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十郎滝
両側に崖が迫り、滝の向こうは
明るい緑が見える。
滝を含めた空間が完結された感じだ。
滝に打たれて母の病が治ることを
祈願した孝行息子の名をとって
十郎滝とした、と
案内板にあった。



大きさ比較。
ダンナは滝つぼよりやや手前に
立っている。




滝つぼ。
かなり浅い。
豪快に落ちるというよりは、
優美に落ちるという印象だ。




ヤマホタルブクロが
入り口ちかくにたくさん咲いていた。








こちらはどうでもいいダム(こらこら)
久知川ダムにあった花。
もしやトビシマカンゾウでは、と
思ったが、大きさからいうと
ニッコウキスゲらしい。



ダンナのカメラなので発色が違うが、
上の花と同じものである。
ニッコウキスゲとトビシマカンゾウは
瓜二つなのだが、
大きさがちがうのだそうだ。
トビシマカンゾウは、かなり大きい。
2005/7/17  佐渡の滝めぐり そのB 
           十郎滝(落差15m) 佐渡市(旧真野町)

佐和田町の回転すし店で空腹を充分すぎるほど満たし、我々は佐渡の滝の最後を締める十郎滝を目指した。
とにかく、大ザレの滝で体力を使い果たしたので、簡単に行ける滝しか眼中にない。十郎滝は徒歩10分というから、簡単に行ける滝のはずだ。
新潟県内唯一の五重の塔という触れ込みの「妙宣寺」を素通りし、滝を目指す。案内がしっかりしていて、思いのほか簡単に滝の入り口に着いた。
入り口は林道の道路沿いである。水音が近いから沢はすぐそばだ。
そばなんだけどなぁ。
我々の前にはまたしても見事に藪が広がっていた。
いや、しかし、大ザレの滝の藪に比べたら赤ちゃんみたいに可愛い藪である。その下にちゃんと階段状に作られた道も見えているじゃないか。
  
立派な看板があるのだが、

  
滝に至る道は草ぼうぼうだ。
河原まで坂を下って行く。雑草がぼうぼうと生えているのだが、ちゃんと足場は階段状になっているので、道なき道よりは安心だ。少しすると、その歩道が崩落したのが、アルミ製の橋がかかっていた。滑り止めが作られていたのだが、滑りやすくて、雑草ぼうぼうの道よりもずっと危険だった。
河原に出ると、滝が見えるだろうと思っていたが、見えない。案内もない。ま、当然上流に向かうのだろう。足跡もあるし。
  
沢の近くで足場のような道になる。

  
あとは上流に向かって歩くだけ。
そこから先は道らしい道にはなっていない。踏み跡程度である。
この季節、ほんとーーーーっにくもの巣が多かった。しかも巨大である。ダンナが三脚を振り回してくもの巣を壊してから進むのだが、ちょっとその道をはずれるとくもの巣だらけ。ダンナの三脚はネバネバした白い糸まみれになってしまった。
河原に出て5分ほど上流に向かって歩くと滝が見えた。
これは綺麗な滝である。
二条の滝だとばかり思っていたが、三本の水流が落ちている。
予想した以上に立派な滝だった。竹田川本流がそのまま落ちている滝だが、川自体はそれほど大きな川ではないので、滝つぼも深くない。流木が2本流されて突き刺さっていた。
充分に滝を堪能して、さて、林道に戻るぞ。戻るときには、さっき払ったからくもの巣は無いと思っていたが、敵も必死で食料を得ようとしているから、修復が早い、結局くもの巣まみれになり、徒歩5分と登り5分で汗まみれになって、自動車に戻った。
そんなに大変な道ではないはずなのに、ぜえぜえ息が切れた。
もう滝はいい。もう藪もいい。
あとは、湧き水と温泉だけだ。
あ、ちょっと待て、行きに通り過ぎた五重の塔だけは見て行こう。と、いきなり観光モードになって、妙宣寺に寄る。なかなか趣のあるいいお寺でした。
  
新潟県内唯一の五重の塔で国の重文である、とパンフレットに書いてあったが、五重の塔の前にはそういった説明はなかった。

  
山門も茅葺屋根で趣がある。
と、いうことで、今度は本当に、佐渡の名水「鰐清水」を目指した。
十郎滝からは、県道81号線佐渡縦貫道路を使って赤泊まで行けば近い。地図上ではそうなっている。そうなっているから、その道を選択した。
とんでもない道だった。
どうもどんどん山を登って行くのでイヤな予感がしていたのだが、途中からすれ違いも困難なほどの完全な林道に変化してしまった。
今回の足は私の軽自動車なので、馬力がない。ダンナがえーいとばかりにローギアで坂を登るのを見てマズイと思った。
ガソリンが残り少ないのである。
私の自動車、エアコンを入れると極端に燃費が悪くなる。そのうえローで登らなければならないような坂とくると、目に見えてガソリンを消費するだろう。この山道、ガソリンスタンドなどあるわけがない。
赤泊に着けばなんとか開いているスタンドくらいはありそうなのだが、その赤泊までどれほどの距離あるのか、さっぱりわからない。
しかも、「鰐清水」の目印になっている「爪の沢キャンプ場」へ進む道が通行止めで、かなり迂回していかなくてはならないようになっていた。
「戻ろう」
ガス欠でフェリーに乗り遅れるなんてバカな真似だけはしたくなかった。
残念だが、「鰐清水」はあきらめた。佐渡の清水は次回にお預けである。
今来た林道というべき県道を戻り、真野と両津を結ぶ県道65号に復活する。この道路沿いには日帰り入浴施設が何軒かある。とりあえず一番最初にあった温泉に入った。(温泉のレポはこちら

温泉に入ってさっぱりしたのはいいが、「鰐清水」に行かなかった分、時間が1時間ほど余ってしまった。なんか、めちゃくちゃもったいない時間である。さりとて、また滝に向かって汗まみれになるのもまっぴらだ。
どうにもこうにも時間が潰せずに両津港まで行き、姫崎に向かってやみくもに自動車を走らせた。平地であれば燃費のいい我が軽は、ガソリンの残量を気にしなくてもいい状態になっていた。
だが、どうも海よりも山の人間なので、ついダムの表示を見て自動車を右折させてしまった。
どうでもいいダム(こらこら)に着き、全く無人のダム湖を見た。滝のありそうな気配が無いのが残念だった。

そんなこんなで時間を潰して、午後5時半に港に入り、少し早いがターミナルで夕食をすませて乗船した。
帰りのフェリーは行きのフェリーよりもかなり大きく、しかも混雑していた。無理やり寝るスペースを確保して、またしても寝てしまった。もうちょっと船旅をエンジョイしてもよかろうとは思うのだが、とにかく疲れていた。ぐっすり眠れた。
気がつくと、もう窓の外は真っ暗ですでに新潟港の光が見えていた。
いやはや、ものすごい一日だった。
佐渡を駆け抜けた感じである。忙しいったらありゃしない。
まだまだ見残しばかりの佐渡である。また、必ず佐渡に行くだろう。一度行ってしまえば、ずっと近く感じるものだ。
それにしても、佐渡ケ島。海のすぐそばまで山が迫っていて、また川もたくさんあって、滝をいくらでも隠していそうな気配の島である。滝好きにとって、宝の島なのかも、という気がしてきたのだった。
交通
妙宣寺  
両津港を出て姫崎方面に曲がり、県道65号に入る。真野方面に向かって道なりに走り、県道190号が出てきたら左へ。道沿いに「妙宣寺」という案内が出ているので間違わないと思う。
県道に入ってしばらく進むと、右側に茅葺の山門が見える。
十郎滝
妙宣寺を右手にみて、そのまま通り過ぎ、道が少々狭くなっても進んで行くと下の写真のような案内看板がある所に出る。
  
写真では分かりづらいがちゃんと十郎滝の矢印もある。
矢印に従ってさらに細い道へと左折する。
しばらく走ると広域農道と交差するがここでも直進(ちょっと道はずれて交差しているが)。
やがて左側に右欄の写真のような石の表示と佐渡100選の看板がある。
道は狭いので、ここから少し進んで、左手に竹林があるあたりに退避スペースがあるので、そこに駐車。
徒歩で戻って看板のそばの下り口から沢に下りて行く。
沢に下りるまでが5分、沢から上流に進んで5分くらいの場所に滝は落ちている。
足場は悪くないが滑りやすい。滝の直下に行きたければ長靴がいいかもしれない。


オマケ
佐渡のコンビニ  実は佐渡にはコンビニは無いと思っていた(すすすす、すみません〜)。 我々はヘンなルートで走ったので、それほど見なかったのかもしれないが、相川と佐和田にセーブオンがしっかりありました。お昼のおにぎりの調達はできます。
佐渡のガソリンスタンド  見事に日曜日がお休みです。夜もきっと遅くまでやっていないと思う。地域に数件、日曜や夜間でも開店しているスタンドがあるかもしれないが、注意が必要である。

2005年夏、佐渡の滝めぐり@
2005年夏、佐渡の滝めぐりA
2005年秋、佐渡の滝めぐり@
2005年秋、佐渡の滝めぐりA



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