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旭滝
水量豊富な旭滝。
比較対象がないので、小さく見えるが、
県内屈指の大瀑布である。



滝前の大杉を入れると大きさが分かるかな。
実はきれいな分岐瀑なのだ。



これは、川にたどりついて滝を見た図。
杉が邪魔して滝が見えない。



この杉、本当に大杉なのよ。
この界隈は、古い巨木の朽ちたあとの
株などがたくさんあった。



これは不動様の小屋あたりから見た滝。



落ち口。
跳ねあがってました。



滝つぼ。
分岐瀑なので、比較的浅い。


2018/12/23  旭滝  阿賀町(旧上川村) (落差25メートル)
2018年の冬は、12月に入っても最高気温が10度以上になる日が続き、ずっと秋のまま年を越すのかと思うくらい暖かかった。
クリスマスが近づいても冬になる気配さえなく、クリスマスあたりの連休に県内の滝を見に行けるかもしれない、という状況だった。
そうなると、我々の脳裏に浮かぶ滝がある。
旭滝だ。
こいつは、春から秋にかけては、大量のヒルが出現する場所にある滝で、絶対に近づきたくない滝である。
冬になったらなったで、積雪の深い場所にあり、林道も除雪されない。
無知のまま2007年の暖冬の冬に行ってみたら、偶然にも除雪のためのブルトーザーに出くわし、除雪する道ではなかったのに、善意で除雪してもらい見ることができたが、そんな偶然もないし、迷惑もかけられない。
だが、今年はどうだ。なにせ、雪が降っていない。つまり、ゲートが設置されて通行止めにでもなっていない限り、行けるのである。いくら暖かいとはいえ、まさか12月にヒルは出現しないだろうし。
チャ〜ンス。
行くしかないだろう。
ということで、行ってきましたとさ、旭滝。
前回の印象があまりにも濃かったために、そんなに月日がたっているとは思っていなかったが、なんと11年ぶりの訪問だ。
思惑通り、林道には雪が全くなく、滝の入口の目標になる西山日光寺まで標高を上げるとうっすらと積もっている程度だった。

    
  
雪にたたずむ日光寺。積雪はこんなもんでした。

長靴に履き替えて、さあ、出発だ。
前に来た時にはちゃんと立っていた滝への案内も落ちていて、直されていない。やっぱりあまり滝に来る人もなく、行く道も整備されていないんだろうか。
杉の林の中に入り、こんな道だったかな、と思いながら斜面を下る。

    
  
落ちた案内看板。少し下った林の中の看板はなんとか生き残っていた。

    
  
踏み跡はなんとか分かる程度だ。雪があるとまったく分からなくなるだろう。

下りきると小さな沢にあたり、道が本当に不明瞭になった。
あとで、以前のレポを見てみたら、やっぱりここで迷っている。
真冬来た前回はここで道を誤り、沢の手前で斜面を登ってしまっている。まあ、前回は真っ白な雪の中歩いたんだから仕方ない。仕方ないにしても、よくもまあGPSも持たずに闇雲に滝を目指した。滝に着けたからいいが、下手したら遭難である。11年前の若い自分に無茶はやめたまえ、と言いたくなる。
小さな沢で迷ったが、沢を渡ると、倒れた樹木の向こう側に見えない感じで踏み跡が続いていた。
相変わらず不明瞭ではあるが、踏み跡なんじゃないかな〜という場所を少し登ったり下ったりしながら進むと、やがてジグザグに急降下する場所に出た。
ここまで来れば水音がして、木々の間に滝の姿を見ることもできるようになる。

      
  
下っている最中に滝が見える。下りきったら滝は杉の向こう側。川は増水していた。

斜面を下りきって、川に出る。
げ、増水している。
え、えーーー、ほぼ秋の感覚で来ているので、てっきり水は少ないのだと思い込んでいた。
これでは滝に近づけない。
私は以前来た時にも川を渡れずに、仕方なしに左岸の道なき道を藪こぎして滝に近づいた。だが、今回は左岸側も増水していて、まったく無理だ。滝に近づくには対岸に渡る以外手はない。
うーーーーむ。
ダンナは飛び石で対岸に行ってしまった。しかし、私はその飛び石を飛んで渡る自信も筋力もない。どうする?
仕方がない。上流は完全に渡れないのは見てとれたので、下流に向かって歩いて行き、渡れそうな場所を探すことにした。
しばらく歩いて、ここならなんとか、という場所が見つかった。飛び石と、やや浅くなっている川と、対岸には倒木があり、枝が川に張り出している。あれを掴めば、たぶん渡れる。
ちょっと怖かったが、長靴の長さギリギリの浅瀬を選び、対岸の枝を掴んてで渡ることができた。
心配したダンナが迎えに来ていた。
その心配も分かる。渡った場所から滝までは完全に藪漕ぎになる。小さな沢も渡らなくてはならない。道は思ったより険しい。
それでも、水量の多い川をジャンプして渡るよりずっと気持ち的に楽だもの。藪漕ぎは慣れているし。がさがさ笹をかき分けながら斜面を登って行く。
登って行くと、崩れかかった小屋のような建物が見えた。小屋というよりは覆いか。中を見ると、不動様とおぼしき石像があった。滝と不動様はセットである。この滝も不動様として信仰されていたのだろうが、小屋の崩れ方からして、だれも祀らなくなって久しそうだった。

      
  
毎度おなじみ藪漕ぎ。崩れかけた不動様の小屋。

さて、滝。
水量豊富に落ちている、大迫力の旭滝である。
こんなにすごい滝なのに、新潟の名瀑にもあげられず、ほぼ紹介もされていないのは、本当にもったいない。
が、この「んがお工房」も、この滝はオススメの滝にはできない。ヒルがね〜。あれは、本当に洒落になんないのよ。あれさえいなければ、百選を除いたら新潟では3本の指に入る名瀑なのよ。滝のせいではないけれど。
左岸からの撮影が不可能のなで、今回は一方向からだけしか見ることができなかったが、それでも水量の多さに満足できた。
さて、戻るか。
ところが、私、どこで渡ったのか分からなくなりました〜。あちこち探してジタバタして、結局片足濡らしてダンナに助けられながら渡渉。冷たかった〜。
そして帰り道、これがけっこうキツい登りである。
いくら暖冬でも12月の気温で汗まみれになってようやく日光寺に戻りついた。

    
  
帰りのキッツイ登り。日光寺の山門が見えてほっとする。

  
山門の向かいに滝前の不動様と同じくらいの古さと大きさの石像があった。

帰り道、テレビで見た阿賀町の名物になりつつあるあんかけラーメンを食べてお腹も満足。
12月にしてはガッツリと県内の滝を堪能できたのだった。

                     2004年5月の旭滝のレポはこちらから

                     2007年1月の旭滝のレポはこちらから

交通
 
磐越自動車道津川ICを降りて、国道49号線に出る。右折して福島方面に進む。すぐに「津川警察署前」という交差点になるので、ここを右折。あとは、道なりに進めばよい。
途中でかなり不安になるが、高速道路をくぐって少し行くと右手に姥堂川という小川が見える。これに沿って進んで行くとやがて払川という集落になる。
集落内は道が細いので注意が必要。
ここから林道をかなり登って行く。目標は西山日光寺である。しばらく細い道を進むとT字に出る。正面に案内看板がある。日光寺は左折。1分も走らないうちに山門が右側に見える。自動車は山門前に駐車できるし、日光寺の広い駐車場もある。
滝の入り口は山門からもう少し先に行った所の左手だ。
林道から滝の落ちる川まではずっと下りで20分。ただし、川に出た場所からは滝の全容は見えない。がんばって対岸に行けば滝前までは踏み跡がある。対岸まで行かない場合は踏み跡なんだかわけのわからないシダの間を掻き分けて進んで行くことになる。しかし、増水している場合はどちらにも行けない場合もある。長い長靴があったほうがいいだろう。
もちろん、軍手は必需。足回りもきっちりしたほうがいい。ヒル対策も万全にしたほうが安心だ。

上記は夏場の場合の交通案内である。
冬場は、払川集落までしか除雪されていないと思ったほうがよい。


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