番外

の山

2020/9/21  沼の原湿原  湿原西トレイル   
我が家では、今年最後の三連休になる9月のこの日、実はもっと高い山にも登れたのだが、斑尾山を選んだのには理由がある。
近くに沼の原湿原という湿原があって、そこにシラヒゲソウとアケボノソウが咲いているというのだ。
今年はまだどちらも見ていない。というか、ここしばらくシラヒゲソウもアケボノソウも見ていない。
というワケで、斑尾山から下山して、すぐに沼の原湿原に向かった。
さて、沼の原湿原。
実は私はこの湿原は斑尾山の登山口のすぐ近くにあるのだと思い込んでいた。なんなら、ゲレンデの場所くらいの近くだと思っていたのだ。
違った。
ダンナが自動車に乗り込んで行くぞというので、そんなに遠いのかと思ったくらいだ。
斑尾山の登山口でさえ迷ったのだから、ちゃんと沼の原湿原に行くことができるのか、いきなり不安になった。
大丈夫、ナビに入っている。いやいやいや、我が家のナビは、滝を案内させたら滝の落ち口から距離だけは近い谷向こうの林道で終点になるし、山を案内させたら、山頂から一番近い林道で終点になる。信用できるのか。
しかし、頼るすべもないので、とにかくナビの案内通りに出発した。
いや〜な予感通り、案内を終わった場所は県道のなんでもない場所。どこだ、ここは。
赤池に向かう道が分岐するあたりである。
よく見ると、ガードレールが途切れている場所があって、何やら案内看板が設置されていた。
とにかく広くなっている路肩に自動車を止めて、その案内看板を見に行く。
おお、杭に「湿原西トレイル1.3キロ」とある。ここで間違いないらしい。1.3キロ歩けば湿原に着くのだろう。ナビ、間違ってなかった。
支度を整えて、その地味な入り口から歩き出した。

左写真がガードレールが途切れた場所。
木立の影で看板などが見えづらい。
しかも、看板には湿原西トレイル、と書かれてはいるが、沼の原湿原という文字は一つもない。地図などの案内もない。
ちょっと不安を感じつつ、歩きはじめる。
13時26分。
道は最初林の中を急降下する。
どうやら雨が降った時に地面をえぐったらしい。
川底のような泥がデコボコした、歩きづらい道だ。
一番底にたどり着く。両側に小菊のような花が咲き、なかなかきれいだ。
小さな沢を橋で渡る。
ツクバネソウの実が紫に熟れている。
途中、道がY字に別れて、どっちに進んでいいのか分からなくなる。
道標があるのだが、右に行くのも左に行くのも同じ矢印方向で書かれていて、どっちがどっちか分からない表記なのだ。
とりあえず、左を選ぶ。
13時38分。
右手にどうやら湿原らしいものが見えるのだが、林でよく分からない。
あれ、これはベンチかな。すっかり朽ちた木の残骸になっている。
13時46分。
道標が出てきた。
まっすぐが湿原入り口。右がロングコースとある。
ここは入り口に行くのが正解だろう。たぶん。
13時50分。
前方が開けてきた。
何やら看板が立っている。
おお、やっと待望の湿原の案内看板が出てきたぞ。
ここが沼の原湿原の入り口だ。
13時53分。
地図によるとロングコースとショートコース、さらに湿原中央トレイルというのがある。
午後も2時近いのでロングコースは無理だと判断。
ショートコースを選んで、道を進みだす。
桜の実だろうか、きれいな赤い実がなっていた。
  まずはススキの間を歩く。
うーむ、湿原っぽくないぞ。
 
 
  ちょっと歩くと木道になった。
湿原、湿原。
足元にわらっという感じでシラヒゲソウが現れ始める。
 
 
  うひゃひゃ。
あっちこっちにたくさん咲いている。
こんなにたくさんのシラヒゲソウを見るのは初めてだ。
しかも、見ごろを多少過ぎているのに、いくらでも見られる。
 
 
イワイチョウが咲き残っていたり、アカバナがあったり。
この背の高い菊っぽい黄色い花はなんていうのだろう。
調べてみたが分からなかった。
ススキにまじってたくさん風に揺られていた。
木道はちょっと古くなった感じ。
花を見ながら歩いているとけつまづく。
14時02分。ベンチ。
花としては最盛期を過ぎている時期だとは思うが、ヨツバヒヨドリやキツリフネなども咲いている。
  ヒョウモンチョウの仲間もたくさん飛んでいた。
詳しい分類はダンナに任せます。
 
 
14時13分。 休憩スペースか、ちょっと張り出したところに小さな木の広場。
湿原の野鳥たち、というイラスト看板があったが、ここは湿原の植物という看板が欲しかったなぁ。
見通しのいい湿原から、ちょっとだけ小高い林の中に入った。
いくつかベンチがあり、湿原を見下ろせる。
14時15分。
川沿いなのだろうか、一直線に木が並んでいて、湿原の緑の広場の風景とあいまって、まるで整備された公園のように見えた。
  丘を下って行くと、T字に突き当たった。
14時17分。
案内地図がある。
なになに、ショートコースは右、ロングコースは左。
当初の予定ではショートコースを選択したのだが、左に進んだほうが我々が自動車を止めた県道に近い場所から出られるようだ。
ということで、左に進む。
あら、トリカブトが咲いている。
綺麗な青だなぁ。
 
 
川らしい流れを左に見ながら進む。
おや、だれのいたずらだろう、カメバヒキオコシの花がビニールの袋で包まれているぞ。
ちょっと進むと、たくさんそんなビニールがある。
いたずらではなく、東京学芸大学の植物調査だと説明書きがあった。
花をビニールで包んで、どんな調査をするのかな。
14時27分。
ちっちゃな湿原があり、真ん中に白樺がスックと立っていた。
絵になるね。
あっ、アケボノソウ!
湿原で見られなかったので、もう咲き終わってしまったのかしらんと思っていたが、ここにありましたか。
それにしても、アケボノソウ、全体ではこんなに枝別れしてたくさん咲く花だったのね。
ひとつ見つけると次々アケボノソウをみつけた。
たくさん咲いている。
可憐な花だ。
アケボノソウだ、ツリフネソウだと写真を撮影しているうちにポンと元の道に戻った。
あれ、ここは最初に迷ったY字の道標の場所だ。
てっきりもうちょっと先にあるロングコースと書かれた道標の場所に出ると思っていたのに、だいぶ県道寄りに出ることができた。
14時40分。
県道に出るドロドロの坂道を登って行くと、アキギリを見つけた。
下る時には見つけられなかったのに。
キバナアキギリとアキギリが並んで咲いていた。
14時54分、県道に戻る。

そもそも斑尾山のほんのふもとにある湿原だと思い込んでいたので、意外に歩くことになってしまった。
どうもあとで調べてみたら、赤池や希望湖のほうに行く道があり、そこにちゃんと沼の原湿原の駐車場もあるらしい。その駐車場からなら、何分もしないで湿原に出ることが可能、らしい。ただ、色々調べてみても、はて、どの道を行けばその駐車場に行くことができたんだろう、と判断できない。歩かずに湿原を簡単に見たい人は、しっかり調べたうえで訪問するといいだろう。
シラヒゲソウとアケボノソウだけがお目当てではあったが、意外にもたくさん花が見られた。蝶もたくさん飛んでいたしね。
斑尾山がそれほど花のない時期だったので、この合わせ技は有効だな、などと思った。

沼の原湿原(湿原西トレイル)
県道97号から入る入り口は、本文にも書いたが実に分かりづらい。斑尾高原から新潟方面に進む場合、赤池に向かう分岐があるのだが、その少し手前である。花ちょっと路肩が広くなっていて、よーーーく気をつけているとガードレールが途切れていて、案内の杭と注意喚起の看板がある。
変則的に歩いたのだが、我々の足で1時間半で戻って来れる。花や蝶を撮影しつつの時間だ。
最初の案内のあるY字で右を選択していれば、より早く湿原に出られる。

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