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夫婦滝
林道の橋から見た夫婦滝。
直瀑ではあるが、
向かって左側の岩盤の形状で
みつあみになっているように見える。


季節と時間によっては
虹が見えることがある。


この日午後1時半の虹は
滝つぼ近くで二重になっていた。
上にもちょっと虹が見えますか?


大きさ比較。
ダンナは滝つぼの縁に立っている。


下側に橋のガードレールを入れてみた。
水量が多くなったら、
ダンナの足元の岩盤全てに
水が流れるんじゃないかと思う。
そうなったら、かなり見事な滝だ。
2006/9/9  夫婦滝(落差15M?) 朝日村
高根の集落にあったイラスト地図看板には、鈴ケ滝の他に鼻声の滝、つつみの滝、それともう一つの滝が描かれてあった。
鈴谷にかかる滝ではなくて、鈴谷が流れ込む高根川に同じように流れ込んでいる藤倉沢の支流の滝である。
実は以前から藤倉林道の存在は把握していた。が、いつ見ても入り口が鎖で閉ざされていた。つまり、自動車では入れない場所なのである。
イラスト地図と2万5千分の1の地図をよくよく見比べて、入り込む沢の感じからだいたい1キロも歩けば夫婦滝に出るはずだと踏んでいた。
林道を15分。楽勝のはずだ。
が、午前中でカラカラに乾いてしまっていて、できればそんなに歩きたくない気持ちだった。
幸い林道の入り口には広めの退避スペースがあって駐車するには困らない。
さっさと片付けるつもりで歩きだした。
林道はほとんど平らな道で、右手に藤倉沢を見ながら歩く。
たいした花も咲いていないし、歩みも速い。これは本当にさっさと片付けられるかも。
と、思ったら、日陰になった林道の水溜りからふわっと飛ぶものがあった。
カラスアゲハだ。ものすごく暑かったこの日、蝶も喉が渇いたと見える。林道の水溜りで吸水していたのである。
この林道にはカラスアゲハが多かった。
  
これはカラスアゲハ。
右の藤倉沢から道がつづれ折になって登りながら離れてしまうような場所に出た。このまま沢から離れたら滝どころではないなぁ。でも、地図では藤倉沢ではなくて、藤倉沢に流れ込む支流の滝になっているから、きっと林道が支流を跨ぐ橋になっているはずである。
信じて進むと、自動車を降りて15分ほどで橋が見えた。
たぶん、あれだ。
でも、滝らしい音がしないし、滝らしい姿も見えないし。
橋を渡るくらい近くなって初めて奥まった滝が見えた。見事な直瀑である。
おや、橋の向こう側のたもとには、しっかり夫婦滝と書かれた石碑まである。これはもう間違いなく我々の求めていた夫婦滝だ。
  
手前のタマゴ型の物体が石碑。文字がぶっとびました。
でも、1条じゃないの。いったいどうして夫婦滝?
あとから調べてみたら、どうも水量の多い時期には2条になるようである。流れの雰囲気を見た感じでは2条になりそうもなかったのだが。
で、どうして夫婦滝なのか、その場であちこち見てみた。
旧村松町の夫婦滝のように上下2段なので夫婦という場合もあるので、橋の下に滝はないかと見てみたり。
よくよく見ると、直瀑の滝つぼから橋までの間にもう一段あって、そちらが水量が多い場合は幅広の滝になりそうだった。この幅広の滝が直瀑を受け止める形状から夫婦滝と言ったのかもしれないなぁと勝手に想像していたのだが。
  
滝つぼ下の岩盤の流れ。水量が少ない時はこんなもの。
その滝つぼの下の岩盤を登れば滝つぼを見ることができるかも、と思ったのだが、どうも滑りそうで怖い。今日は全く登山する気もなかったので、ただのウォーキングシューズである。
と、ダンナが向こうまで行かないのか、と聞いてきた。行けるもんなら行ってくれ。大きさ比較写真が撮りたかったのだ。
ちょっと滑りがちになりながら、ダンナは岩盤を登って滝つぼまで行ってくれた。
しばらくして、おい、とこちらを見る。
「虹が見える」
え、虹?
太陽の直射が滝に当たっていたので、角度によっては虹が見えるだろうなぁと思っていたのだ。虹か。虹が見えるなら話は別である。滑ろうが転ぼうが、私も行かざるを得まい。
先に登ったダンナからそこは滑る、そこは滑らないという指示をもらってなんとか滝つぼに到着。
あら、本当に虹が見える。しかも2重の虹だ。
滝つぼのすぐそばに水しぶきにそってふわーっと半円を描いている。
滝つぼはそれほど深くないが、水がとても綺麗だ。
しばらく太陽と滝の出会いを楽しんだ。
ところで、この夫婦滝、橋から見上げるとはっきり落ち口にガードレールが見える。
我々が歩いてきた林道がすぐ向こうでくきっと曲がって登って行き、滝の上に出るらしい。見た目上、ちょっといただけない。
  
落ち口のアップ。すぐ上に白いガードレールが見える。
滝つぼまで登って行けばガードレールは隠されるのだが。
登って落ち口の様子を見てみようかとは、あまりの暑さで考えなかった。
満足して、帰りの道を歩く。
帰りでもカラスアゲハが吸水していて、我々を楽しませてくれた。
  
こちらはミヤマカラスアゲハ。違いはダンナにきいて。
林道入り口が鎖で閉ざされているが、徒歩でほとんど平らな道を15分ほどなので、滝好きなら行ってみても損はない滝である。
水量の多い2条の時に見てみたいものだなぁと思った。
交通
最も近いICは、今現在は日本海東北自動車道の中条ICである。将来山形に向かって伸びるので、もう少し近いICができることだろう。
中条ICを降りて左折、県道をしばらく走ると国道7号線に突き当たる。ここも左折。山形方面に向かう。
村上市に入って、ジャスコを通り過ぎたあたりに鈴ケ滝など名所の案内矢印の書いてある交差点に出る。そこから入ればわかりやすい。あとは、高根方面に向かって進めばよい。
高根集落に入ると、本文中で紹介したイラスト案内図が目に入る。すぐ右に橋がある。この橋を渡ってすぐ左折。川沿いに川を左に見て走る感じの小道に入って行く。鈴ケ滝という看板もあるがとても小さいので見落としがちである。
この林道をしばらく走り、杉の林の中に右側に鎖で閉ざされた林道がある。これが藤倉林道。
  
藤倉林道入り口。
林道の入り口のほんの少しだけ先に駐車できるスペースがあるので、そこに自動車をとめて、徒歩で15分ほどで夫婦滝である。


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