番外

 の山

2010/6/12  浅草岳(あさくさだけ) 標高1585.5m 
浅草岳には過去2度登っている。そのどちらも7月に入ってからで、ヒメサユリの頃だった。
この山にはツバメオモトという花があるのを知っていたのだが、7月ではそのほとんどが実になっていて、ぜひとも咲いている姿を見てみたいと思っていた。と、いうことで、6月の半ばに日にちを設定して、ブナ曽根の駐車場に向かう。
途中、山菜共和国を自称している旧広神村は、あちこちに無断山菜取りを禁止する立て札があったが、ブナ曽根の駐車場に向かう林道もかなり警戒している様子だった。腕章をした監視員の自動車とすれ違ったり。
このあたりの山菜は地元の人しか取れないので、無断でとっちゃだめですよ。
          (写真数が多いので、サイズを小さくしています。花の写真は、ダンナのサイトからご覧いただけます。)
9時少し前に駐車場に到着。
すでに30台ほどの自動車が駐車している。これ、みんな浅草岳に登っているのかしらん。それとも、山菜取りかしらん。
9時05分 出発。
駐車場から気になっていたが、なんとなーく羽虫が多い。
山によく行く人の秘策、帽子のつばに衣類の防虫剤をつける、を実行。
9時13分 ブナ曽根登山口。
あいかわらずここまでの林道歩きがけっこうキツい。こんなに急坂だったっけ、と毎度文句を言う。
意外にもブナ曽根のじめっとしているはずの登山道はカサカサで水があまり無かった。いきなりイワナシに遭遇。けっこう咲いている。
登山道に入るなり虫の数が増えるが、ナフタリン作戦が功を奏してか、顔にはまとわりつかない。
9時27分 最初の渡渉。ちょっとだけ水量が多い気がする。
すると、小さなツバメオモトが1つだけ咲いていた。よく見ると他にもこれから咲きそうな小さな葉っぱが出ている。え、早かったのかしらん。今年は雪が多いからなぁ。
9時38分 二度目の渡渉。
ツバメオモトはそれっきりで、ずっと咲いているものが無かった。
10時00分 ロープ場。脇にたくさんサンカヨウが咲いていて、嬉しくなる。
常につかず離れずの距離で初老の男性3人組と一緒に登っていたが、虫が多いですねぇと言葉を交わす。
10時07分 地震で崩れて新しく作ったらしいルートを経て、尾根っぽい場所に到着。
このあたりからマイヅルソウ、ゴゼンタチバナなどが登場して、高山っぽくなってくる。
守門岳の姿が見事に見え、眼下に我々の駐車した駐車場も見える。(左上写真の赤い矢印)
尾根っぽい場所から少し歩くと、おや、ツバメオモトが咲いている。
また早いと思っていたのに、気がつけばあっちこっちに咲いている。
これが目当てで登って来たから、もう嬉しくてしょうがない。
本当に沢山咲いていた。こんなにいっぱい咲いているとは思っていなかった。
しかし、虫も多い。立ち止まって撮影していると、ここぞとばかりにどわっと群がって来る。口呼吸などしようものなら、数匹口に飛び込んできそうだ。
ちょうどすれ違ったご夫婦がネット付きの帽子を被ってらして、うらやましいです、と言ったら、「この上はこの3倍いますよ」と教えてくれた。
ええーーーっ、さ、三倍っ!?
さすがのナフタリン作戦もあまりの虫の多さに玉砕しかけていた。
道がなんとなく湿ってきて、それがだんだん小川風になってきた。あれ、と思っていたら、なんと目の前、雪原が広がっていた。
桜曽根コースとの合流点である。
10時57分 桜曽根コースとの合流点に到着。
というか、合流点の直前から雪に埋まっていた。ずっと桜曽根コースのほうまで雪である。
しかし、山頂のほうには雪はない。
雪の上に登るまでにズルズルと滑ってかなり怖かった。ここで滑ったら相当下まで滑落する。大した怪我はしないだろうけど、登るのに苦労しそうだ。軽アイゼンを用意し忘れたので、ストックのゴムキャップをはずして、突き刺しながら登った。上の平らな場所まで行けば安心だ。
積雪時のエスケープルート的な道ができていて、そこから木道に合流できた。それが無いと、木道にとりつくのにまた雪の斜面を下る必要がある。これは怖い。
ミツバオウレンがあちこちに咲いていた。
まず山頂に行ってから山頂の向こう側にある天狗の庭という場所まで行ってみよう、ということになった。
いつも昼食をとる山頂下の広場を通り過ぎ、山頂への最後の登りにさしかかる。
と、なんと、登山道の脇にシラネアオイが。
しかも、束で咲いているじゃありませんか。
以前にたった1つだけ咲いているのを見たことがあったので、山頂に至るまでにどこかで咲いているかもしれない、と思っていたが、まさかここで出会うとは思わなかった。
思いがけないプレゼントを貰った気分だ。
11時15分 山頂到着。けっこうたくさん人がいた。
ここはスルーして、入叶津がわのコースに進む。
こちらのコースは初めて歩く。道の脇には本当にたくさんミツバオウレンが咲いてたし、まだ蕾も固いアカモノもたくさんあった。
どこまで行けば天狗の庭なのかわからなかったので、すれ違った女性に聞いてみたら、この下の雪で埋まった場所だと思う、と言われた。え、雪なの?
ちょっと岩っぽい道を進んで行くと、本当に雪で覆われた場所になった。その手前に、ほんの最近雪が溶けたような平らな場所があったが、このあたりが天狗の庭なのだろう。11時26分。
ここで昼食にするつもりだったが、ちょっとそんな場所ではなかった。
結局いつもの山頂直下の木道のスペースで昼食にすることにして戻る。
戻りの登りにもシラネアオイが咲いていた。
山頂直下には木道と広く作られたスペースがいくつかあるのだが、どこのスペースにも先客がいた。
我々は木道が2本になった場所に腰掛けて昼食。にしよう、と思ったのだが、虫がひどい。とにかくすごい。これはきっと汗のニオイに寄って来るのだ、と、2人とも着替えた。ナフタリンも増量。蚊とり機もつける。なんとか虫は減ってくれた。気がつくと、汗のニオイを発しているリュックに群がっている。しかし、この暑さでは汗かくなというほうが無理だしぃ〜。
しかし、この場所は開けていて風の通りもいい。他の場所よりは虫は少ない。
ちょっとかすんでいる田子倉湖を見下ろしながら、昼食。
12時28分 下山開始。
雪の上をへっぴり腰で下って、桜曽根コースへと進む。
12時43分 桜曽根コースがわの階段を下り始める。
桜曽根コースにはところどころ雪が残っていて、木道が埋まっていたりした。
特に嘉平与ノボッチの手前はすごかった。
木道のはるか上の雪の上を歩いて行く。
12時56分 嘉平与ノボッチ到着。
あと2週間ほどでヒメサユリが満開になると思うのだが、ヒメサユリの葉っぱさえ見つけられなかった。
タムシバが満開で、白い花が青い空に美しかった。
午前中は雲をかぶっていた守門岳も綺麗に見えている。
やがて樹林帯に入り、時々見られるミツバツツジに癒されながらもくもくと下る。
このコースにも少しだがツバメオモトが咲いていた。
このコースにはツクバネソウが沢山咲いていたのだが、6枚葉、5枚葉のツクバネソウがけっこうあった。右写真は、4枚、5枚、6枚葉のツクバネソウが並んでいる。
13時54分 浅草の鐘到着。
林道に出てみると、かなり雪があった。なんとか道は出ているが、時々道も埋まっている場所もあった。
実はサンカヨウがたくさん咲いている道なのだが、道端にはない。ちょっと右側の上のほうを見ると群生している場所がある。
滝が無いな〜と思っていたコースだが、融雪時には滝が出現する。左写真の赤い部分のアップが右写真。
つまり、赤い部分から下の雪の所まで流れているってワケです。
途中の沢も融雪時のため増水中で靴を濡らして渡らなければならない場所もあった。
14時25分 ブナ曽根登山口。
14時32分 駐車場到着。ご苦労様でした。

ツバメオモトを見に行って、本当にたくさんのツバメオモトを見ることができた。さらに、期待していなかったマイヅルソウやゴゼンタチバナも咲いていたし、ちょっと期待していたけど見られるかどうかわからなかったシラネアオイ、きっと咲いているだろうと思っていたサンカヨウなどなど、これほど花が豊富に見られるとは思っていなかった。
ただ、虫がね〜。私が見るとダンナの頭の上に虫柱ができていて、ダンナが見ると私の頭の上に虫柱ができている。虫の一団をひきつれてぜいぜい言いながらしめっぽい道を登って行くワケである。口に飛び込んで来るくらいならマシで、鼻呼吸していても鼻に飛び込んできそうなのだ。今までけっこう虫に悩まされることも多かったが、これほど虫がすごいのは初めてだった。
ところで、衣類の防虫剤は多少の虫であれば効果があるようである。顔にさえまとわりついてこなければ刺したりしない虫のようなのでそれほど気にならない。帽子のつばにナフタリンをくっつけておくと、顔には来ないのである。意外にニオイも気にならないので、試してみてください。
ただし、暴力的な量の虫には効果はない。そんな量の虫が予想できる場合はネットのついた帽子のほうがいいかも。
ツバメオモトを見に浅草岳に登る場合は虫は警戒したほうがいいと思う。

浅草岳 ブナ曽根コース登山口
  最寄ICは、関越自動車道小出IC。国道252号線にでるには少々込み入るので、分かりやすいのは国道17号線に出てしまって、長岡方面に進み、案内にしたがって国道252号に入るといいだろう。
あとは、右手にJR只見線の大白川駅が出てくるまでひたすら国道252号線を走る。途中に道の駅「いりひろせ」があるので、休憩できる。
大白川駅を過ぎたらすぐに道は国道と県道385号にY字で分かれる。ここは県道385号、破間川ダム方面に向かう。県道に入ると大原国際スキー場に進む道が分かれるが、とにかく破間川ダム方面に向かうべし。右手にダムが見える。そこからさらにぐんぐん進んで行くと、赤い浅草大橋を渡る。渡った先に大きな駐車場があり、ここにもトイレがある。
ここからさらに道を進むと右手に洞窟温泉のホテル大自然館がある(休館中)。それを通り越すと道は狭くなるので注意が必要。
狭くなってもさらに進む。どんどん道は狭くなり、しまいに未舗装になる。すれ違い困難な道になっても心配しないで進む。大自然館ホテルからはけっこう距離が長い。が、いきなり大きな駐車場が出てくる。
ここがブナ曽根コースと桜曽根コースの駐車場である。
ブナ曽根コース入り口は、ここから林道を10分強歩く。桜曽根コース入り口はさらに林道を30分強歩く。


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