番外

近県の山

2017/7/16  車山高原    
海の日の三連休。いや、我が家では日月の連休でしかなかったのだが、とにかくこの連休中にどこか高い山に登るつもりだった。
海の日とはいえ、7月の半ばは高山植物が一斉に花開くとてもいい山の日々なのだ。
だというのに、天気予報は雨。
北も雨、西も雨、東も雨、南も雨。
うーむ、どこにも逃げようがない。このままでは花の季節を雨で潰されてしまうぞ。
どこかいい場所はないだろうか、と探しに探して、なんと車山高原あたりだけ、どういうワケか雨マークがないということを発見した。
登山らしい登山はできないかもしれないが、高山の空気に触れることはできる。そんなワケで先週に引き続き、長野の高原に自動車を走らせた。
ところが、我が家のナビ。相変わらず普通の道を案内しない。新潟から霧ヶ峰に行くのなら、国道142号で和田峠まで行ってビーナスラインに乗るのが王道だと思う。
が、いつの間にか国道をはずれ、冬季通行止めになる県道199号に案内してくれた。思いっ切り林道である。
ナビを信じてその道に入り込み、どんどんと山奥になって心配になったあたりで、ポンと八島ケ原湿原の前に出た。ビーナスラインの途中だ。
え、ここ、どこ?たくさんの自動車が駐車しているレストハウスは、警備員が交通整備するくらい混雑している。
自分の位置もことの事態も把握しないまま、とにかくナビが案内するものだから、そのままビーナスラインに乗って、車山を目指す。
快適に進むビーナスライン。
と、思いきや、あら?なんだか自動車の数が多くなってきたわよ。
あら、スピードが落ちてきたわよ。
あらら、止まっちゃったわよ。
大渋滞でしたとさ。

そりゃそうだ。関東から中部、ほぼ雨の中、ここだけ晴れていてしかもキスゲが満開となれば、そこら中から自動車が集まるに決まっている。
駐車場渋滞はもとより、事故車が路肩にあったりと、ごった返している。
我々も駐車できずにウロウロしたが、行って戻ってみたら、ちょうど有料の駐車場から1台出るのに出くわした。すぐに入る。
1000円也。こりゃ、今日は温泉抜きだな。
駐車した場所からすでに遠くがまっ黄色になっている。キスゲだ。
すごいなぁ。まるで絨毯だ。
実は車山は前に登ったことがあるので、八島ケ原湿原を歩くつもりでいた我々。駐車できたのが車山の肩だったので、急遽車山湿原を歩くことに変更。
渋滞のせいで1時間ほど遅れている。
湿原でいい場所があればそこで昼食にするつもりだ。
12時55分、車山登山道の手前から湿原へと降りて行く。
ここだけは晴れるはずだったのに、雲は厚い。
どんよりと曇っていて、時々ポツポツと当たるときもある。
天気予報の嘘つき〜。
それにしても、湿原は木道だけで、休憩スペースなど無い。
どこでお昼にするのよ〜。
13時15分。蝶々深山方向とリフト方向の分岐。
そのわずかな空間で2組の家族がご飯を食べていた。
思いっ切り通路だが、ほかの人が食べているんだから、我々も食べよう。
20分の昼食後、蝶々深山方向に出発。
13時40分 蝶々深山へは右、沢渡を経由して駐車場に戻るのは左。
協議の結果、山には登らずに平坦な道に。
ここから見ると、ほんの15分くらい先に駐車スペースの小屋が見えるので、楽そうに見えたのだ。
ほとんどの人が山方向に行くなか、へたれ夫婦は裾野を歩く。
先週に引き続きほんのわずかな登りを嫌って一座制することを逃している。
つくづく、バカかも。
さて、右に蝶々深山を見ながら裾野を歩く道は、ほとんど全く人が来ない。
おかげでのんびり楽しむことができた。
アヤメやフウロが咲いていて、時折コウリンカなども姿を見せる。
それに、やたらたくさん蝶が飛んでいる。
さすが蝶々深という山の裾野だけある。
最初分岐から見える駐車場にまっすぐに向かうのだと信じ込んでいたが、本当にぐるっと半分くらい蝶々深山を回る感じで横に移動している。
むしろ駐車スペースから遠ざかっているんじゃないかと思うくらい、ひたすら横に移動している。
あれ〜、間違った道に来たのかな〜、と思ったあたりで、家族4人づれが向こう側から現れた。
「車山湿原は向こうでいいんですか」と我々が来た方向を示して言うので、間違いなく車山湿原に向かっていると教える。
で、私たちは「駐車場はこっちですか」
このまま進めば沢渡という橋になり、そこから登って駐車場に着くと教えてくれた。
お互い、間違ったかな〜というほぼ中間で出会って間違っていないことを確認できたが、どっちもこの先も長いと知らされた。
楽々コースと思っていたのに〜。
きっと家族連れの子供やお母さんもそう思っているだろうなぁ。
14時25分 なんと、蝶々深山下の分岐から45分もかけて、やっと沢渡にあるカフェに出た。
山の中にあるカフェでその門前にある道標で行く道を知ることができる。
ちょっとだけビーナスラインの上を歩き、ヒュッテジャベルという建物の前の道路からまた登りの階段になる。
8の字を経て駐車場へ、という案内が右に曲がれと出ているが、2.8キロも先という。そっちじゃないな。まっすぐだな。
なにせ、地図もパンフレットも持っていない。
8の字ってどこ〜?
このまっすぐの坂、けっこうキツい。
どう考えても蝶々深山に登ってピストンで駐車場に戻る道のほうがはるかに楽だった。
この時点になって空も明るくなり、ちゃんと晴れてきた。
天気予報、嘘つかない。
ところで、行きに事故車を見たのだが、ここらへんで救急車の音がするわ、ヘリコプターはごくごく近くの空を飛ぶわ、駐車場あたりが騒然としているようだった。
暑いし、坂が険しいし、ヘリコプターはうるさいし。
15時ちょうど。やっと車山山頂の気象レーダーが見えた。ようやく車山肩である。わははは、沢渡から30分も登っているよ〜。
遠くに車山のまんまるいレーダーを見ながら黄色いキスゲが揺れている。

とにかく、キスゲはものすごかった。
こんなにも花で草原が埋め尽くされるのか、
と思うくらいまっ黄色だった。
写真が小さすぎてわかんないかな〜。
黄色はすべてキスゲです。
2013年の同じ時期にも車山に来ているが(レポはこちら)その時よりも圧倒的に今年のほうがキスゲの咲き具合はすごかった。
毎年毎年、咲く時期と表情が違うのだと実感。

気がつけばもう15時半。もうヘリコプターも救急車も姿がなく、駐車場にもちらほら空が目立ち始めていた。
我々も帰らなくちゃ。
で、あいかわらずナビに帰り道を任せるあたりが、我々も懲りない。
車山高原の目が飛び出るくらい高いガソリンスタンドで給油してからナビに自宅に戻ると入れたら、今度は県道40号で上諏訪に出る道を案内したぞ、ナビ。
私の中では車山が諏訪に近いという地図ができていなかったので、有数の温泉地に飛び出てビックリ。
ここまで来て温泉に入らない手はないので、またぞろナビで検索したら、格安の日帰り温泉施設が下諏訪方向にある。
「下諏訪温泉湖畔の湯」270円也。駐車代で予定外の出費だったが、これくらいなら入れる。
タオルもせっけんもシャンプーも自前を使う必要があったが、毎度用意してあるので大丈夫。地元の人の利用する銭湯的なお風呂だった。
これまた予定外の歩きでかいた汗も流すことができて、慌てて決めた連休の散策のわりに、満足な一日になった。
車山高原
交通は車山高原のサイトに詳しい。
新潟から向かった我々は上記の通りナビの案内で林道を経由していきなり八島ケ原湿原に出るルートを利用する羽目になった。
実際のところ、この県道199号は距離的には短いかもしれないが細く曲がりくねった道なので時間的精神的に大変な道だと思う。
今回、無料の駐車場に入れなかったため、私設と思われる駐車場に1000円にて駐車。
車山湿原を歩き、蝶ケ深山に登らずにその裾野を歩いて沢渡に出て車山肩に戻るコースで途中昼食休憩を含んで2時間かかった。


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板