番外

 の山

2010/5/3  塩の道 塩の道資料館から白池まで  
山というカテゴリーにとりあえず入れているが、塩の道は山ではないです。
しかし、実を言うと、この日は山に登るつもりでいた。GWくらいになると出没する蝶を求めて糸魚川市に行ったついでに登れそうな山に登るつもりで探して、戸倉山という標高975.5メートルの山にめぼしをつけていたのである。
で、毎度おなじみ、行けばわかる、と自動車を走らせ、自動車を置く場所になっている「原の館」という市の研修施設を探した。
しかし、見事にわからなかった。
で、いちいち案内が出ていた「塩の道資料館」に入り、受付の方に「原の館」の場所を聞くことにした。
ところが、受付の人は「原の館」を知らなかった。変だなぁ、戸倉山に登るには塩の道も一部通るのだと登山のガイドブックに書いてあったのに。それが資料館の人が知らないということがあるだろうか。
もっとも、受付の人は委託の村のおばちゃん、といった感じの人で、ガイドブックに載っている正式名称ではかえって分からないのかもしれない。
で、質問を変えてみた。戸倉山に登りたいのだ、と。
すると、資料館の中に入れてくれて、ざっとした標高差の分かる案内を示し、ここから杉まで歩く。杉から白池まで歩く。さらに山まで歩く。しかも、白池まではまだ雪がある、と教えてくれた。自動車は資料館の駐車場においていいそうだ。
さて、ここでまた我々の勘違いがはじまった。
なーんだ、きっと原の館とこのガイドブックに書いてあるのは、「塩の道資料館」の間違いなんだ。地元の人が自動車はここまでで、あとは歩いて登るのだ、と言っているから間違いないのだ。いや、間違いだったんだけど。(ガイドブックの名誉のために書いておきますが、細かい字をきちんと読んでいれば、資料館と原の館は徒歩1時間ほど離れているとわかります)
勝手に理解して、自動車をそこにおき、「白池まで行ってみます」と言って歩き出した。
ガイドブックには「原の館」から白池まで車道を20分、とあるので、簡単に着くだろう。うん、出発地点さえ間違っていなかったらね。
左写真が「塩の道資料館」。100円で茅葺の民家の中に小さな展示スペースに展示してあるものを見られる。我々は道を聞いたついでに中に入ってしまった。ただ見である。すみません。
12時10分 なにせ、歩いて20分くらいに白池があると信じているので、そこで昼食にしようと空腹のまま歩きはじめる。
塩の道はそこここに道標が立っていて、比較的わかりやすい。
だいたい自動車1台が通れるような広さの道だ。
おお、目の前に雄大な風景が。
駒ケ岳かなぁ。時代劇にでも使えそうな風景である。
5分も村内の舗装された道を歩くと、やがて右写真の「山口簡易水道組合」と書かれた建物の前を通る道になる。
このあたりから舗装されていない林道風の道になる。
集落を少し離れただけで、ぐっと山っぽくなった。
遠くに雨飾山の姿が見られる。
それにしても、なにやらの杉があるはずなんだが、なかなか出てこない。
ぱったり道標もなくなって、別の道に入り込んだんじゃないか、と心配になったあたりで、右写真の杉が登場した。
大サイの神、と書かれている。
12時30分 おや、もう20分歩いているが、中間地点の杉に到着しただけで、白池が出てこないぞ。しかも、道標にはいっこうに次は白池といった感じの案内もないし。
しまいに道が雪でふさがれる箇所も出てきた。
もっとも硬くしまった雪なので、歩いてももぐらない。
12時45分 さらに15分歩いて、そろそろ白池かしらん、と思ったら、「日向茶屋」という案内が。
峠の茶屋の土台が残されている。
ちょっと待てよ、いくら我々が歩きがトロいからといって、倍も歩いても着かないとはどういう事?塩の道を確実に歩いているのに。
12時55分 絶望的になったあたりで、遠くに小屋の屋根みたいなのが見えた。おお、白池だ、白池だ。白池にはトイレとかがあるから、あの屋根はトイレの屋根にちがいない。
喜んで行ってみると、なんか、水が無い。ひからびたくぼ地にミズバショウが咲いている。
小屋の前の看板には「恵穂エリア」とあった。え、白池じゃないの?
この案内看板にも白池の図が無い。
しかし、道が白池線というのがあって、どうもそっちがわに行くらしい。
だが、空腹が限界。
幸い木道がくぼ地につけられていて、そこをベンチに昼食にできそうだ。

完全独り占めの「恵穂エリア」からの風景。
斜めに見えるのはくぼ地の中の木道から撮影したからです。
右端が雨飾山。左がわは、海谷山塊だそうだ。
白池ではなかっだか、ミズバショウやら素晴らしい山々のパノラマを見ることができたので、満足した。
でも、やっぱり一応は白池を拝んでおかないと、何しに来たんだか、さっぱりわからない。
と、いうことで、案内図にあった白池線へ行く。
塩の道も平行しているようだが、雪がひどい様子だったので、林道から白池方面に歩くことにした。
13時40分 恵穂出発。
さすがに標高が高くなったので、雪が出てくる頻度が高くなった。
このあたりで山菜取りらしい人とすれ違って、人がいることにびっくり。
恵穂を出て10分ほどでものすごく立派にアスファルト舗装された広い道に出てしまった。
ええー、今度は何?塩の道はどうなったの。
しかし、とりあえずその立派な舗装道路を登る方向に歩いて行くと、登山の格好をした人たちに出会った。
白池はこの先かと訪ねると、もうすぐだとの返事。5分とは言わないが、10分も歩けば白池だそうだ。
それから、少し歩いたところで、またまた今度は軽装の小犬をつれた家族連れとすれ違う。うむ、あの人たちがあんなに簡単な格好で足の短いダックスフンドを連れて来られるんだから、あのアスファルトの舗装道路こそ本当の白池までの道だったに違いない。
ここまできて、ようやく出発地点を大幅に間違ったことに気がついた。
14時05分 白池到着。
白池はこじんまりとした池だが、水の色が独特で美しい。
しかも、雨飾山を写して、ものすごく綺麗だ。
ミョウバンが溶け出して、この色を作っているらしい。
池のほとりに湧き水が出ている場所があって、これがまた冷たくて美味しい。ああ、最初から楽にこられればもっとよかったのに。
左は逆さ雨飾山。
右はボッカ宿の跡。ここに塩の道で物を運んだボッカたちの宿があったのだそうだが、大雪崩のために無くなってしまった。たくさんの人が亡くなったらしい。
穏やかに見える場所だが、やっぱり冬は厳しい。
白池で小休止のあと、恵穂エリアまで戻って、塩の道沿いにあるブナの大木に立ち寄る。ちょっと中に入った場所に立っているので目立たないが大きなブナだ。
例の立派なアスファルトの道がどこに通じて「原の館」がどこにあるのか確認したい気もしたが、つい昨日下山は別の道を選んでまったく違う場所に出てしまった痛い経験があるので、今日は来た道を戻ることにした。
14時50分 大サイの神
15時05分 塩の道資料館到着。
ご苦労さまでした。

あとあとよく調べたら、「原の館」というのはどうも古い情報のようで、現在は雨飾山麓白池の森になっていて、(もしくは、白池の森の中に「原の館」があるのかも)白池の森が戸倉山の登山口になっている。白池の森等糸魚川市根知地区のマップはこちらから。
2日連続でいったい我々はどこを歩いているんだ、という状態になってしまったが、歩けば歩いただけ何かしらの発見はあるもので。
白池の森ができてからは、きっと塩の道資料館から白池までの塩の道を歩く人はほとんどいないだろう。(たぶん) この季節には、少しではあるがイワウチワが咲いていたりするのよ、この道は。恵穂はとても静かで、虫も少なくて、昼食にはもってこいよ。
などと負け惜しみ。
みなさん、登山する際は、とにかくガイドブックを隅々まで読み込んで、さらには、色々なサイトで勉強してから望むようにしましょう。

塩の道資料館
  北陸自動車道糸魚川ICを下りて、国道148号を長野方面へと南下。しばらく走って、根知谷入り口の交差点で県道225号に入る。概ねシーサイドバレイスキー場を目指せばよい。あとはスキー場のまん前の道へと右折して、必ず出ている案内看板の通りに進めば茅葺の民家の資料館に着く。戸倉山に登りたい方、白池に楽に行きたい方は、上の根知地区の観光マップを参考にしてください。


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