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番外

 の山

2007/9/2  多宝山(たほうざん) 標高633.8m 新潟市
人間は必ずソウルマウンテンというのを持っているそうである。
いったい何でそんな話を聞いたのかは忘れてしまったが、心の山があるというのは頷ける。
心の原風景の中にある山がソウルマウンテンとするなら、たとえ大草原の真ん中で育った人であっても山を一つくらい心の中に持っているだろう。想像上の山でもいいのである。
さて、私だが、想像上の山ではなく、きっちりとしたソウルマウンテンがある。
弥彦山だ。
育った家の窓から水田の稲穂の波の向こうに弥彦山のふたこぶの姿が見えた。学校に行くのに毎日その山を見ていた。
そして、今住んでいる家の窓からも向かいの家並みの間から弥彦山が見える。今日の天気や明日の天気を弥彦山にかかる雲で占っていたりする。
ところで、大人になってかなりたっても、私は自分の見ているふたこぶの山全体が弥彦山だとばかり思っていた。いや、稲穂の波の向こうに見える日本海との間につらなっている山なみが全部弥彦山だと思っていた。
しかし、それはとんでもない間違いで、おおざっぱに数えても5つの山がある。山に向かって立って、左側から国上山、雨乞山、弥彦山、多宝山、角田山である。一番目立つふたこぶの左側が弥彦山。遠目でも鉄塔がたくさん立っているのがわかるほうだ。そして右側が今回登った多宝山である。どっちが高いか、見た感じではさっぱりわからないが、弥彦山が634mというからほんの20センチの差である。そんなもん、石をいくつか積んだくらいの差でしかない。
それで一方の弥彦山はロープウェイがありスカイラインが通り、頂上には小さな遊園地まである。新潟県の一大行楽地である。
双子の一方とも言える多宝山にはただ気象庁の建物があるだけで、人もほとんど行かない。
神様が20センチの差で弥彦山に降りたわけではないだろうけど、不思議な格差を持った双子山である。
そんな双子山のマイナーな一方に登ることになったのは、毎度の理由なのだがダンナのヘルニア手術後のリハビリのためだ。なにせ、家から近い。自動車で30分で着いてしまう。ついでに適当な登山時間である。日曜日1日しか休みのない週末に登るのにはこれほど適当な山はないのである。
     夕焼けにシルエットになった弥彦山と多宝山
多宝山の登山口はいくつかあるが、今回は「新潟日帰りファミリー登山」(新潟日報事業社)に載っている石瀬神社コースにした。
少し分かりづらい場所にあるが、県道2号に県道223号が突き当たる信号のある交差点を山側に(お寺がわに)入って行き、ちょっとだけ右にカーブしてすぐに左折して林道になる。この林道をずんずん進むと大きなカーブの突端に左の写真のようなコンクリートの休憩場がある。
登山口は左の写真を撮っている私の背中がわ、右の写真のカーブミラーの横だ。
夏場は雑草に埋もれていて、本当に登山道なのか疑う。
9時50分 登山開始
細い仕事道のような登山道だ。両側にキバナノアキギリのつぼみをつけた草がイヤっていうほどあった。
もう1週間もすれば、黄色い花が咲き乱れるだろう。
それにしても、草の勢いがすごい。
時折、水が染み出ていて、沢の中を歩くような感じになる。
だが、急な場所は階段が設置されていて、整備はされている。
10時06分 石瀬峠到着。
ここで弥彦スカイラインと接触しそうなほど近くになる。
15分節約したければ、スカイラインに路上駐車してここから登ることもできる。
しかし、我々は初めてだったので、右がわの登り階段しか目にはいらずにそっちに登るつもりだった。
ところが、後続の人が右写真の案内版のすぐ脇にある草むらに突入する。
え、そっちですか?と聞きながら見てみると、ちゃんと階段かあった。
もともとはもっと分かりやすい場所に登り口があのだが、階段の場所が変わった、と教えてくれた。
この人がいなければ、逆方向に上って、岩室の丸小山公園に行ってしまうところだった。
で、これがその草むらに隠れて見えなかった階段。
よくよく案内版を見れば分かるんですけどね。
階段を登りきるとなだらかな登りのぶな林になる。
ここにはツルリンドウやクルマバハグマがたくさんあった。
10時25分 山頂まで1.7キロ。
この先は急な登りになり、ロープが設置されている。登る時より下りる時に有効なロープだ。
結構長い急坂をロープを頼らずに登る。
10時40分 山頂まで1.3キロ。
なぜか道が左右に分かれているのだが、矢印どおりに行くべきだと思いそちらに進んだ。
すると急な階段が出現。
ひいこら言って登って行くとさっきわかれたとおぼしき道が合流していた。
さて、あっちの道のほうが楽だったんだろうか。
結局帰りも階段側を選択したけれど。
10時50分 山頂まで1.1キロ。
ほぼ水平でなだらかなブナ林の道を進む。
ときおりクサボタンなどが咲いていた。
11時08分 山頂まで0.6キロ。
あいかわらずブナの林の中だ。もう花が終わっていたので何かわからなかったのだが、かなりたくさん花が咲くらしい葉っぱがあった。春はにぎやかな山のようだ。
11時20分 いきなり林を飛び出して右の写真のような広い道に出た。重機でむりやり切り開いたような、広いがゴロゴロした泥だらけの道である。
左写真のような標識があり、多宝山山頂までは左に進み、332メートル先だと書いてあった。
11時21分 山頂まで0.3キロ。
重機で作った道は右に大きくカーブして、その先には横木を渡した階段がつけられていた。この手前あたりで石瀬峠で我々を追い越して行った登山者とすれ違う。もう下っているのか〜。なんだか一周遅れになった気分である。
ものすごく上りづらい泥っぽい階段をひいこら言って登る。途中にホツツジが咲いていたのが慰めである。
階段を登り終えるとまるで林道のような真っ直ぐな道になる。
11時30分 その道も最後にちょっとひと登りしてすぐに山頂になった。
まるで知識はなかったのだが、一等三角点がある山だった。ちょっとびっくり。
山頂の眺望はまるでない。いや、木々の間にちょろっとだけ越後平野が見える部分がある。
では、双子山の弥彦の山頂は見えるかと探してみたら、こちらも木々の間から、わずかに鉄塔が見えた。(右写真、赤い矢印の先)
もう少し弥彦がわに下って行ったら眺望のよい場所があったのかもしれないが、とんでもなく賑やかな一行がそちらの道付近を占拠していて近づきがたかった。
広くない山頂にドドーンと建っているのがこの気象庁の施設である。高いフェンスに囲われているので、中に入れないのだが、あの屋上に行ったら眺望が望めるのになぁとちょっと残念。
ちなみに、弥彦山の山頂付近からはこの施設がとてもよく見える。
その施設の裏になんだかわからない背の高い植物発見。なんじゃ、こりゃ。
そんな色気のない山頂なのだが、蝶はやたらたくさん飛んでいた。
特にキアゲハがざっと見ただけで10頭近く。
ところがほとんどとまらない。
他にもカラスアゲハやモンキアゲハなど大型の蝶が追いかけっこをしているのだが、とにかくすばやく飛ぶばかり。
あまり写真にできなかった。
12時33分 下山開始 われわれが昼食をとっている間に数人の登山者が来た。
12時44分 分岐通過。登山道に行かずに、100メートル下って清水を見てみることにする。ところが、登山道より下の重機の作った道はほとんど人が歩かない道なのでドロドロ具合が激しい。しかも、道の途中から水が湧き出していたりして、さらにドロドロになっている。下ったのを後悔したりして。
12時46分 清水到着 本当に冷たい水だった。なぜ山頂直下でこんなに冷たい湧き水があるのか。水の出ているあたりにトリカブトがあった。
12時53分 分岐に戻る。ここでものすごく賑やかな一行が先に登山道を下るのを発見。一行とおもいきや、おばさん2人だった。あの賑やかさで2人だとぉ。
13時05分 0.6キロ標識
13時15分 1.1キロ標識
13時22分 1.3キロ標識 このあたりで雨がぽつぽつ降りはじめた。
それにしても、ものすごく賑やかなのにおばさん2人はとても早い。声はすれどもとても追いつかない。
13時36分 1.7キロ標識 ここの直前の急坂はロープがとても助かった。
13時46分 石瀬峠到着 ここでおばさんたちはもう一登りするコースに向かった。きっと丸小山公園から登って来たのだろう。
14時00分 駐車場到着。雨はすっかりやんでしまっていた。

というわけでリハビリでもない限り夏場に登ろうとは思わない多宝山に登ることになったのだが、登ってよかったな、と思う。
というのも、この山は季節ごとの花がものすごい山らしいぞ、というのがわかったこと。
それから、この山には蝶も豊富だぞ、というのがわかったこと。
春には多少混雑する山ではあるらしいが、それでも有名になってしまった角田山や手軽な国上山、観光地である弥彦山よりは静かなんじゃないだろうか。(推測だけど) 我が家から近い場所に定番の足慣らしコースを見つけたような気分だった。


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