番外

 2021年リピの山

その②(その①はこちら)


月山
弥彦山
糸魚川
東篭ノ塔山
角田山
大尾不動滝
一切経山
多宝山
斑尾山
菱ケ岳
米山

番外編2021年紅葉めぐり
奥日光
田子倉湖
清水園
旧斎藤家別邸

八石山
戸倉山
視後平滝

6月26日(土) 月山
新型コロナウィルスの影響で県外自粛した昨年は、毎年のように行っていた月山に行くことが叶わなかった。
今年は除菌やマスクをきっちりとすることで県外を解禁。ようやく月山に行ける。
行けるとあれば、クロユリの咲く頃に行きたい、ということで、6月の最後の土曜日に行くことにした。
実は、この土曜日も例にもれず梅雨の雨模様の予報だったのだが、近づくにつれ天気予報が好転。朝方に多少の雨は残るが次第に晴れてくるという予報になっていた。月山登山は、雨だの霧だのが多くスカッと晴れたことのほうが少ない。
雨や霧になってしまったことを「負け」とするとしたら、月山は負けがこんでいる。ぜひとも勝ちの登山がしたい。
そんなこんなで午前5時過ぎに自宅を出発。午前8時半前に月山スキー場の駐車場に到着した頃は、なんとなーくどんよりとした空模様だった。
雨具は当然として、とりあえず傘もリュックに入れておく。
支度を終えて、リフトに乗り込む。あら、あららら、雨だ。
屋根のないリフトで、身動きの取れない状態で雨に降りこめられてしまった。カメラを守るだけで精一杯だ。
これ、朝方に残る雨、ということなんだろうなぁ。
リフトをを下りる。
おお、スキーをする人たちがたくさんいる。まだ9時前だというのにな。
雪の具合は、我々がリフトを使って登山した中では一番少ないかもしれない。
まずは姥ケ岳に向かって雪を直登。そのうち、雲が切れて、青空が見え始めてきた。
姥ケ岳までは雪が途切れてから先は見事なまでのお花畑になっていて、も、ここで終了でいいや、と思うくらいだった。
でも、がんばって月山まで登る。
以下、写真でお花など羅列します。

       
  月山リフトの出発地点は、キスゲだらけだ。スキー場にたくさんの人。山頂駅のすぐそばにはもうお花畑になっている。

    
  天空から滑り降りる気分だろうなぁ、ここでスキーをするのは。すぐそばにはコバイケイソウが。

      
  姥ケ岳は別天地のような風景だ。ヨツバシオガマやミヤマウスユキソウが咲いている。

    
  これから行く道のりが見える。しばらく石畳の道が続くが、これが歩きづらくてね。私、苦手なのよ、ここの石畳。

      
  ツマトリソウやウサギギクが石畳の間から顔をのぞかせる。姥ケ岳に登らないコースとの合流点の牛首から先は雪渓。

      
  最後の雪渓はけっこう長い。雪渓のあとは急な登り。石積みの間から花がこぼれ咲く。

        
  ウズラバのハクサンチドリ。アオノツガザクラ。エゾノツガザクラ。

      
  お花畑と雪山。すごい風景だなぁ。ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ。

      
  ミヤマガラシ、イワウメ、ミネズオウ。

      
  鍛治稲荷神社を通り過ぎ、最後の登り。登り切った先にも広大なお花畑。遠くに社殿が見える。

      
  そして、クロユリ。クロユリが見られる場所以外にも道の端っことかにも咲いているが、なにせ地味な花だ。
  目が慣れると草の中にたくさんみつけられるが、なかなかみつけられない人もいるようだった。

      
  山頂からの風景。食後、三角点にタッチしに行くが、間違って東日本大震災供養復興経塚という石碑のある場所に行ってしまった。
  ここからさらに社殿とは反対側に行った先に右の写真のような三角点がある。入り口に案内でもあるといいんだけど。

      
  方位盤。このあたりにもクロユリがあるのよ。ミヤマリンドウ、ホソバイワベンケイ。

      
  かろうじて咲き残っていてくれたシラネアオイ。この山に来る目的の一つ、ヒナザクラはそこいらじゅうに咲いている。

      
  コバイケイソウのモコモコの花、ナナカマド、チングルマ。

    
  あ、行く時には見つけられなかったハクサンシャクナゲが咲いている。雪渓は下山時には霧っぽくなっていた。

      
  コメバツガザクラかな。コバイケイソウ、タカネスミレ。

    
  リフトを下りたあとにも楽しみが。クジャクチョウが遊んでくれた。山荘の庭にはきれいなオダマキが。


雪と花と青空と、勝ち負けで表現するなら、今年の月山は勝ちだ。これで我々の成績はドローくらいになったかな。
さて、色々な奇跡的な風景や花を見せてくれた月山だが、今回は別の意味で奇跡を感じさせてくれた。
山頂で、ダンナがよくお世話になっているYamap仲間のしったかぶり子さん、豆さん、辰さんとバッタリ。
彼女たちは我々とは違う羽黒山口コースから登って来られたとのこと。
この広い山頂スペースでたまたまトイレ前という人の集まる場所でマスクをしていなかったダンナをみつけてくださった。
いや、びっくりだ。ちょっとだけ時間がズレていたら、絶対に会えない偶然である。ある意味奇跡だと思う。
これだから登山は面白いな、と思う。
人も花も、ちょっとの時間のズレで色々な奇跡を見せてくれる。
いや、ホント、今年の月山は「勝ち」の登山だったな。


  8時24分 駐車スペース到着。  8時42分 リフト。  9時03分 トイレ利用後、リフト山頂駅出発。
  9時11分 牛首コース分岐。  9時22分 雪渓の終わり。  9時30分 姥ケ岳。  9時52分 金姥(湯殿山分岐)
  10時22分 牛首。  10時43分 最後の雪渓終了。  11時11分 鍛治稲荷神社。  11時21分 芭蕉碑。
  11時28分 山頂小屋。  12時20分頃 昼食終了。  12時30分 三角点。  12時45分 方位盤。
  12時55分 鍛治稲荷神社。  13時28分 牛首。  13時56分 湯殿山分岐。  14時15分 姥ケ岳。
  14時35分 牛首コース分岐。  14時40分 リフト山頂駅。  14時57分 リフト麓駅。  15時15分 駐車スペース。

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7月4日(日)  弥彦山
この日は天気予報では雨が強くなるという事だったが、午前中は家から見える弥彦山の鉄塔などもくっきりと見え、雨も降っていない状態。
どこの山にも行けないが、弥彦の山頂駐車場からなら少しは歩けるかもね、アジサイも見ごろだというし。
と、いうことで、買い物をしてから弥彦山に車を走らせた。
今にも降り出しそうな状態だったが、奥宮のある10合目までは降らずにいてくれた。
アジサイはロープウェイの山頂駅から売店あたりにたくさんあって、階段のあたりの白いアジサイが満開。なかなか見事だった。
他のアジサイもポツポツと咲いていたが、満開という感じはしなかったかな。
でも、弥彦にこんなにたくさんのアジサイがあるのだと知れただけでも、梅雨の恩恵だと思った。
花はほかにもカキツバタやクガイソウが駐車スペースからロープウェイ駅に行くまでの階段に咲いていたり、駅の花壇にオカトラノオがあったり。
弥彦山も花に愛された山なのだ。
ちょっとだけしか歩けなかったけど、意外に花が見られた。
下山時、あっという間に視界が白くなり、大粒の雨が。
すっかり雲の中に入ってしまったようだ。
傘を差して慎重に下山。梅雨の晴れ間のひと時だった。

      
  パノラマタワーと売店が見える。ズラッとアジサイが植えられている。 そこに至る階段にはクガイソウやカキツバタが自生している。

      
  真っ青なアジサイや綺麗なムラサキのガクアジサイも。花壇にはオカトラノオが咲いている。


    
  売店下の階段の脇にもオオバギボウシやホタルブクロなどが咲いていて目を楽しませてくれる。

      
  奥宮に行く参道にはカラマツソウや八重咲のドクダミが。

    
  帰る頃に、あっという間に雨ザーザー。弥彦山頂は雲の中になったようだ。


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7月22日23日(祝)  糸魚川
高校時代の旧友とこの時期にドライブ旅行に行くのが恒例になった。
登山とは関係ない行楽ではあるが、一部、山にも関係のある楽しい旅行だったのでちょっとご紹介。

コロナウィルスの流行が収まらず、県外に旅行に出かけるのもはばかられる事が続いている。ので、友人が計画したのが県内の一番遠く、糸魚川に行こう、というもの。旅行好きの友人がすべての行程を組み立ててくれた。
まず行ったのが道の駅能生のカニ横丁。午前中からカニを一杯食べてしまいましたよ。
さすがに主婦の集まりで、一人が知り合いからもらったという割引券で1000円ひいてもらって、さらに2000円のカニを3杯買うつもりだったのに、いいのがないから2000円2杯と3000円1杯で1000円ひいてもらったうえにさらに1000円ひいてくれて4000円。もう値段なんてあるんだかないんだか分からない状態。
隣接するカニを食べられる施設でそのまんま食す。ワイルドだ。でも、ぺろっと食べてしまった。
手を洗ってもめちゃくちゃカニ臭さが取れなかったが、これがコンビニで買った布の消臭スプレーで消えたのが笑える。
  
カニ横丁。カニだらけ。

続いて向かったのが、翡翠園という日本庭園。こことセットなのが谷村美術館という建築家村野藤吾と彫刻家澤田廣の美術館に玉翠園という日本庭園が合わさった施設。糸魚川にこんな静かで落ち着く日本庭園があったとは、全く知らなかった。ツツジと紅葉の季節が素晴らしいそうです。

    
翡翠園。ササユリ咲いてました。

    
谷村美術館。建物自体が展示物でもある。庭園を見てコーヒーも飲める。

そこからフォッサマグナミュージアムに行って、北アルプスが海に落ちる場所まで新しく登山道を作った「栂海新道」が50周年だということでパネル展があり、そこで映像などを楽しんだ。我々がよく登る戸倉山なんかも紹介されていた。
そんな道があるんだね、見てみたいね、と言っていたところ、なんと宿泊したホテルがその「栂海新道」の国道沿いの入り口の真ん前。
その日の夜、疲れて早々に寝てしまったオバサン一同は午前4時から起きだして、午前5時には散歩に出掛ける。
「栂海新道」の入り口ということは、親不知のハイライトでもあって、遊歩道がホテルの脇から伸びているのだ。
少し歩くと、あら、海から朝日が昇って来ていてる。え、日本海から朝日?
ちょっと突き出た形の親不知だから見られる光景だ。

  
これ、朝日なんですよ。親不知インターあたりの海に飛び出る高速道路も写っている。

遊歩道は自動車は入って来られないのだが、自動車でも楽々の舗装道。
しかし、好奇心旺盛なオバサンは、この遊歩道から下って行くとトンネルの遺構があるという看板を見て、行ってみよう、ということになってしまった。
とんでもない急降下の階段が続き、しまいに山道のようになる。
5分程度ではあるが、7月の早朝、汗だくになりましたよ。

    
親不知遊歩道。岩盤に文字が刻まれている。案内にしたがって階段を下る。

    
トンネル。かなり不気味。ウバユリ咲いてました。

トンネルはちゃんと通ることができるらしいが、もちろん真っ暗で気持ち悪い。また来た階段を登って戻る。
ちなみに、トンネルは明治に完成した道のもの。
我が子や親のことさえ考えられないほど通行が困難だった荒海の海岸の岩場だった親不知、ここを明治天皇が行幸するにあたって、あまりに危険なので迂回する山道を選択。それも険しい山道で、天皇さえも輿を下りて歩かざるを得なかった。そんなことをさせてしまったことを悔いた地元の有志が新しく道を作ったというのが、このトンネル。

さて、好奇心旺盛なオバサンたちはホテルに戻って一息つくかと思いきや、トンネルの反対側の出口にも行けることを発見。それこそが「栂海新道」が海抜ゼロに至る階段に通じていると知るや、そっちにも行くと言い出した。

    
国道沿いのホテル前から遊歩道を下る。

    
トンネルからは冷気が噴き出ていた。反対側にも遺構がある。

こちらの道は階段ではなくて、ちょっと細い遊歩道みたいな感じ。国道の下の岩盤が崩れているのを見たりしてやはり5分程度でトンネルに着いた。
こっちのほうが風の出口なのか、ヒヤッとした冷気がトンネルから出ている。トンネルから真っすぐ反対側にも鉄筋の遺構があった。
トンネルの前から階段が海岸に向かって下って行っている。
3分も下らずに石ころの海岸に着く。海抜ゼロ。「栂海新道」の終点、もしくは出発点だ。

    
トンネルから海に下る。この階段が栂海新道の終着点、もしくは出発点。

    
ホタルブクロ、クガイソウが咲いてました。

満足して来た道を戻る。時刻は6時半少し前。これから「栂海新道」を行こうとする登山者が国道の向こう側の登山口で登山届を書いているのが見えた。
お風呂に入って、朝食をいただき、県民に適用される割引の有難さを痛感しつつホテルを後にする。
糸魚川市内に戻って、友人が興味があると言っていた糸魚川駅にあるジオパルという施設へ。ここは鉄道の実際の車両や模型やプラレールなどがあり、ジオラマの車両を有料で操作することもできる。
オバサン、操作してましたよ。結構好きだそうで、色んなものに興味を持つと人生楽しく過ごせるなぁ。
それから糸魚川名物のブラック焼きそばを食す。ただし、パンフレットにあったジオパルから一番近いお店を選んだら、小洒落たレストランのアレンジされたブラック焼きそばだった。絶品に美味しかったけど。

    
動かせるジオラマと、右はハイカラなブラック焼きそば。美味。

もうこれで糸魚川も堪能しきっただろう、と思いきや、まだ思い残すことがあるそうで。
能生の弁天岩に行ってみたい、とのこと。
実は前日にも行ってみたのだが、弁天岩、海水浴場のど真ん中にあって、駐車する場所がすべて海水浴用になっていたのだ。
今度は道の駅の案内の人に聞いて再チャレンジだ。なんと海水浴場の駐車場にとめていいとのことだった。
その言葉通り、客引きのおっちゃんに弁天岩に行きたいと言ったら、海水浴案内の建物のすぐそばに観光用の駐車スペースが3台分ほど確保されていた。
でも、客引きのおっちゃん的には邪魔な存在らしく、さっさと行ってこい、と言われてしまった。
ので、炎天下、速足で弁天岩に行く。
いや、まさか灯台まで行かないだろうと思っていたら、せっかく来たし、二度と来ないだろうから、と、灯台まで登りましたよ。
もう、ホント、この友人たちは自慢の友人たちだ。この人たちと一緒でなかったら、わたしゃ無難な旅行しかできない。

    
赤い橋を渡って、弁天岩に。鳥居のそばにはコオニユリ。

    
途中にお賽銭箱があり、さらに登る。

    
と、またもや鳥居があり、さらに登ると灯台のもとに祠がある。

  
その祠から友人たちを見下ろした。向こう側の海岸線が海水浴場だ。

結局、一泊二日でさんざん行動しまくって、食べまくって、カニも含めて全額で1万5千円でおつりがついた上に、地域振興券が2千円手元に来たという、とんでもなくコスパの高い旅行になった。
糸魚川、面白いわ~。色んな角度で好奇心を持つと、よく行く町も特別になると痛感した。


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8月8日(日)  東篭ノ塔山 池の平湿原
手軽に標高の高い山に行けて、手軽にたくさんの花が見られる場所と言えば、我が家では東篭ノ塔山と池の平湿原になる。
ほぼ毎年行っていたのだが、昨年は新型コロナウィルスの影響で行くことができなかった。
その昨年、台風で長野県は甚大な災害に見舞われ、湯ノ丸高原のあたりも土砂崩れなどがあったようだ。
いつものルートで菅平高原からいったん群馬県に出て、そちら側から湯ノ丸高原に入るのだが、隣を流れる湯尻川がなんだかぐちゃぐちゃになっていたり河川工事のようなものが入っていたり。
最初は何かあったのかしらん、くらいにしか思っていなかったが、樹木が倒れたり、道路工事があちこちであるのに遭遇して、あ、昨年長野は大変だったんだ、と思い出した。
今年、自動車で楽々と湯ノ丸高原に行けるのも、関係者の努力のおかげである。
大自然は可憐な花を見せてくれたり、台風などで牙を向いたり、そのどっちも同じ質量で我々に降り注ぐ。
うむ。良きにせよ悪しきにせよ、偉大だ。
さて、東篭ノ塔山。前週に火打山に登ったせいで、こんなに楽々登れる山だったっけ、といった具合にするっと登ってしまった。
相変わらず早起き苦手なので、8時半頃に自宅を出発して、11時半頃に登山口到着。
自動車の中では晴れ間もあったけど、登山中は曇りぎみ。
それでも、楽しみにしていた花たちに出会えた。

      
  
今年はどこもバイケイソウがたくさん咲いている。ハクサンオミナエシ、ウスユキソウ。

      
  
こいつを見るために来ているようなものだ。マツムシソウにも出会えた。

      
  
タチコゴメグサ、シュロソウ、シナノオトギリ。

12時過ぎには山頂に到着し、低木の影で昼食。
遅い出発のせいか、山頂にはそれほど人はいなかった。
花など撮影し、12時40分ころに下山開始したのだが、昼食を食べている間、あの雲は雨を降らせる雲かしらね、といって眺めていた雲が山頂までやって来てしまった。

    
  
分かりづらいだろうが、左写真の上半分は雲。目の高さに雲があり、下界を圧迫している。
  右写真、その雲がついに下山ルートに到達した。


あっという間にバラバラバラっと雨が降って来た。
東篭ノ塔山の山頂直下はガレ場で、雨では足場がマズいかな、と思ったが、それほど長くはないので、むしろ樹林帯に逃げ込んだほうがベストと判断、足早にガレ場を下り、樹林帯に。
さすがに木の下は雨がダイレクトには当たらず、しかも、登山口に着くあたりではやんでしまった。
下っている間、もし駐車場に行っても雨なら湿原のほうには行かずに帰ろうと話していたが、雨なんか降っていませんよ、といった感じの風景である。
ありがたく湿原散策に出掛けた。
下は、湿原で見れた花々。
蝶はものすごくたくさん飛んでいたけど、種類は実は少なかったのよ。

      
  
ハクサンフウロ、ワレモコウ、たくさんのノアザミ。

      
  
シロバナウツボグサ、エゾスズラン。地面にたくさん蝶がとまっていたけど、吸水中らしい。ヒカゲチョウとクロヒカゲ。

      
 
 なんか、うまそうなマルバタケブキの蕾。イブキジャコウソウにはどっさりとコヒョウモンが吸蜜中。

      
  
コヒョウモンはホンットにたくさんいた。花にはコヒョウモンが付き物みたい。あ、セミ発見。羽化したて?

      
  
マツムシソウにオオチャバネセセリ。ウメバチソウが咲き始めると、秋の気配。三方ケ峰には終わりかけのコマクサがまだ咲いていた。

      
  
コウリンカ、ツマグロヒョウモン、ツリガネニンジン。

      
  
アカバナシモツケ、バイケイソウバイケイソウバイケイソウ(笑)、ウツボグサ。

      
  
白いアザミがあった。オオチャバネセセリはノアザミが好きだね。クロヒカゲが2頭。

  
駐車スペースのそばには、キバナノヤマオダマキやキスゲが咲いていた。

結局、雨に降られたのは、山を下るガレ場あたりだけで、湿原ではむしろいいお天気だった。
ただ、放開口から見えるはずの富士山は重い雲に隠されて見えなかったけど。ちょっと残念。
ヤナギランもまだ蕾で、ほぼ咲いていなかった。

  東篭ノ塔山 登山口 11時27分   樹林帯の終わり 11時53分  山頂 12時06分
           下山開始 12時40分  登山口 13時13分
  池の平湿原  入り口 13時20分  湿原 13時40分  放開口 13時55分  鏡池 14時10分
            三方ケ峰 14時22分  もう一つのコマクサ園 14時44分  雲上の丘 15時01分
            雷の丘 15時12分  駐車場 15時30分


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8月15日(日) 角田山
今年のお盆休みはオリンピックの余波もあって変則的で、私の連続する休日は4日だった。
4日とはいえ、長い休みである。本来なら、前半にガッツリ登山して体力を消耗し、後半で回復する、という使い方をするはずだった。
いや、もっと言えば、新潟県で実施していた県民の宿泊割引を利用して、遠くの山に一泊で行くか、という予定さえたてていた。
が、コロナの流行が拡大して、宿の予約をする前に割引が中断されることに。
今思えば、その時予約しないでよかったのだが。
というのも、お盆休みの4日の間、日本中が梅雨かと思うくらいの雨だった。
どこにも逃げようのない雨模様が続いて、高校野球でさえ順延順延の憂き目にあっていた。
つまり、登山どころではないお盆休みだったのである。
ただ、新潟県は、大気が不安定ではあるが、大雨にはならず、時々晴れ間も見えるが雨も降るといったワケのわからない天候だった。
そんなこんなで、お盆休み3日目、どこに行く予定もなく、普通に食材の買い出しに出掛けてみたら、意外にも遠くに見える角田山の上空が青空だった。
あれなら登れるだろう。
バタバタと買い物をすませて、おにぎりにぎる暇もないから、菓子パンを買って、ペットボトルの飲料を持って、角田山に出掛けた。
お盆の角田といえばキツネノカミソリである。
期待通り、一面に咲いていてくれた。
この真夏の猛暑の時期、キツネノカミソリ以外にもけっこう花も咲いていて、楽しむことができた。
ただ、やっぱり暑かった。猛烈に汗をかいた。
それでも、室内で雨空を見上げている休日よりもずっと充実した一日だった。

  
写真ではよく分からないだろうが、佐渡の手前の日本海が信じられないくらい遠くまで茶色だった。
  お盆休み中の長雨のせいだと思われる。


      
  
地味ながら登山道を彩ってくれる花たち。ヤブランは本当にたくさん咲いていた。キンミズヒキ、オヤマボクチ。

      
  
山頂近くにはツリガネニンジンが。小さいながら可憐なミヤマウズラも咲いている。

      
  
蝶もたくさん。ルリタテハ、キアゲハ、ウラナミジジミ。他にもわんさか飛んでいる。

      
  
もちろん、キツネノカミソリも圧巻だ。緑も濃いので一面のオレンジには見えないだろうが、とにかくあちこちに咲いている。

  11時38分 登山開始。  11時51分 ベンチ。  12時39分 2か所目のベンチ。  12時45分 五ケ峠への分岐。
  12時58分 灯台コースとの分岐。  13時02分 三方平。  13時16分 山頂。  13時30分 観音堂。昼食休憩。
  14時ちょうど 下山開始。  14時27分 三方平。  14時31分 灯台コース分岐。  14時38分 五ケ峠分岐。
  14時42分 二か所目のベンチ。  15時26分 最初のベンチ。  15時38分 駐車スペース到着。

  *ちなみに、最初のベンチと二か所目のベンチの間の時間が長いのは、キツネノカミソリの撮影のためです。

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9月5日  大尾不動滝

この週は、ダンナが日曜だけのお休み、ということで、近場で花と蝶を満喫できる場所に行くことに。
雨がちの予報ではあったが、北のほうであれば晴れ間もありそうな感じだったので、ほぼ定番の「大尾不動滝」「たきがしら湿原」「ハーバルパーク」の三本立ての散策をすることにした。
まず大尾不動滝に。6月に来た時に、ウリノキの花やらサイハイランやら、こんなに花が咲く遊歩道だったんだと気づいた場所だが、9月のこの時もここってこんなに花があったんだ、という発見があった。でも、みんな名前がわからないし。地味な花ばっかり。

      
  
白い小さな花や、カニコウモリに似ているんだけど全然違う花や、もはや花なんだか芽なんだかわからない花や。

  
  
圧巻はこいつ、真っ赤なソラマメ大のものがバナナみたいに赤い茎からぶら下がっている物体。
  なんじゃこりゃ~っ。ツチアケビという植物の実らしいです。


      
  
滝は相変わらず美しいです。水量が多くて、私は対岸に渡れなかったけど、ダンナが渡って撮影。いい滝だよね。

続いて、たきがしら湿原へ。入り口近くの広場でランチ。
同じようにバーナーでお湯を沸かしてランチするご夫婦が二組もいて、同じ様な行動をする人がいるんだな、とちょっと嬉しい。
ちなみに、同じ様に蝶々を撮影しているご夫婦もいた。

      
  
ヨツバヒヨドリとアカタテハ、コバギボウシ、カワラナデシコ。

      
  
キキョウ、オミナエシとミドリヒョウモン、これが目当てだったシラヒゲソウ。

       
  
サワギキョウ、ミソハギとオミナエシ、右は何の実かな。

蝶と花を満喫して、次は園芸種の庭であるハーバルパークへ。

      
  
あ、もうヒガンバナが咲いている。モンキチョウは紫の花に似合う。ポンポンの花、たくさん。

      
  
紅葉も始まっていた。終盤のラベンダーと、夏の名残のひまわり。

当初の目的通りに花と蝶をお腹いっぱい満喫した。
こういう場所を一つ持っていると、ちょっと豊かな気持ちになれる。

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9月11日  一切経山

変則的なカレンダーになっている今年の秋。実は我が家ではシルバーウィークというものが消滅してしまっていた。三連休が無いのである。
土曜日が休日になるのも少なく、この土曜日は貴重な連休のお休みだった。
だというのに、県内の天候は不安定。頼みの綱の近県も西のほうは雨予報だ。
かろうじて北に逃げれば雨からは逃れられるかもしれない。ならば、ここしばらく行っていない福島県の飯豊の大滝に行こうではないか。
ということで、磐越自動車道に乗った。
乗ったのに、しかし、雨だ。しばらく走っても雨。回復する様子もない雨。
しかも、私はすっかり失念していたのだが、飯豊の大滝に行くには渡渉がある。この渡渉キライの私が雨のアルミ橋を渡れるワケがないではないか。
断念しよう。
しかし、磐越自動車道に乗った我々、この現実をどう潰せばいいのだ。
パーキングに入り、あれやこれやと考えを巡らす。
とにかく、雨が降っても大丈夫な湿原がある場所がいいだろう。思いついたのは、浄土平である。あそこならちゃんと建物もあるし、木道もあるし。
歩けそうなら吾妻小富士もある。そうだ、一切経山にはしばらく登っていない。東吾妻山だと眺望がないから、一切経山に登りたいなぁ。
あの青い五色沼を見てみたいなぁ。
そもそも、雨模様でその望みが間違っていたんだけど。
とにかく、行先は一切経山に決定した。

      
  
10時半頃に浄土平の駐車場に到着。レストハウスは休業しているが、トイレは使える。
  その向こうに見える一切経山は思った以上に煙を上げていた。


      
  
雨も降りそうもない雲だったので、一切経山に向けて歩き出す。まず鎌沼に向かって登るが、この登りがキツイ。
  ハナコケにシラタマノキの白い実が綺麗だ。

      
  
酢ケ平の山小屋。トイレもある。このトイレ、手洗いの水は自分でポンプを押して出す方式でなかなかおもしろい。
  この先は垂直なんじゃないかと思うくらいの急登をひいひい言いながら登る。
  今は登山禁止の一切経山の旧登山道と合流して、左に曲がるあたりから霧が出始めた。山頂ったら、ほぼ真っ白。
  雨じゃないだけで、一面の霧。

      
  
これを見るため、というのが一番の理由だった「魔女の瞳」五色沼も霧の中で、見えるんだか見えないんだか分からな状態。
  山頂は風があって寒かったので、雨具を着て、霧が晴れるのを待つためにそこで昼食にした。
  結局、霧は晴れずに、上の写真がギリギリ見えた五色沼だ。
  帰りは、鎌沼をぐるっと回って戻る。なんだかぽつぽつ雨も当たって来た。


      
  
ようやく草紅葉が始まったばかりの鎌沼周辺。こちらを歩く人はほとんどいない。でも、時々赤くなっている葉っぱもある。

      
  
石がボコボコ出ていて、日本じゃないみたいな風景にも出会える。木道は整備されていて、綺麗だ。
  どこまで続くのかと思っていたが、ストンと見覚えのある場所に出た。姥ケ原だ。ここから東吾妻山方面に行ける。


      
  
姥ケ原から先は樹林帯になる。木々の根元には色々な実があって楽しい。
  ゴゼンタチバナ、アカモノ、マイヅルソウ。春と違って秋はみんな真っ赤だ。


      
  
崩れたのか補強されている場所もあった。目を上げると、ナナカマドの赤い実がびっしりとついている。
  おや、小さな流れが、まるで秋の風景みたいになっているぞ。


  
前方に吾妻小富士が見えて来た。駐車スペースも近い。


  10時30分  駐車スペース出発。  10時50分  鎌沼方面への分岐。  11時22分  酢ケ平分岐。
  11時25分  酢ケ平避難小屋。  11時37分  急登終わりのT字。  12時ちょうど  山頂到着。
  12時30分  下山開始。  12時47分  T字。  13時05分  酢ケ平避難小屋でトイレ休憩の後、鎌沼分岐。
  13時37分  姥ケ原。  14時16分  鎌沼方面への分岐。  14時27分  駐車スペース。

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9月12日  多宝山

前日の一切経山があまりにも霧で寒くて、何も見えなすぎた。
翌朝起きると、みごとなまでの青空。これ、どこにも行かないってナシなんじゃない?
さすがに家事もあるので、遠くには行けない。でも、我が家からよく見える弥彦山なら行けるだろう。
自動車で山頂の駐車場まで行って、眺望のいい大平園地でお昼を食べよう。
そして、せっかく行くのだから、ちょっと歩こう。
きっと蝶も飛んでいるぞ、ということで、いつもであれば弥彦山の山頂に行くのだが、芸がないので、今回は多宝山に行くことにした。

      
  
大平園地から多宝山に向かってちょっと下って行くのだが、その道ですでに花と蝶。
  クサボタンは本当にたくさん咲いていた。ホツツジ、タムラソウ。


      
  
テンニンソウ、おっ、スズメバチとミドリヒョウモンが同じ花に。シロヨメナ。

      
  
クサボタンとツリガネニンジンが並んでいる。そっくり同じ色だ。クサボタンロードになっている登山道。
  振り返ると、弥彦山の鉄塔群とその向こうに大河津分水が見えた。


      
  
むむ、この鉄製の蓋は何? 「気」と書かれているけど。登山道の真ん中にヤマハギ。
  多宝山山頂には気象ドームがある。


    
  
何やら草だらけのドームの周りの一部に踏み跡があったので、辿ってみたらホオズキがありました。
  山頂では2組ほどがお昼を食べていた。
  すぐに戻る。あ、登山道の脇に「気象」と書かれた印が。そっか、この道の施設は気象観測用のものなのか。
  途中、花を撮影しているダンナに男性が花の名前を聞いてきた。薄紫のホタルブクロみたいな花は何ですか?
  おそらくツリガネニンジンなんだけど、クサボタンの可能性もある。ぷっくりしていて下を向いていたらツリガネニンジンなんだけど。
  山に登りはじめの頃は私たちも花の名前なんかさっぱりだったもんね、と、最近よく名前を尋ねられる我々は感慨深い。


    
  
帰りは大平園地まで登らずに途中で渡るスカイラインから駐車場に戻る。おお、新潟平野がよく見える。
  稲穂の実る田んぼと稲刈りが終わった田んぼがパッチワークのように広がっている。


      
  
舗装道路の脇にも花がたくさん咲いている。白っぽいアキギリと黄色いアキギリ。右はなんて花なのかしらん。


  11時50分 山頂駐車場。  11時57分 大平園地。昼食。  12時13分 多宝山へ出発。 
  12時27分 スカイラインを渡る。  12時46分 山頂。  12時49分 下山開始。
  13時09分 スカイライン。  13時20分 駐車スペース。

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9月23日 斑尾山
週の真ん中にぽっかり頂いた国民の休日、ありがたく利用して、散歩気分で登れる斑尾山に行ってきた。
紅葉には早いだろうが、いいお天気のこと、昨年行った時に見えなかった黒姫山も見えることだろう。
ついでに沼の原湿原にも立ち寄って、まだ咲いていてくれるはずの夏の花を見てこよう。

    
  
昨年もこのころに斑尾山に登っているが、昨年は連休の中日だった。たくさんのキャンパーが色とりどりのテントをはっていたが、今日はほとんどない。
  とても静かに登山開始。

      
  
今年は秋が早いようだ。昨年は9月21日でまだ夏の気配が残っていたが、今年は一面のススキである。
  昨年はスカイリフトが運行されていたが、今年は無いようだ。
  設置されていた「日本海テラス」「千曲テラス」それに県境の表示もすっかりなくなっていて、さみしい。


      
  
ツルリンドウも咲いている。おや、確かアカタテハは昨年もこのあたりで見たぞ。

      
  
群生するらしいヤナギランはすっかり種がはじけていた。なんだこの灰色にオレンジが乗っかったコケみたいなのは。
  イオウゴケというそうな。オレンジの部分が魅力的な唇に見えて、モンローリップというんだって。おほほ。


      
  
エゾアジサイもまだいい色だ。アザミの仲間にアカタテハ。おや、あのシルエットは妙高山じゃないですか。

      
  
樹林帯に入ると、もう実になっているツルリンドウが。
  昨年はトレイルランの一行で賑わっていた山頂は、誰もいなかった。
  今回もお昼は眺望のいい明神岳に向かう。きれいなブナの林だ。


    
  
大明神岳から見えた野尻湖と黒姫山。昨年は山が雲に隠れていたので、見れて感無量。高妻山なんかも見えていたらしい。
  右は下山時に見えた沼の原湿原方面。


    
  
左は下りのゲレンデで見た珍妙な植物。フユノハナワラビというそうです。右はアキノキリンソウ。
  下山の頃には、ゲレンデのキャンプ場に幾張りかのテントが並んでいて、ようやく秋の行楽シーズンぽい感じになっていた。

  
さて、登山は終了したが、斑尾に来たなら沼の原湿原に立ち寄らないわけにはいかない。
今回は、ちゃんとした正規の入り口と駐車場のある場所が行くことに。
県道96号を高原ホテルに向かって走ると端々に道案内がある。その案内に書いてある通りに沼の原湿原を目指す。
高原ホテルを背にする感じで道なりに左にカーブして進んで行くと、ここで左折すると沼の原湿原だと案内が言うので、その通りに。
県道を外れると道が林道っぽく狭くなる。途中、何かの施設があったりするが、概ね山の道。
しかし、案内を信じて進めば、ちゃんと沼の原湿原の駐車場に到着する。
昨年は西トレイルから入ってしばらく歩かないと湿原には至らなかったが、駐車場からは5分ほどで木道に出ることができる。
時間が無い時や体力がない時はこっちのほうが断然楽だ。


      
  
まだまだ蝶も飛んでいた。 あ、お目当てのシラヒゲソウ。ほぼ咲き終わっているが、それでもたくさん咲いている。

      
  
湿原を歩く人はほとんどいなくて、草刈り機の音だけが聞こえる。2人の男性が草刈り機で木道の周りを整備してくれていた。

      
  
おお、これもお目当てのアケボノソウだ。昨年あった場所で見つけられずに多少慌てたが、それでもみつけることができた。
  花の大きさがわかるかな。アリンコが左写真の右側の花にくっついているのよ。
  4枚の花びらのタイプのアケボノソウもあった。


      
  
花束のようなリンドウやツリフネソウ。

    
  
カメバヒキオコシ、キツリフネ。

    
  
駐車場近くに戻ってみると、サラシナショウマのフワフワの白い花と、あらま、こんな場所にアケボノソウ。
  灯台下暗しでしたねぇ。たくさん咲いてましたよ。


  9時20分 駐車場到着。  9時30分 登山開始。  9時42分 リフト施設。  10時07分  ゲレンデのてっぺん。
  10時35分 樹林帯入り口。  10時47分 万坂峠からの道との合流点。  11時00分 山頂到着。
  11時10分 大明神岳到着。昼食休憩。  11時42分 下山開始。  11時52分 山頂。  12時05分 分岐。
  12時17分 樹林帯入り口。  12時40分 ゲレンデのてっぺん。  13時12分 駐車スペース到着。


  13時33分 沼の原湿原駐車場。  13時42分 湿原入り口。  13時55分 見晴らしのいい丘
  14時45分 駐車場。


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10月2日 菱ケ岳
10月最初の連休の土曜日、実はこの日は苗場山に登るつもりだった。少し早いかもしれないが、もう草紅葉が見れる頃のはずである。
実際、午前4時に起床、午前8時過ぎには苗場山の小赤沢コースの駐車場に到着していた。
だが。
なんだか霧が立ち込めるお天気だったのだが、雨は落ちないでいた。靴を履き替え、リュックを背負って、さあ歩き出したところで、いきなりの雨。しかも大粒。
慌てて自動車に戻ってしばらく待機していたが、雨は激しくなる一方だった。
どうしよう。雨具を着て出発しようか。
しかし、この雨では、まともな登山もできそうもない。
すっかり登る気力をそがれてしまった。
戻るか。
いやしかし、まだ午前8時を回ったばかりである。
ぐねぐねと曲がる小赤沢の駐車場から国道に出る林道を下りながら、これからどうするか考えた。
手持ちの地図は高層道路で無料で萌えらる冊子についている地図くらいである。
この場所からどこに行けば土曜の一日を潰せるのだ。
すっかり登山の用意もしているしさ。
ところで、日曜一日しかない休日の登山として私が考えていた山が2つある。
一つは米山。もう一つは安塚の菱が岳。どちらも日本海の眺望がよい。秋の日曜登山にはうってつけの登山時間の短い山である。
菱が岳かなぁ。
ものすごくザックリとした地図で見ると、意外に小赤沢から安塚は近いのである。
と、いうことで、ナビに案内してもらった。
それがまあ、すごいドライブでしたよ。
いや、全線ほぼ国道なんだけどね、これ、ホントーに国道ですか、と国土交通省に問い合わせたくなるくらいのほっそい林道でして。
国道117号で津南町から野沢温泉方面に走り、途中で国道403号へと左折する。この道ですよ、とんでもない国道は。
これ、そのまま伏野峠を通って信越トレイルを横切り、火焔石のある菱が岳の登山口に続く道で、正真正銘最短ルートだったのだが、心細い林道だった。
通る自動車もほとんどなく、標識なんて皆無。どこに連れて行かれるんだ、我々は、という不安だらけのまま、1時間半くらい走った。
午前10時少し前、なんか見たことあるな、という風景になり、左側に火焔石の駐車場が洗われた。間違っていなかった。ナビ、正しかった。
とにもかくにも潰しのために来た菱が岳である。
火焔石の駐車スペースには一台自動車が駐車していて、女性が二人登山の支度をしていた。
山に登るのかと思っていたら、あまりに霧がひどいので、山はやめて不動滝に行くと言っていた。
あれ、不動滝への道はロープで塞がれていて、通行禁止になっているけど。
なんだか慣れた人たちのようで、滝には行ったことがないので行ってみたい、とのこと。
とても急な道なので気をつけてと見送った。
さて、我々は菱が岳に登ろう。ここは、昨年のGWに積雪のある中登山道かどうかも分からずに登った時以来である。
雪がないと、こんなにも急登だったのね、と霧雨でどろどろになった道を登り、秋の彩りを探しながらあゆみを進めた。


      
  
不動滝の入り口にはロープが張られて、通行禁止に。
  登山道はドロドロだったが、秋の花や実があちこちにあった。ツルアリドオシやクルマバハグマ。


      
  
大木が道を塞いでいたりする。おや、ツクバネソウも羽子板の羽のような実をつけている。


      
  
沢沿いにはまだダイモンジソウが咲いていた。あ、ツルリンドウも実になっている。


      
  
登山開始からずっと濃い霧の中だったが、山頂に到着して、昼食を食べている間に下界が見えてきた。
  米山も見えたぞ。



     
  
下山時には青空も見えて、雨が嘘のようだった。これから見ごろの紅葉も捕まえることができた。


山頂で我々が帰ろうとしていたら、不動滝に行った女性二人が結局登って来た。不動滝も見れたそうだが、我々は行くのをやめておいた。
彼女らも団体でこの日に苗場山に登る予定だったが、昨日のうちに天候を理由に中止になったとか。
面白い偶然もあるものである。
ともかく、消化不良ではあったが、なんとか作ったおにぎりを見晴らしのいい場所で食べることができた。
とりあえず満足しよう。


  10時ちょうど  登山開始。  10時24分 須川峠からの道と合流。  10時55分  山頂到着。
  11時25分 下山開始。  11時47分 須川峠からの道と合流。  12時11分 登山口到着。


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10月3日 米山
そんなこんなで午前中に登山をし終えてしまった形の土曜日。その日のうちにやるべき家事はやり終えてしまった。
で、日曜日。
いいお天気だったのだ。
昨日の憂さを晴らさずにおけるか。
しかし、明日からまた一週間肉体労働をしなければならないと思うと、ガッツリとした登山は無理だ。
と、いうことで、日曜登山のためにリストアップした2つ、菱が岳ともう片方の米山。米山に登ろうじゃないか。
もちろん、水野林道コースである。
前日、早朝からドタバタしていたので、この日はかなりスロースタートで、登山口に着いたのは10時半頃。
予想はしていたが、駐車スペースはいっぱい。登山口へのアプローチの脇や林道にまで自動車があふれていて、20台以上になっている。
我々は軽自動車の利点で、ちょっとした隙間のスペースに滑り込んだ。


    
  
ズラっと並んだ登山者の自動車。今回も土を山頂に持っていくのに協力。


        
  
クロバナヒキオコシ、アキノキリンソウ、おや、クルマユリが実になっている。右はたぶんクサボタンの種がはじけたあとかな。


        
  
登りはキツイけど、ブナ林の美しいこと。しらば避難小屋の先の見晴らしのいい場所でススキと日本海がこれまたきれい。


      
  
あと100メートル石が出てきたら、山頂はすぐそこ。山頂の眺望もばつぐん。あははは、たわわに実ったヤマユリの実たち。


    
  
ちゃんと土、持ってきましたよ。右は山頂のバイオトイレ。


      
  
米山には古い三角点「原三角点」と、現在の三角点「現三角点」があるそうな。あ、マユミの赤が見事。


      
  
下山して、駐車場の花の中にたくさんの蝶が。左端の写真にカマキリがいるのが分かるかな?


とてつもなく暑い日で、汗だらだらかきながらの登山になった。
10月の天候は本当にワケがわからない。
それでも、2日連続眺望のいい山に登って、多少は苗場山に登れなかった気分も晴れた気がした。
この日の米山の山頂はざっと30人くらいの人たちで賑わっていた。
就学前の子供をつれたおじいちゃんやら、無線をしている人やらいて、本当に市民に愛されている山だな、と感じた。


  10時35分 登山開始。  11時08分 水野コースとの合流。  11時12分 しらば避難小屋。
  11時48分 山頂到着。  12時28分 下山開始。  12時55分 しらば避難小屋。
  12時59分 水野コースとの合流。  13時26分 登山口到着。


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  番外編  2021年紅葉めぐり

10月24日 
奥日光  
私の高校時代の旧友には紅葉フェチがいる。
日帰り可能な紅葉スポットを知っていて、毎年一番いい時期を狙って自動車を走らせてきたそうだ。
その彼女がぜひ見てほしいというのが奥日光紅葉で、彼女の見立てだとこの日あたりが一番紅葉している時期だろう、とのこと。
いつものメンバーでドライブすることになった。
ところが、今年は妙に暑かったり、急に雪が降ったりというおかしな天候の秋で、日光の紅葉は今一つだったらしい。
赤い葉っぱがないけれど、葉を落とした木も多い感じだった。
紅葉フェチはかなり悔しがっていたが、彼女がチョイスした中禅寺湖のカレーショップのカレーは絶品だったので、私的には満足、満足。


    
  立ち木観音の先にある中禅寺湖展望台からの風景。滝ばっかり巡っていた私はここの存在を知らなかった。
  フォトスポットの赤く染まる半島も緑色で紅葉はイマイチ。


    
  中禅寺湖金谷ホテルのコーヒーハウスユーコン。ここでは百年前のままのレシピのカレーが食べられる。
  コロナの影響で、テイクアウト形式の器だが、店内でも食べられた。すごく美味しかったけど、やっぱりちゃんとした食器で食べたいなぁ。


  
  戦場ケ原の木々はきれいに紅葉してました。


11月3日 
田子倉湖
さて、奥日光の紅葉に失敗してしまった紅葉フェチ。消化不良を抱えて、ここなら失敗のない場所でリベンジすることにした。
昨年も行った田子倉湖。
いや、ホントにここの紅葉はすごいです。
昨年よりもジャストミートな紅葉時期で、全山美しく彩られていた。
遠出しなくても、新潟には綺麗な場所があるじゃない。
あ、後半は福島県だったけど。
しばらく脳みそが紅葉の色で酔っ払ったようになってしまいましたよ。


    
  
田子倉湖の紅葉。すごいでしょ。

    
  雪蝕地形の鋭利な山肌が錦に彩られていてる。右はあいよしの滝。滝がよくわからないかな~。

    
  
日帰り温泉をいただいた只見町の温泉施設「季の郷湯ら里」も紅葉のただなかにあった。
  手打ちそばも美味でした。



11月15日
 
清水園
この日の紅葉狩りは、高校時代の友人たちとではなく、姉と行った庭園だ。
前日の日曜日に法事があり、姉が実家に来たので、亡くなった母との思い出のある温泉旅館に宿泊に行ったのだ。
あいにくの雨で、帰り道に立ち寄る予定だった秋葉区の中野邸は断念。あそこは山歩きがある。
では、どこがいいだろうと考えて、旅館の案内にあった名勝である新発田市の清水園に行くことにした。
幸いなことに、雨は大降りにならず、しっとりと濡れて色の冴えた紅葉を見ることができた。

    
  
武家屋敷の庭園である清水園には花がほとんどなく、かわりに色合いが美しくなる紅葉する樹木が多い、と、説明があった。

    
  
本当に色とりどりの紅葉が庭園内を彩っていた。

  
歩いているうちに、太陽が見えるときもあった。

  

  宿泊した月岡温泉では、広場に綺麗な色とりどりの灯篭が立てられて、夜は幻想的になっていたが、夜も雨。あまり散策ができなかったのが残念だった。


   清水園HP


11月23日 旧斎藤家別邸
本年の紅葉狩り最後を飾るのは、紅葉フェチおススメの新潟市内の庭園である。
恥ずかしい話なのだが、新潟市に長年住んでいながら、市内の歴史的建造物にはほとんど興味がなく、もちろん庭園にも感心がなかった。
ビルの立ち並ぶ場所の裏手にこんなに素晴らしい庭園があるとは知らなかった。
この日はあいにく風が強く、庭園に出ることができなかったのだが、新潟市特有の砂丘を利用した標高差のある庭園には落差のある滝などもあり、とても美しい。
新潟市では一番遅く色づくという紅葉も素晴らしかった。建物の案内もボランティアの人がしてくれて、なかなか勉強になる。
新潟市内に来られた最には、ぜひとも立ち寄って欲しい場所だと思った。

    
  
新潟市の中央区役所がすぐそばに見える裏通りにある綺麗な小路を行くと、斎藤家別邸がある。

    
  
強風のため、窓も開けられなかったが、レトロな波打つガラスの窓越しに見る紅葉は絵画のようだった。

    
  
2階からも1階からも庭が堪能できる。500円でお菓子付の飲み物もいただけますよ。

  斎藤家別邸HP

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10月31日 八石山

秋から年末にかけて、仕事が多少込み入ってくるために、連続するお休みがなかなかなくなってしまう。
ガッツリ登山しては肉体が疲労してしまって、次の週の労働に支障をきたす。
ということで、日曜登山は軽めにしているのだが、この日は晴れていた。
紅葉が見たい。紅葉のいい手軽な山はどこだろう。
ダンナは実は新津丘陵の山を提案してきた。
が、私としては、新津丘陵の山は今一つジメジメした印象が強く、せっかくの晴れの日に歩きたい山ではない。
歩きたいのは・・・。
八石山がいいなぁ。
八石山は印象がいい山なのだ。
明るい登山道、展望の良い山頂。ついでに近くに善根不動滝まである。
そう提案したら、ダンナがほう、という顔をした。
そうですとも、私はすっかり忘れてしまう脳みそを持っているのよ。
八石山の善根不動滝がわからの登山道は急登から始まるけっこうハードな道だったのでした。
それでも、こんなキツかったっけと言いながら登り、汗まみれになって山頂に立つと、とても気持ちよく周囲が見えた。
いつもはそんなにいない山頂にすでに2組の登山者がいて、昼食をとっている。
われわれもベンチを陣取り昼食。
意外に次々人がやって来た。やっぱり晴れの力は偉大だ。
いつものとおり、周遊ルートで久之木コースで戻る。日光サンサンの登山道にはたくさん蝶が飛んでいて、やっぱりこの山は好きだな、と思う。
ちょっと疲れたけど、リフレッシュできた日曜日になった。

      
  
この日の善根不動滝。光の回りがいい時間帯なら、紅葉も綺麗だったかも。あれ、狂い先のアズマシロカネソウがある。

      
  
善根不動滝からの登り。あ、橋が手すり付きになった。登りは相変わらず急だけど。
  おや、この花はなんだ?キッコウハグマという花だそうです。ちっさい花だよ。


      
  
息が切れたあたりで紅葉ゾーンに突入。この山は黄色い紅葉が美しい。

      
  
途中の視界が開けた場所からの風景。晴れていたけど、空気はかすんでいた感じだ。

      
  
山頂から、向こう側の山小屋が見える。紅葉の真ん中に立っているみたいだ。
  下山ルートは明るくて蝶がたくさんいた。右はオヤマボクチが逆光でライオンみたいになっている。


      
  
マユミの赤が時々みられる。下山時なので、目の高さに色づいた葉の波がある。

      
  
蝶は本当にたくさんいたね。

      
  
一緒に下山する形になった女性が花を摘みながら下っているな、と思っていたら、屏風滝上の不動様にお供えしていた。
  アキギリがまだこちら側では咲いている。

  10時30分 登山開始  10時56分 石川コースと合流。  11時07分 城址。  11時44分 八王子コースと合流。
  11時47分 ステーキハウスコースと合流。  12時07分 山頂到着。  12時41分 久之木コースへ下山開始。
  12時41分 下八石の道と合流。久之木コースへ。  13時ちょうど 御堂平。  13時30分 不動様。
  13時48分 久之木登山口到着。  14時04分 善根神社。  14時08分 駐車スペース到着。


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11月10日 戸倉山

戸倉山といえば、我々はいつも春、いや、初夏に登っている。
雪が残り、イワウチワが咲き、山頂では残雪の雨飾山や北アルプスの峰々の眺望が美しい山だ。
その山になぜ秋に登ろうと思ったのかといえば、ブナの紅葉が見たかったからだ。
ブナ林の美しい山であるのは春でもよく分かっていた。そのブナ林は秋になったらどんな表情になるのだろう。
行ってみてびっくり。なんと、春でも駐車場に数台くらいしかとまっていない山なのに、この日はほぼ満車くらいの自動車が駐車していた。
我々は知らなかったが、上越方面では紅葉スポットとして人気の山だったらしい。
そりゃそうだろう。舗装道路をそぞろ歩いて白池に行けば、あっという間に大自然の中に抱かれてしまう。
登山をしなくても、気持ちのいい時間を味わえる場所だ。
さて、我々も実にゆっくりと駐車場を出発。紅葉スポットの山を満喫した。

    
  
初めて気がついたが、原の家近くの道からは雨飾山の山頂がちゃんと双耳峰に見える。

      
 
 白池。これから登る戸倉山が光ように紅葉している。

      
  
午前中の光で輝く山。朝は寒かったらしく、草はたくさんの露がついている。角間池も秋の風情。

      
  
秋のブナ林。ちょっと紅葉には遅かったが、青空に伸びる木々が綺麗だ。

      
  
ホツツジは赤くなるのね。モミジの赤が目立つ。

      
  
モミジの向こうに北アルプス。

      
  
山頂からの雨飾山と北アルプス。一番右はアップにしてみた北アルプスの一座。雪がキラキラ光っている。

      
  
ツルリンドウの実が鈴なり。下山時は日陰になる山肌だが、それでも錦の紅葉が綺麗だ。

      
  
下山時の白池。一番右は逆さ雨飾。まるで絵画のようだ。

  11時13分 登山開始。  11時24分 見晴らし台。  11時38分 白池。  12時01分 角間池。
  12時12分 稜線。  12時35分 山頂到着。  13時05分 下山開始。  13時18分 稜線終わり。
  13時27分 角間池。  13時49分 白池。  14時13分 林道を歩いて、駐車スペース到着。



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11月28日 視後平滝
日曜日だけの休日。こんな時は時間をかけずに見ることができる滝に行くのが一番だ。
この季節ならもうヒルもいないだろうので、ヒルが怖くて夏場は近づけない滝に行くことができる。
そんな滝で見ごたえのある滝は2つ。一つは阿賀町の旭滝。もう一つは五泉市の視後平滝。
今回は視後平滝に行って見ることにした。

  
多分菅名岳かな。山頂付近が白くなっているが、まだ裾野あたりは紅葉している。

      
  
この日の視後平滝へ行く道の沢は増水していて、いつもなら飛び石で渡れる場所もとても無理な状態だった。
  流れの状態をよくよく見て、なんとか渡渉できる場所を探して渡るが、渡った先はもちろん遊歩道ではないので、藪だらけ。
  藪をかき分け遊歩道に復帰した時にはドロドロになってしまっていた。
  しかし、沢から離れて視後平滝が見えた時には、やっぱり見栄えのする滝だと感動する。


      
  
落ち口。キュキュッと曲がって落ちている。受け止める滝つぼは浅い。裏見もできそうな滝裏のくぼみは、狭いのよ。

    
  
もうドロドロになったので気にもしないで藪をこいで渡渉した沢の上流の視後平夫婦滝(仮)にも行く。
  この滝も綺麗なのよね。


      
  
いのはな橋の滝(仮)も健在。水量が多かった。滝に向かって左隣にも水流が落ちているのを発見。
  どちらの滝も工事現場の仮設事務所の鉄板張の向こうにあって、藪がひどくて、よく見えなかったのが残念。

  

  滝の道を挟んで向かい側に流れる早出川。


 
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