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黒滝
やっと水がながれている黒滝を撮影できた。
ただし、この黒滝は上半分である。



大きさ比較。
滝からダンナまでは少し距離がある。



滝の下半分は、
ご覧の通り流木に覆われている。
流木というよりは、大木を含んだ
土砂といったほうがいい。



落ち口にも流木がたくさん
ひっかかっていた。



岩盤は黒く、細かな凹凸がある。
もう少し水量があったら、
表情が豊かなよい滝になるのに。





こちらは、黒滝の左側にある
別の沢の小滝である。


大きさはこんなもん。
ただし、沢なので、かなり上までこの急流だ。



左がわからもかなり細いが
水流が流れ込んでいて、
V字の滝になっている。



で、これがその滝の一週間前の姿。
水、無いじゃん。
2007/3/11  黒滝(落差35M?) 弥彦村
この滝は、一昨年弥彦観光協会のホームページで存在を知り、以来探していた滝だった。
すぐ近くに南沢という小滝の連続する沢があり、毎年のように訪れているのだが、この滝ばかりはみつけられなかった。
それが今年、新潟の滝好きのつながりで知り合ったYouさんがこのあたりの沢を調べ、これがそうではないか、という場所を発見した。
さて、そんな経緯も踏まえて、3月4日。雪割草を見に南沢にYouさんご夫妻となんちゃんと我々、合わせて5人のミニオフを行った。
  

  
3月4日の雪割草。今年は1ヶ月早い。
南沢を遡上して、可憐な雪割草を撮影しながら進み、途中の分岐で黒滝城址への道に切り替える。黒滝城址で昼食をとったあと、林道黒滝要害線でテクテクと進みながら、黒滝の源と書いた碑の場所をYouさんに示した。
  
「黒滝の源」の碑とその源。水はなく、シミみたいだ。

  
ちゃんと見事な石碑はあるのに。
これが源であるとしたら、自分がそうではないかと思っている場所は黒滝に間違いないだろう、とのこと。とにかく要害線を急ぎ足で下る。
要害線は黒滝の源の沢を軸にぐねぐねと曲がりがら下って行く。しかも、小沢がけっこう多く、さてあの源から直接下っている沢はどれなのか、よくわからなくなる。
とにもかくもに、県道404号から林道要害線に入って最初の大きなカーブ、2004年の水害の際に土砂崩れになった場所を新しく補強したあたりまで下って、この沢の上流に黒滝らしいものがある、とYouさんが案内してくれた。
その時に見た黒滝が下の写真である。
  
3月4日の黒滝。滝っていうより、崖。
水がほとんど流れていない。流れていないというか、むしろただの崖というか・・・。
だが、これがそうだよ、と案内されてすぐにこれこそが黒滝だろう、と直感した。
なにせ、お城の名まえの由来になったくらいの滝である。そのあたりの小沢の小滝ではすまないと思っていた。ところが、目の前に示された黒い崖は、高さにして30メートルはありそうなものだ。
もしこれに水が流れていたら、さぞ見事な滝になるにちがいない。
位置的にもあの黒滝の源から下に下ったあたりにありそうだし。
たとえこれが黒滝でなくても、新潟の滝にこだわってあちこちめぐっている我が家とYouさんの意見が一致すれば、黒滝に決めてしまってもいいんじゃないか。
ということで、黒滝に決定した。(←おいおい)
しかし、それにしても水が無い。
水がなければ滝とは言えない。ぜひとも黒滝が流れている姿が見たいものだ。
だが、この崖に水が集まってくるとしたら、それは大雨か台風の時くらいしかないだろう。そう意見が一致した。
ところが、翌週は雪だった。
3月の雪が弥彦山塊にもうっすらと積もり、週末までとけずに残っていた。
雪解けであれば、あの崖にも水が落ちるかもしれない。
地元の利を生かして、3月11日、黒滝を覗いてみることにした。
雪は当日も降っていたが、時折晴れ間も覗く。
まだ3月末日を過ぎていないので、ゲートが閉ざされている県道440号線麓間瀬線の入り口に自動車を止めて歩き出した。
  
この写真は3月4日のものです〜。
歩き出して、いきなりあられが降り始めた。ばらばら降って来る。
こんな日に滝を求めて歩いているなんてパカだよなあとつくづく思う。
だが、すぐ左に流れている川の水量は明らかに先週より多い。
途中の涸れかけていた沢も滝と言っていいくらいの流れになっていた。
  
搦め手道の入り口の脇をテクテクと通り抜け、

  
うっすら雪の積もった道を歩く。

  
途中の小沢も滝になっている。分かりづらいでしょうが。

  
上の小沢の前にある「馬なんとか」と書いている碑。

  
もう、みんな滝状態だ。

林道の入り口に着く。林道と平行して流れている沢も流れは多いようだ。ちょっと期待してガードレールをまたぐ。
林道の入り口から数えると堰堤が2つあるのだが、その2つ目の堰堤のあたりから沢に入る。そこまで登ってしまうと、沢は跨げるくらい細くなる。この細さではやっぱり水は落ちていないか?
少し遡ると沢は二手に別れ、黒滝は左側の沢に進む。左側に入ってすぐに黒滝の崖が見える。
あ、流れているよ。
水の流れを示す白い筋が遠くからでも見てとれた。
もちろん、滔々と流れているわけではないのだが、それでもしっかり滝とカウントできるくらいには流れている。やはり雪解けの水を集めて滝になるのだ。
気がつくと、黒滝の左側の沢のほうがむしろたっぷりと水が流れて滝になっていた。
先週来た時にはほとんど水がなく、涸れ沢状態だったのに。このあたりの沢は、雪や雨によって出没したり消えてしまったりするのか。

ところで、黒滝だ。
見事な岩盤の落差30メートル以上の滝なのだが、巨木が何本も根元から崩れ落ちて滝の下半分を隠してしまっている。生半可な量ではない。どうも左側の斜面が木ごと崩落したようだった。これも2004年の水害の時のものだろうか。
気がつくと滝の落ち口にもたくさん木がひっかかってたまっていた。これでなお水流が分散されてしまっているのかもしれない。
我々はかなり気楽に滝の直下まで行っているのだが、もし地盤が緩くなっているとしたら、いつこの木々が落ちて来るかわからない状態である。
大雨や台風の時であれば滝の水流の増加も期待できるのだが、その分危険も増大することになる。訪れやすい滝ではあるのだが、できれば安易には近づかないほうがいい場所かもしれない。
せっかくの黒滝城の名まえのもととなった滝だし、落差もかなりある滝なので、この木々を撤去して、危険な場所には近づけない工夫をしたうえで見学できるように整備してほしいものだが、沢の形状からして無理な話なのだろうなぁと思う。
でも、だったら、観光協会の地図とか、黒滝城址の地図からは黒滝という名称ははずしたほうが安全なんじゃないか、とも思うのだがどうだろうか。

ともあれ、懸案だった黒滝をついに発見、やっと流れている姿を見ることができた。
弥彦山塊が天候によっては意外にも大瀑布を掛ける可能性のある山であることもわかった。これは大収穫だった。
交通
県道2号線から県道440号に入り、(県道440号は3月31日まで冬季通行止めでゲートが閉ざされる)少し進むと左側に林道黒滝要害線がある。
  

上の写真、青い矢印が県道440号。赤い矢印が林道黒滝要害線。中央の矢印看板には緑の文字で「黒滝城址森林公園」とある。その森林公園のほうへ向かう。
  

で、これが林道黒滝要害線の入り口。水害工事のため閉鎖されている。まだ崩れている箇所があったので、閉鎖は続くかもしれない。
  

上の入り口からちょっと歩くと左手に2つ目の堰堤がある。赤い矢印のあたりだ。そこから沢に入る。沢と言ってもほんの小沢なので心配ない。
  

その小沢は意外にもいくつも分岐している。左、左と進み、最後に分岐する場所は上の図のように赤いほうが黒滝。青いほうがV字の小滝になる。ただ、分岐と言ってもほんとうに小さな沢なので、迷うこともないと思う。
ただし、土砂崩れの危険性のある滝なので、雨後などは極力近づかないほうがいいと思う。


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