番外

 近県の山

2011/8/7(日)  東吾妻山 標高1974.7m  福島県
震災復興のため、観光客を誘致するために福島県の観光有料道路の一部が無料化されている、という情報を得た。
え、すると、あの魔女の瞳の五色沼の見える一切経山へも通行料ナシで行くことができるのか?2008年の10月に行った時に、浄土平や鎌沼周辺の湿原には春はきっとたくさん花が咲くんだろうなぁ、と思ったあの山だ。(2008年の一切経山のレポはこちら
あそこなら2時間かからずに登れてしまうし、お金のかからない今の時期を逃す手はないだろうなぁという気になってしまった。
ちょうどこの週末は日曜日しかお休みがない。手軽な登山で、しかも避暑になる。よし、行こう。
行こうと決めてから、あら、一切経山の反対側にも手ごろな山があるじゃないの、というのに気がついた。東吾妻山である。こちらも2時間かからずに山頂まで行けるし、鎌沼を経由して登ることも可能だ。ならば、登ったことがない山に行きたい。
そんなこんなで、とりたてて早起きするわけでもなく、午前7時過ぎに家を出発。大雨の被害の傷跡も痛々しい三川から磐越自動車道に乗り、相変わらず山頂が雲で隠れている磐梯山をぐるっと回って本当に無料になっている磐梯吾妻スカイラインに入った。
どうも山のほうは雲が厚いが、とりあえず雨は落ちていない。
無料ということで、どれほど混雑しているかと思ったが、こちらも無料開放されている浄土平の駐車場はほどほどの駐車状況。大型バスがほとんどいないのは、やっぱり原発事故の影響かしらん、とも思った。
        (写真が多いためにサイズを小さくしています。花の写真は、ダンナのサイトからご覧いただけます。)
10時30分 仕度をして駐車場を出発。
事前に一切経山の登山道付近から噴煙が出ているために直登コースは閉鎖されていると情報を得ていたが、本当に噴煙が上がっているのが駐車場からもよく見えた。
浄土平の湿原を木道ではなくて登山道で歩く。
実は花はこの湿原が一番多かった。
ウメバチソウにはちょっと早かったみたいだ。
湿原の途中で、一切経山の噴煙がよく見えた。
登山道に直接影響がある場所ではないが、風向きによっては噴煙をモロに浴びてしまうだろうのがよくわかった。
で、一切経山への登山道の入り口はガッチリと閉鎖されていた。2008年はここから登ってヘロヘロになったんだっけ。
10時37分。
こちらは、釜沼、酢ケ平の避難小屋を経由して一切経山に登るコースの入り口。こちらがわからは登れるらしく、閉鎖はされていなかった。
10時41分。
我々は東吾妻山に登るので、こちらがわには行かずにまっすぐに進む。
ちょっと樹林帯を進むと、階段になった。
なんだかうっそうとした暗い道だなぁと思っていたら、またしても立派な階段出現。
けっこう長い間、階段になっていて、歩きやすかった。
階段が終わると、平らな泥っぽい道になった。
前方に東吾妻山が見えるはずだが、霧というか雲で見えない。
さらに進むと、岩がゴロゴロした道を登る。
11時10分 木道が出現。広々とした場所に出て、とても歩きやすい。
11時14分 姥ケ原到着。
と、同時にバラバラと雨が降ってきた。
あらららら。これがまたものすごく大粒の雨が節分の豆まきみたいにバランバランと叩きつける。
休憩のためのベンチがあったので、雨具を身につけ、しばらく休憩がてら雨脚が弱まるのを待つ。
5分ほど待ったら、とりあえず雨がおさまったので、雨具をぬいで歩き出した。
姥ケ原から先も見事に木道が整備されている。
ただ、ハイマツの高さくらいの木道なので、なんだか平均台を歩いているみたいで、ちょっと怖い。
たくさんのチングルマが穂になって揺れていた。
春は綺麗なお花畑なんだろうなぁ。
11時35分 東吾妻山への分岐に到着。
ベンチなどがあり、何人かのハイカーが休憩していた。
我々は休憩せずに東吾妻山へと左折。
このあたりからたくさんミヤマリンドウが咲いていた。
左写真、前方が東吾妻山。うーむ、平らな山だなぁ。
それほど大変な登りじゃないだろうと思っていたら、右写真のようなゴロゴロした歩きづらい道だった。
なぜか真っ赤な石がゴロゴロしている。
しかも、眺望ゼロの樹林帯で、じめっとしていて単調でただただ登るだけのつまらない道だ。
12時05分 樹木が途切れて、白骨化したような木の林が出てきた。
それからすぐにハイマツ帯になり、ただ「←東吾妻山頂」とだけ書かれた道標があった。
おいおい〜っ、あと何メートルとかあと何分とか書いておいてくれ〜っ。
砂利っぽい赤茶けた道がどんどん幅広くなっていき、前方に木の杭が見えた。
その杭の先が三角点。
12時12分 東吾妻山、到着。
先に着いていたらしい登山者2人は、山頂は雨は降っていないと言っていた。
この先にある展望場所も霧で真っ白で視界ゼロ。
ほぼ同時に山頂に着いた人たち合計8人ほどで広い山頂でめいめい昼食。
しかし、すぐにバラバラと雨が降り出した。
みんな仕方がないので、雨の中昼食だ。
ほどなく、全員下山して、我々だけになってしまった。
我々も10分ほど遅れて立ち上がったが、
帰り支度をしている間に、
とんでもない大雨になってしまった。
滝のような雨である。立っているのも難しい。
とにかくバタバタ片付けて、慌てて下山開始。
12時47分。
下山途中で登山者2人とすれちがった。
彼らは雨具を着用中。どうやらあのとんでもない雨には当たっていないらしい。
もう20分も登らずに山頂なのだが、雨なのであきらめた様子だった。
13時19分 分岐到着。
雨があがったので、雨具を脱ぐ。
姥ケ原は遠くに青空も見えて、濡れた木道を除けばまったく雨が降っていなかったみたいな感じだ。
キベリタテハが舞い降りて、ちょっとだけ我々と遊んでくれた。
13時33分 姥ケ原。
帰りは鎌沼を回って帰るつもりだったので、真っ直ぐに進む。
鎌沼には5分も歩かずに出ることができる。
だが、沼に出てみたら、それほどお花があるわけでもないし、沼をぐるっと回るのはけっこう時間がかかりそうなので、結局来た道を戻ることにした。
下山途中、登るときは霧の中だった吾妻小富士がよく見えた。
一切経山の噴煙を見ると、あのクレーターの真ん中からも煙が上がるのかもしれない、なんて思ったりした。
14時20分 駐車スペース到着。
朝よりは自動車がたくさん駐車していた。
たくさん観光客が来てくれるといいんだけど。

お花にはちょっと季節が中途半端だったようで、思ったよりも出会うことができなかった。
が、それ以上にかつて登った山の途中から噴煙が上がっているのを見るのは、ものすごく衝撃的で貴重だったと思う。
大きな地震しかり、噴火しかり。地球はつねに胎動している。
その上で小さな存在の我々は、小さいなりに一歩一歩踏みしめて進んで行くしかないのだなぁ、と哲学的にされたりもした。
でも、一歩ずつでも前に進んで行けば、ちゃんと山頂に着くから。
山頂が滝のような雨の場合もあるけどね〜。

東吾妻山 
最寄ICは磐越自動車道猪苗代磐梯高原IC。国道115号に出てひたすら北上。母成グリーンラインの入り口を右に通り過ぎ、磐梯吾妻レークラインへの道県道70号を左に通り過ぎ、とにかく進むと、立体交差でちょっとややこしいが、県道30号に下りる道になる。磐梯吾妻スカイラインの案内があるので、それに従って進むようにする。
県道30号に入り、横向温泉を通り過ぎて標高をどんどん上げて行くと、磐梯吾妻スカイラインの入り口が左側に見える。
しばらく磐梯吾妻スカイラインを走ると、右側に吾妻小富士、左側に浄土平の大きな駐車場が見える。
通常は磐梯吾妻スカイラインは普通車は1570円。浄土平の駐車場を利用する場合は420円が必要だ。
東吾妻山は、ビジターセンターの裏手、一切経山への登山道と同じ道を歩き、一切経山への分岐で曲がらずに真っ直ぐに進む。鎌沼をぐるっと回って酢ケ平を経て行くコースと鎌沼を見ずにじかに姥ケ原に行くコースがあるが、我々は後者をピストンした。山頂までは我々の足で1時間45分ほど。


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