番外

 近県の山

2017/10/8(日)  焼額山 標高2040m  長野県
今年は本当に山に登っていない。というか、長時間歩いて高い山に登ろうという気力が起きない。
私もダンナもどうにも抜けない疲労感を持っていて、体力も落ちてきているなぁと感じている。
でもさ、山の草花や紅葉や素晴らしい眺望は疲労感もストレスもすっ飛ばす魅力を持っているのよ。
と、いうことで、10月の三連休の中日、前週のとんでもない労働で疲労困憊の私が出した登り1時間ならなんとか歩こう、という条件のもとダンナが探し出した山が長野県焼額山だった。
焼額山は、奥志賀高原にある山で、数年前に登って手首をねんざしたイヤな思いでのある岩菅山と向かい合わせでそびえている。が、どういうワケか山頂の三角点がなくて、地図にも標高が書かれていない。ここに示した標高2040メートルというのは、山頂にある稚児池の説明版に書かれていた数字だ。
また、ゴンドラやリフトなども運行されていて、お金さえ払えばかなり手軽に登ることができる山でもある。
さて、10月8日。全国的に晴れの予報の出ている日曜日。午前8時前に高速道路に乗った我々は長野方面の空が意外にも暗いことにちょっと不安な気持ちでいた。
信州中野のインターで降りて、いつものように100円払ってトンネルを抜け、ループ橋を渡って志賀高原に入る。入るが、やっぱり空はどんよりとしている。天気予報の嘘つき〜。
澗満滝は帰りに立ち寄ることにして、標高をあげて行く。なんだか、霧が出てきたぞ。
7月に来た琵琶池のあたりまで来ると、霧はさらに濃くなり、なんと真っ白。景色さえ見えない。うっ、9月の福島ドライブが脳裏をよぎる。霧が濃すぎて、なんにもできなかったあのドライブだ。
それでも、標高を上げていくと、紅葉が進んできて、池のほとりなどにはたくさんのカメラマンや観光客がいた。霧に紅葉というのもオツじゃないですか。
蓮池近くのちょっとややこしい交差点で国道から離れて、奥志賀方面に自動車を進める。
焼額山の登山口はプリンスホテルの近くだという。
どんどんと進んで行くといくつか建物があったが、登山口の文字はない。
幸いなことに、霧は晴れ、空には青い色が広がってきていた。
それにしても、登山口がないなぁ。
なにせ、奥志賀のプリンスホテル、いくつもあるのだ。そのどこのホテルの近くにあるんだ、登山口。
途中の広場でスマホの地図を見てみると、なんだかゴンドラのあたりにありそうに見える。これが小さい地図だったもんだから、間違いだったのだが、それを信じて奥志賀ゴンドラの乗り場まで行ってしまった。
実はこれ、かなり通り過ぎている。が、ゴンドラ乗り場まで行けば登山口の表示があるだろうと信じて自動車を下りて、あたりの地図を探してもそれらしい文字はない。だいたい、ゴンドラっていうのは、並行して登山口があるはずなんだけどなぁ。なかったなぁ。
仕方ないので、山地図を引っ張り出す。最初から、こいつを見ていればよかった。
焼額山の登山口があるのは、ブリンス西館の近くだった。西館といえば、一の瀬のホテルの並びからけっこう近い位置にある。ああ、かなりの通り過ぎによる時間ロス。一瞬ゴンドラに乗っちまうかという気持ちがよぎったが、さすがに、往復1400円も出せない。
戻って、プリンス西館に向かう。
プリンスの建物はたくさんあるが、ちゃんと看板があるので間違えない。が、今はどうも閉館中らしくて、ゲートが閉まっていて、その前に数台の自動車がとまっていた。ここかなぁ。
自動車を並べてとめてみて、あっと気がついた。フェンスに「焼額山登山者専用駐車場」、とくくりつけられている。
自動車のかげに隠れてこの文字が見えなかったのだ。
もうちょっとわかりやすくしといてくれよ、と、ちゃんと調べておかない自分たちを棚に上げて文句を言う。
ともあれ、入口は分かったぞ。
11時35分 すったもんだして、プリンス西館前の「焼額山登山者専用駐車場」に到着。とにかく、西館前にとめればいい。西館。西館。
登山口は、建物に向かって立つと左手にある道に入って行く。
「しなの木コース」というマップが道の入口にある。
道を歩いて行くと、右側にスキーのリフト乗り場などがあり、前方に森が見えてくる。
その森に道がかかったあたりで右側を注意していると、焼額山登山道と書かれた道標がある。
登山道は戻り方向に登って行く感じでついている。
11時50分 登山道に入る。
道はなだらかに登って行く。
木々が見事に紅葉していて、とてもきれいだ。
白樺の黄色が青空に映える。
気持ちも明るくなる。
と、登山道の行く手がいきなり開けた。
あ、ゲレンデなのね。
登山道は一度ゲレンデを横切る。
12時07分。
登山道は再び林の中に入る。
左手の木立の向こう側が開けた感じがするので、ゲレンデと並行していると思われる。
12時20分 再びゲレンデに出る。
あれ、この先はどう進むんだ?
どうやらゲレンデを横切るわけではないらしい。向こう側には道らしい場所も入口らしいリボンもない。
ふとゲレンデの上のほうを見ると、登山者が下って来るのが見えた。
そうか、ゲレンデをそのまんま登るのか。
これが長いんだ。
延々と草丈の短いゲレンデが続き、芝生の上みたいな坂を上って行く。
右の写真は振り返ってみた図。
はるか下方に一の瀬のホテル群があり、右側にはきっと琵琶池方面の山々が雲の海の波間に見え隠れしている。
ああ、きれいだなぁ。
でも、ゲレンデ登り、意外と登山道登るよりキツいなぁ。

ゲレンデには時々リンドウやアザミが咲いていた。

12時55分 前方にリフト乗り場らしい建物が見えて来る。
私はてっきりそれがゴンドラ乗り場だと思った。つまり、そこが山頂なんだろう、と思った。が、まったく別物。
登山道は、建物に向かって左側の木立の中に続いていた。
リボンがついていたので、とりあえずそちらに曲がる。
この道、小さな沢のすぐそばを通る道なのでぐちゃぐちゃしている。
しまいに沢を歩くようになってしまう。
ややして、木立を出たらなんとさっき見えた建物のすぐそば。
こんなことなら、そのまんまゲレンデを登って建物を目指せばよかった。
建物のすぐそばに木道があり、そこから登山道が伸びている。
13時02分、木道に入る。
木道は階段状というより坂道の木道になって、少しずつ登っている。
13時06分 あ、分岐。
なになに、右に行っても左に行ってもゴンドラ。
まっすぐ行くと焼額山。
って、Y字の分岐だから、まっすぐ行く道なんかないじゃないの。
とりあえず、左側に行ってみよう。
するとすぐに小さな池が出現。
実は最初見た時にはそこが終点とは思っていなかったのだが、池のほとりに「稚児池湿原」と書かれた説明板と、焼額山頂と書かれた絵地図があったので、あらまあ、ここが目指す山頂なのね、と分かった。
13時07分 山頂到着。
おや、稚児池の向こう側に鳥居が見えるぞ。
山頂である稚児池のそばには休憩スペースがあったが、すでに人がいて、がとれなかった。   と、いうことで、少し先まで進んで、ゴンドラ乗り場方面に行ってみた。
  ゴンドラ乗り場が見えるちょっとした広場にシートを広げて昼食にした。
上写真はそこから見えた景色。
どうやら、鳥甲山や遠く苗場山が見えているらしい。
左の写真がゴンドラ。けっこう登らないと稚児池まで行けないが、がんばって登ってくる家族などがいた。
13時44分 下山開始。
帰りは稚児池を挟んで反対周りの道を行く。
 
 
反対周りだと、鳥居を裏からくぐることになる。
祠はごくごく小さいものがあったと思う。鳥居、祠に比べると立派だな。
稚児池は浅い池で、タニシみたいなやつがはいずった跡がたくさんあった。
下山はゲレンデを歩く。
楽そうで、なんだか膝にくる感じだ。
でも、めちゃくちゃ気持ちいい。
左の飛行機雲の写真、実は今回の私的なベストショット。
登りの時に一回ゲレンデを横切ってまた林の中に入った道、そのまんまゲレンデを突っ切ってみよう、ということになった。
まっすぐゲレンデと並行した道かと思っていたが、途中でゲレンデが2方向に分岐していた。
が、登りの時にゲレンデのど真ん中に立木がある風景を記憶していたので、間違わずに下ることができた。
やっぱりそのまま登山道を行ったほうがよかったかもね。
とにかく、紅葉まっさかりで、秋を満喫できる道だった。
14時30分 登山道に復帰。
14時47分 登山道入り口。
14時52分 駐車スペース到着。
ご苦労様でした。
志賀高原に来たらお約束の澗満滝にご挨拶に立ち寄る。
わあ、さすがシルバーウィーク、いつもは1、2台しか駐車していない駐車スペースが自動車でいっぱい。
ほぼ営業していない炭焼き小屋も営業中。お客さんもたくさんいた。
滝はいつもどおり。
上のほうがわずかに紅葉しているかな。
もうちょっとしたら、きっと錦の衣を着るんだろうね。

簡単に登れるからと選んだだけの焼額山、これがとてもきれいな紅葉の中を歩くことができる山で思いがけなく秋を満喫することができた。
草花はゲレンデにリンドウとアザミが、山頂付近にシラタマノキの実があったくらい。きっと花の季節には稚児池のあたりはきれいになるのだろう。そんな季節にまた登ってみたいと思った。

焼額山(プリンスホテル西館登山口) 
最寄ICは、我々は新潟からなので、長野自動車道信州中野IC。国道292号で途中100円のトンネルを通ったりして志賀高原を目指す。
蓮池のあたりの交差点で国道から離れて、奥志賀に向かう県道471号に入る。
この先は、温泉やスキー場に向かう分岐がいくつもあるのだが、とにかく県道を外れないようにする。
最後のポイントは一の瀬のバス停。ここで道は左右に分かれて、左側はプリンスなどのスキー場になるので、比較的道が広い。
その左側に曲がって橋を渡り、比較的すぐに左側にプリンスホテルの西館が出現する。
建物にはフェンスがあり、入ってはいけないが、そのフェンスの前が焼額山の登山者用の駐車スペースになっている。10台くらいはとめられそうだ。
登山道は比較的なだらかで、危険な場所はない。が、後半はとにかく何のさえぎるものものないゲレンデ登りになる。夏場などは直射日光に注意したほうがよい。


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