番外

の山

2020/9/21  斑尾山(1381m)  チロル口より   
2020年のカレンダーは変則的で、シルバーウィークは9月と11月に分断されてしまった。
その前半戦の9月の連休。世間様は4連休となるところ、我が家はそろって土曜が出勤となり、3連休になった。
それでも、3連休をそろって迎えられるのは珍しいことで、どこかガッツリ登る山にチャレンジしてもいいか、とも思っていたが。
ところが私の仕事がハードになり、ついでに私の膝に水が溜まってしまい、ガッツリ登るのは無理だろうということになった。
では、どこに行こう。今年まだ見ていない花を見たいものだが、マツムシソウが咲く山は県内にあるんだろうか。
ミヤママツムシソウでなければ、明星山の登山道にあるという。じゃ、そこまで登ろうか。
と、思っていたら、斑尾山の近くの湿原にシラヒゲソウとアケボノソウが咲いている場所がある、という情報があった。
おお、どっちもしばらく見ていない。
マツムシソウ一つと、シラヒゲソウとアケボノソウのセット。天秤にかけたらセットが勝ってしまった。
斑尾山は手軽に登頂できる山らしいので、私の膝にも優しい。よし、決定。この三連休は斑尾山と沼の原湿原にしよう。

さて、当日。いつも出勤するくらいの時間に起床、いつも出勤するくらいの時間に家を出る。
登山道の入り口は斑尾高原ホテル近くのはず。きっと行けば案内くらいあるだろう、と思っていた。
一応、県内の登山口だけ案内してある本は持っているので、それを持って行けばまず迷わない。のはず、だったんだがな。
ホテルまで行っても登山口の案内がない。
ホテルの中に入っても地図さえない。
登山口の本の地図を見てみても、さて、この地図はどうやって見れば現在地がわかるんだ?といったありさまだ。
ダンナのあらかじめ調べてあった記憶で、レストランハイジというやつの近くだ、と言うので、ナビでそれらしい場所を見つけ、ホテルを通り過ぎる道へと自動車を進めたら、あ、道端に小さく斑尾山登山口、という看板があったぞ。人の足首くらいの高さにノートくらいの大きさの看板だ。見落とすよ、こりゃ。
そちらに曲がると、実はその道、スカイリフトへ続く道で、目指すべき場所は高原ホテルではなくてスカイリフトであった。
坂を下る感じで緑の芝生の中に進むと、前方にレストランチロルが見える。そこが登山口。ハイジはさらに先らしい。
キャンプ場のど真ん中で、キャンプする人たちがたくさんいたが、ちゃんと登山者用の駐車スペースもある。
レストランとしては休館中のチロルだが、きれいなトイレは使える。
どこが登山口かわからずにジタバタしたが、とにかくたどり着くことができた。

9時40分 すったもんだの末、登山口到着。
左写真が斑尾山を望むゲレンデのキャンプ場と登山者専用駐車スペース。
右写真がレストランチロル。トイレもチロルにある。
  チロルの向かい側から登山する。
登山者に向けて案内看板もしっかりとある。
9時47分 登山開始。
ゲレンデの緑とキャンプする人たちのテントを左に見ながら端っこを登って行く。
 
 
  だだっ広いゲレンデなのだが、要所要所にちゃんと案内看板が設置されている。
どうやら斑尾山登山は「かえでの木トレイル」というらしい。
まずリフトの設備を目標に登る。
 
 
10時02分 1.6キロの道標。
この先がぐぐっと斜度が急になる。
10時06分 1.5キロの道標。
ここで右側の木立に枝道があって、先行の年配のご夫婦がそちらに向かった。
何か別の目的地でもあるのかしらん。
と、思っていたら、結局間違って進んで行ったらしくて、あとから戻って来られました。
ちゃんと道標は見ましょうね。
  道はいよいよゲレンデのど真ん中をたどるようになる。
そしてさらに斜度もキツくなる。
我々の後ろからちょっと若いご夫婦が追いかけるように登って来て、そのご主人が奥様に「立ち止まっちゃダメだ、動けなくなるぞ」と、励ましている声が聞こえた。
私は立ち止まりそうになったのだが、その声に後押しされて、休憩ナシで足を運び続けた。
死にそうだった。
 
 
  ゲレンデを登る道の突き当りがT字の道になっていて、そこを歩く人がいたので先行者かと思っていたら、何やらものすごく軽装のオバサン一行。
どういうことかと思ったら、そこはスカイリフトの終点から伸びる道で、県境の看板がある場所まで来ているらしい。
観光客と登山者と、妙な混然一体の集団で県境に立つ。
10時22分。
下の右写真で右側が長野県、左側が新潟県である。
 
県境からちょっとだけ新潟側に戻ると斑尾山の山頂に向かう登山道になる。
  この道は、まだ日本海デッキと千曲川デッキという展望のきく「かのやまテラス」に続く道でもあるので、とてもよく整備されている。   
  道の脇には大きなアザミの仲間やヤマハハコなどが咲いている。ススキが背の高さだ。   
  いよいよ観光地から登山道に入る。
10時28分。
ジグザクに高度を上げていく。
どうやら脇に生えているのは、ヤナギランらしいのだが、すっかり花も終わって枯れかかっている。
咲いていたらさぞきれいな群落だ。
前方にリフトの施設が見えてきたぞ。
 
 
  そのリフトの施設のすぐそばに今度は林の中に突入する登山道が出現した。
10時45分。
今までのスキー場的な開放的な道とは違って、すっかり樹林帯である。
 
 
  ちょっとじめっとした樹林帯を少し歩くと、木が途切れて、またリフトの施設が見えた。
10時52分。
 
 
  だいぶ上までスキー場なんだね、と話しながら歩く。
木が途切れるとヤマハハコがたくさん咲いている。
 
 
  再び樹林帯に入る。
少し登ると、ここが山頂かしらんと思えるピークに出る。
でも、ここは山頂ではない。
斑尾山まではあと0.5キロ。
10時54分。
 
 
  少し下って、明るい道を通って行く。   
だんだん登りがキツくなり、根っこの張り出す道になる。
途中でたくさんトレランの人に追い越された。
早いなぁ。
と、思っている間に、あれっと思うくらい地味な斑尾山山頂に到着。
11時07分。
林の中で、眺望は全くないし、山頂らしい高度感もほぼない。
トレランの一行がわだかまっていたので、それと分かったくらいだ。
よーく見ると、信越トレイルの1番目の道標がある。
さらによーく探すと三角点もある。
でも、地味。
あらかじめ、山頂より先に進んだ大明神岳(1360m)というピークのほうが見晴らしがいいと調べていたので、そちらまで進んでお昼にすることにした。
  大明神岳にはほぼ平坦な尾根道を歩いて行く。
右手の若いブナの林が美しい。
 
 
11時17分。大明神岳到着。
ここも山頂感はほぼない。野尻湖方面以外は樹木が覆っている。
かなり狭い場所で大目に見て3畳くらいのスペースだ。
眼下には野尻湖が見下ろせ、その向こうにはたぶん黒姫山や飯縄山が見えているはずなのだが、見事に雲の中に隠れていた。
  すでに2組ほど休んでいたが、うまいこと場所を確保できたので、そこで昼食。
昼食後、片づける前から次から次に登山者がやってきて、びっくりするくらいの渋滞になった。
おわわわ、3畳くらいのスペースに20人近く集まってしまっているぞ。
過密状態だ。
慌てて片づけて下山開始。
11時44分。
 
 
11時52分。 斑尾山山頂。
12時05分。 一番上のリフトの施設。
ここまで来たらガスが立ち込め始めた。周りが真っ白だ。
12時26分。 かのやまテラスの分岐に復帰。
せっかくなので、日本海デッキと千曲川デッキに立ち寄ってみる。
右は日本海デッキ。うーむ、狭い。ただの板張り。
佐渡まで見えるとあったが、ガスで真っ白。
登山道を挟んで日本海デッキと反対側に少し歩くと千曲川デッキになる。こちらはちょっと広くてベンチも何個もある。
家族連れがランチをしていてほっこりする。
やや眺望があって、あれが千曲川かしらんと指をさす。
あとはひたすらゲレンデを下る。
子供が転がるように駆け下って行って、あっという間にキャンプ場に到着するのが見えた。
ありゃぁ早いや。
遠くでジップラインを楽しむ人の歓声が聞こえて来る。なんか、翼竜につかまった獲物みたいに見えるなぁ。
斑尾高原、かなり色々楽しめるらしい。
13時02分。 駐車スペース到着。

行くまで見事なまでのレジャー施設から登るとは全く知らなかったのだが、とにかくチロル口は観光地だった。
コロナ禍でアウトドアがもてはやされて、もしかしたら例年より賑わっていたのかもしれない。
登山する人は分散するので、登山途中はそんなにいないような気がしていたのだが、いざ山頂や眺望のよい大明神岳についてみると、全ての目的地であるものだから、密集することになってしまった。登山ってそういうものなのね。
さて、この班目山に登ることになったのは、花が見られるという理由からである。花は近くの沼の原湿原にある。予定よりかなり早く下山できた。さあ、次の目的地に向かおう。

                                                       沼の原湿原のレポへ→

斑尾山(チロル口より)
おおざっぱな目標は斑尾高原ホテルで一応間違いではない。最寄ICは我々は新潟からなので妙高高原IC。実はナビに任せたので、かなり込み入った道順で斑尾高原に向かった。おおむね県道96号を利用し、左折で県道504号に入り、ホテルタングラムリゾートを右に見ながらさらに進む。
県道97号に入り、右側に大きな建物の斑尾高原ホテルが出現する。あちこちに駐車場があるので、ちょっと混乱する。
高原ホテルを右に見ながらそのまま直進。目印は、かえでの木トレイル、という案内だ。
ぐるんと高原ホテルを回り込むような感じで道は進み、よーく見るとスカイリフトの案内があるはずである。そこからはスカイリフトに進めばよい。
さらによーくよーく見ていると、右側に足首くらいの高さにノートくらいの大きさの斑尾山登山口という案内もある。そこで右折。県道から別れる。
そのままゲレンデに向かって坂を下って行くと、突き当りにチロルの建物が見える。キャンプ場なので、キャンプ日和であればたくさんのテントやタープも見えるだろう。登山者用の駐車スペースもすぐにわかる場所にある。チロルの方向に向かわずにそのまま道を進むとスカイリフトになる。
ちなみに、長野県の豊田飯山ICから向かうと、もっと分かりやすいんじゃないかと思う。とにかくスカイリフトを目指そう。


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板