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2005年5月の杉川上流の滝はこちらから




杉川上流の滝(仮)
最も近くまで寄れる場所まで行って撮影。
滝と我々の間に杉川が流れている。
下から見上げているので、
一番上の段の落差がそれほど無いように
見えてしまうが、実際は下の写真のように
なっている。



稚拙な図ですみません〜。
登山道から撮影したので、
木々が邪魔で滝がよく見えない。
三段の滝で、赤い線が段の位置。
一番下の横線が杉川。




滝に向かってやぶこぎ
杉川の水の綺麗なこと。




大きさ比較というにはちょっと距離が。
この位置からだと一番上が見えない。




滝の上流にも滝が。
いや、これは岩盤から飛び出ている。
取水口からの水路から溢れた水だろうか。




滝の下流にある水道設備との対比。
水道設備の建物が右端の中央やや上にある。
どうも、少なく見積もっても
滝の落差は50メートル以上ありそうだ。
2007/3/31  杉川上流の滝 (落差50M以上?) 五泉市(旧村松町)

実はこの日、この場所に来たのは、この滝が目的ではなかった。
ここに至る道にたくさんカタクリが咲くというのを以前に来た時に知ったので、今年の咲き具合はどうか確認しに来たのである。
そのついでに五泉市にある『水芭蕉公園』の水芭蕉が開いたというので、ちょっと寄り道。
思っていた以上に広い湿地があり、そこに思っていた以上にたくさんの水芭蕉が咲いていた。ここにはショウジョウバカマやオオミスミソウなどもあり、手軽に山野草が楽しめる。水芭蕉の季節でも身障者やお年寄りは近い場所に駐車させてくれるので、山歩きが無理な人でも自生する水芭蕉が見ることができる。
    
   
公園にはなっているが、水芭蕉は自生しているものだそうだ。
すっかり山野草を堪能したつもりになって、杉川の上流に向かった。先週まで雪があったのだが、すっかり消えてチャレンジランド杉川まで楽に自動車で行くことができた。まだオープン前の施設でコンビニおにぎりとカップラーメンの昼食をすませて、その奥にある登山道の入り口まで行く。
多少の落石はあったが、自動車で通行するのに困難はなかった。
雪解けであるし、雨がちでもあったので、長靴をはいて出発。
ふといつものコースに下るつもりで気がついた。
杉川上流に行くいつものコースに下る道と分かれている道は、杉川に流れ込む柴倉沢の上流の方に続いているようだった。そっちの道へは行ったことが無い。
地図によるとこの柴倉沢の上流にヌケマノ滝という滝があるはずなのだ。
昨年はこのヌケマノ滝を探して水無平を経て木六山へ登る登山道を少し登ってみたが、沢からどんどん離れてしまって滝を確認できなかった。だが、この道を辿ったことは無い。
行ってみるか、ということになった。
道は右手に柴倉沢を見下ろす形でほぼ水平に続いていた。
どうも取水のための大きな管が埋めてある道らしく、最初は登山道にしては広い感じだった。が、すぐに行く手が崩れてしまって、いったん河原まで下りないと進めなくなった。河原におりて、もう一度さっきと同じレベルまで戻ってみると、道らしいのは、実はコンクリートでできた水路のようなものだとわかった。
ただし、もう水路ではなく水は通っていない。両側が崖という形になった柴倉沢にへばりつくように水路は続いているが、どうにも危険な感じがした。何時崩れるかわからない崖である。
前方はるか向こう側までコンクリートの人工の軌跡はあるのだが、先に進まずに断念した。とにかく急峻な渓谷だ。
ふと見ると対岸になんとロープが下がっている。そして、そのロープの上のほうは、どうも階段状に踏み跡がついていて、なんらかの道になっている様子だった。
今は雪解けで水量が多い柴倉沢だが、夏場などはもしかしたら渡渉できて、そのロープで上まで登り登山ができるのかもしれない。
って、イヤだよ、ほとんど垂直に10メートルくらい滑りそうな岩盤をロープで登る必要がありそうだ。
その道の先まで行けばヌケマノ滝が見られるかもしれない、と言われても、私は行きませんってば。夏には絶対にヒルがいるし。
    
   
柴倉沢の戻った場所で撮影。切り立った崖が迫っている。右はチャルメルソウ。
さて、そこまで行ってあっさり戻り、本日の目的のカタクリを探しに行った。
今度はちゃんと橋で柴倉沢を渡り、杉川の上流に向かう。
途中、生まれたてのエンレイソウなどがあったが、まだイワウチワは咲いていずに、少し早かったかな、という印象だった。昨年たくさんのカタクリが咲いていた場所に着いたが、まだ小さな葉っぱが出ているにすぎなく、やっぱり早すぎた。
どうせここまで来たんだから、と、つり橋のある所まで行ってみることにする。
すると、対岸の岩盤からかかる滝がちらりと見えた。
うわ、あの滝はこんなに大きかっただろうか。
前回は5月でもう新緑が芽生えていて上の段がほとんど見えなかったのだが、今回は大きく三段になっている滝のほとんどが見える。
一番上の直瀑部分が想像以上に落差があるのがはっきりと見てとれた。
それに、水量が多い。
一番下の段などは、以前の何倍ものボリュームになっている。
これは、本当に見事な滝だ。
行くつもりはなかったが、あまりの見事さにつり橋の下まで行き、杉川を右に見ながらやぶをこいで滝の近くまで行ってみた。
いや、立派。
滝は雪解け時期に限る。
驚いたことに、滝の最下段は岩盤の中で伏流して、上流に分かれて飛び出している。いや、あの飛び出している部分は上流の取水施設から引かれている水路から飛び出しているのかもしれない。杉川の対岸の岩盤の中にはトンネルのように水路ができているらしいのである。
見事なので近づいて行ったが、降りだしていた雨がだんだん強くなってしまった。これでは帰るまでにずぶぬれになってしまう。
いつまでもその場にいるわけにもいかず、戻ることにした。
思いがけず立派な滝の姿を見ることができた。この滝に名まえのないのは本当に惜しいことである。
交通
最寄ICは、磐越自動車道安田IC。県道41号を経て国道49号に出る。三川方面に進む。馬下の交差点で左折。今走っていた道路を立体で渡り、さらに馬下橋で阿賀野川を渡る。そこから国道290号になる。国道290号をはずれないように村松町に入る。村松公園の前を通る県道17号へと入る。あとは左に早出川を見ながらしばらく進む。
左側に親水公園があるがそれを通り越してやや走ると、右折するとチャレンジランドであるという表示板が出てくる。
早出川に注ぎ込む杉川に沿って道が走っているので、その道へと右折。あとはとにかくチャレンジランドの案内どおりに進めばよい。
チャレンジランドの立派な建物が見えたら、それを通り越すように自動車を進めて、その先の林道に入り、5分も走らずに終点になる。
10台以上とめられる駐車スペースになっている。
  
写真の一番奥あたりから木六山への登山道がある。こちらに行けば杉川上流の滝を見ることができるつり橋にたどりつける。
ただし、5月から雪が降るまでヒルが確実にいるので、対策が必要である。
また、登山道を外れる場合は危険もともなうので、各自で責任を持って行動するように。間違っても床板のないつり橋を渡ろうとは思わないように(こらこら)
水無平へ行く道は上の駐車スペースの写真で言うと、奥の青いクルマのあたりから左に入っていったん山を登るかのように見える道である。
木六山への登山道に入るとすぐに沢を渡るのだが、どうもこの沢の上流にヌケマノ滝があるようだ。水無平への道はこの沢に沿っている、と地図にはある。が、実際の水無平への登山道は、上の写真の手前の白い車の後ろくらいにある。踏み跡程度だが、登山道であるという杭が立っている。
柴倉沢沿いに伸びる道も実際にあるのだが、古い水路の跡があるだけなので、危険である。
  
登山道入り口にある地図。現在位置からグシノ峰のほうに伸びる赤い点線が杉川上流の滝へ行く道だ。



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