の分岐点である。

振るとシャラシャラ鳴りそうだが、
これも名まえがわからない。

お花畑。
頼母木小屋までずっと
続いているらしい。
山頂にてガッツリ昼食だの凍らせたゼリーだの凍ったまんまだったビールだのをとって、ほぼ1時間休む。
どこかの大学生の一団が頼母木小屋に水を汲みに行った仲間をのんびりと待っていた。
後から到着したご夫婦は、久しぶりの登山で、頼母木小屋に泊まるのだと言っていた。
マツムシソウは咲いているだろうか、と訊ねたら、少し遅いかもしれないが、今はイブキジャコウソウがあるだろうと教えてくれた。
どんな花か分からずにいたら、小さなピンクの花だという。草をもむとジャコウのニオイがするそうだ。
昼食後に頼母木小屋方向に下りて、お花畑を探索。

ミヤマコウゾリナっぽい。

あった、ありました、
マツムシソウ。
思った以上にたくさん
咲いていた。

チラホラとだが、
ウメバチソウの姿もあった。

ハクサンイチゲも
あちこちに。

そばを歩いていた人が
ハクサンシャジンだと
言っていたが、
どうもツリガネニンジンらしい。
花の大きさが明らかに小さい。

ハクサンフウロは、
芝桜かってくらい咲いていた。

手前の黄色いのは、
たくさん咲いていた。
ハハコグサと言いたいが、
葉っぱがぜんぜん違う。

ごっそりマツムシソウ。
咲き終わりのポンポンが
可愛い。

コゴメグサ。

これは、オトギリソウかなぁ。

お花畑から大石山の山頂を
振り返ってみた。
結局30分もお花畑にとどまってしまった。
イブキジャコウソウは見つけられなかった。
下山時に他の人から得た情報だと、もう少し先の頼母木小屋のほうまで行けば、トリカブトが見事に咲いていたらしいが、そこまでは行けなかった。
12時26分、下山開始。

このお花畑にはなぜか
ベニヒカゲがたくさん飛んでいた。
マツムシソウにベニヒカゲ。
相変わらず下山が苦手な私だ。
だが、速度は遅いが息がきれることはない。
登る時に気がつかなかった花をみつける余裕もちょっぴりある。

たった1本だけ見つけた、
イブキトラノオ。
登る時は振り返らなかったので分からなかったのだが、尾根伝いの登山道が実はとてもよく見えていた。
小さい矢印の下にバスで渡った橋が見える。
ずーっと尾根の上を道は続いている。

濃淡そろったヨツバヒヨドリ。
13時45分に水場の分岐を通り過ぎ、左手頼母木川方向にある見事なV字谷を望む場所に来る。。
ものすごく甘い香りのする
木の花。
名まえはわかりませ〜ん。
その一部をアップにしてみると、巨岩のゴロゴロした沢だった。 よもや、こんな沢を沢登りする人はいないだろうなぁ。
大石山の登山道の右側の山も左側の山も急峻な沢だらけだった。
14時23分。滝見場到着。
午後になると日光が滝に当たる。
遠望だと滝は大きくみえがちだが、少なくとも2段合わせて20メートルはありそうな滝である。

山肌を全て入れると、
滝は赤い矢印の先っちょ。
ほんのゴマ粒である。
滝見場から撮影するダンナと滝を一緒に撮ってみた。
滝見場は滝方向に障害物がなく、崖の上に立っているように思える。
実際はそれほど危ない感じもない、滝見場だ。崖の上から身を乗り出して滝を見るわけではない。
15時09分。姫子の峰到着。
姫子の峰あたりからは、雪渓が見えた。
雪渓の下の沢も滝のような急斜面の沢である。
意外と姫子の峰は滝ポイントである。
右側にも左側にも滝が望める。
姫子の峰の看板のずっと向こう側の山の斜面には滝が落ちている。
細いが、足の松沢の滝よりも落差はありそうだ。
この滝あたり、名まえがあってもいいと思うのだが。
ついでに足の松沢の滝も、なにかもっとちゃんと名前がついてもよかろうに。
姫子滝とか、英三滝とか・・・。
姫子の峰から先はとんでもない下りになる。私はひたすら木の根を頼りに、ハシゴを降りるように反対向きになって下った。
しまいに、いつまで続くのか腹が立ってきた。
腹が立ったあたりで、ようやく最初のきれいなブナの林が見えた。
もうバスの発車時刻が迫っている。ダンナに先に行って止めていろ、と言った。
急な下りになって、登山開始の時に先に歩いていた単独の女性が追いつき、リズミカルに追い越して行って見えなくなってしまった。彼女の持っている杖は魔法の杖に違いない。
ロープの必要な急な下りでも、杖だけでロープをつかむことなく下って行ったそうだ。
彼女は頼母木小屋のほうまで行ったらしい。
うーむ、アナザープラネット・・・。
平坦な道になって、早足で林道に向かう。
登山口に飛び出た。
おお、バスがいる。
なんと時刻にして15時58分。
バスの発車時刻2分前である。
すでに乗って待っていた私たちを追い越して行った2組(3人)にペコペコお辞儀をしながら乗り込んだ。
ああ、ホッとした。
ご苦労さまでした。
きっとたぶん、先に到着していた人たちが、もう少しで2人が到着するはずだと運転手に言っていてくれたのだと思う。
あと5分くらい遅れても待っていてくれたんじゃないかしらん。
迷惑かけずに済んでよかったけれど。

いやはや、とんでもない山だった。
予備知識が無いまま登ったせいもあるが、こんなにガツンガツンと登り、ガツンガツンと下る山だとは思ってもいなかった。
しかも、である。すれ違う人はみな、「今日はどこにお泊りですか」と訊く。最初のバスの中でも「どこに泊まるんですか」と訊かれた。つまり、飯豊の山々はお泊りコース当たり前の山なのだ。むしろ我々が日帰りと知ると大変ですねー、と言われてしまう。つまり、そういう山なのだ。なんでこんなすごい山にフラッと行っちゃったかなぁ、この素人は。
おかげで日ごろそれほど水を飲まない私でさえ、ペットボトルの飲料4本、山頂で1本分飲んだ。全部汗になった。重かったが、それだけ持って行ってよかった。
さて、なぜ「どこでお泊りですか」が合言葉になるかと言うと、飯豊連峰はどこの登山口から行っても時間がかかるのだ。で、せっかく登ったのだから、縦走して百名山の飯豊山とか連峰の最高峰大日岳とかに縦走したくなる山、というわけである。
山と山の間にあんなお花畑があるのなら、縦走は魅力的よね〜、なんて思ってしまうが、山小屋には泊まったことありません。まだまだ山初心者なので、そこまで壮大な夢は抱かないことにしよう。

ちなみに、滝、という視点で言うと、登山道途中から遠くに滝はいくつも見える。
近くで見ることができる滝は登山口の手前にある橋のすぐそばにある滝だ。これも足の松沢にかかる滝で、落差こそないが、姿も綺麗だ。奥胎内ヒュッテに行くまでのダムサイドの道にもいくつも沢があり、滝がありそうな形をしている。滝を求めてドライブするのもいいだろう。

大石山 胎内登山口
  最寄ICは、日本海東北自動車道中条IC。ICを出て左折し、国道7号線に出る。7号線でも左折。胎内川を渡り、(右側に黄色い瓦屋根の目立つレストランがある)下館という交差点で右折。胎内方面を目指す。あとは、随所に案内看板があるので、奥胎内を目指して進もう。胎内スキー場から先は道がどんどんと狭くなり、ダムサイドになると曲がりくねるので運転に注意。時々猿も出没する。
胎内スキー場あたりの賑やかな場所からは意外に距離がある。
自家用車で行けるのは、奥胎内ヒュッテまで。奥胎内ヒュッテからはマイクロバスで登山口まで行く。運行する日などは季節によって違うので奥胎内ヒュッテのホームページで確認すること。奥胎内ヒュッテから登山口までは一人300円。
バスを利用しないで登山口まで徒歩で行く場合はがんばって歩いて40分ほどかかる。また、土曜日を含む平日は胎内川のダム工事があるために、午前8時から午後5時までは大型ダンプがひっきりなしに通る道である。
山頂までは初心者の我々で登り5時間(水場までの往復30分と数回の休憩も含む)帰り3時間半(ほとんど休憩はしていない)の所要時間。


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