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2005/7/17  佐渡の滝めぐり その@ 大ザレの滝(落差70m) 佐渡市(旧両津市)

長い前置き

新潟県の滝をめぐるページを運営している我々にとって、喉にひっかかっている大きな棘があった。気になって気になって仕方がないのだが、どうしても抜けない棘だった。
佐渡の滝である。
離島というのは、同じ県内でも、県境を越えた隣県に行くよりずっと大変な場所なのだ。実は昨年の海の日に行くつもりで船も予約していたのだが私の実家が洪水の被害を受けてしまって断念せざるを得なかったという経緯がある。行くつもりになっても何かしらの障害が発生する場所でもあったわけだ。
しかし、今年、なんだか行ってしまえ、という気分になってしまった。出発1週間前である。海の日の三連休の予定が全くなかったので、どこに行こうかと考えて、県内の行くのが大変な滝か、県外のまだ訪れていない百名滝にしようということになったのである。だが、飼い猫の具合があまりよくないので宿泊はできない。日帰りのみの日程をたてなければならない。とすると、百名滝は少々無理があった。
であるなら、県内の滝で行くのが大変な滝・・・先週、守門岳の登山て死ぬ思いをして、行くのに体力を使う滝はしばらく行きたくない。八方ふさがりになった。
いや、待て、県内で行くのが大変だが、体力を使わないだろう滝があるじゃないか。離島の滝、佐渡の滝である。
そんなこんなでいきなり佐渡に行くことに決めてしまった。なにせ、滝だけでなく、温泉のほうでも佐渡の温泉には1箇所も行っていないので気にかかっていたのだ。
出だしが遅かったので、お得なツアーという形のレンタカープランはレンタカーがなくなってしまっていて利用できなかった。
では、なんとか少しでも費用を安くあげられないかと探したのがカーフェリーのマイカーファミリープランである。これは、大人2人子供1人、車長4m未満の往復の輸送代が全部で2万円というプランだ。使わない子供一人というのは払い戻しできないが、それでも大人2人自動車1台の割引ナシの金額よりはるかにお得だ。
ちなみに、ダンナの自動車は車長4m以上なので、もう少し高くなる。その分も節約するために、私の軽自動車で行くことにした。(佐渡汽船のHP

我々が乗ったフェリー。帰りはもっと大きかった。
二ツ亀。海水浴場になっている。
岩ユリだと思う。
いざ船上へ
日帰りならば日の出から日没までフルに使えるフェリーにこしたことはない。ということで、午前6時に新潟港を出るフェリーにした。が、自動車を乗せる場合は出港1時間前には来て手続きをしてくれと言われてしまった。てことは、午前5時に港にいなければならない。そうなると家を出るのは、午前4時過ぎだ。
前日早々に就寝して、なんとか遅れずに到着。軽自動車なもんで、ラッキーにもかなり前のほうで自動車を乗せることができた。
2等船室はガランとしたカーペット敷きの広場である。その一隅を確保。すぐに貸し毛布1枚100円也を2枚借りて、出港前に寝てしまった。私の自動車には非常持ち出しの道具が入っていて、バスタオルが何枚か乗せてあるので、これが枕になってくれた。何が役にたつかわからないもんである。
ゴロゴロだらだら寝ている間にあっという間に佐渡に着いてしまった。
心配していたお天気だが、佐渡の空はうっすら雲があるだけでおおむね晴れ。青い海にはトビウオがすーーーーっと飛んでいたりして、なかなか感動的だった。

まずは花だ
我々の目的は言うまでもなく滝なのだが、第一の目的である大ザレの滝に向かうまでに、佐渡の観光地である二ツ亀、大野亀という岬を通る。ここは、5月下旬から6月上旬までトビシマカンゾウという黄色い花が群生する場所で、1ヶ月遅かったのだがまだ咲いていることを期待して寄ってみた。
見事に草っ原だけになっていた。
だが、岩ユリらしいものやらなにやらを見ることができた。
ちなみにトビシマカンゾウが満開の頃の画像は佐渡観光協会のページで見ることができる。

    
  二ツ亀オートキャンプ場で撮影した花。名まえはこれから調べます〜。




大ザレの滝
上に見えるのが海府大橋。
スパーンと落ちる気持ちのいい滝だ。
海沿いの滝だというのに、
岩盤がものすごく固そうで美しい。




大きさ比較なんですが。
赤い○の中にダンナがいる。
膝から上が写っているのだが、
豆粒より小さいのでわからない。




ゴミの溜まる滝前。
ゴミと言っても海から打ち上げられた
主に魚網である。
滝つぼは浅い。
水は川になって海にそそぐ、と言いたいが、
なんと、石ころの下にもぐって消えて
しまっていた。
伏流って、こういう場合も言うのか。




滝の中ほど。
岩盤が綺麗だ。




落ち口。
水量の多い時ではないと思うが、
弾けていた。




右に寄って撮影。
橋と滝の距離が分かる。






壮絶な下におりる道でみつけた
唯一の清涼剤。
クルマユリ。




海岸にはすでに実になっている
ハマナスがたくさんあった。
ついに大ザレに挑戦
大野亀を過ぎて少し自動車を走らせると、大ザレの滝がかかる場所に出る。
大ザレの滝は滝好きだったら知っているのだが、かなり高い場所に道路があり、その上に海府大橋がかかっている。橋から落ち口を見るのは容易なのだが、滝自体を見るには船で行くしかない、という滝なのである。
だが、よくよく調べると、本当に滝つぼである海岸に絶対に下りられないわけではないらしい。色々な方から情報をいただき、最終的には佐渡市の観光課に問い合わせて「海府大橋の大野亀寄りにある柿畑の中に海岸に行く道があるらしいが、表示していないのでわかりにくい」という回答を得た。道があることはあるのだ。
確かに海府大橋の手前に柿畑があった。細いが道もある。コンクリート舗装の立派な道じゃないの。
  
佐渡一周線は大野亀から岩谷口まで自動車がギリギリすれ違えるくらいの細い道だ。柿畑の向かいに退避スペースがあるので、そこに駐車する。赤い矢印に海府大橋が見える。この写真は大野亀から海府大橋に向かう方向で撮影している。

  
上の場所から振り返って撮影。赤い矢印の場所に道がある。
と、いうことで、とりあえずトレッキングシューズに履き替えて、飲み物とカメラだけ持って歩き始めた。
道は柿畑の縁にそって伸びている。が、途中で柿畑の真ん中になってしまい、ぷっつり途切れた。あれれれれ。ちっとも海岸になんか行かないではないか。
少し離れた所で柿畑の持ち主らしいおじさんが下草を払う作業をしていた。近くに寄って大声で尋ねてみる。
「市役所に聞いたら柿畑に海岸に下りられる道があると教えてくれたんですが」
おじさんは機械を止めて、
「あるにはあるが、藪だよ」
と顔をしかめた。
「藪でも大丈夫です。行きます」
「マムシがいるよ」
「いや、その大ザレの滝を見るために佐渡に来たから行きます」
「そんなに言うんなら教えてあげるよ」
今来た柿畑の道をずっと戻り、ちょうど突き当たりにある茂みのあたりに道があるはずだ、という。道は柿畑にそってぐるっと曲がっているのだが、道が柿畑の真ん中に入ったあたりから振り返ってみてこんもり茂った草の中、海方面にむかって、というわけである。
お礼を言って作業を中断させたことを謝って、教えられた場所に行った。
げ。本当に藪だ。
一見したくらいではそこに道があるのかさえ分からない。
注意深く探ってみて、どうも踏み跡があるかもしれないなぁ、という草ぼうぼうの場所なのである。しかし、それが道だというのなら、行かねばなるまい。
道、もしくは草の中、歩き出した。
  
入り口。わはははは。ただの草薮にしか見えない。
いや、すごかった。藪こぎの経験が無いわけではないが、こんなにとんでもないのは初めてだった。先頭を行くダンナはカメラの三脚を振り回して草を薙いでいく。それでも棘のある草があちこちにあって「いてててて、いてててて」と言いながら進む。
なんだかわからないが一見毛虫みたいに見える米粒大の草の種がびっしりとTシャツについて全身総毛立つ。
うっすらとついている踏み跡を進んで行くと、小さな沢に出た。ほんのちょっぴり水が流れている程度の沢である。そこで踏み跡がわからなくなった。
どうも沢に沿って下るらしい。
沢のほうがむしろ草がなくて楽かと思っていたら、草の勢いは甘くなく、沢を覆うようなトンネルになったりしていた。トンネルの中はくもの巣だのなんだかわからない虫だのがうぞうぞいて気持ち悪い。トンネル状になっている場所を回避するように外側にルートを取ると2メートルはあるかと思われる草が阻み、しかもどこから崖になっているのかわからない。
考えてみて欲しい。大ザレの滝は落差70メートル。その上にかかる海府大橋となると海面から100メートルくらい高さはあるはずだ。柿畑はその海府大橋と同じかむしろ高いレベルにあったので、そこから海岸に下りるとなると、簡単では済まないのである。

ヤバイ
まして、今は夏草の季節。簡単で済まない上に困難までオマケについている。
しかも。虻がブンブン飛んで来る。いつまでたってもまとわり着く。やだなぁと思っていたら、頭にチクンと感じた。刺された。帽子の大きさを調節する穴、あの穴のあたりをチクン、チクンと2度刺した。
「あなたー、虻に刺されたかもしんない」
「何、大丈夫か?」
これが結構大丈夫だった。そのチクンチクンだけであとは痛くも痒くもなかった。
続いて、草のトンネルを突き進んでいたダンナが
「うわっ、ヤバイ」
と言って走りだした。
「え、何?」
すぐ後ろにいた私には何がなにやら・・・すぐに分かった。
蜂である。ついさっき目撃したのだが、草に蜂が巣を作っているのだ。ダンナはその巣をどうにかしたらしい。何匹も蜂が出てきた。
「ぎゃっ」
と、本当に叫んだ。私も走った。
幸い蜂は追ってはこなかった。
走ると言っても草だらけで数歩くらいしか行けないのだ。ものすごく怖かった。
ダンナが刺された、と言った。
「大丈夫なの?」
大丈夫だったらしい。やっぱりチクっとしただけで痛くも痒くもないらしい。夫婦して強靭な皮膚をしている。というより、かなりラッキーだったのかもしれない。あのあたりでスズメバチも見たので、もしスズメバチに刺されていたらアウトである。蜂どころかマムシもいるっていうじゃないの。
なんだか泣きたくなったが、そうまでして途中撤退というのもイヤである。
草の間から時々見える海はかなり近くまで来ているのである。
しばらく同じ感じでダンナが草を払いながら進んだ。汗びっしょり。このまま遭難するのかと、先週に引き続き思った。だが、踏み跡はうっすらながらもついているし、時々ペットボトルなども落ちている。普段ならゴミ捨てるなよ、と思うところだが、ゴミでも先人が進んだ道だと教えてくれる。
「フナムシ?」
ふいにダンナがつぶやいた。
「あ、海岸だからフナムシがいていいのか」
やたらうぞうぞ走り回る虫の中にフナムシがまざっていたのが、ゴールの知らせだった。
藪がとぎれ、ポンっと石ころと岩の海岸に出た。

念願の大ザレの滝
つ、着いた。永遠に着かないのかと思っていた。
とにかく岩にへたりこんで一休みした。
この地点からは大ザレの滝は見えない。なんとか海府大橋の赤い色は見える。あの下に滝があるのだから、あとは海岸沿いに歩けばいい。ざっと見て1キロほどか。
  
下りた場所から海府大橋側を撮影。矢印の先が橋。

  
下りた場所から橋とは反対側を撮影。岩場である。
足元はこぶしを2つ並べたくらいの大きさの石が敷き詰められた海岸である。かなり歩きづらいが、棘つきの草よりはずっとマシである。波打ち際に近い場所は砂利と砂の中間のような所もあったが、こちらも足がとられて歩きづらかった。
海岸は日本のゴミと韓国のゴミが混ざり合って打ち上げられていた。水は綺麗なのだが、海岸としてはお世辞にも綺麗とは言えない。
だいぶ歩いても大ザレの滝は見えない。
滝は崖と崖の奥にあるらしい。簡単には姿を見せてくれないのだ。
屏風のように立ちはだかる崖を回って、ようやく滝が姿を見せた。
おお、大きい。
だけど、直接海に落ちる滝なのだと色々な本に書かれている滝だというのに、海からはずいぶん遠くに滝つぼはある。よほどの大潮でもない限り滝が直接海に注ぐことは無いだろう。
だが、待て。
滝のすぐそばに、海から打ち上げられたらしいゴミがある。大きな魚網だのなんだの、景観をなしくずしにしているのだが、それはここまで波が来る証明でもある。
証明はいいが、滝を撮影するにあたっては、はなはだ邪魔な存在だ。
ゴミの近くまで行ってゴミが入らないように滝を撮影すると、海府大橋がものすごく中途半端な位置になってしまうし。
仕方が無いので滝と向かい合って右側に進んで見て、少し高くなっている地面がゴミを隠すような写真を撮影してみたが、どう見ても海に直接落ちる滝ではなくなってしまった。
ある本に海府大橋の相川寄りのたもとから直接滝に降りるルートがあると書いてあったので、そっちが楽ならそっちを帰りにしようと探ってみた。が、下から見上げる限りそれらしい道も踏み跡もなかった。もっとも、我々が来たルートも下から見たらさっぱりわからないのだけど。
頼む、せめてピンクや黄色のリボンを取り付けておいてくれ。
  
戻る時に来た道を撮影。道に見えない(笑)

夏は滝には不向きな季節
滝を撮影し、またあの草と棘と虻と蜂との戦いなのか、とげっそりしつつ引き返した。
下りで死ぬ思いをしたので、登りはどれだけ大変かと恐れをなしていたが、自分たちがつけたふみ跡がはっきりしていたので、かなり楽だった。行きに40分かかった道のりだが、帰りは25分で戻れた。
自動車に戻った時には頭の先からつま先まで汗びっしょりである。
夏は滝を探すのに不向きだ。つくづく痛感した。
気持ちわるい草の種を払って、靴を履き替え、自動車に戻って腕がヒリヒリするのに気がついた。汗が棘でできたひっかき傷にしみて痛いのだ。
もう夏の藪こぎはやめよう。だいたい、佐渡の滝は観光ついでにサラっと見るだけのつもりだったんじゃなかったのか。
下から見上げた海府大橋を渡った場所にスペースがあったので、自動車をとめ、海府大橋から下を覗いてみた。
うわっ、高い。でも、滝は上から見ても仕方がない。
  
相川がわから大野亀がわに向かって海府大橋を撮影。こちらがわに退避スペースがあるので駐車できる。

  
橋から見下ろした大ザレの滝。滝に見えない。

しかし、この高さを下ったことになるのか。つくづくバカである、私たちは。
橋のたもとから下に降りられるルートがあるかもしれないと探してみたが、断崖絶壁でそれらしい入り口もなかった。たぶん我々が行った道がロープや特別な技術がなくても行ける唯一の道なのだろう。いや、特別の根性だけはいる。大ザレの滝を下からを見るのには、根性だけは必要不可欠である。それが無ければ、釣り船をチャーターして海から見るのが一番楽だ。
それにしても、今日のエネルギーを午前中ですべて使って完全に消耗してしまった。
あとは道沿いの滝だけにしよう。そう誓って、自動車を相川方面に発進させた。

                                  佐渡の滝めぐりAにつづく
交通
二ツ亀
両津港のフェリー乗り場から右に曲がって佐渡一周線に乗る。常に二ツ亀とかはじき野フィールドパークとかの案内が出ているので迷わない。
港を出て30分強で着く。
海府大橋
二ツ亀からさらに海岸沿いの佐渡一周線を走り、細くなっている道を進んで行くと現れる赤い橋。この下が大ザレの滝である。
大ザレの滝
行き方については本文中を参考にしてください。本当にオススメできないルートなので、この欄では説明いたしません。
  

海府大橋から海に向かって覗き込んで、右側の風景が上の写真で、おおむね赤いラインのルートを通って滝に近づいた。
草の茂る季節の場合は刈込みが全くされていないので、柄の長い鎌などがあったほうがいいかもしれない。軍手、長靴、種のくっつきにくい長袖の上着、虻蜂の対策としての帽子や薬、またマムシに噛まれた場合の緊急連絡道具も必携。
とにかく、近づかないほうがよいルートです。
我々が行った時にも大ザレの滝のすぐ前の海で漁をしている小船があったので、近くの漁村から船がチャーターできると思う。問い合わせて、船から上陸することをオススメします。
佐渡観光協会


新潟日報社の「新潟の名水」で写真で紹介されている滝への道はおそらく我々が利用した道である。
東方出版の「続日本の滝200選」で海府大橋の相川寄り付け根の所から健脚者であれば下降できると書かれているが、覗き込んでみたが無理だ。ザイルと、それを利用した下降の経験が必要である。健脚だけではいかんともしがたいルートである。


2005年夏、佐渡の滝めぐりA
2005年夏、佐渡の滝めぐりB
2005年秋、佐渡の滝めぐり@
2005年秋、佐渡の滝めぐりA


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