番外

 の山

2010/6/5(土)  権現堂山 標高997.7m 
6月になった。6月は日没が遅い。我々のような歩みのトロい登山者にとって、日没は最大の敵だ。日の長いこの時期に長時間歩く山にチャレンジしなくてはならない。しかし、まだ6月になって最初の週末、体がちっとも出来上がっていない。
しかも、今年は山間部は雪が多い。下手に魚沼だの妙高だのの高い山に行ってしまったら、山慣れしていない我々は遭難してしまうかもしれない。
そんなワケで選んだのが、魚沼でもはじっこで、越後三山の前衛と言われている権現堂山だった。
実はこの山の付近は温泉に行ったり滝に行ったりする際にしょっちゅう通っていたのである。広神不動滝は上権現堂山に登るコースの一つである登山道から見られる滝だったりするので、ほんのちょっとだけかじったことのある山とも言える。
ずっといいお天気が続いた週の土曜日。朝起きると雨だった。うそ〜ん。
天気予報は回復傾向で降水確率もそれほど高くない。とりあえず登山口まで行ってみることにした。お天気のよさそうな方向の山をいまさらチョイスしなおしては、準備不足でまた迷いかねないからだ。
家を午前7時過ぎに出発して、登山口である戸隠渓流歴史公園に到着したのが9時少し前。
道路は濡れている。トイレに行ってさあ準備というところで、ザーーーーっと大粒の雨が落ちて来た。
駐車場に数台とまっている自動車の中でも雨をやりすごそうとしている人たちが見てとれる。
さあ、どうする?
        (写真が多いためにサイズを小さくしています。)
ザーっと来た雨は、それきりで、あとは激しくならなかった。
ここから別の山に向かうには移動時間がもったいない。
この空模様なら雨具をつけて出発せざるを得ないなら、雨がやんでもひどくなっても同じこと。
出発してしまおう、ということになった。
8時50分 渓流公園出発。
すぐに神社の鳥居になる。この鳥居をくぐって、石段を登る。
石段を登ると戸隠神社だ。
土日は地元の有志がここでトン汁などをふるまっている、とガイドブックにかかれていたが、今はだれもいない。
右手に登山地図と登山届け、鐘があり、一合目とある。
右側の芝生の小広場を通り越して登山口と書かれた道へと入る。9時ちょうど。
この日は明日が正式な山開きの日にため、広場に小さなステージのようなものが組まれていた。
1分も歩くと、中越コースとの分岐になる。
ここは左側の階段に。
少しの間、神社の裏山といった感じの階段の道になるが、3分も登ると、岩っぽい感じになってきた。
9時06分 業の秤(ごうのはかり)
ここから戸隠神社の赤い鳥居などが見下ろせる。
雨がやむのを待っていたらしい登山者が石段を登るのが見えた。
業の秤から先は、低い木が繁る中を進む。
両側がヤマツヅジで、ちょうど赤い花が見頃だったのだが、雨つゆで濡れていて、それが道を覆っているものだから雨に打たれるくらい濡れてしまった。
低いツツジなどの木ばかりて、足元も岩っぽいので、高山に登ったような錯覚に陥る。
とにかく両側からのつゆがすごい。
9時23分 三合目。登山道の途中にポツンとあるような感じの場所だ。
ここのあたりから登山道の角度が急になってきた。
岩と泥が混ざって、滑りやすい。
9時35分 4合目。
男性2人組みが休憩中。われわれはとりあえず5合目で休むことにして、先に進む。
4合目から先はそれほど急な登りがなく、雑木林の中を歩いている感じだ。
9時46分 五合目。
道の途中、といった感じの場所で、休憩にはそぐわない感じだった。仕方がないので、水分補給だけして、先に進む。
相変わらず緩急の登りを繰り返し、ブナの林に入って行く。
10時01分 六合目。
ずっと地味にブナ林を登って行く。
時折急な登りもあるのだが、緩やかな場所もあるので、息をつくことができる。
10時07分 七合目。
ここから先が山肌をへつるような道になり、左側にズリ落ちそうな感じでちょっと怖い。木の上に乗ると滑るし。時々崩れているし。イヤな感じの場所だ。
怖い怖いと歩いて行くと、沢のような音がした。
と、見ると、弥三郎清水、と3つも看板が出ている湧き水だ。写真では分かりづらいと思うが、山かと思うくらいの巨大な岩の下がわからどんどんと湧き出ている水で、飲んでみたら冷たくて甘く、雑味も全くない、とても美味しい水だった。ここで雨具を脱いで、小休止。
10時13分。
4合目で追い越した男性2人組みがここで先に行った。
弥三郎清水の先は、その岩を高巻くような感じの急登になる。
それにつけても、この山は、ついにロープを見ることがなかった。
岩の急登などは下る場合はロープがあると手助けになるだろうになぁと思うのだが。いや、事故のもとかもしれないけど。
ほぼ岩をよじ登っているんじゃないか、という感じの急登の連続をクリアすると8合目の標識が現れた。
10時25分。
8合目の標識の奥に行くと大岩の上に出られる。
さえぎるもののない景色が広がっている。
あいにくガスってはいたが、直下の水の引かれた田んぼの光が綺麗だった。
8合目から上もちょっと岩っぽい。
さらには泥っぽい。足元には細心の注意が必要だ。
大岩ほどではないが張り出して眺望のいい岩の上で、男性2人組みが休憩していたので、今度はわれわれが先に。
10時35分 九合目。
少し登ると、左手に「神湯」下り口という標識が。10時39分。小さな祠などもある。
ここから、神湯温泉のほうに行けるらしい。
笹の道をしばらく歩くと、岩がデンデンと並んでいる場所に出た。ここが下権現堂山の山頂。
10時41分。
まず目につくのが山並みの名まえがかかれているプレートだが、その裏側方向に山頂のプレートがついている。
ここで凍らせたゼリーをとって休憩。
追いついて来た男性2人組みは先に行った。
右写真は、米山方向を見た図。
下権現堂山頂は眺望がよい。
晴れていたら、苗場山なども
見えたとか。
反対側の守門岳方面はほぼ雲の中。
本当に今年の登山は眺望に恵まれない。
弥三郎婆の鐘というのがあったので、ひと叩きしてから上権現堂山に出発。
10時48分。
下権現堂山の山頂を出ると、いきなりかなりの急降下になる。
下権現堂から先は刈払いさえされていない状態で、ほぼ藪こぎだ。
木々の枝が露で濡れている上に覆いかぶさるようなので足元が見えない。
だというのに、ものすごい角度で下る。おっかないったらありゃしない。
ふと見ると、雲が北側から湧いてでて、上権現堂山を覆っている。
タムシバは綺麗に咲いていて、邪魔になるくらいに登山道の両脇にあった。
また、イワウチワも現役でたくさん咲いていた。
下権現堂山から中越の分岐までの間にうらじろ平という場所があって、シャクナゲが咲くらしいが、すでに終わっていた。
昔はシャクナゲの時期はあたりが真っ赤になるくらい見事だったそうだが、盗掘にあって数が減ったのだとか。
たしかに、シャクナゲの木は我々も気をつけて探さないと見つけられないくらい少なかった。
まだ下る、まだ下る、とんでもなく下る、と思っていたあたりで、中越の分岐に到着。 11時13分。
あとは上権現堂に向けて登りかな、と思ったら、岩の並ぶ場所に出て、またしても下る。
尾根っぽい場所に来たら、けっこう下界が見下ろせた。
本日2回目の9合目の標識。倒れている上に文字も消えかかって、よくみないと分からない。
11時57分。
実は、この9合目から先が今回の行程で一番しんどかった。樹林帯の中をけっこうな角度でだらだらと登るのである。ひたすら地味に登る。何の変化も無く登る。息が上がり、気力がそぎ落とされる。
もうやだ、と思ったところで、ようやく山頂に到着。
12時15分。
先の男性2人組みも昼食をとっている。
山頂標識のすぐ近くにシートを広げて昼食。
羽虫やらブヨやらワンワンと飛んでいるので、蚊とリ機をすぐ目の前で回す。
それでもまとわり着いてうっとおしい。
山頂の先に弥三郎婆の隠れ跡というのがあったが、そちらには行く気力もなかった。
関東から県境の山がものすごい雨だったのでこの山に変更したのだという三人組が登って来た。
温泉の情報などを話して、我々は先に下山。12時56分。
13時11分 9合目。これから登る人に先は長いのかと訊かれて、いやらしい登りがあると答える。
13時33分 中越分岐。
ここで関東からの三人組が追いついて、どうしようか迷った末に中越コースから下って行った。
我々も少しおいて中越コースを下山。
だって、来た道だと下権現堂までかなり登る必要がある。さすがにそれはイヤだ。
中越コースに入るなり、なんだかジメッとした感じになる。
ブナの林の中を下って行く。
すぐに沢沿いになった。
斜面の関係か、まだ雪が残っている。
ガイドブックなどに残雪時には注意が必要と書かれていたので、雪がコースを隠していないようにと祈る。
沢沿いのコースなので、サンカヨウの若葉があった。雪のすぐそばはまだ咲いていなかったが、標高が下がると咲いているものもあった。
沢を右に左に渡って下って行く。
また、別の合流する沢も渡る。
いったい何度沢を渡ったかわからなくなるほど渡るが、どの沢も渡るに困難なほどの深さも幅もない。
道は概ね緩やかにだらだらと下る単調な道なのだが、泥っぽい急坂もあり、我々も数度転びかかった。
14時19分 もうだいぶ下っただろうなぁ、と思っていたら、やっとこさ5合目の標識が出てきた。
えーーー、まだ五合目〜?
もう少し下ると、ブナの林から過ぎの林に変わり、ちょっとは標高を下げたかな、という気になる。
しかし、中越の分岐から下は、五合目の標識しかないので、いったいどのあたりを歩いているのかさっぱり分からない。
ブナの落ち葉を踏むのがスギの落ち葉に変わっただけで、さらに単調な下りが続く。
左手の沢の水音がかなり大きくなったと思ったら、木々の間からどうやら堰堤らしいものが見えた。
ということは、かなり下って来たのか?
15時05分 錆ついた標識発見。右に行くと戸隠神社。左に行くと中越下山道となんとか読み取れる。
我々は戸隠神社方面へ。
しかし、ここから先が実はかなり怖かった。
左手下に川があり、山肌にへばりつくような道を岩を越えたりしながら進まなければならない。
最後に来てこれは、ちょっと辛い。
15時14分 中越の分岐に到着。
15時20分 駐車スペース到着。ご苦労様でした。
そういえば、トン汁のふるまい、とか無かったなぁ。翌日が山開きのイベントがあるらしいから、土曜はお休みだったかなぁ。
駐車スペース到着後、ちょっと戸隠神社前に流れる小黒川に沿った林道を歩いてみた。
小黒川は綺麗な渓流で、滝といってもよい流れもあった。
登山道から見えた堰堤まで林道は伸びていて、堰堤を巻く感じの道もついていたので、登ってみたら、ヒメシャガが咲いていた。
途中の中越下山道と書かれた分岐からの道がここにつながっているかどうかは不明。
標高的には1000メートルに満たない山なのだが、下権現から上権現とちょっとだけ縦走のような形になるので、歩く距離は長い。
だいたい我々は縦走なんかしようとも思ったことがないので、ピークからいったん下って、さらに登るというのがどうにも慣れない。特に今回で言えば、上権現の最後の登りは、なんてことのない登り坂なのに、足が前にでなくて辛かった。
これが、来た道で戻るしかないのだったら、また下権現に向かって登ってから戻らなければならなかったが、中越コースというのが上権現と下権現の間にあって、登り返すことをしないで同じ駐車スペースに向けて下山できる。ものすごくありがたかった。
ただし、この中越コース、沢沿いを歩くのでじめっぽい。しかも、道標が無い。唯一五合目だけだ。さらに、我々が行った時はすでに雪はコース上になかったが、シャクナゲの季節にはきっと雪がコースを覆っているだろう。すると、目印らしい目印がほとんど無いので、踏み跡を見失うと遭難しかねない。沢の上を雪が覆っていたら、それを踏み抜いて落っこちる可能性もある。残雪時は選ばないほうがいいコースだろう。
この時期、どうもブヨが多いらしく、私もダンナも蚊とリ機を持っていたが、餌食になった。ブヨは弱い人はものすごく腫れたりするらしいので注意が必要。
あわよくばシャクナゲ、と思っていたが、さすがに遅かった。しかし、ツツジもイワウチワも綺麗で、もう少しあとなら中越コースのサンカヨウも綺麗だろう。花が楽しめる山だと思う。

権現堂山 
最寄ICは、関越自動車道小出IC。インターを出たら、国道17号線へ向かう方向とは反対側へと右折する。尾瀬へ向かう方向だ。尾瀬への案内の通りにT字で左折すると、道の駅ゆのたにが左側にある。ここはそのまま直進。やがて国道352号とクロスする。ここを右折すると尾瀬方面だが、権現堂山へは直進する。この道は県道70号で、この先集落内でちょっと込み入るが、とにかく県道70号をはずれないようにする。
旧広神村に入り、しばらく走ると、今泉集落になる。このあたりにはあちこちに名所案内があるので、注意して見落とさないようにすると、戸隠神社とか、小黒川渓流公園とかの案内をみつけられるはずだ。
案内のとおりに県道501号へ右折。けっこうな距離をずんずん進むと、右側に小黒川渓流公園、さらに少し進むと、左側に戸隠神社の駐車場がある。神社の鳥居の前にトイレもある。さらには、石段を登って、社の左側にもトイレがある。


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