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自宅から日本海東北自動車道に乗る頃までに雨は小降りになって、やがて曇り空になった。これは天気予報が当たりだな、と思っていたら、中束の集落あたりで、雲が重くなってきた。
左写真は中束(なかまるけ、と読む)のバス停。ここには光兎山登山のイラスト看板がある。
通り越して、橋を渡り、案内どおりに林道を登って行くと、右写真のような駐車スペースになる。
先客がすでに数台。
我々より前に着いて、仕度中だった3人組と、我々より後に着いて、すぐに出発した2人組み、最後に我々が出発して、3組がほぼ同時の登山開始だった。
ちなみに、仕度している間に雨がけっこうな勢いで降り始めたが、先行の2組は雨具をつけていなかったので、我々も雨具なしで出発。
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9時15分、登山開始。
駐車スペースからほんの少し戻った場所に登山道の入り口がある。ものすごくはっきりと表示があるので見落とさない。
最初はなだらかな松林の中を登る道である。
雨は小降りなので、それほど気にならない。 |
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9時35分、笹峰休み場。
とはいえ、特にベンチがあるわけではなく、ちょっとだけ広い場所だ。
我々は休憩せずに進む。
道はあいかわらず松葉が敷かれたゆるゆると登る道である。 |
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途中、道が真っ白になっている場所があった。
何かと思ったら、花が一面に落ちていた。
右写真の花。花びらではなく、花ごと落ちている。
なんという木の花なのかなぁ。 |
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古い案内看板らしいものが落ちていた。
夫婦村→となっているが、どっち向きだったかは不明。しかも、分岐する道などなかった。 |
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いつまでもゆるゆると登り続けて、いっこうに千刈コースとの分岐に着かないとぶつふつ言っていたら、やっと分岐に着いた。
10時ちょうど。
父娘らしい2人組みが休憩中。お父さんはかなりの高齢で、娘さんがゼリーなどを出して励ましている。
我々は水だけ飲んで、先に進んだ。 |
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周りの木が松や杉からブナに変わってきた。
最初、変化のないゆるやかな登りが続いたが、やがて急に角度が変わった。
土が削れて、木の根が出ているような登りだ。 |
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10時25分、登りきると、虚空蔵峰だった。
石灯籠が並んで立ち、少し先に進むと、三等三角点もあった。
ちなみにガイドブックによると、石灯篭は文化年間のものらしい。
ここで冷たいゼリーをとっての小休止、5分ほど。
さっきの父娘が追いついてきて、雨がなかなかあがりませんね、などと話す。父娘は先に歩いて行った。 |
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案内版にここから次は観音峰で、距離は0.5キロだと書かれている。
分岐から虚空蔵峰までは0.8キロあったそうだ。
虚空蔵峰から急降下して、綺麗なブナ林の中をさらにだらだらと下って行く。そして、あんまり登った感じもせずに観音峰に到着。
10時48分。
観音峰には祠があって、けっこう広いスペースがある。
ずうっと下って来た気がしたのだが、あとで調べたら、虚空蔵峰よりも観音峰のほうが低い。そりゃ、下るわけだ。
ここでは休憩せずに先に進む。
この先1.0キロで雷(いかずち)峰だそうだ。
で、この観音峰からも下る。 |
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10時52分、大きな案内で水場とある。
しかし、ガイドブックに健脚者用の水場だとあったので、スルー。
遠く、雷峰とその向こうの光兎山を見ながら、下る。
ああ、なんだか下山している気分になってしまう。
いよいよ雨がひどくなってきたのだが、ブナ林の中を歩くのでブナの葉っぱが雨を防いでくれて、全く濡れない。ただ、風が吹くと葉っぱの水が落ちてきて、いきなり大粒の水に叩かれる。 |
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観音峰からの下りも終わり、登りが続くようになる。
尾根が崩れて、土砂が露出しているような場所に出た。
やっと樹林帯っぽくない場所だ。
おお、ヒメサユリ発見。あ、あっちにもこっちにも。
雨に濡れて綺麗なしずくをまとっている。 |
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しかし、すぐにまた樹林帯に入る。
しかも、ガッツで登る必要のある急な登りだ。
だーーー、1キロが長いっ。
ここで、下山してくる人に出会う。一人は何やら焼き網みたいなのを手に持っていたので、思わず「なんですか、それ」と聞いたら、山頂で雨に降られたので、下で食べようと思って、との答え。いや、その網は何?
さらに、女性も下山してきて、ヒメサユリが綺麗でしたよ、と教えてくれた。
あら、まだこの先にもヒメサユリがあるのね。楽しみ。 |
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11時23分、ロープ出現。
雨で足場が滑りやすかったので、ロープはとても助かった。
ロープのあと、さらに急角度で登って、ヘロヘロになったら、右の石碑が出てきた。「雷大権現」とある。ついに雷峰到着。
11時35分。ちなみに、「いかずちみね」と読みます。
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石碑からちょっと先に進むと、正面に光兎山の三角がとてもよく見える。
父娘が休憩中だったが、我々が着くと同時に出発。我々は水を飲んで、ちょっと写真撮影してから父娘を追った。
って、ここからも急降下か〜いっ。
光兎山の山頂までの道が実によく見えて、いったん下りぃの、ちょっと登りぃの、また下りぃの、ガッツで直登する、という絶望的な流れてが手に取るように分かる。 |
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雷峰からは飯豊の山々が見えた。
よく見える、とは言い難い天気だったのだが、霞がかかる時よりは多少は眺望はよかったと思う。 |
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それにしても、飯豊までずっと山だけ。
人工物がまったく見えない。
本当に山奥だ。
虚空蔵峰が別の名前を「奥山」というそうだが、そのはるかに奥である。 |
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11時40分 姥石。女人禁制の光兎山に登った女性が石に変えられたという伝説の石。けっこうでかい岩だ。
雷峰から先は、あちこちにヒメサユリの咲く気持ちのいい道になる。
ちょうど雲もとぎれて、太陽がさしてきた。ブナの傘がなくなった場所で雨があがったのは、ラッキーだった。 |
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道は時折崩れそうな感じになっている。
が、あちこちにヒメサユリが咲いていて、楽しい。
右写真はヒメサユリが飯豊を見ているのだけど、飯豊、うっすらとしか見えなくてね〜。 |
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11時57分、またロープ。ここまで、小さく登ったり下ったりを繰り返す。 |
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12時ちょうど、ヨ平戻しの頭。
雷峰から0.5キロ、山頂まで0.5キロだそうだ。嘘だ〜。
山頂までの道のはるか遠いこと。絶対に嘘だ〜。 |
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両側のヒメサユリに励まされながら、下る。
あの鋭角の登りを目前に下るのが腹立たしいったらありゃしない。 |
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10分も下らずに、ついに最後の登りにとりつく。
これがまあ、とんでもない角度で。ひいひい、ぜいぜい言いながら足を運ぶ。
12時26分、目の前に岩。え、名まえがあるの?「駒返し」?こんな所まで来る駒はいないでしょぉぉぉ。
しかも、このあたりからやたらに羽虫が増え始める。
虫イヤ、虫キライ。とにかくパニックに陥らないように、虫のことは極力気にしないように登る。 |
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12時35分、山頂到着。永遠に山頂には着かない気がしていた。
同時に出発した3組だけが山頂に集合したことになる。
3人組はもう昼食を終えて休憩中。父娘は食事を始めていた。
我々もシートを広げて昼食。
虫が多い。虫を気にした人がメントールのニオイを振りまいてくれたようだ。それでも多い。我々も虫除けをまく。うわぁ、蟻も多い。ああ、パニクりそう〜。
ちなみに、赤い鳥居には光兎神社とあり、高校や大学の合格祈願がされていた。兎の置物も奉納されていた。 |
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光兎山の標識はつい一昨年に新しくされたようで、古いものは三角点の隣に転がっていた。
三角点は二等三角点である。
山頂からはぐるりと山々が見通せたのだが、下から湧き上がる雲が多く、飯豊などは姿を隠されてしまっていた。
唯一、我々が登って来た関川村方向にだけ、人間の開拓した田んぼが見えた。 |
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13時20分、下山開始。
三人組は我々よりもかなり先に下山し、父娘はまだ休憩するようだった。
これから下山する行程がとてもよく見える。
ああ、雷峰までは、またあんなに登らなくちゃならないのね。
でも、登る時にはヒメサユリが目の高さなので、ちょっとだけ楽しい。 |
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13時30分、駒返し。
13時53分、ヨ平戻しの頭。
14時03分、姥石。
14時14分、雷峰。
14時50分、観音峰。観音峰のあたりは、本当にブナの林が美しい。
登山時には咲いていなかったシロバナノニガナが下山時には綺麗に開いていた。
三人組が観音峰で休憩中。我々は休憩せずに彼らを追い越した。 |
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15時05分、虚空蔵峰。ちょっと休憩。
15時32分、分岐。ここで、標識に千刈まで1.8キロ、中束まで2.5キロと書いてあるのに気がつく。げげ〜っ、あと2.5キロもあるのか〜!?
しかし、この先はものすごくなだらかで歩きやすい下りなので、けっこう早かった。
15時50分、笹峰休み場。
16時07分、駐車場到着。ご苦労様でした。
下山時はずっと晴れていました。 |
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