番外

 の山

2011/11/27  霧ケ岳 (507.1m)   
10月後半から11月にかけて、週末になると雨が降るといういやなパターンが続いていた。
せめて11月3日は週末じゃない休日だから期待していたら、この日もピンボイントで雨。
よく晴れた青空を恨めしく思いながら仕事に精出し、いいかげんストレスが溜まっていた。
秋になったら登るつもりだった山は全部アウト。気がつけば1ヶ月以上まともに歩いてもいない。これはヤバい。完全に体がなまる。
そんなこんなで11月も終わりに近い27日に鈍りきった体がついていける山は無いかと探した。ちょうど滝めぐりも滞っていたので、滝がついでに見られる山ならなおいい。そういうワケで選んだのが上越市浦川原区の霧ケ岳である。
登山の本によるとこの登山道の登り口から10分ほどで滝見所があり、滝が見られるというのだ。
それにしても、標高500メートルちょっとで、コースタイムが2時間もかかる山ってば、どんな山なんだろう。
高速道路利用で柿崎ICから南下、浦川原区に入る。
10時10分ほど前に到着。日帰り温泉施設「ゆあみ」の駐車場に自動車をとめる。裏の公園にトイレもあるので、身支度ができる。
10時ちょうど、出発。
しかし、公園内で登山口がわからずにちょっとウロウロ。
結局駐車場の案内看板を見直して、国道を背にして右の端っこにある登山口を見つける。
10時05分 登山口より登山開始。
落ち葉の積もった滑りやすい道から、杉の若木の林になる。
と、いきなり「滝見所→」の看板。
え、まだ5分くらいしか登っていないのに。
矢印の通りに右にそれたら、すぐにロープの張られた滝見所になった。
滝は細長い落差のある綺麗な滝。名まえは無いそうだ。
(滝についてのレポはこちら
この滝が目当てだったこともあって、しばらく滝を撮影。
10時15分 滝見所出発。
けっこうな角度のある落ち葉の道を登る。
10時25分 胸突き八丁  ロープなどが設置されている急登だが、とりあえず登る分にはロープは必要ない。
しかし、かなり細いきわの道などもあり怖い。
振り返ると、たった今頼りに登った木が実は根っこむき出しの崩れかかった木だとわかってびっくりしたり。
どこまでが胸突き八丁なのかわからないが、さらに角度を増す。
ここのほうがずっと胸突き八丁じゃんっ、と文句をたれつつ登って行く。
10時50分 さえずり広場。
このあたりからうっすら雪が見え始めた。
11時05分 吹上。
右手が崖になっていて、風が吹き上がってくるんじゃないかと推測できるが、この日は風は無かった。
しばらくなだらかに歩いたかと思ったら、いきなり下りはじめた。あれれ、と思っていると、
沢になった。
沢まで下ってこれを渡って先に進むということらしい。
で、この沢の上流が水場になっていた。
11時15分 水場。
いよいよ雪が目立ちはじめた。
どうも先行者がいるらしい。雪の上に新しい足跡がある。
11時20分 緑の回廊。
このあたりで左手前方に山の頂が見え、あの山に登っているんじゃなかろうか、と思ったのだが、道はそっちに向かっていない。
緑の回廊とはいえ、すっかり落葉が進んでいるし、樹木が途切れて下草ばっかりの場所になってしまった。
なだらかに登って行くと、道は突き当たりになり、道標が小さくあった。
肩の峰、と読める。
11時30分。
肩の峰は雪があって踏み跡もなかったので、そのまま道を進む。かきっと左に方向が変わっている。
あ、やっぱり緑の回廊のあたりから左手に見えた山に向かっているんじゃないの。なんか、遠回りさせられた感じだ。
肩の峰から先がまた荒れた感じの道になってしまった。
クズっぽい葉っぱの大きな植物が繁茂して道を覆っている。だが、先行者の足跡があるので、それが道となんとか分かる。
植物をかいくぐり、跨いで先を進むと、それほど登った感じもなく、ポンと山頂になった。
11時45分 山頂到着。
山頂には先行者の地元民らしい女性がいて、ここは独立峰だから眺めがいいでしょう、と話した。
滝見所は「ゆあみ」の人が整備したのだとも教えてくれた。
我々とすれ違いのように女性は小谷島コースへと下山して行った。
霧ケ岳は本当に見通しのよい山だった。
日本海から米山、越後三山方面、谷川岳方面がよく見える。
ちょっと木立がうるさいが、少し下れば妙高もくっきりと見通せる。
すぐ下には棚田が迫っていて、人間の営みの凄さも垣間見ることができる。
12時30分 小谷島コースへ下山開始。
いきなりとんでもない急降下になる。ロープが設置されているのがありがたい。ほぼロープにぶら下がっているんじゃなかろうか、という状態で下って行く。
12時38分 道標。ここから左に角度が変わる。
土砂崩れでもしたのか、樹木がまったく見当たらずに草地らしい場所になった。雪が積もっているので、道がよく分からないが、先行者の足跡があるのでそれを追う。
12時45分 水場の道標。左手に沢が出現し、その源頭が水場になっているらしい。
しばらくその沢沿いに下って行く。
12時55分 杉林になった。
杉林をぬけると、いきなり開けた場所になる。どうやら昔は田んぼだったらしい。
田んぼだったらしい場所には2箇所水場があった。
水と土地があれば、この山奥まで田んぼを開いていたのだ。
田んぼの跡地から先は登山道は広くなり、ゆるやかになった。
振り返ると霧ケ岳が見える。たぶん、あの一番高い場所が山頂なんだろうなぁ。
13時15分 貯水池らしい場所に出た。
この先は田んぼは現役だ。
道も自動車が通れるくらいになり、舗装された道になった。
あとは、田麦川を渡る橋を渡って国道に出ればいい、と思ったら、あらまあ、土砂崩れ。最後の最後でこれかいっ。
仕方がないので、田んぼまで下りて、あぜ道を通って迂回した。
13時30分 入山橋。
左写真は国道から見た橋。赤い矢印どおりに進むと古い田んぼ跡を通って登山道になる。
あとは国道を歩いて「ゆあみ」に戻る。
13時45分 「ゆあみ」到着、ごくろうさまでした。

それほど期待して登ったわけではない山なのだが、まず登りのコースが面白かった。地味な樹林帯歩きが少なくて、なんとなくアドベンチャーなのがいい。さりとて、とんでもなく危険でもめちゃくちゃ疲れるわけでもない。さらに眺望がよい。山の名前を特定できればもっと楽しかったかもしれない。たった500メートルくらいの山とは思えない、楽しい山歩きができた。
ただ、秋の実りの頃なので、動物がたくさん食べてたくさん出す。どーして登山道にこんもり出してくださるのか、あっちこっちに山があって、多少困った。歩くときには注意が必要かも。

霧ケ岳(ゆあみ口)
最寄ICは、北陸自動車道柿崎IC。インターを下りて、県道61号を南下。国道253号に突き当たったら左折してしばらく走ると日帰り温泉施設の「ゆあみ」が右手にある。ここに駐車。登山口は国道を背にして右端にある。案内版があるので、よく見て行こう。
トイレは公園にある。
登山道は時折ロープが必要な急な坂がある。


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